DAY55 ギニアを旅する③「美しい緑と共にある活気ある人びとの街 キンディア」

2019年6月8日、天気晴れ時々くもり。

ギニアの旅で先生の予定と大きく異なったことが一つ。それは、最初の目的地が首都コナクリになったことでした。もうすでに水曜日の日本帰国に向けての飛行機のチケットは予約済みなのですが、ギニアを出国する空港は首都コナクリの国際空港になります。なので、当初はコナクリをゴールにして、ギニアの北部を点々としようと思っていたわけです。が、ギニアビサウを出発する車の行き先はコナクリしかなかったので、結果的にいきなりゴールのコナクリに来てしまったという感じです。

しかし、これはある意味よい決断だったと感じています。理由はいくつかあるのですが、まずWi-Fiが使えないという環境から一気に脱却(だっきゃく)できたのは精神的に救われました。これは本当に大きい!そして、コナクリに来たことでギニア北部の道路事情がわかったことも旅の計画を見直すことにつながりました。もし、いきなりギニアの北部を旅していたら、今ごろWi-Fiは使えず、さらにはいっこうに旅が進まないという苦しい状況になっていたなと思います。全ての決断が今につながる。人生は常に決断の連続です。心配になるのは当然ですが、その不安をかき消すために自ら行動していけば、最後にはそれが良かった!と胸を張って言えるようになるものです。

コナクリで2日間お世話になったホテル「RESIDENCE AL-NOUR」。ホテルというよりもマンションのような外観の宿なんですが、サービスはバッチリ!毎日ペットボトルの水を4本もいただけて、ベットメイクもしっかりしてもらえます。シャワーもお湯がちゃんと出て、水圧も文句無し。そして何よりすばらしいのは、Wi-Fiの通信速度がとってもいいこと!1泊4500円は首都の中では安い方なので、この値段でこのサービスはありがたいです。後日また首都に戻ってきますが、その時もここを使う予定です!

今日は首都コナクリを少し離れて北の方へ向かいます。ちなみにギニアも公用語はフランス語。なかなか意思疎通が難しいですが、伝えようという思いがあれば何かが動き出して、そして最後は英語を話せる人にたどりつきます。今日も北の街へ向かうためにまずどこに行けばいいかがわからず、地元の人に助けてもらいました。声をかけたお兄さんが近くの建物に案内してくれて、そこの社長的な方がバイクを呼んでくれて、けっこうえらい感じの方がバス乗り場に先生を連れて行ってくれました。わからないからとじこもるのではなく、とにかく何かアクションを起こすことの大切さは、この旅を通じて日々感じていることです。

ということでものすごい混みようの、昨日おとずれたマディナ市場近くのバス乗り場から車に乗って移動です。30000ギニアフラン(350円くらい)と、交通費は安いギニア。しかし、はじめは60000ギニアフランと言われたんです。これは2人分はらうことで、一つの座席を独占できるシステム!いやいや、そこは1人分でいいですよと断ったんです。が、これ、2人分はらってもいいかもです。なぜなら、とーんでもなくきゅうくつだから!!いわゆる一般的な7人乗り(運転手を入れて)の乗用車に、なんと10人乗るんです。先生が座ったのは真ん中の通常3人席のシート。そこに4人!しかも、今回はかなり…大きい方たちといっしょだったので、ドア側に常に押される状態でのドライブとなりました。おしりが痛くてきゅうくつで、これだったら…とちょっと考える余地ありのギニアの乗り合いタクシーです。

そんなペチャンコな状態の中でも、窓から見えるギニアの緑は美しいんです。都会からどんどん自然の広がる田舎へと進んでいくワクワク感!ドア側に押されるのはイヤですが、この景色を思いっきり堪能(たんのう)できるのは一番はじのこの席だけ。首都コナクリの渋滞を抜けると、緑はどんどん濃くなっていきました。

熱帯気候のギニア。これまでの国ではなかなか見ることの少なかった雲も顔を見せます。ただ暑いだけではなく緑の濃い国だからこその気持ちの良い湿度が感じられるのがとてもいいです。そして遠くには山!その中にも人々の暮らしが感じられるのがなんともステキです。

