エチオピアを旅する⑤ ダナキル砂漠ツアーPart1 〜灼熱のマグマ「エルタ・アレ火山」〜

2019年7月18日、天気くもり。

エチオピアを旅する

昨夜エチオピア北部のメケレに着いたのは夜の10時でした。街の様子は明かりでしか判断できなかったのですが、一夜明けて外に出ると朝から多くの人でにぎわう大都市の景色が。エチオピアの国内移動の大変さを体験した昨日。美しい山々は見るぶんには絶景となりますが、曲がりくねった山道を進むのはかなり過酷で。あのラリベラですら首都アディスアベバから車で2日かかるというのは紛(まぎ)れもない事実だということが判明です。写真はほんの少しだけ回ったメケレの街の様子の一枚。アディスアベバに次いでエチオピアで2番目に大きい街メケレです!

ほぼ寝るだけという感じでしたがお世話になったのはWeyra Pension。しっかりとした個室でトイレ&シャワー付き!シャワーはバッチリ温水でした。お値段は1泊600ブル(約2200円)。メケレ周辺の宿のお値段は比較的(ひかくてき)高めです。

ダナキル砂漠ツアー 〈1日目〉

さぁ、今日からついに「ダナキルツアー」に参加します!今まで何回かブログの中にこの言葉を出してきましたが、いったいどんなものなのかは全く書いていません。まずそもそも『ダナキル』とは何か。これは砂漠の名前になります。今日から3日間参加するのはダナキル砂漠を巡るツアーです!

ダナキル砂漠

ダナキル砂漠はアフリカ大陸東部、エチオピア北東部とエリトリア南部に広がる砂漠。アファル人の居住地であり、その高温と海抜マイナス100メートルを切るアファール盆地で知られる。陸地では噴火口が最も低いダロル火山がある。ダナキル砂漠の主産業は岩塩の採掘である。また、アフリカノロバ等の野生動物生息地でもある。夏には気温が50℃近くになることがあり、人類が住める最も暑い場所としてギネス記録に登録されている。【Wikipediaより】

読んでいただけるとわかるとおり、まぁすごい砂漠なわけです。モロッコやモーリタニアで訪れたサハラ砂漠とは異なる、とんでもない砂漠!そのためこのダナキルツアーは別名『世界一過酷なツアー』と呼ばれています。世界一過酷。これまでもアフリカの各地で様々な旅を経験してきた私にとってこの言葉は非常に興味をそそるものです。一体どんな世界が待っているのか!?念願のツアーがスタートです。※ツアーの申し込みは首都にあるEthio Travel & Tours(ETT)のオフィスで事前に済ませておきます!

①ホテルで迎えを待つ

ということで期待を胸に朝から準備をします。と言っても歯を磨いてシャワーを浴びるだけですが、迎えの車が来る朝9時までに多少あわてて全てを済ませたわけです。もちろんわかっていました。だって昨日もそうでしたからね。当然、車は約束の時間には来ません。だからといって来ないだろうからと怠(なま)けることはできず。もしかしたら約束通り来るかも!?なんて心の中で思ってしまうから面白いものです。来ないのに。

こういう時は焦(あせ)るべからず!ホテルのとなりのレストランでコーヒーをいただきながら待ちます。そして10時になった時点でようやく連絡を入れてみます。すると折り返し電話が。

「今行くぞ!」

はい、了解です。来てくれるならもうそれだけで十分です。

それからまた少し待ったのちに迎(むか)えにきたのは大型の4WD(4つのタイヤが全部回る丈夫な車)!よし、これに乗って出発だ〜!!と思ったら、まずはオフィスに行くということで、ETTのメケレ支店にやって来ました。この金色の像が目印です(となりのホテルのエントランスですが)。ここで他のツアー参加者を待つことに。いったいどれくらい待つのかなと思いながらしばらくすると

「行くぞ!」

②ダナキル砂漠ツアースタート

おっ、今度こそ出発ですね!と思いながら車に乗り込むわけですが、まだ出発ではないとのこと。30分ぐらい走るからと言われ、どこに行くのかドキドキしながら進んでいくと、前方に同じような4WDの車が停車しているのを発見。

「これに乗るんだ!」

ドアを開けるとそこには他の参加者の方が!一人じゃなくなったことで一気に安心しました。もう何があってもダナキルツアーに参加できることが確定した瞬間です。これで車を乗り継ぐリレーは終了。時刻は11時を過ぎたところです。もうあとは任せたよ、ドライバーさん!!※ちなみに、一緒にツアーに参加した人たちは9時前にピックアップをしてもらえたとのこと。ダナキルツアーに参加する場合は事前のしつこいくらいの連絡が大事かもしれません。

車はメケレから東へ、まずは舗装(ほそう)された道を進みます。昨日までの緑豊かな景色から少し様子が変わってきたかなという印象です。

③お昼休憩

すぐにお昼の時間になったので、途中の町でランチタイムの休憩を取ることに。ここで今回のツアーに参加する人たちが全員集合しました。車は全部で4台。私以外にも日本人観光客の方もいました。シンプルですが、シンプルだからこそありがたいパスタを食べていよいよここから本当のダナキルツアーが始まります。

