2019年5月30日、天気晴れ。
ギニアビサウ
ギニアビサウ共和国、通称ギニアビサウは、アフリカ大陸西端部に位置する共和制国家。北にセネガルと、南と南東にギニアと国境を接し、西は大西洋に面する。首都はビサウである。1446年にポルトガル人が上陸し、南北アメリカ大陸への奴隷貿易の中継地となった。独立は1974年9月10日に承認された。独立後、1990年代以降は内戦が勃発し、軍の反乱やクーデターが頻発するなど不安定な政治が続き、経済的にも依然として世界最貧国の一つとなっている。独立後の現在も公用語はポルトガル語であり、ポルトガル語諸国共同体、ポルトガル語公用語アフリカ諸国に加盟している。アフリカ大陸では比較的面積の小さい国の一つでもある。【Wikipediaより】
アフリカ7ヶ国目「ギニアビサウ」の旅が今日からスタート!セネガルの南に位置するギニアビサウは面積36125㎢とまたまたアフリカ大陸の中でも小さい国になりますが、その中には海に浮かぶ大小88の島もふくまれるという面白い国土となっています。国土に関してもう一つ情報を。なんとこの国で一番高い地点は標高310m!衝撃の数字に驚きを隠せません。山がない国なんです。地図からではなかなかわからないこういう事実も知ってから実際に国を旅してみると、その国のことをより面白く見ることができます。そして、まず最初にやって来たのはギニアビサウの首都「ビサウ」です。
①ビサウ
ビサウは、ギニアビサウ共和国の首都である。ビサウ自治区に所属しているが、自治区にはビサウ市しかないため、事実上第一級行政区画でもある。人口355,000人 (2004年)。ギニアビサウ最大の都市で、同国の政治・経済・港湾の中心。 【Wikipediaより】
歩いてすぐにわかるセネガルやガンビアとは違う街の雰囲気。アフリカ7ヶ国目に来たんだという実感がわきます。さらに続いて気付くのが気温の変化。朝の9時過ぎからギラギラと太陽が照りつけたガンビアの暑い朝と比べると、ビサウの朝は気温が10度ほど低くすがすがしい気分で1日が始まります。といっても30度くらいはあるんですがね。感覚というのは本当に面白いものです。
やはり目がいくのは建物のつくりとその色づかい。こういう点にその国の植民地の歴史を感じるようになってきたのは、アフリカ54ヶ国制覇の旅を始めてからの私の中の大きな変化の一つです。
『歴史があるから今がある』
ギニアビサウはポルトガルの植民地でした。そのため公用語もポルトガル語。島国カーボベルデも同じポルトガル植民地だったので、どことなく建物の色が似ているかなという印象を受けます。ただ、観光に力を入れているカーボベルデと比べるとギニアビサウの街並みは質素な感じで。奴隷貿易の中継地点となったビサウの海沿い周辺には植民地時代のおもかげを感じました。が、中心部に入っていくとその印象はガラッと変わります!
なんだこれは!?というとんでもないインパクトを与える光景が目の前に広がります。車の大渋滞と道路わきの大量のパラソル。この国全体の人口はおよそ180万人で、人口密度も50人/㎢ということで、閑散とした首都を想像していたのですが、実際はものすごい人の波!歩くのが大変な人の密集具合に少し怖くなるほどです。市場の場所は決まっているものの、道ばたに店がおよそ1kmほどずらずらっと並んでいるのでまるで縁日!怖いけれど歩いてみたいと思わせるこのお祭り独特の雰囲気がたまりません。
そして当然ですがこういう時は細心の注意をはらいます。
- リュックは背負わず前にする。
- 財布はポケットではなくリュックにしまう。
- 写真を撮りたいのでスマホはポケットに入れますが、そこには常に手をそえておく。
せっかくのお祭りも、たった一つの出来事で悲しい思い出になってしまうなんてことがあります。なので、できることはしっかりとやる!というのが物事を楽しむためにはとっても大切なこと。ちなみに、『動き回る』というのも大事です。同じ道を真っ直ぐに進んでいると、後をつけられる可能性があるので、クネクネと移動することも安全に市場を観光するポイントになります。結論から言うと今日は大変楽しくこのビサウの市場を堪能(たんのう)させていただきました。その様子を少しずつご紹介していきます。
メインストリート散策
とにかくこういう場所では食べ歩きに限ります。ビサウの市場にはこれまで見たことのない食材や食べ物との出会いが!まずはこのケーキ!マフィンや菓子パンは定番ですが、なんとホールでドンと売られているタイプを発見です。まるまる一個買うこともできれば、一切れだけの購入も可能。ビサウではこのケーキ型が主流です。
ビサウでも売ってたのは西アフリカのソウルドリンク「ビサップ」!ガンビアではウォンジョとその名が変わりましたが、やはり「ビサップ」がメジャーな名前のようです。美味しいその味は西アフリカ共通!そしてそこで見つけたのがオレンジ色っぽいドリンク。ポルトガル語の国なのでとにかジェスチャーと情熱で思いを伝えます。これは何ですか?
