ナミビアを旅する㉘ 首都「ウィントフック」Part3 〜観光名所ヒルトンホテルと不思議な木の実マルーラ〜

2021年6月17日、天気晴れ。

ナミビアの歩き方

午前0時。もちろん私はグッスリと寝ていましたが、いよいよ今日から首都ウィントフックが封鎖されました。果たして街はどのようになるのか…。異国の地で初めて経験するロックダウン。しっかりとこの目で見ていきたいと思います。

首都封鎖スタート

と意気込んでいたのですが、外に出ると案外いつもと変わらない日常の景色が。車の数が気持ち少ないかなぁという感じですが、タクシーは普段通りクラクションを鳴らして客を集め、乗客数の制限も気にはしていない様子です。警察に見つからなければOKという感じなのだと思います。

お店も通常通りオープンしていて、レストラン内での食事もできるので少し気になっていた飲食の心配もなさそうです。しかしその中で変わったなと感じるのはマスクをつけている人の数。昨日も感染者数が増えたというニュースが流れ、人々のコロナへの警戒意識が上がったのかもしれません。

街中をタクシーに乗って移動していると、警察署の前には人集り(ひとだかり)ができていました。PCR検査の特設ブースです。体調に不安がある人たちがここで検査を受けられるとのことでした。密閉空間を避けるための外に設置された検査ブースのようですが、かなり多くの方が列をつくって並んでいました。無料で検査を受けることができるのも人が集まる理由かもしれません。この分だと検査数も増えるため当面の間は感染者数は増加していくだろうなぁと予想できます。

逆に人の姿がパタっと消えたエリアも。長距離移動のコンビ乗り場は今日から実質営業がストップします。緊急の事情がある人の行き来に関しては移動の特例が認められるそうですが、そのチェックもしっかり行われているようで、敷地には警察車両が。街を行き交うパトカーも今日は多く見かけました。

そんな本日はずっと宿の中にいるのも人との接触を避ける一つの手ですが、それだとせっかく首都にいるのにもったいない。さぁどうしようかと考えて思いついた行き先がウィントフックのランドマークになっているヒルトンホテルです。

ヒルトンホテル

もう言わずもがなの世界のヒルトンはアフリカ各国の主要都市にもホテルを所有しています。ここウィントフックのヒルトンホテルはその建築が特徴的で、この建物自体がナミビアのシンボルの一つとして捉えられています。

ただここは誰もが知る高級ホテル。バックパッカーが気軽に来れるような場所では本来はないんです。本来は!

私もここ以外のヒルトンに行ったことがないのでわかりませんが、ウィントフックのヒルトンホテルのスタッフのみなさんは常にウェルカム!今回はコロナ禍ということで名簿に名前と電話番号を記入して、検温をしてから中へ入ります。

中のレストランでコーヒーを1杯(25ナミビアドル)注文すれば、バックパッカーでも味わえるヒルトン気分!しかも今日は予想通りほとんど人がいない貸切状態!!ゆっくりのんびりするにはもってこいです。さらにWi-Fiもお願いすると無料で使わせていただけるのがスゴイところ!最高の贅沢(ぜいたく)をさせていただきました。

そんなウィントフックのヒルトンホテル最大の魅力はその屋上にあります。宿泊客用のプールやジムの奥にあるSKY BAR。ここから眺められるのが

ウィントフックの中心エリアの景色。首都三大モールの一つであるヴェンヒルモールやウィントフックの街をタテに走るインディペンデンス通りを見下ろすことができます。どちらも少し治安が良くないエリアになるので、このスカイバーからゆっくり眺めるのが一番安心です。

ここでも飲食が可能ですがお値段は高め!水でさえ注文するのを拒(こば)んでしまう料金です。本当は屋上でゆっくりしたいところですが、景色だけ見て失礼させていただきました。

ヒルトンでのんびりしたあとは買い物へ。ヴェンヒルモールもしっかり気をつければ問題なく買い物はできますが、ここはせっかくなので昨日紹介したマルーアモールも含めた三大モール最後の一つ『グローブモール』へと足を運びたいと思います。

グローブモール

ウィントフックの中でも一番南に位置していて、中心地からタクシーに乗って行くと倍の料金がかかるので行きやすさでいうと三つの中では一番下位になるこのショッピングモール。ちなみにタクシー料金は基本が12ナミビアドル。中距離が24、長距離が36という設定です。タクシーに乗る前にこちらから「12ドルだよね!」と確認するスタイルで値段を聞きます。

