DAY119 エスワティニを旅する④ 「世界で2番目に大きい一枚岩 シベベロック」-チャレンジャー向け岩登りコースガイド※要注意-

2019年11月12日、天気くもりのち晴れ。

マンジニの街を歩き回った3日前。サッカー代表のユニホームを探してスポーツショップで聞き込みをした際に店長さんに教えてもらったのが「Lugomba」という場所でした。首都ムババネにあるというその場所に行けば、ユニホームが手に入るだろう!とのことでした。よしっ!これで一気に道は開けたぞと思ったのですが、あとでその名前を地図アプリで検索(けんさく)しても出てこなかったんです。これはどうしたものか。

とそこで適任を思い付きました!昨日訪れた日本エスワティニ国際協力機構のシマンガさん。エスワティニのことを知っている彼ならきっとこの店のことも知っているだろう!!と思って聞いてみると…わからないなぁ。とのことでした。ガーン。彼でも知らないのだからこれはふりだしに戻ったなと。ですが、そこで彼が新しい情報をくれたんです。ここに行けば!と今度は地図で教えてくれたので、確実にその場所を目指して向かうことに。そしてやって来たのが

こちら!あれ?Ligomba…これってもしかして!?ですよね!?これまでのエスワティニでのユニホーム探しの点と点が線でつながった鳥肌ものの瞬間でした!スゲー!!もうここしかない!ということで昨日このお店の店長さんにユニホームが欲しいです!と伝えると、お店にはないけど知り合いに頼んでみるよ!と言って何人かに電話で交渉(こうしょう)してくれたんです。そして、なんと確保してくれたとのことで

「明日の午後にまた来るんだ!」

と言ってくれたんです!!インポッシブルだと言われたユニホームがなんと手に入るかも!!ということで、今日の午後は絶対にムババネに行くことが昨日決定したのです。

じゃあ午前中はどうしようか。もうムババネは十分歩いたし、だからといってあまり遠くには行けないし…!とそこで思い出したのがこれまた昨日シマンガさんが教えてくれたある山の存在です。

エスワティニのビール「SIBEBE(シベベ)」。非常にライトな口当たりで飲みやすいこのビールの名前はこの国の山の名前だということを先日スーパーの店員さんに教えてもらいました。「山」と聞くと興味(きょうみ)をもってしまうもので、じゃあその山はどこにあるのかなぁと思っていたら「ここ(ムババネ)から10kmくらいのところにあるよ!」というのです。よし、だったら午前中を使ってチャチャっと登ってくるか!

ということで、テント泊をしていたマンテンガの宿を今日はチェックアウトしてまず首都ムババネへ(ミニバスは10リランゲニ)。そしてそこからさらにシベベ方面へと向かうバスに乗り換えます。わずか6リランゲニ(約40円)というこれまた非常に安い交通費に感謝をしながらバスに乗ること15分。

見えてきたのはエスワティニが誇る(ほこる)一枚岩「シベベロック」です!!

④世界で2番目に大きい一枚岩 シベベロック

Sibebe is a granite mountain in Eswatini, located 10 km from the capital city Mbabane. It is the second-largest monolith in the world and the largest exposed granite pluton, rising 350m above the valley of the Mbuluzi River. It is also known as ‘Bald Rock’. (中略) Sibebe also gives its name to a lager produced by Swaziland Beverages, called Sibebe Premium Lager.【Wikipediaより】

シベベロック。まず、山ではなく岩なんです。そしてなんと一枚岩としての大きさはあのオーストラリアの世界遺産「エアーズロック」に次いで世界第2位!ですが、この時の私はこの情報を知りませんでした。あとから知ったんです!なので、正直に言います。このシベベロックを見てもまだ、私の中では「軽く登ろう!」的な気持ちでした。【ちなみに、このシベベロックが世界で2番目に大きい一枚岩だという説明ですが、3番目であるという説もあります。ここでは私がいつもお世話になっているWikipediaさんの情報に則って(のっとって)第2位とさせていただきます。】

緑の多いエスワティニ。とっても気持ちの良い岩登りがスタートです!南アフリカ、ケープタウンのテーブルマウンテンが懐かしい(なつかしい)なぁなんて思いながら進んでいきます。正直テーブルマウンテンは予想以上にハードだったので、それ比べるとシベベロックは意外と楽だな〜なんて思いながら歩くこと15分ほどでした。

あれ?緑はどこいった??というより、ここは行き止まり??もう突然(とつぜん)のことすぎたので何がなんだかわからなくなりましたが、冷静になってよーく考えました。ここはシベベロック。さっき見ていたあの岩山の頂上を目指してきたわけですが、それはこの上にある。…!!登るのか!?コレを!!?

