2023年12月13日、天気晴れ。
目次
中央アフリカを旅する

さぁ、ここまでブログをお読みになっていただいたみなさん。
ビザの取得方法&基本情報で散々引っ張ってしまい申し訳ありません。
他の近隣諸国とは勝手が違う中央アフリカを知っていただきたく、少々、いやかなり前置きが長くなりました。
が、その分
「一体どんな国なの!?」
と、この国への興味関心が高まっているのではないでしょうか?
私も全く同じ思いです。
ネットで情報を調べれば調べるほど緊張レベルは上がるものの、実際の街の様子がほとんどわからないのが中央アフリカ。
それが益々不安を煽(あお)りまして・・・
はい、これ以上書くとまた長くなるのでツベコベ言わずに街中へGO!
パスポートの原本を持って、必要最低限の荷物でホテルを出発します。
それでは中央アフリカの首都「バンギ」の様子をお楽しみ下さい。
①バンギ

バンギは、中央アフリカ共和国の首都。
人口は約81万人(2021年推計)。
都市圏(バンギ州)の人口は約143万人。

バンギは面積約66㎢。
イメージできる方は東京都八王子市とだいたい同じ広さになります。
・・・そう言われても難しいと思うので、このアフリカ54ヶ国制覇の旅-第10章-で訪れた国の都市と比較すると
- トーゴの首都「ロメ」:345㎢
- ベナンの最大都市「コトヌー」:79㎢
- ナイジェリアの最大都市「ラゴス」:1171㎢
- ケニアの首都「ナイロビ」:684㎢
そう、一番小さいんです。
Google Mapsで見てもこの通り。
空港も含めて都市がスクショで一枚にスッポリと収まってしまいます。
なので、十分歩ける距離感です。
そして昨日も説明した通り、この街は危険がそこら中に蔓延(はびこ)っている雰囲気はないので、歩くことはできます。
が、アジア人が歩いていると目立つのは必然。
それが危険レベル4に指定されている国となると、避けた方が無難であることは間違いありません。

そこで助かるのがバイクタクシー!
街中をたくさん走っているのでいつでも乗りたい時に捕まえることができます。
まぁこちらも当然目立ちますが、バンギを観光する上で非常に助かる移動手段です。
あっ、一応言っておきますがUberのような配車アプリはありませんよ。
中央アフリカの流しのバイクタクシーと聞くと不安になるかもしれませんが、真剣に仕事をしている方がほとんどなのでご安心を。
もちろんドライバーの良し悪しの判断はご自身のフィーリングを大切に。
流しのバイクタクシーの乗り方〈フランス語編〉

ここで注意です。
中央アフリカの公用語はフランス語になります。
バイクの運転手とのやり取りももちろんフランス語!
全く喋(しゃべ)れないという方にはハードルが高いです。
かくいう私もペラペラではありませんが、乗り物に乗る際のフレーズはアフリカを旅する上で必要不可欠。
では、この際なので覚えてしまいましょう。
「〇〇へ行きたい」→「Je veux aller au(à) 〇〇」
フランス語には男性名詞/女性名詞なるものがあり、それにより活用や冠詞が変わるなど英語とは違う複雑さがあります。
私も自信を持って皆さんにお教えすることはできず申し訳ありません。
が、旅をする上でわかったこと。
「ジュブアレーオー〇〇」
と言えばとりあえず行きたい場所はなんとか伝わります!
大事なのは文法理解ではなく、伝わるかどうか。
フランス語圏を旅される方は是非このフレーズだけでも覚えておいて下さい。
必ずお役に立つはずです。
(事前に必須の乗車料金確認はジェスチャー等を使って、全身で)

バイクに乗ってしまえば安心感もありつつ楽しめるバンギ観光。
それではこの街の見所を少しずつ紹介していきます。
ノートルダム大聖堂

メインストリート沿いの開けた場所に目立つ大きな建物があります。
レンガでできた立派な大聖堂です。

周辺は地元の人の溜(た)まり場になっていて、街のランドマーク的なこちらのノートルダム大聖堂。
特にすごい観光名所というわけではなく、外観を見てほお~となるくらいです。
ただ、このエリアで大聖堂以上に私の目を引くものがありまして。
それが背後の山の上部に見える

あちらの文字です。
本場ハリウッドのサインに比べたらすごく小さいサイズですが、それでもこの6文字が持つインパクトは非常に強烈(きょうれつ)でして。
「自分が今いるのは“あの”バンギなんだ!」
と嬉しさが込み上げてきます。

まさかこの地にこんな粋(いき)な演出があるとは思っていなかったので、発見した時はサプライズ的な感動がありました。
I‘m in BANGUI!
バンギモール

そしてGoogle Mapsで調べたらなんとこの街にショッピングモールがあるというからこれまたビックリ。
もちろんちゃんとこの目で見るまでは信用できませんよ。
「モール」と名乗っているものの、実際は・・・なんてケースはアフリカではよくある話です。
ということで、中心地の近くにあるというバンギモールとやらに向かってみると