コナクリを少し離れただけで面白いくらいに景色が変わるギニア。まさに大自然の中のドライブ!いつの間にかペチャンコに押しつぶされていることをわすれるくらいの絶景の連続です。

車が少し減速したと見るとぶわーっとかけよってくる路上で待機している売り子さんたち。マンゴーや水、ドーナツなどの購買意欲(こうばいいよく)をそそるものがたくさんやってくるわけですが、このギニアの特徴の一つが、飲み物がこおっていることです!袋入りの水はもちろん、炭酸のペットボトル飲料もこおった状態のものを売ってるんです。ギニアビサウから来るとその違いに本当に驚かされます。暑い中、飲み物がこおっているしあわせ。国がちがうと電気や水道、道路などの状態も違うこと。当然といえば当然なのかもしれませんが、おとなりの国同士なのにこれだけの違いがあるというのが興味深いところでもあります。売り子の子どもたちも心なしかイキイキしている印象のギニアです。

ゆるやかな山地をゆっくりと登りながら進んでいく車。「地球は青かった」と言う名言も好きですが、地球には自然の緑でうめつくされたこんな場所もあるんです。地球のイラストは青と緑で表現されることが多いと思います。ですが、ビルの銀色やコンクリートの灰色など、無機質な色がどんどん私たちの生活圏を染めていっているのが事実で、それはアフリカでも同様だと思います。無い物ねだりだというのは百も承知で、緑と青だけの地球では生きていくことは不可能なわけですが、だからこそこういう自然の緑に不思議と心が満たされるんだと思うんです。このコナクリからのドライブだけでも十分に自然を満喫(まんきつ)することができる楽しいアクティビティーでした!

そして首都から車でおよそ3時間。やってきたのが④「キンディア」という街です。

美しい緑と共にある活気ある人びとの街 キンディア

ひたすら緑の中を走ってきてたどり着いたのは、これまたパラソルでうめつくされた人であふれるキンディアの街の中心です。ギニアの主要都市の一つであるキンディア。

人ももちろん多いのですが、この街の主要移動手段であるバイクの数がとんでもなく多いんです。なんか少し物騒(ぶっそう)な感じもするわけですが、話してみるといたって親切なお兄さんたち。まぁとにかく中心地は活気であふれています。

キンディアの街はこれまで見なかった食との出会いがたくさん!まずは牛串!これはギニアビサウやガンビアでも目にしましたが、ギニアではそこら中に牛串のお店が並んでます。そして、特製のタレ(スパイス)で下味をつけて焼いているのが特徴。しかも、牛だけではなく鳥も!とりあえず小腹が空いたので一本だけというつもりがついつい三本も食べてしまいました。それくらい美味しくてたまらないやつです。

そして!これを見たらもう心が一気にお祭りモードにならざるを得ない焼きトウモロコシ発見!!これもギニアではいろんなところで売られています。ゆでトウモロコシはナミビアにもありましたが、焼きをアフリカで見るのはこれが初めて。さっそくいただくわけですが、アチチと。このトウモロコシをにぎる部分が熱いんですよ。でも、おかまいなしのお母さん。熱くないよ~なんて笑われました。たしかに、せっかくお母さんが先生のためにわざわざていねいに焼いてくれたやつなので、アツアツの内にいただきます。うーん!コーンの甘みがしっかりしてて美味しい!!ゆでた後に焼いてないので、ツブはかためです。日本の定番の醤油(しょうゆ)もぬられていないので、塩気は無いわけですが、その分トウモロコシそのものの味がしっかりとした歯ごたえと共に感じられる焼きトウモロコシでした!大きいのをくれたお母さんにも感謝です。これでなんと20円しないんです。すごいわぁ~。

さぁ、次は飲み物シリーズ!ではないんです。ギニアに来てからしょっちゅう目にするこのなぞのドリンク。赤いようなオレンジ色のような。きれいに並んでいるこちら。実はこれ、バイク用のガソリンなんです。危うく間違えそうになるので要注意!かなり安めの燃料だと思いますが、いろんなお店の店頭に自然と並んでいるというのが面白くもあり少し怖くもあるわけです。ちなみに容器はペットボトルです。このことからも、ギニアではバイクが主要な乗り物であることがよくわかります。

