2019年5月20日、天気晴れ(南)くもり(北)。
カーボベルデの歩き方
多分こんな感じだろう。おそらく!なんて感じで情報社会の現代は大抵のことを事前に調べることができるので予想がつくものです。「地球の歩き方」や「ことりっぷ」などの旅行情報冊子読めば旅気分すぐに味わえます。私も好きです。まぁでも言い方を変えれば旅のネタバレになりますがね。それでも情報収集は安全な旅をする上で欠かせないので、私も事前にネットである程度調べてから旅をしています。が、今日は本当に予想外が立て続けに起こりました。百聞は一見にしかずという言葉の意味を今日ほど感じたことはないかもしれません。想像を超える出来事の連続だったカーボベルデ6日目がスタートします。
今朝はまた早朝から行動開始。島国カーボベルデの旅は常にフェリーや飛行機の時間を意識して動くことが大切です。1日に何便も出ているわけではないので、もし乗り遅れたらその島で待機!なんてこともあります。時間にルーズで朝にも弱い私にとっては結構キツイかと思いきや、自然と目が覚めたり荷作りも思いのほかスムーズにできてしまうから不思議。次の島にはまた新しいドキドキやワクワクが待っている!そう思えるから自然とカラダが動くのかもしれません。
ミンデロの街で1日お世話になったのはこちらのMaderalzinho。まぁ〜快適すぎていつまでもいたくなってしまうステキな宿です。チェックインの際にはなんとコーヒーのサービスがあり、一緒に出されたシナモン風味のフワッとしたケーキがこれまた絶品!オシャレな内装にもグッと心を掴(つか)まれ、何よりオーナーさんがすごく親切な方でもう居心地がよすぎるんです。だからこそ気になるのが宿泊費に含まれる朝食!だったのですが、これが食べられない。フェリー乗り場に7時半には行かなくてはならず。後ろ髪を引かれるとはまさにこのこと。外観からは非常に見つけにくい隠れ家的な感じも街に溶け込んでイイ感じで。1泊およそ2500円。とってもステキな宿でした。
朝日を浴びながら港へ向かいます。今日向かう島がこのカーボベルデの旅で行くことのできる最後の島!「最後」という言葉はやはり気分を高めてくれるものです。そして港が見えてくるとさっそく同じフェリーに乗る人の姿が。
こんなにいるの!?とその乗客の数に驚かされます。これまでもフォゴ島やマイオ島に向かうフェリーに乗りましたが、明らかに倍以上いるからビックリ!チケット売り場には長蛇の列が。
昨日の内にチケットを買っておいて正解でした。計画的に動いておくとこういう瞬間にちょっとしたお得感が味わえます。ちなみにこのミンデロの港のフェリーは首都プライアとは違う系列の会社です。チケットがかわいくてこれはとっておきたいなと思ったのですが、乗船時に回収されてしまうので残念。ちゃんと写真をとっておいてよかった!
向かうはカーボベルデ5つ目の島。今いるサンヴィセンテ島からは非常に近く、その島のシルエットを昨日も何度か目にしました。カーボベルデで2番目に大きい北西端の島「サントアンタン島」です。
⑤サントアンタン島
サント・アンタン島は、バルラヴェント諸島を構成する島の1つである。この島はカーボベルデに属しており、同国における最西端にあたる。人口は38,200人。島の名は、聖アントニウスにちなむ。【Wikipediaより】
この観光客の数!もちろん地元の方もいるかと思いますが、座席が全て埋まるんです。日本ではあまり知られていないアフリカの島国の西の果てにある小さな島ですが、実は知る人ぞ知る旅行好きの間では有名なサントアンタン島。
期待がますます高まる中、フェリーにゆられることわずか45分で港に到着です!
まず驚かされたのは立派なフェリー乗り場の建物!フードコートにお土産屋さん、エスカレーターまであって、もしかしてプライアの国際空港よりも立派なのではないかと思うほどです。
そんな乗り場の外に出ると待ってました〜!!という感じで出迎えてくれるタクシードライバーのみなさん。ものすごい歓迎(かんげい)を受けているような気分を味わえます。ただこの全員から一気に客引きの声がかかると大変だぞ!?と一瞬ビビりますが、みなさんそこまでしつこい声かけをしてこないので一安心。
ということでフェリー乗り場をあとにして、地図アプリmaps.meで予約した宿の場所を確認して向かいました。が、無い。もう慣れっ子です。地図上の宿の位置情報が間違っているというハプニングは西アフリカあるあるかもしれません。こういう時はすぐに地元の方に聞く!これに限ります。道を歩いていた男性に声をかけると「こっちだよ!」と先導して道案内をしてくれました。オブリガード!するとなんと先ほどのフェリー乗り場から歩いて20秒くらいのとんでもなく近場にあったホテルAutentico。
この宿がまぁ〜スゴかった!これが本日の予想外一つ目。宿の紹介は明日したいと思います。
アーリーチェックインを済ませて部屋に荷物を置き、身軽になったところで活動開始。とその前に、しっかり朝ごはんを食べます。今日もいただくのはカーボベルデの伝統料理であり朝の定番カチューパ!
