DAY120 エスワティニを旅する⑤「砂糖産業の町 ビッグベンド」

2019年11月13日、天気くもりのち晴れ。

夕方に首都ムババネからバスに乗ってマンジニを経由(けいゆ)して東へと向かった昨日の夕方。辺りが少しずつ暗くなっていく中、到着したのはこの日の最終目的地であった「ムカヤ(Mkhaya)」という場所…の入り口でした。ここはこれまでのアフリカ54ヶ国制覇の旅で一度も訪れていないジャンルの場所になります。野生動物保護区(Game Reserve)、いわゆる「サファリ」と呼ばれる動物が見れる場所です!やはり「アフリカ=動物」のイメージをもっている方も多いかと思います。それはもちろん正解で、これまでの旅でもウシやヤギ、ロバ、ラクダ、ウマといったたくさんの動物が人々と共に暮らす様子を見てきました。が、やはりもう1ランク上の動物となるとそう簡単には見れません!街を歩いてて…あっ!ライオンだ!というのはまずないです。そのような野生動物の住処(すみか)を守るそのエリア一帯のことをサファリと呼びます。

このサファリは気候の関係でアフリカの中でも南や南東側に多く存在します。なので、これまでのアフリカ旅ではあまり出てこなかったこのサファリ。そしてここエスワティニは小さい国土の中にいくつもサファリを有する国なんです。せっかくだし、2019年のアフリカ旅もこれが最後だし!ここで一度動物を見ておくのもありだなと思ってやってきたのが、エスワティニの中でも有名なムカヤ野生動物保護区…の入口です。時刻はもう夕方、そして目指す敷地内(しきちない)まではまだここから13kmほどある。さぁどうしたものかと思いながら、とりあえずこの時点で初めて施設(しせつ)に電話をすることに。そう、私の旅は行き当たりばったりなんです。電話口のお姉さんに今夜泊まって明日の朝にゲームドライブ(車に乗って動物を見るアクティビティーのこと。野生動物のことは英語でゲーム:Gameといいます。)に参加したいことを伝えると…

「宿泊費も全て含めて3050リランゲニです!」

え?何??スリーサウザンド(3000)!?たしかにゲームドライブはそんなに安くないアクティビティーではあるのですが、さすがにここでの2万円を超える金額は厳しいと判断して今回は断念することにしました。ちなみに参加人数が1人だと値段設定も高くなります。アフリカの中でも有名なサファリに行けばそれだけ多くの観光客も参加するので、そこを楽しみにしておきたいと思います。

さぁ、じゃあそこからどうする!?となるわけですが、エスワティニはとにかくバスの量が多いので路上で待ちぼうけとはならないのがありがたいところです。すかさず通りかかったバスに乗り込んでやってきたのがエスワティニ国内の東側で一番大きな町「ビッグベンド」でした。

⑤砂糖産業の町 ビッグベンド

この町に関してはWikipediaの英語版でも情報が載って(のって)いませんでした。それほどマイナーな町ということです。ちなみに★は昨日行こうと考えていたムカヤ野生動物保護区になります。

たまたまやって来た町!というのは事前情報が全くないので、自分の足で動く中でアレってもしかして?という風にいろいろと謎(なぞ)が解明していくのが楽しいものです。この情報も実はあとあとになってわかったこと!

ビッグベンドの町の玄関には大きな歯車のモニュメントがあります!そこにはSUGAR(シュガー,砂糖)の文字が。ちなみにUBOMBOというのは砂糖製造を担う(になう)会社の名前です。

見渡す限りに広がるこちらの植物。一体何なんだろうと思いながら車の中からこの景色を見ていたエスワティニに入国した初日でした。そしてここでも頼りになるのが日本エスワティニ国際協力機構のシマンガさん!先日オフィスを訪ねた際に写真を見せながらこれってもしかしてー?と聞いてみると

「そう!これはサトウキビだよ!」

と教えてくれました。砂糖はエスワティニの主要産業だそうで、国の東側で栽培が行われているとのことでした。

この状態になればもう一瞬でサトウキビだとわかるんですがね。年間を通して生産できるようにちゃんと時期をずらして栽培しているということがよくわかりました!

