2023年12月14日、天気晴れ。
目次
中央アフリカを旅する

・・・やってしまいました。
安全第一を心掛けて旅を続けてきたアフリカ54ヶ国制覇の旅-第10章-。
前回は悔やんでも悔やみきれないほど残念な旅の結末を迎え、読者の皆様にも多大なるご心配をおかけしました。
なので、今回は絶対に無事に日本に帰る!
と心に誓(ちか)っていたのに・・・
話は一昨日の夜まで戻ります。
レストラン「Relais Des Chasses」

夕食を食べにやって来たのは雰囲気抜群のレストラン。
はい、当然ですが危険レベル4のこの国で夜暗くなってからの外出はまず控(ひか)えるべきです。
実は中央アフリカに駐在している方からSNSで連絡が入り、夕飯をご一緒させていただくことになったのです。
これは本当に嬉しいお誘いでした。

首都バンギの中でも特に美味しい料理がいただけるというこちらのRelais Des Chasses。
旧フランス領の国は食事のクオリティーが高いというのはアフリカあるあるの一つです。
が、まさか中央アフリカにもこんなステキなお店があるとは思っていなかったのでビックリ。

オススメされて注文したのは、キャプテン(ナイルパーチ)と呼ばれる川魚の燻製(くんせい)になります。
旨味とほどよい塩気が口いっぱいに広がり、お酒がついつい進む一品!
いつもは最初から最後までビールの私ですが、こちらは白ワインと一緒にいただくのがベストです。

そしてメインはステーキ!!
間もなく旅も終わりを迎えるので、ここまで頑張ってきた自分へのご褒美です。
しっかり焼き加減を聞いてくれるのはさすがフレンチレストランだなと。
肉好きの私は迷わず「レア」を選択します。
出てきた皿に興奮が冷めやらぬ内に、口の中に一切れ入れてみますと・・・
「うめぇ~~~~!!」
柔(やわ)らかいお肉に感動が止まらず、あっという間に完食でした。

そのあとは食後のコーヒー&デザートまでいただき、大変満足して店をあとに。
あっ、もちろんホテルまでドアtoドア。
もう一度言っておきますが、夜の暗い時間帯の外歩きは基本NGです。
ということで何事もなくホテルに戻ってきてこの日は終了しました。

異変を感じたのは次の日、つまり昨日のことです。
朝からな~んか変だなと感じつつも、首都バンギで過ごすことのできる貴重な時間をムダにしたくないと思いアチコチ回っていたのですが・・・
「イタイ〜」
腹部に感じる内部からジワジワと込み上げてくるような痛み。
はじめはチクチク程度でしたがだんだん強くなってきまして、夕方頃には歩くのも苦しくなるレベルになりまして・・・

一夜明けて本日。
朝になっても痛みは引かず。
帰国前日なのに~と思うものの、今日は外に出る気力も湧(わ)きませんでした。
いやー、やってしまった。
ちなみに吐(は)き気は全くなく、とにかくイタイんです。
こちら、おそらく原因はレアでいただいたステーキだと思います。
あまりに生(なま)すぎたお肉に自分のカラダが対応しきれなかったのでしょう・・・なんてカッコイイ風にまとめようとしましたが、要は食中毒です。
肉好きとしても非常に悔しい結果となりました。
えー、この経験から皆さんにお伝えできることはただ一つ。
『ステーキを食べるときは「ミディアムレア」がベター』
肉をモロに感じることのできるレアの方が個人的には好きですが・・・今後旅中は自粛(じしゅく)しようと思います。
※全ては私の責任であり、レストラン側に非はありませんので誤解のないようにお願いします。

というわけで、今日はホテルのベッドの上でずっと悶(もだ)え苦しんでいました!では面白くないので、まだ紹介できていなかった首都バンギの観光スポット&カフェ情報を少しずつお届けしていきます。
バルテレミーボガンダ国立博物館

治安の心配がある地域を旅する上で上手に活用したいのが博物館。
警備がある程度しっかりしていて、人目を気にせず過ごすことができる博物館は観光途中にホッと一息つくことのできる休憩所としてとっても便利です。

歴史に触れることその国のことがよりわかるようになるのも面白いところ。
正直こちらの博物館はそこまで大きくなく、展示品も少なめです。
が、それが正に中央アフリカという国を表しているのだなと。

この博物館の名前になっているバルテレミーボガンダさんは中央アフリカを独立へと導いた「国の父」と称される英雄です。
なんとこの国の特徴的な国旗をデザインしたのもボガンダさん。
彼は首相という立場で国の独立のために尽力していたのですが、1959年に飛行機事故で死亡。
この事件の真相は未だ解明されていません。
そして彼の死後、1960年に中央アフリカはフランスから独立を果たしたわけですが、そこからはクーデターの連続で・・・
不安定な政治は今日まで続いています。
独立までの軌跡(きせき)がメインで、独立後の展示はほとんどないこちらの博物館。
そこに深いメッセージを感じるのでした。
Ndara Ti Beafrika

そんな暗い現実がある一方で、明るい未来に向かって進んでいる人たちがいるのもこれまた事実。
Google Mapsを頼りにやって来たのは中心地にほど近い、それでいてそこまで人気(ひとけ)のない通りです。
ココにアフリカ布を使った商品を取り扱うお店があるというのですが・・・本当に?
ソレらしきお店がある気配は無く、看板も見つからず。
これは誤情報か?と思いつつ、念のため近くにあったホテルの受付の方に聞いてみると
「隣(となり)にあるよ」
ソコにあったのは白い大きな門扉。
インターフォンを鳴らすとガラガラガラと音を立てて開きまして。

そこに広がっていたのは外の世界とは一変したオシャレな空間。
隠し部屋を発見したような気分にテンションが上がります。
なんだココは!?と驚きを隠せないまま吸い込まれるように店内へと入っていくと・・・

「ワァーーーー!!」
思わず声が出てしまうアフリカ布の世界。
しかもディスプレイの感じがステキすぎて、一瞬で心を奪われてしまいました。
えっ、待って、ココは中央アフリカだよね!?