モールだ!!
危険レベル4の都市にモールがある!!!!
人が集まることが確定している場所というのはテロリストからは狙(ねら)われやすい格好の的なのに・・・あれ?私が心配しすぎなのでしょうか??
厳重な警備態勢が敷(し)かれているかと思いきや、あっさりと中へ入れるからこれまた驚きです。

こぢんまりとした感じですが、とてもキレイな内観&しっかりした品揃えで、買い物から飲食までしっかりできて。
はい、十分でございます。
ちなみに経営されているのはレバノン出身の方だそうです。
バンギの街中で安心して休憩できるスポットは貴重なので、旅人としては心強い味方になるバンギモール。

レジ袋一枚でテンションが上がるのもこの国ならではの魅力かもしれません。
ウバンギホテル

バンギモールまで来ると、いよいよ首都バンギの中心地になります。
銀行や飲食店が多く集まる環状交差点エリア。
活気があって見ていてとても楽しいのですが、その分注意は必要で。
商店が連なるマーケット通りでは人が一気に増えます。
何度も言いますが歩いているだけで目立つアジア人。
イヤでも目線は集まります。
また、物乞いの子どもの姿もあり、歩いていると声がかかりまして。
中心地でゆったりのんびりというのは旅行者には難しいようです。

ただココまで来たからには見ておきたかったあるもの。
先ほどの地図で見ていただくとわかるように、中心地からすぐのところに実は川が流れているんです。
・・・川というと思わず背筋が伸びてしまうのは以前の痛い経験を思い出すから。
川周辺というのはガッツリ地元の人々のテリトリーなので、無闇に近づくのはNGです。
が、やっぱり見ておきたい!!
ということでホテルの受付の方に安心して川を見ることができるスポットとして紹介していただいたのが

中心地から2kmほどのところにあるこちらのウバンギホテル(Oubangui Hotel)です。
川沿いは開発が進んでおり、オシャレ目なレストランやクラブが建ち並び、その中でも一際目立つこのホテル。
しかし、残念ながらかなり年季が入っておりまして、一昔前に栄えた感が否めません。
なので宿泊するなら他を当たった方が良い気がしますが、ココに来た理由は

コチラ!
ちょこんと突き出た陸地の先っちょにレストランがあるんです。
ホテルが所有するこのレストランは一般客でも利用可能で、フロントの方に一言言えばサッと中に通していただけます。
ですが、注意しないといけないことが一点。
「昨日はトゥーマッチレインだったから危ないかも」

この場所をオススメしてくれたお姉さんの指摘通り、本日の川は水位が高くて勢いもハンパなかった!!
Google Mapsだと干上がって地面が見えていましたが、雨の多い時期にはこの通り。
橋が流されるなんてことは・・・ないとは思いつつも、心配になるレベルの水量にビビりながら、意を決して少し早歩きで渡ると

まわりをグルッと川に囲まれた中州にあるレストランに到着!
もしココが観光大国であれば多くの旅行者で賑わうこと間違いなしの立地です。
が、ココは中央アフリカ。
今回は私以外のお客さんは見かけませんでした。
中央アフリカビール「MOCAF」

こんなステキな場所を独り占めできてしまうというものすごい贅沢(ぜいたく)を味わいながらいただくのは、中央アフリカが誇(ほこ)る自国ブランドのビールMOCAFです。

危険レベル4の国で、こんな開放的な場所で、昼からビール!!
さぞかしリラックスできるのかと思いきやこれがそうでもなくて・・・
周囲を見渡すと地元の人の姿をチラホラ見かけるんです。
バスタイムの男性まで現われる始末で、まぁココも決して落ち着ける場所ではありませんでした。
が、特別感は十分!!
ウバンギ川

目の前をグルッと囲むように流れるウバンギ川。
この川をずっと下っていくと、いずれぶつかるのがアフリカ中央部を流れる大河コンゴ川です。
かつては物流の要(かなめ)として機能したアフリカ大陸を流れる各河川。
現在の中央アフリカを植民地化したフランスは水運の拠点となるこの地に基地を築き、それが今日の首都バンギへとつながるわけです。
小さな都市のサイズ感も、その位置も非常に独特な首都バンギ。
隣国「コンゴ民主共和国」

そしてもうおわかりかもしれませんが、先ほどから見えている川の対岸はお隣の国コンゴ民主共和国になります。
えー、一瞬耳を疑ってしまう信じられないこの事実。
危険レベル4の国の首都のすぐ目の前が違う国という状況だけでも非常に緊迫感がある中、そのお隣さんが『あの』コンゴ民主共和国ときたらもう一体どういうこと!?となります。

川を挟んで右に中央アフリカ、左にコンゴ民主共和国。
その両国を行き来する船がのんびり渡る様子を眺めながらいただくビールが刺激的でないはずがありません。
こんなスゴイ場所にフラッと来られてしまうのがこれまた面白いなと思いながら、滅多に味わえないこのシチュエーションを存分に楽しませていただくのでした。
DAY400へ続く
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