「カチューパはストロングフードだ!」
と言う地元のみなさん。腹持ちがよく、豆とトウモロコシでしっかり栄養が取れる国民食に私もすっかりハマってしまいました。しかも今朝は目玉焼きが2つ!元気がチャージされたところでいざ出発。宿のオーナーさんが紹介してくれたドライバーのカルさんの車に乗り込みます。
サントアンタン島の特徴は島の中央に山脈が走り、南北に島が二分されていること。カルさんによるとなんと南の方はここ2年ほど雨が降ってないそうです。反対にほどよく雨が降り豊かな土壌(どじょう)に恵まれた北部には緑豊かな自然が広がっているというのです。
フェリー乗り場と宿がある南の町「ポルトノボ」からまずは車で山のてっぺんを目指します。目の前に広がる山の方へとグングン進んでいくこの光景はフォゴ島の火山ドライブを思い出させますが、これまた少し違うスリルがあります。山を越えて北へ!こんなことができるのも道がしっかりしているから。カルさんによるとこの道路が完成するまで15年ぐらいかかったとか。こういう道があるという当たり前のことにも感謝しないといけません。どんどん上がっていくと緑の姿がチラホラと。自然の様子の変化を感じ取ることができます。そして海の向こうには今朝までいたサンヴィセンテ島の姿がはっきりと見えました。あの島もカーボベルデ、この島もカーボベルデ。『10の島からなる国』という感覚にもだいぶ慣れてきたつもりですが、やはりふと思い出すと面白い国だよなぁと感心させられます。
峡谷トレッキング
車で上ってくることおよそ40分。標高約1400mの所までやってきたところで、ついにここから本日のメインイベント!サントアンタン島のトレッキングがスタートします!!ここカーボベルデでトレッキングができるというのを知ったのはつい先日。モーリタニアで出会ったポルトガル出身の旅人アンドレさんが教えてくれました。カーボベルデはポルトガルの植民地だったため、アンドレさんはカーボベルデについて詳しく、魅力をイロイロと話してくれました。その中で彼が特にイチオシしていたのがこのサントアンタン島。
「サントアンタン島には絶対に行くんだ!あの島でのトレッキングは感動すること間違いなしだから!!」
いっしょにサハラ砂漠を4時間歩いたアンドレさんが熱く語ってくれたので、そりゃ行くしかないぞと!ということでこの島に来た目的はトレッキングをするためでした。ドライバーのカルさんとはここで一度お別れです。
ポルトガル語で「へこみ」を意味するCovaと呼ばれる火山の噴火によってできたカルデラのポイントがスタート地点です。これまたカーボベルデならではの単純すぎるネーミングですが、ステキな景色に感動。聞こえてくるのは風の音と鳥のさえずり。のどかな雰囲気がとってもイイ感じで、ずっとここにいたくなってしまいます。が、きっとこの先にさらなる感動が待っているはず!と気持ちを切り替えてワクワクしながら上り坂を進んでいきます。ちなみにサントアンタン島のトレッキングではガイドさんをお願いすることができますが、つけなくてもOK。当然一人でチャレンジする道を選んだ私です。
まだここは山のてっぺんではなくギリギリ南側。景色を楽しみながらゆっくりと進み、ついにてっぺんに到着。北側の景色が目の前に開けたその瞬間でした。
頂上からの絶景
言葉にできない絶景。…この表現を使ってしまうと、つまりブログでは伝えられないということになってしまいます。はい。もうその通りで、私の文章力ではおそらくこの感動を100%届けることはまずできません。不可能と断言してしまいます。それほどにスゴイ景色が目の前いっぱいに広がっているんです。
本日の予想外二つ目。感動の絶景があることは知っていましたが、その想像をは〜るかに超える世界が待っていたサントアンタン島。この絶景を目の当たりにして出てくる言葉は「スゲー」の一言です。
力強くそびえる広大な山々。その中にあって一際感じるのが植物や人々の存在。
山の傾斜にそって作られた棚田の緑は鮮烈で、人の手によって切り開かれたうねる道は生命を感じさせます。
なんだこの景色は!?理解が追いつきません。とてつもない地球と人のパワーを感じる絶景です。
どのくらいの時間てっぺんにいたかわからないくらいずーっとこの景色を見つめて目に焼き付けてました。十分に満喫したところでいよいよ山を下り始めます。
クネクネした急な坂を下っていくのですが、もちろん眼下にはずーっとこの絶景が広がります。少し下っては写真を撮り、少し下っては感動して。もうぜんっぜん先に進めません!だって景色がスゴすぎる〜!!
