2023年1月7日、天気晴れ。
目次
エジプトを旅する
元日にスタートしたアフリカ54ヶ国制覇の旅-第8章-。
これまでで初めての日本から往復一週間の旅の行き先に決めたのは観光大国エジプトでした。
(実は違う国に行く予定だったのですが・・・そのドタバタ話はまた別の機会にしたいと思います)
ビザが簡単に取れて、何より見所が多いエジプト。
サクッと行くにはもってこいの国だなということで選んだわけですが、これが甘い考えでした。
5000年の歴史を持つ国を『サクッ』と見て回るなんてできるわけがなかったんです!
鉄道や道路などのインフラや外国人旅行者を受け入れる態勢が国全体でバッチリ整備されているので、アフリカの中でも安心&快適に旅ができるエジプトなのですが、観光名所がまぁ~多すぎる。
短い期間でそれなりに遺跡を巡りましたが、歴史的スポットはまだまだ数え切れないほどあり、さらにダイビングの聖地やリゾート、砂漠の絶景エリアもあるエジプト。
サクッと来ることはもちろんできますが、この国に一度来るとその魅力にどっぷりとハマること間違いなし。
帰る頃にはエジプトのことが大好きになっています。
はい、今の私です。
さぁ、エジプト旅最終日の本日。
フライトは夜の7時なのでそれまで首都カイロのカフェにでも行ってのんびり過ごそうかなぁと思っていたのですが・・・
最後の夜にお世話になったGrand Palace Hotel。
ビルの7階にあるこのホテルからピンクと朱色の中間色のような外壁の建物(奥の方)が見えます。
エジプト考古学博物館
夜になるとキレイにライトアップされるこの建物が
です。
まさかのホテルから徒歩3分の所にありまして。
旅先で博物館に行くことは滅多にないのですが、近くにあるしせっかくだから行ってみるか!
ということで改めて本日やって来ると、入り口前には朝から長蛇の列が。
有名な博物館であることは知っていましたが、こんなに並んでいるとは!
エジプトに来たらピラミッドや神殿で古代遺跡は十分に堪能(たんのう)できるので
「わざわざ博物館に行く意味あるの?」
と思っていた私にとっては驚きの光景です。
それにしても警備が厳重なエジプト考古学博物館。
荷物検査を2回終えたあとにゲート内でチケット(200ポンド)を購入します。
ここでガイドをお願いすることも可能。
世界各国の言語に対応したガイドさんが何人もいるのはさすがエジプトです。
ちょっと見て早めに退散しようと考えていた私は当然ガイドをつけるわけもなく、一人で博物館内へと入っていくのでした。
ラムセス2世(第19王朝)
ここで謝罪させていただきます。
近かったから、時間があったからついでに行ってみようという失礼な態度や、行く意味なんて無いという博物館を軽んじる発言。
大変申し訳ありませんでした!
お詫(わ)びをすると共に訂正させていただきます。
エジプト考古学博物館はこの国に来たら絶対に来るべき場所です!!
ちなみに入り口すぐの左手に立つのは我らがラムセス2世。
館内に一歩入るとそこに広がっていたのはこれまでの私の『博物館』のイメージを超える世界。
古代遺跡の内部や周辺にあったものが展示されているわけですが、一つ一つのインパクトが強く存在感がありすぎまして。
まるでこの博物館が巨大な古代遺跡かのような印象を受けます。
さらに量も多いんです!
広間から小部屋、通路に至るまでありとあらゆる所に歴史的価値がありそうなモノがズラーっと展示されています。
なんならありすぎるくらいなので大量にあるミイラを入れる棺桶(かんおけ)などは一緒くたにショーケースの中に。
こうなってくるとなんだか有り難みを感じなくなるから不思議なんですが、実際はどれもとんでもなく貴重なモノになります。
ジェセル(第4王朝)
そんな2階建ての館内にある数多(あまた)の遺物。
素人目から見るとどれも同じに見えますが、要チェックのモノは決まっているようで。
「じゃあ一体どれを見ればいいの!?」
となるわけですが心配御無用。
頼んでなくてもそこら中にガイドさんがたくさんいるので、彼らが集まるところに注目すればOK!