とにかくひたすら車で進んでいきます。先ほどまでより緑が減り、乾(かわ)いた砂漠の雰囲気が感じられてきました。

④エチオピアンコーヒー休憩

そして1時間走ったらまた休憩。早いよ!!とツッコミたくなりますが、これが今日の目的地に向かう前の最後の町でした。エチオピアンコーヒーをいただき、のんびりとした贅沢(ぜいたく)な時間を味わうわけですが、ここでようやく気づいたこと。暑い!暑いんです!!昨日までのエチオピアの旅で一言も出てこなかった「暑い」という言葉がついに口から出てきました。暑いだけがアフリカではないということはこれまでの旅の様子でわかっていただけたかと思います。ただ、やはり私は暑いアフリカが好きです。何日かぶりの汗をかくぐらいの暑さに喜びを感じながら、車へと乗り込み再出発。

あとはもう目的地にただ向かうだけです。ここからは車窓からの風景をご覧(ごらん)ください。写真は先ほどの町にいた信号トリオの少年たち。

⑤ダナキル砂漠の世界へ

昨日までの景色と全く違う世界が広がっています。なんだここは!?と。カラカラの大地が360度広がる果てしない世界。ゴツゴツとした黒い石や岩でおおわれた景色は、異世界を感じさせます。

ドライブ後半はオフロードの道なき道をひたすら走ります。終始ガタガタと縦ゆれと横ゆれを繰り返す車。砂煙(すなけむり)で前が見えなくなったり、竜巻が発生したりと砂漠ならではの体験にワクワクとドキドキが止まりません。

ラクダもいます。この国の北部にはラクダがいるんです。昨日までとはまるで違う国にいるような感じですが、ここもエチオピア。エチオピアには砂漠がある!という事実を今日1日で身をもってよーく理解しました。

⑥キャンプサイト到着

メケレを出発してからおよそ6時間半。ついに本日のキャンプ地となるポイントに到着しました。ちなみに朝から歩く気満々で張り切ってトレッキングシューズをはいていたわけですが、ここまでずっと車移動。サンダルの方が◎でした。

④メケレから東に200kmほどのところに位置する⑤のポイントまで来ました。かなり揺れるドライブでしたが、車に乗っていれば目的地には到着するのでそこまで過酷さを感じることはなかったです。私は。

さぁ、辺りが少しずつ暗くなってきましたが今日のメインイベントはここから始まります!水とライト、カメラ、そして一番大事なマスクを持ってトレッキング開始です。

⑦トレッキング開始

ゴツゴツとした岩山を登っていきます。ちなみにキャンプ地の標高はおよそ460m。かなりの低地なので、山登りですが高山病などの心配は全くありません。それよりも、暑い!ガイドさんの情報によると気温は38度ほどあるそうです。風が吹くので体感的にはもう少し涼しい気もしますが、暑いです。

30分で着く!と言われましたが、30分でようやく岩山のテッペンに到着。ここはゴールではありません。日が沈んむと辺りはさらに暗くなっていきます。そしてここでマスクを装着(そうちゃく)!懐中電灯を忘れたのでケータイのライトを頼りに火口へと進んでいきます。そう、火口です!!

キャンプサイト出発からおそよ45分。登っていたのはただの山ではなく火山。目の前に現れたのはエルタ・アレ火山(Erta Ale)の火口です。

エルタ・アレ火山

エルタ・アレ(Erta Ale)は、エチオピア北東部のダナキル砂漠内にある活火山。標高613m。エルタ・アレとは現地に住む遊牧民族・アファール族の言葉で「煙の山」を意味する。山頂に2つの火口があり、そのうちの1つの火口内には世界的にも数少ない恒常的な溶岩湖がある。活動中の溶岩湖としては最も古く、地表にある火山の中では最も低いとされている。エチオピア国内で最も活発な火山で、現在も活発である。Wikipediaより】

ウォー!!巨大な深い穴の下をのぞくとかすかに見えるマグマにテンションは上がります。赤々と燃えるマグマ。

そしてまぁ煙がすごいんです。マスクをしていても咳(せき)込んでしまう火山独特の煙が下から吹き上がってきます。「煙の山」の名にふさわしいモクモク具合です。

煙以外にもう一つすごいものが。それが「音」です。燃えるマグマの音!危険で怪(あや)しささえ感じる轟音(ごうおん)が下の方から絶えず聞こえてきます。

煙によって視界がさえぎられるので、基本的に見えるマグマはごくわずか。しかし、そのほんの小さな赤い光に地球の命を感じます。ちなみにこの「マグマ」という言葉。英語なんですね。私、今日まで日本語だと思って使っていました。いつの間にか当たり前のように使っている英語の一つかもしれません。日本語だと「溶岩」です。

ちなみに、実際にはこんなに色鮮やかな赤々とした光景は見られません。カメラのチカラです。夜暗くなってから写真を撮る場合は、スマホのカメラでは限界があります。幻想的(げんそうてき)な写真が撮りたかったらやはりカメラは必需品(ひつじゅひん)!煙が燃えるマグマによって赤く照らされます。

その前に立てばこのとおり!火口を背にしたシルエットはスリリングですが赤と黒のコントラストが美しく映えます。※カメラの設定は【F値 2.8/シャッタースピード 1/1.6/ISO 6400】で撮りました。

実は道中見えていた山々もそのほとんどが火山という異世界感がものすごいダナキル砂漠を走りぬけ、人生初のマグマに興奮した本日。その後キャンプサイトに戻り夕飯を食べたら、今晩は野外にしかれたマットレスに横になって夜を過ごします。少し汗ばむくらいの暑さですが、風もあり気持ちのいい夜。幸運なことに今夜はほぼ満月(昨日が完全な満月でした)。ツアー初日は大自然の中でゆっくりと眠りにつくのでした。

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