しかしその規模は三つの中で最大!中心地から離れているので買い物あとに周囲を警戒する必要もなく(ゼロではありません)安心できるのも良い点です。一番新しいモールなのでキレイなのも嬉しいところ。少し羽を伸ばして買い物がしたい場合は迷わずグローブモールです。

グローブモールの特徴は広々としたカフェや飲食店が充実していること。ショッピングモール内でもオシャレな雰囲気で安心して飲食を楽しむことができます。

The Body Shopや映画館はここにも!ちなみにボディーショップの商品の一部にはマルーラオイルというものが使われています。しかもこれが実はナミビア産なんです!!

マルーラ

マルーラ/マルラは、ウルシ科に属する植物。雌雄異株であり、南部アフリカのミオンボ林や西アフリカのスーダン・サヘル地帯、マダガスカルに分布する。世界的に知られてはいないが、地域では伝統的に食品や油、保湿にと利用されてきた。動物にもこれを食物として利用するものが多い。

【Wikipediaより】

このマルーラがボディーショップで使われているマルーラナッツオイルになる行程は公式YouTube動画があるのでそちらをぜひご覧ください!

私の協力隊時代の任地であるブンヤの村にもマルーラの木がありました。マルーラの並木路は村の美しい絶景スポットでもあります。この道を毎日歩いて学校へ行っていました。

季節になるとたくさんの実をつけるマルーラの木。この実は地面に落ちてから熟し始め、しばらくすると梅と桃が合わさったようなマルーラの良い香りが一面に漂います。6月はもうマルーラのシーズンではありませんが、先日ブンヤの村を訪ねた際にも地面にマルーラの実がいくつか落ちていました。

マルーラは熟すとアルコールの成分が発生して、この実を食べたヤギが酔っ払うという面白い実でもあります。現地の人は自分たちでマルーラジュースを作りますが、これも一気に飲んではダメという不思議な飲み物。味は梅ジュースのような感じですごく美味しいです。

そんなマルーラをクリームベースのリキュールにしたのが、ゾウのラベルが有名なAMARULAというお酒。南部アフリカの人気のお土産の一つになっています。ということでボディーショップとも深いつながりがあるアフリカ豆知識でした。

Twitterでチェックしていたナミビアブランドの靴下を扱うお店も入っているグローブモール。やはり安心して買い物や飲食ができるので、個人的にはこのショッピングモールが一番のお気に入りです。

買い物を終えたところで本日最後に紹介したいのは、いただいたお釣りに入っていた一枚の紙幣!

30ナミビアドル

写真:Numista.comより

今回のナミビア旅で私が絶対の絶対に欲しかったのがこの紙幣でした。なぜか?実はこれは2020年3月に独立30周年を迎えたナミビアがその記念として新たに発行した記念紙幣なんです!表には歴代の3人の大統領の肖像画が描かれ、そして裏には

写真:Numista.comより

シロサイがデザインされています。…そう!シロサイです!!先日紹介したウォーターバーグで見ることができるシロサイ。記念紙幣の裏にこの絶滅危惧種であるシロサイをデザインしたところに、ナミビアの動物保護への強い思いを感じるわけです。

そしてこの紙幣はもう一つ大きな意味を持ちます。ナミビアドルは南アフリカの通貨である『ランド』と同等の価値を有しています。そのため南アフリカランドと同様に10、20、50、100、200の5種類の紙幣が発行されています。そこに新たに加わった30ナミビアドル!これはナミビア独自の紙幣です。アパルトヘイトの時代には南アフリカの一部として領有されていたナミビア。そこから独立を果たして30年。もちろん南アフリカとの友好関係は維持しつつも、自分たちの国ナミビア!という意志を主張するのがこの新紙幣の大きな意味であると私は勝手に考えています。

まぁ単純にデザインもカッコいい新紙幣。実はこの旅中、現金で買い物をするたびに「30ドルはありますか?」と店員さんに聞いてキレイな紙幣を集めていました。ナミビアならではの30ドル紙幣です!

ということで首都封鎖初日。いつもと変わらずという感じでしたが、心の中では『ロックダウン』という言葉が常にありました。明日はどうなるのか。先のことはわからないので不安よりも今を大切に!もうあと何杯飲めるかわからないナミビアの生ビールハンサドラフトで今夜も乾杯です。

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