「4時間で下れる!」
と言っていたカルさんでしたが、まず無理だなと。ちなみにトレッキングのゴールはこの望遠レンズで撮った写真の真ん中上部に見える海沿いのポイントです。
植物たちとの出会いも楽しいトレッキング。
下っていくと今度はその棚田の美しさに魅了(みりょう)されます。
見事な人工美と自然美の融合。山の傾斜を利用して行われているサントアンタン島の農業です。
黄色いスーパーで売られたバナナしか知らないと、この花を見るとギョッとするかもしれません。これがバナナの木。
標高の高い位置だとまだ実は小さめでしたが、山を下ってくると大きく立派な実をたくさんつけたマンゴーの木が生い茂っていました。
一番下の方の水が十分にある場所ではイモ系の植物の葉が。
サトウキビとラム酒
そして一番目にしたのがこちらのサトウキビ!もうあっちにもこっちにもサトウキビ畑が広がります。
今は収穫の時期のようで、男性たちが鎌を使ってサトウキビを刈り取る作業を行なっていました。
そんな姿をじーっと見ていたらなんと刈ったばかりのサトウキビをプレゼントしてくれたお兄さん。オブリガード!かじってみるとすご〜く甘いんですこれが。竹のような皮を歯でむくのが大変ですが、トレッキングの疲れにサトウキビの甘さがしみました!
サントアンタン島ではこのサトウキビを使ったお酒であるラム酒の生産が盛んです。ということでトレッキングの途中ですが昼からラム酒をいただきました。アルコール40%越えのガツンとくるやつですが、非常にスッキリしていて飲みやすく、ほんのりと甘さが口に広がります。
ちなみにコーヒー豆も栽培されているサントアンタン島。山の中にある小屋ではコーヒーもいただきました。大自然の中で飲むコーヒーはこれまた格別です!
頂上から2時間ほど山道をひたすら下るとようやく車も走る下道に出ました。そこからさらにゆるやかな下り坂を進み今回のゴールである「Paul」という海沿いの町に向かって歩き続けること2時間半。
下から見上げる絶景が続く中、ラム酒を飲んだり、アイスを食べたりしながらのトレッキングを楽しみまして。合計4時間半の大自然のパワーに背中を押されるようなトレッキング。ただただ最高でした!
今回私がたどったコースはサントアンタン島の数あるトレッキングコースの中の一つにすぎません。この島にはまだまだたくさんのコースがあり、まだまだ他にも絶景が存在するということなんです。この島に観光客がたくさん来る理由がよーくわかりました。
ここは知る人ぞ知る大自然の絶景を満喫できる島です!!
Paulの町で待ってくれていたカルさんの車に乗り込み宿へと戻ります。忘れていたことを思い出させるこの景色。そう、ここは島なんです。朝はフェリーに乗って、日中は山でトレッキング。1日の中にものすごい景色が次々と出てくるのでもう頭が混乱しています。先ほどまでくもっていた空も南の方に移動してくると晴れているからこれまた不思議。
観光国としてはまだまだ成長途中のカーボベルデです。ここサントアンタン島にもそこまで数多くのツアー会社がありません。トレッキングをする場合は車を手配してドライバーの方といっしょにスタート地点まで行き、ゴールで拾ってもらうという感じになります。ちなみに今回の最初の山下りの2時間は私以外はだーれもいなくて完全に絶景を独り占め状態でした。
ドライバーのカルさんは本当に良い方で親切にしていただきました。こちらは彼からもらった名刺です。オブリガード!
今日は本当に感動と興奮のすごい1日でした。予想外の三つ目も書きたかったのですが、もう長くなってしまったのでそれもまた明日にしたいと思います。サントアンタン島、最高です!!
こんにちは!以前からちょくちょくブログを読ませてもらっています。
昨年まで夫の仕事でギニア・コナクリに住んでいました(昨年3月、ギニアから緊急一時帰国する際に乗り換えのドバイで先生をお見掛けしました…その時はブログの先生だと気が付かず、バックパッカーの人がいるなと…のちにブログを読んで気が付きました)。ギニアへ来る旅人は珍しく、先生のコナクリでの宿泊先はこちらを教えてくれた友人の住むレジデンスでした(笑)。ギニアへ来てくださってありがとうございます!興味深く読ませてもらいました。
ギニアの前はセネガル・ダカールに住んでいて、その時に私もカーボベルデの島々を旅しました。サントアンタン島を何日間かトレッキングしましたがあの景色が忘れられません。Covaもポール谷へ下るウネウネ道も…厳しい大自然と人が踏み込めるギリギリの場所まであるだんだん畑…私の中で旅先ベスト1になるほど大好きです!
気を付けて旅をつづけてください!コートジボワールのブログのつづきを楽しみにしています!!
コメントいただきありがとうございます!!
ブログ、見つけていただけて、読んでいただけてとても嬉しいです。
あの2020年3月の帰国の時にドバイにいらっしゃったんですね!!こうしてブログでまたつながることができることに感動しています。
ギニアはまだまだ旅をしたい国の一つで、いつかまた再訪したいと考えています。本当に魅力的な国ですよね!住んでいないとわからないギニアがたくさんあると思うので、是非教えていただきたいです。
そしてカーボベルデ!サントアンタン島のあの景色は間違いなくアフリカの絶景ベスト10に入るかなと思います。私も大好きです!!