こちらはエジプトの長い歴史の中で最初のピラミッドを建設した王様ジェセルの等身大の王像です。
博物館を楽しむためのポイント①
ではここでエジプト考古学博物館を楽しむためのポイントを2つお伝えします。
まず一つ目は、博物館は
『旅の最後に行く』
です。
ここにあるものは全て元はエジプト各地に点在する遺跡の内部に納められていたり、周辺から発掘されたりしたものになります。
なので、それらのルーツを見てから来ると
「これがあそこに眠っていたのか」
とこれまで見てきた遺跡と展示物が点と点でつながる感動を味わうことができるんです。
カフラー(第4王朝)
さらにファラオたちの彫像もたくさんあるエジプト考古学博物館。
ギザの三大ピラミッドを建設した3人の王たちももちろんいます。
一番立派なのはカフラー王。
目立つところにドンと座るその姿はまるで今にも動き出しそうなほど生命力を感じます。
これも今から4000年以上前に作られたものだから驚きです。
3Dプリンターで作ったわけではありませんからね。
クフ(第4王朝)
「あれ?一番大事な最大のピラミッドを造ったクフ王は??」
と思われた方。
安心ください。
ちゃんといますよ。
これがクフ王の彫像です。
ねぇ〜可愛いでしょ〜。
ファラオに対して大変失礼な表現ですが、なんとその大きさはわずか7.5cmしかありません。
後ろに見えるカフラー王と比べると大きさの差は歴然。
最大のピラミッドの建造者が手のひらサイズというのは何とも面白いものです。
メンカウラー(第4王朝)
最後にこちらがメンカウラー王(真ん中)。
この王たちが『あの』ピラミッドを造ったのかぁ〜という余韻に浸れるのは全てを見たあとだからこそ!
なので博物館は旅の最後に行くのがオススメです。
博物館を楽しむためのポイント②
ただ、より大事なのは二つ目のポイント。
『ある程度勉強してから行く』
コレです!
もちろん何も知らない状態で行ってもエジプトの歴史的遺物に感動できるのですが、やはり知識を持ってから来た方が◎
かくいう私も最低限の勉強しかしてこなかったので、後日このブログを書きながら撮った写真を見返して
ナルメル(第1王朝)
「えっ、この謎の板に描かれているのがエジプト最初の王様ナルメル〜!?」
(たしかにやけに人が集まって見ていました)
ハトシェプスト(第18王朝)
「この女性の王ハトシェプストが造ったピラミッドに代わる新様式の墓が『王家の谷』の始まりだったの〜!?」
(かなり壊れているのに通路の中央に展示されていたのがやけに印象的でした)
アメンエムハト3世(第12王朝)
「この四角錐がアメンエムハト3世のピラミッドの頂上にのせられていただと〜!?」
(ミニサイズのピラミッドだと思っていたのにまさか本当にその一部だったとは)
なんて後になってわかった事実にビックリしているところです。
ほとんどの展示物にはちゃんと英語表記で説明が書かれているのですが、博物館内はものすごい人で溢れかえっているのでじっくり読んでいる余裕はありません。
ガイドをつけるというのも一つの手ですが、自由に館内を見て回ることができなくなるので、一番良いのは事前にちょっとでもいいのでエジプトの歴史を勉強しておくこと。
知識と共にこの場所に来ると学びの喜びを存分に楽しむことができますよ!