商品デザインからクオリティーまで、全てにものすごいパワーを感じるこちらのお店Ndara Ti Beafrika。
会社のホームページにその情熱の源が記されているので、内容の一部を引用させていただきます。

2013年の軍事クーデターを機に、世界中から注目されるようになった中央アフリカ共和国。
しかし、メディアが取り上げるのは血なまぐさい紛争や国の危機といった一方的な側面のみです。
中央アフリカ出身の創業者であるシャーロットさんも、これらの情報が真実であることは理解しています。
が、彼女が伝えたいのは世界が知らないもう一つの中央アフリカ。
何十年にも渡り不安定な情勢が続く中で、逆境に直面しても、この地で力強く生きている人々がいるという事実です。
中央アフリカにも他国と同じよう日常生活を送る人々がいること。
彼らが互いを思いやり、コミュニティを築き、子育てをしていること。

そして誕生したNdara Ti Beafrikaは中央アフリカの人々に安定した専門的な雇用を創出すると同時に、世界に対して中央アフリカのもう一つの側面を発信していくブランドです。
メディアは常に中央アフリカでの紛争危機の話をします。
これらは『いつか』その暴力を止めるのに役立つかもしれません。
しかし、Ndaraは『その日』を待たない。
Ndaraは中央アフリカの希望や喜び、忍耐の物語を同時に伝えます。
Ndaraは中央アフリカの人々の最大の強みであるレジリエンス(回復力)に基づいた、中央アフリカの人々のための平和で永続的な解決策を構築します。

以上がホームページに記載された英文の会社理念を私なりのアレンジで翻訳させていただいたものになります。
いやー、アツすぎです。
ものすごい熱量に圧倒されます。
未来への希望を感じる中央アフリカ発のアフリカ布ブランドNdara。
日本でお目にかかれる日もその内くるかもしれません。
ホームページがこれまたステキなのでお時間があるときに是非覗(のぞ)いてみて下さい!
Le Grand Café

さぁ、最後は中央アフリカのカフェ情報です。
危険と呼ばれる街の観光は少なからずの緊張感が常にあるので、カラダとココロへの疲労もグッと溜(た)まります。
そんな疲れを癒(い)やしてくれるイイ感じのカフェ。
一店目は街の中心地に構える老舗(しにせ)のパン屋さん併設のカフェです。

多くの方で賑(にぎ)わう広い店内。
パンを目当てにやって来るお客さんが多く、地元の皆さんに愛されるお店という感じです。
お店自慢のパンとコーヒーをいっしょにいただくことができるこちらのLe Grand Café。
旅行者がのんびりできるような雰囲気ではありませんが、バンギの日常にほんの少し溶け込むような感覚が味わえます。
MOODBUCKS

ただ、やっぱり思いっきり羽を伸ばして一息つけるカフェにも行きたい!
そんな私の願いを叶えてくれたのが静かな通りで見つけたこちらのカフェです。
・・・えー、店の看板を見た瞬間に抱くニセモノ感。
これは来る店を間違えたなと私も思いました。

が、店の中に入ると疑いが一変。
「ここまで寄せるか!」という思いっきりの良さに本家へのリスペクトを感じるようになります。
看板だけ似せてるわけではないんだなと。

さらにクーラーの効いた店内は居心地◎
このカフェの隣にはアメリカ大使館があるので周囲の安全が確保されているのも安心感につながります。
※逆に変なアジア人がウロウロしていると思われることもあるのでお店周辺の写真撮影は気をつけて下さい。

・・・そんなこといっても所詮(しょせん)はニセモノでしょ??
本格的なメニューに期待は高まるものの、裏切られた時のショックが怖いなぁと思いながらアイスのカフェラテを注文。
さぁどんなものかと一口飲んでみると・・・

「アイスのスターバックスラテ!」
これはアイススターバックスラテであると私の脳がそう判断してるんです!!
見た目だけでなく中身もしっかりスタバで驚きを越えて感動が止まらない中央アフリカのMOODBUCKS、通称モドバ。
他のドリンクもかなり忠実に再現されているのだろうなと思いましたが、本家同様お値段はかなり高めなので今回は断念です。
MOODBUCKSはフードにもチカラを入れているので、レストランとして利用するのも◎
この時すでにお腹に痛みを感じ始めていたので私は食べれずでしたが、バンギ再訪の際はまた足を運びたいと思います。

ということで、実際はベッドの上で腹の痛みと共に過ごした本日。
夜になるとようやく痛みが引いてきたものの、今日は食事はできず。
この旅の実質最終日をまさかコーラで凌(しの)ぐことになるとは・・・
まぁこれもいつか笑い話として良い思い出になるのでしょう。
明日はいよいよ中央アフリカ出国!
しっかりカラダを休めて、万全の体調で予測不能の出国に備えたいと思います。
DAY401へ続く
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