「カバセーラだよ!」
カバセーラ!?新商品の発売には目がない私なので当然いただくことに。美味い!マンゴーのような味なので、マンゴー?マンゴー?と念のために何回か確認しましたが「カバセーラ!」と笑いながら返されました。たしかにマンゴーとは少し違い、甘くてほんのり酸味がありました。凍(こお)ったシャリシャリ食感も楽しいカバセーラでした。
面白いものも売っているビサウ。路上に広げられていたのはキレイなドレスを着た女性やかわいい子どもたちの写真です。なぜこれを買うのかはわかりませんが、これがなんとかなりの人気で!写真のまわりにはこの人だかりです。アイドルの写真のような感じですかね。
さらにこの黒いかたまり。何だこれは!?と思わざるを得ないその見た目ですが、こちらはなんと石鹸(せっけん)だそうです。においは特にしませんでした。ビサウのマーケットではこの黒いかたまり以外にも棒状の石鹸や袋に小分けした洗剤を売る店がたくさんあります。
ここで少しメインの通りから少し外れて住宅地エリアへ。
すぐそこに活気ある店が並ぶ通りがあるとは思えないのどかな風景にいやされます。
木材産業
緑豊かな国ギニアビサウでは木材を使った産業が盛んなようです。歩いていると迷い込んだのはベッドフレームストリート。一つ一つ手作業で作られたベッドフレーム。磨き上げられた木の光沢がまぁ美しい!
ベッドフレーム以外にも棚(たな)やタンスなどが並んでいました。
職人の姿は本当にカッコよくて憧(あこが)れます。手に職を持つという教師とはまた違う職業。非常に魅力的です。
歩いても汗をダラダラかくほどの気温ではないのが本当に過ごしやすいビサウ。ただ、その分歩き回って面白そうなものを見つけるとどんどん食べたくなってしまいます。どれも安いのが嬉しく、牛肉の串焼きも一本20円で食べれちゃいます。新鮮なレバーの味はもう最高の一言。
果物「カジュー」
そしてビサウに来てからとにかく目にする食材がこちらの「カジュー」。野菜にも見えるし果物にも見えるこの果実。このカジューを袋で買って帰る女性の姿を多く目にします。いったいどんな味なのか?ということで、このカジューを使った飲み物をいただくことに。
カジューとセットで売られているこちら。「スーム」というそうです。その見た目からはちみつレモンを想像して飲んだのですが…なんとも言えない味でした。酸味があり、甘みも少しありなんですが…うすい。うすいアセロラドリンクのような感じです。う〜んという感じでした。
が、しかし!実はこのカジューの正体は日本人にも馴染みのある食材だったんです。それに気付くのはもう少し先のお話。
伝統布「パヌリピンディ」
最後に紹介するのは私の心を掴(つか)んで離さないアフリカ布!アフリカを旅していると各国で美しく華やかな色づかいやデザインの布を見かけます。ということで、ここビサウでも布を見つけたわけですが、それがなんとこれまで全く見たことのない新しい布だったんです!
蛍光イエローの主張が際立つにもかかわらず、温かみのあるアフリカ布。最も有名なアフリカ布であるマサイシュカに似ていますが、その色づかいは全くの別物です。
「パヌリピンディ」と呼ばれるギニアビサウの伝統の布。見たことのない新種の布との出会いに大興奮!見ているだけで楽しすぎてずーっとこのパヌリピンディエリアをウロウロしてしまいました。マフラーほどの細長い布地が6枚程度で1組になって売られています。太めの糸を使用した少し厚みのある織物は西アフリカのアフリカ布の特徴の一つ。つなぎあわせて大きな一枚にします。その利用方法はカーテンにしたりマットにしたりと様々だそうで、パヌリピンディを腰に巻く女性も見かけました。
『世界最貧国』と呼ばれる国
ビサウの街を歩いた本日。最後はギニアビサウについて少し。この国は「世界最貧国」と呼ばれる国の一つです。経済がなかなか発展していないこの国は、政治も非常に不安定で国の政策もうまくいかず。それを見かねた軍による反乱やクーデターが近年でも起きている国です。これだけ聞くと怖い国という印象があるかもしれません。が、つまり現在も発展のためにもがいている国であるということです。
ビサウにはものすごく高級なホテルもたくさんあります。昨日の夜、ビサウに到着した私は宿の予約を取っていなかったので、とりあえずアプリで名前だけを調べたホテルに向かったのですが、その外観を見て断念!するくらいのレベルのホテルに到着してしまいました。興味本位で1泊の値段を聞くと116000セーファー。日本円にすると約2万円です。マジかと。その後なんとか安宿を見つけたのですがそれでも1泊4000円。周辺のホテルは1万円越えが当たり前と宿泊費が異常に高いビサウなんです。
世界最貧国と呼ばれる国ですが、その一言で国全体をくくることはできません。相当な貧富の差があるということですね。
特に有名な観光地があるわけではないギニアビサウですが、今日一日だけでもこの国の魅力をたくさん発見しました。まだ見ぬアフリカとの出会いが待っていそうなギニアビサウ。私自身の目でしっかりとこの国を見ていきたいと思います。
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