ケニアを旅する④ 観光を満喫するために知っておきたいモバイル決済サービス「エムペサ」&高速鉄道の乗り方

2023年12月7日、天気晴れ。

ケニアを旅する

年間を通して気温が30℃ぐらいのケニア東部。
掛け布団が無いと寒くて眠れなかったナイロビから一転してジメッとした熱帯夜を過ごして迎えたモンバサの朝です。
カーテンを開けると窓の外に見える青い海にテンションが上がります。

「おはようインド洋!!」

モンバサでお世話になったのは北部のニャリ(Nyali)という地区の端っこにあるホテルElna’s Haven
4000円台でオーシャンビューに泊まれるというのが嬉しいポイントです。
旧市街がある中心地のモンバサ島からはちょっと遠いですが、モンバサもUberが使えて、さらにホテル前にはトゥクトゥクやバイクがいつも待機しているので移動手段には困ることはありません。
ただ、入り口がちょっとわかりづらいのと部屋のエアコンが使えないのは難点。
その分水シャワーは気持ち良く浴びられるのでプラマイゼロと思うことにします。
(600円ほど追加で払えばエアコン付きの部屋にグレードアップ可能です。)

ということで、本日はケニアの海を満喫する1日にしたいわけですが、その前にやっておかないといけないのが今後の旅に向けた準備です。
とにかく見所が多いケニア。
限られた時間の中でこの国をしっかり楽しむためにはしっかりと計画を立てて動くことが大切です。
海外からの旅行者が多い人気の国では移動手段やツアーの予約は早めに済ませておきましょう。
はい、旅行するなら当たり前のことですよね。
もちろんその通りなのですが、何でも行き当たりばったりの方が上手くいくアフリカを長いこと旅しているとこの基本的なことを忘れてしまいがちでして・・・

「残り2日のケニア滞在中にサファリに行きたい!!」

こんなことを急に思いつくからさぁ大変です。
早速ネットを駆使して各種手配をしていきます。
が、ここで一つ理解しておかないといけないのが支払いに関することなんです。

モバイル決済サービス「エムペサ」

観光大国ケニアなので当然交通手段は様々あり、定番の高速バスに加えて首都ナイロビ⇄モンバサ間には鉄道も走っています。
そのため移動に困るということはまずないのですが、ここで問題になるのがその支払いの多くが現地のモバイルマネーしか受け付けていないということ!
オンライン決済ではまさかのクレジットカード払いができないんです。

ケニアのモバイル決済サービス『エムペサ(M-PESA)』。
携帯番号さえもっていれば誰でも口座開設することができ、デポジットを入れておくことで電子マネーの送金が行えます。
治安の心配がある国ではできるかぎり現金は持ち歩きたくないので、このエムペサが非常に役立つわけです。
現在では国民の80%、実に4000万人以上が利用しているというからまぁビックリ!

改めて街中を見てみるとアチコチにある緑色の看板があることがわかります。
エムペサの現金チャージができるお店のマークです。
ここで入金をして、モバイルマネーで買い物や飲食をする。
これが今日のケニアの生活スタイルなんです。
他のアフリカ各国でも電子マネーは普及しつつありますが、これほど定着している国は珍しいかと思います。

カフェなどではクレジットカード払いできるので何も心配はないのですが、高速バスや鉄道のチケット予約に対応しているのはエムペサのみになります。
ということでケニアに来た際はまずエムペサのアカウントを作る!
この国を旅する上では是非このことを覚えておいて下さい。

「じゃあ、いつ作るの?」

答えは『入国審査を終えて空港を出る前』です。
出口手前に先ほどと同様の緑が目印の通信会社Safaricomのカウンターがあります。
ココでSIMカードの購入といっしょにエムペサの口座を開設すればOK!
いやー、簡単なんです、とっても。
・・・早く空港を出たかった私は人が少ないお隣の青いお店でSIMの契約をしてしまったのでした。
エムペサについて詳しく書いてある記事を見つけましたのでリンクを貼っておきます。

そんなこんなでなんとか首都ナイロビに帰る列車のチケット予約を完了。
出発は夜10時なので時間はたっぷりあります。
ケニアの人気カフェJAVA HOUSEで遅めの朝食をいただいたら、いよいよ海へGOです!
(鉄道の乗り方に関してはあとでまとめてお伝えします。)

カフェまで迎えに来てくれたUberに乗り込んで向かうのはモンバサの南部。
ビーチリゾートが点在するエリアです。

北部にもビーチはありますが、美しい砂浜が広がるのは南だとのこと。
なので、特に目的地を決めずとりあえず車で南下することに決めました。
が、ここで面白いことが一つ。
今いるモンバサの中心地から南へ行くにはフェリーに乗らないといけないんです。

まさかこんなところでフェリーに乗船するとは思っていなかったのでこれは嬉しいサプライズ。
そしてなんとUber予約の際はフェリーを経由したルートで目的地の設定ができます。
車を乗り換える必要はありません。
これは有難や!!