街を歩いているとトンカチの音や木材を切る機械の音が聞こえてきました。キンディアの豊かな資源を生かした木工にはげむ男性たちの姿が。若い人たちが多く、子どもたちがハケで木の塗装を手伝う様子も見られました。切り出された大きな木材が大量に置かれた工場などもあり、林業がキンディアの主要な産業の一つになっていることがよくわかりました。

まだまだ食べたい本日。食べれるしあわせをかみしめる今日このごろなわけですが、続いてはこちらです。パイナップル!これもセネガルのダカールで食べたことを覚えていますが、これまでの国だとパイナップを見つけるとラッキー!ぐらいのお店の数でしたが、キンディアはもうパイナップル祭りです!!ここにもあそこにもパイナップル!キンディアの街に近づくにつれてどんどん店先に並ぶパイナップルの数が増えていきました。比例ですね。正直、マンゴーの並ぶ景色には慣れてきてしまっていたので、このパイナップルの行列は感動ものでした。味の方はもちろん安定の甘さとジューシーさ!熱帯の気候に加えて、水をたくわえる山があることがギニアの豊かな自然を育む理由の一つになっているのだと思います。それと同時に、世界最貧国と呼ばれるギニアビサウにとって「山が無い」ということが国土的にとても大きな意味を持つのだなと気付かされます。山って実はすごく重要な存在です。

歩いていて景色でも食でも自然を感じる楽しいこの街。そこに人の活気も加わります。田舎のようなノスタルジーな感じもあれば、都会のようなにぎやかさもあるというなんとも不思議な魅力(みりょく)のあるキンディアです。

やはりサンダルが無いというのは足的に辛いものがあり、今日露店(ろてん)で見つけた適当なものを結局購入することにしました。これで120円。こんなサンダルだけしか売ってないお店でいったい誰が買うんだろうなんてこれまでは思ってましたが、買う側になりそのありがたさを身にしみて感じています。助かった~。

そしてこの旅で初めてのアフリカ布も購入!やっぱりアフリカ布は見てるだけで満足できない!!これまで7ヶ国では荷物になるということでグッとガマンしてきましたが、もう解禁です。なんと1枚10000ギニアフラン!120円!!これは財布のひもをしっかり結んでおかないと危ないです。

ということで、キンディアの中心地を散策した本日。そろそろ宿を探そうということでバイクに乗って地図アプリの宿情報を頼りに移動します。近くまで来てバイクを降り、さぁここら辺だぞと歩いてみるのですが…無いぞ?

近くの住民に聞いてみますが、フランス語で通じないのもありますが、明らかにホテルなんてないよ!?という顔なんです。それにしてもこの絵になる感じ。夕暮れ時、家族みんなで畑仕事をするみなさんでした。

久しぶりの地図アプリのあるあるサギ。なんと次に向かったホテルも存在せず。まぁおそらくどこかにはあるのだと思うんですが、そのホテルの場所を聞き出すフランス語力は先生にはなく、またWi-Fiも無いのでネットで調べることもできないので、最終手段です。

地元の人に知ってるホテルを教えて!ということを翻訳アプリとジェスチャーを使ってお願いします。そしたら最後は思いは通じるもの!バイクタクシーを止めてくれて、ちゃんとしっかりしたホテルまで連れてきてもらえました。よかった~。そのあと街を歩いていたらホテルの看板をチラホラと見かけたので、宿泊場所が全然無かったわけではありませんでした。が、目的のホテルがないとけっこう不安になるし疲労(ひろう)が一気にたまります。助けてくれた彼らに本当に感謝でした!メルシー!!

夕飯はローカルのレストランへ。ギニアに来てからすっかりハマった汁かけごはん!!ライスが逆にシャバシャバしてるのがたまらなく美味しいんです。

やわらか~く煮込まれた肉がゴロゴロ入っていてお値段200円ちょい!おしゃれなレストランに行くよりも断然安くて美味しいギニアの庶民(しょみん)の味に感動しながら、キンディアの夜のふんいきを楽しむのでした。

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