そういえばさっき一緒にこの登山道入り口で降りたお姉さんが、やたら心配してくれるなぁと思ったんです。道はわかる?ガイドはつけないの??たしかにおかしいなぁと思ったのはこの登山道には入口の案内表示が何も無かったことでした。

地図で確認すると私が降りたのは★マークの地点でした。そしてお姉さん曰く(いわく)グルッと回って反対側から登るのが基本のコースだそうです。が、私は単純にこの★からの方が頂上まで近い!と判断したので、ここから登ろうと思ったんです。

がしかし!これはウソでしょ!?と度肝(どぎも)を抜かれました。先ほどの地図上だと白い点線で引かれたコースになるわけですが…コース無いよね!?登れるの!?…リアルに引き返すという選択肢(せんたくし)もよぎりました。が、コースが描いて(かいて)あるってことは、インポッシブルじゃないってことだよなと。…やるか!ということでここからが本当のシベベロック岩登りスタートです!ですが、さすがにこのバックパックを背負っては不可能。人が来る気配が微塵(みじん)もないここなら大丈夫だと判断して荷物を置いていくことにしました。ここにだけ謎(なぞ)のロープがあったので、そこにチェーンでつないでおいてしばしのお別れを告げ(つげ)ました。

もうここからの様子は写真で想像をしていただければと思います。

右を見ても左を見てもそのあまりの傾斜(けいしゃ)に終始ビックリしまくりです。

こればかりはiPhone11proの超広角カメラを使ってもなかなか迫力(はくりょく)が伝わらないかもしれませんが、とにかくとんでもない岩の登り坂をしがみつくように登り続けました。途中何度もビビりまして、もう登るのをやめて戻ろう(もどろう)とも思いました。が、

下を見るともう絶叫(ぜっきょう)レベル!これ、下れるの!?ともう登ってる途中から帰りのことが心配になりました。マジか!?要はもう登るしかない!ということで、そこから一気にギアを入れ替えてひたすらテッペンを目指しました。

そして岩登りをスタートしてからおよそ30分!たどり着いたのは草の生い茂る(おいしげる)風が気持ちのいいエリアでした。いやー!着いたーー!!

空がとっても近くてまるで別世界にたどり着いたかのようなシベベロックのテッペンの風景。大きな岩がゴロゴロとそこらへんに転がっているのも非常に不思議な光景です。いやー、何度も言いたい!着いたーー!!

振り返っても登ってきた坂が見えないというのがこのシベベロックのスゴイところです。本当に巨大な一枚岩をとんでもないコースで登ってきたなと。そして念のために言っておきます。このコースはまず選んじゃいけないやつです!登っておきながら何言ってるんだ!?とツッコミを喰らい(くらい)そうですが、グルっと回って反対のコースを登ることをオススメします。このコースはいわゆる鬼モードです!

下りは歩幅を小さく後ろ体重!思いのほかラクに下れたのは登りで精神が鍛え(きたえ)られたからかもしれません。20分ほどで下山するともう無事に帰ってきた喜びで生きてるぞーー!と叫びたくなりました。我ながら何をやってるんだか。バックパックもちゃんと待っててくれました。良かった!

本当にちょっと登る!程度の軽い気持ちでやってきたシベベロックでしたが、とんでもない!自然の厳しさ(勝手に感じてるだけ)とそれを乗り越えた喜び(同じく勝手に感じてるだけ)を教えてられた忘れられない登山になりました。これは個人的アフリカ登山の思い出ベスト5に入ります!いやー、すごかった!!が、忘れてません!ムババネに行かないと!!ということで下山直後にバスをつかまえてまた首都ムババネに戻りました。そしてお店に行くと…

キターーー!!エスワティニ(スワジランド時代)のサッカー代表ユニホーム〜!!お店のオーナー、シンバさんが知り合いに頼んで譲って(ゆずって)もらったという貴重な一枚です!!インポッシブルと言われたユニホームが自分の手元にやってきた…!!いやー、本当にもう感謝しかないです!ギャボン!!ちなみにこのお店はエスワティニならではのものが他にもたくさん!私はついでにスワジ族がダンスの時に使っていたホイッスルを買いました。これもまた思い出の品になりそうです!

ということで喜怒哀楽(きどあいらく)が激しかった本日。ちょっと前までシベベロックでヒーヒー言ってたんだよなぁと我ながら濃すぎる1日にちょっとビックリしています。が、もうユニホームが手に入った喜びで胸がいっぱい!そんな中、もうエスワティニ旅も残すところあと1日ということで今日はここからちょっと冒険をしよう!ということで、いつもよりちょっと長めに国内移動!まずはムババネからもう一度最大都市マンジニへ(20リランゲニ)。そしてそこからさらに西へ。ビッグベンド(Big Bend)という街へと向かうバスに乗り(50リランゲニ)やって来たのは

これまた何もない道の途中でございます。実は今日の喜怒哀楽はまだ終わっていなかったのですが、その続きはまた明日!

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