ちなみにmaps.meの地図で見るとビッグベンド周辺はこんな感じ!この緑のマルが全部サトウキビ畑です。面白い形の畑ですよね。アフリカの大規模農業では巨大なコンパスのような機械で種まきから水やり、肥料の散布まで全てをやって作物の大量生産をします。そのコンパスが回る範囲(はんい)が畑になるので上から見るとこんなドット柄(がら)になるんです。

緑の濃い若いサトウキビ畑。連なる山々がバックに映えて絵になる美しい自然の風景です。

しかし、そこに異様なほどに存在感を放つ人工物が。絶えず煙(けむり)を出す巨大な工場です。まぁここまでくると予想はできました。そう、あれはサトウキビから砂糖を作る工場になります。

美しい自然だけでは私たちは砂糖を手にすることはできません。スーパーで売っているキレイな砂糖の結晶(けっしょう)たちは、こうして工場がフル稼働(かどう)しているからこそ作られているわけです。

そしてもちろんそこにはヒトも欠かせません!大量のサトウキビを積んだトラックを運転する人たちです。私が工場近くにいた短い時間の間にも次々とやってくるトラック!いったいどんだけのサトウキビが運ばれているんだ!?と。運転手以外にも工場の中で働くたくさんの方の存在があってこそ、砂糖が作られるわけです。自然と人が作り出す砂糖の町の壮大(そうだい)なパワー!を感じたビッグベンドでした。

ちなみに、昨日ビッグベンドに着いたのは夜の7時近くでした。この町に来るとはこれっぽっちも思ってなかった私は当然宿の予約もしてなかったので、その場で調べていろいろ動き回ったのですが、いろいろあって最後にたどり着いたのがこちら。「Ubombo country club」です。

はい、ゴルフ場です!泊まれる場所ということで地元の方に聞いたら教えてくれたこの宿。ゴルフ場の利用客はあまり少ないらしく、ほとんど宿として機能しているそうなんです!

部屋数はかなりあり、それがほとんど埋まって(うまって)いるという人気ぶりのこちらの宿泊施設。受け付けから泊まる場所までの距離がかなり離れているのが難点ですが、部屋とWi-Fiは快適(かいてき)の一言!ただ、料金は1泊635リランゲニ(約4600円)と高いです。

ですが、その料金には朝食が含まれてます!併設(へいせつ)されているレストランの朝食メニューから自分で好きなものを選べます。私は迷わず一番高いお値段のステーキプレート!!朝からボリュームたっぷりでした。

ということで、エスワティニの旅5日目。私が勝手に設定しているアフリカ1国1週間のルールだとあと1日あるのですが、この先の旅のことを考えて今回は1日早く次の国へと向かうことに決めました。まだまだエスワティニで寄りたいところがあったので残念ですが、時間は限られているので次へ進みます!アフリカ17ヶ国目へと向かうバスは最大都市マンジニから出ているとのことだったので、まずは来た道を戻ります。さぁ、バスに乗って帰るかと思っていると、強そうなおじさんが声をかけてくれました。

「マンジニに行くんだろ!こいつが送っていくよ!」

本当ですか〜!!バスを待っている間にちょっと会話をした程度のおじさんからの親切な心遣い(こころづかい)に感謝でした。ギャボン!そして乗せてくれるというのが大型のトラックでテンションが一気にあがります!!

トラックの助手席からの眺めはいつもより高くなるので景色がまた違って見えるのが楽しいものです。

無事にマンジニに到着して運転手の彼とお別れです。彼の家的な存在であるトラックに招待(しょうたい)してもらった感じで、エスワティニでの忘れられない思い出が最後の最後でまた一つ増えました。ギャボン!

マンジニの街を最後にフラッとした後はそのまままたまたマンテンガへ!宿代の節約にはもうマンテンガの宿(Legend Backpackers)しかありません!今夜はここで泊まり、明日の朝一でマンジニに向かいます。あぁ、エスワティニの旅が終わったんだ。とっても居心地(いごこち)がよくていつの間にかエスワティニで一番心落ち着く場所になったマンテンガで過ごす最後の夜。

ベッドはたくさんあるのに誰もいない部屋で一人物思いにふけるのでした。

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