【参考】古代エジプトの教科書
エジプトの勉強にオススメの本も紹介しておきます。
その名も
最近発売されたばかりの新書で、監修はこのエジプト旅編で何度も紹介しているYouTuberとしてもご活躍中のエジプト考古学者の河江肖剰さん。
エジプトの歴史がカテゴリーごとにわかりやす〜く説明されていて、さらに全編カラー刷りでイラストや写真がふんだんに使われているのでパラパラめくるだけでもテンションが上がる一冊です。
今回ブログを書く上でもとても参考にさせていただきました。
1階フロア:年代別展示
さて、ここまで紹介してきたのはエジプト考古学博物館の1階に展示されているモノたちです。
このフロアには年代別にピラミッドの時代の遺物が中心に展示されています。
そしてちょっと思い出してほしいのが先ほどのジェセル王の像。
目の部分が何かくり抜かれたような感じでしたよね。
実はピラミッドというのは
「ココに王様のお墓があります!!』
というのが誰の目にも一目瞭然なので、墓荒らしの絶好の的でもあり。
ゆえにこの時代の王のミイラや副葬品などはほとんど残っていません。
ジェセル王の目の部分にはめ込まれていた水晶と黒曜石も盗掘にあいました。
ピラミッド時代の展示品が石でできた大きめの彫像がメインなのは金目のものが盗掘されてしまっていたことが原因になります。
(もちろん遥か昔の事件です)
2階フロア:副葬品・ミイラ展示
対して、女王ハトシェプストが人里離れた場所に造り始めたのがルクソールにある『王家の谷』。
ピラミッドよりはだいぶ規模が小さくなったものの、やはり王の墓ということで盗掘は行われたわけですが、その侵入を見事に防いだこの時代の副葬品はその後何千年もの間墓の中で眠り続け、近代になって見つかることになります。
そんな王家の谷から発見されたモノが並ぶのが2階です。
黄金の玉座
何たる煌(きら)びやかなことか!!
黄金で輝く副葬品に魅了されるのは現代人も同じです。
これがゴールドのチカラ。
そしてこの椅子を含めて、2階に飾られた金色の副葬品はほとんどがある王様の墓から発掘されたものになります。
この椅子の右に描かれたその人物。
それが
ツタンカーメン(第18王朝)
ツタンカーメン!
これまでの旅で王といえばラムセス2世だったわけですが、満を辞して遂に登場です。
わずか9歳で王となり、19歳という若さで亡くなった少年王。
短い生涯で特に大きな偉業を達成したわけではないこのツタンカーメンがなぜこれほどまで我々に知られているのかといえば、1922年にその墓がほぼ完璧な状態で発見されたからです。
その中でも超超超有名なのが黄金のマスク!
エジプトの象徴と言ってもいいでしょう。
その誰もが知る黄金のマスクがこのエジプト考古学博物館の2階に展示されているんです!!
黄金のマスク
暗い部屋の中でライトで照らされた黄金のマスクはそれはそれは美しくて。
マスクはツタンカーメン王の姿を忠実に再現したといわれています。
マスク以外にもミイラが入っていた黄金の棺に、装着されていた黄金の装飾品など全てがゴールドで輝く豪華絢爛(けんらん)な室内。
これほどのものを作ることができた古代エジプトの技術力にはスゴすぎて言葉を失います。
ただ、お分かりかと思いますがこの写真の黄金のマスクはお土産屋さんに売っているものです。
黄金のマスクが飾られている部屋は撮影NG。
まぁ今の時代ネットで調べれば公式の画像が出てくるので自分で撮影する必要はありません。
が、せっかくココまで来たのだから自分のブログに載せる写真は自分で撮りたいなぁ〜と思っしまうもの。
でもダメなものはダメです。
私の目の前で隠れてコソッと動画撮影をしていた方は常駐している警備の方に見つかり注意されていました。
そう、ルールは守らないと。
逆に言えばルールを守ってさえいれば問題ないんです。
部屋の中は撮影禁止ですが、外であれば館内の撮影は許されています。
この黄金のマスク・・・ギリギリ外から見えないか?
見えた〜〜〜〜!
遠くから見ても伝わる半端ないオーラ。
アレが黄金のマスクです。
撮ったど〜〜〜〜!!
当初は全く期待していなかったわけですが、気がつけば2時間近く経っていまして。
インディージョーンズのような冒険気分も味わえるエジプト考古学博物館。
建物の作りはシンプルですが同じようなものがたくさん並ぶのでどこにいるかわからなくなりますが、それも含めて楽しくて結果的に大満足してしまいました。
まさか博物館にこんなにも感動するとは。
エジプト大博物館【2023年開館予定】
そしてなんとこのエジプト考古学博物館は移転が決まっていまして、新しい建物が既に完成済みなんです!
ギザの三大ピラミッドのすぐ近くにできた
『エジプト大博物館』
は今年中に間も無く開館予定。
エジプトにもう一度来る際には改めて勉強をしてから行きたいと思います。
さぁ、日本に帰るぞー!
DAY333.5へ続く
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