と思ったのも束の間。
一向に進まない車の長蛇の列に上がっていたテンションが徐々に下がっていきます。
モンバサの南北を行き来できる唯一のルートということで四六時中激混みのこのフェリー。
結局乗り場付近に到着してからフェリーに乗り込むまでに1時間以上かかりました。
モンバサの美しい海を見に行くには相当な覚悟が必要です。
もしくは朝一に行くのが良いかもしれません。

ちなみに現在この海峡に橋を架けるプロジェクトが進行中です。※画像左側
その事業を支えるのは日本のJICAによる有償資金協力。
「モンバサゲートブリッジ」という名のこの橋が完成すれば、地域の交通渋滞が緩和され、経済活動も活性化されます。
開通する日が今から楽しみです。

さぁ、やっとのことで対岸に着きまして、ここからさらに車で南下。
渋滞から解放されたあとのドライブは気持ちが良いです。

窓の外の景色は少しずつ南国の雰囲気に変わっていきます。

そんなこんなでカフェ出発からまさかの2時間半。
運転手のモハメドさんに

「モンバサのキレイな海が見たい!」

と伝えて連れてきてもらったのはNomad Beach Resortという5つ星ホテルです。

ちょっと敷居の高さを感じながらも、とりあえず入口で1500ケニアシリング分のバウチャーを購入。
ちゃんと飲食をする客しか中へは入れてくれないシステムにさらに緊張が高まります。
が、ココまで来て出費のことなんか気にしていたらもったいない!と気持ちを切り替えて敷地の中へ。

「青すぎる~!!」

目の前に広がるインド洋。
どこまでも続く宝石のような青に心を奪(うば)われます。

ついさっきまでの都会の喧噪(けんそう)はどこへやら。
白い砂浜とのコントラストが色鮮やかで、まるで絵画の中にでもいるような気分になるモンバサのディアニビーチ。
ケニアというと『大都会』や『サファリ』といった印象を持っていましたが、まさかこんなに美しい海もあるとは。

我々が求めるアフリカがギュッと濃縮された観光大国ケニア。
さすがの一言です。

のんびり海を眺めながらビールを飲んでいるとなんだかイロイロ考えてしまうもので。
アフリカ54ヶ国制覇の旅も気付けば残すところあと6ヶ国。
思えば遠くへ来たもんだという感じです。
そしてインド洋沿いの国は今いるケニアが最後。
これが見納めになります。

これまた絵になる夕暮れ時の哀愁漂うインド洋。
長きに渡る旅の終わりが近づいていることを強く感じたところで、モンバサのビーチに別れを告げます。
駐車場で待っていてくれたのは先ほどもお世話になったモハメドさん。
行きの長時間運転で「この人は信頼できる!」と思ったので帰りもお願いすることにしました。
ステキなドライバーさんとの出会いは大切にしておくと◎。

「夕方もフェリーが混むから午後6時前には出た方がいい」

もう少しビーチの余韻(よいん)を楽しみたいところでしたが、車に乗り込み一気に現実世界に戻ります。
彼のアドバイスのおかげで大渋滞にハマることなく、それでも2時間ほどかけてやって来たのは

「なんじゃコレは!?」

突如現われた怪しく赤く光る謎の物体。
ドラゴンボールに出てきそうなUFOに見えるこちらの建物がなんとモンバサの鉄道駅になります。
まるで別の惑星にでも来たかと錯覚(さっかく)してしまいそうです。

高速鉄道「マダラカエクスプレス」

mombasashuttles.comより

日中に見ると駅だと納得・・・はしませんね。
一般的なアフリカのイメージをぶっ壊す近未来感漂う斬新なデザインは

「これぞケニア!」

という感じです。

ゲートでは車内のチェックがあり、さらに駅構内に入る前にはナイジェリアに引き続き麻薬犬が登場。
この鉄道は首都と港湾都市モンバサをつなぐ国の重要な交通インフラなので、万が一に備えた厳重な警備態勢が敷かれています。
そしてこの駅から出る夜行列車に乗れば、朝にはナイロビに到着!
旅人としては非常に安心且つ時間を有効活用できるケニアの高速鉄道、それがマダラカエクスプレスです。

それでは、そんなケニアの高速鉄道に乗る方法を紹介します。
とその前に、モハメドさんとはここでお別れです。

「アサンテ~!!」
(スワヒリ語で「ありがとう」)

チケット予約&支払い

まずはネットでチケット予約をします。
マダラカエクスプレスの予約サイトにアクセスして必要事項を入力。
列車の種類は『Express』を選択して下さい。
出発駅と到着駅は間違えないように要注意!
どちらの駅からも出ている列車は午後3時発と午後10時発の1日2本です。

次の画面で人数とクラス(ファーストorエコノミー)を選択します。
下に金額が出るので確認をして『Book a Train』ボタンを押したら

ここで直面するのが先ほど説明したエムペサ問題です。
チケット料金の支払いはエムペサしか対応していません。
クレジットカード払いは不可!
なのでもう一度書きますが、ケニアに来る際は空港でエムペサ使用可能なSafaricomのSIMカードの購入&口座開設手続きをお忘れなく。
・・・では、問題です。
エムペサが使えなかった私は一体どのようにチケット料金の支払いをしたのでしょうか?

正解は

『ホテルのスタッフさんに支払いをお願いした』

でした。
事情を説明すると快く助けてくれたスタッフさん。
教えてもらった携帯番号を登録すると、彼のスマホに支払いの案内が届きました。
必要な現金を渡すとすぐに送金をしてくれまして、あっという間に手続き完了!
本当に助かりました。
これで列車に乗るための事前準備は終了です。

チケット発行

予約したチケットは駅で発行します。
麻薬犬による何もしていなくても変にドキドキする荷物検査を終えたら、駅の入口近くにある『みどりの窓口』的な場所へ。
設置されている機械で手続きを行い、携帯番号&予約確認番号(7桁)を入力すると

チケットゲット~!!
これであとは列車の出発を待つだけです。
※2023年時点ではこの区間の料金はは1000ケニアシリングでしたが、2025年現在は1500シリングになっています。

2時間前に到着したのは少々早すぎた気もしましたが、乗客の数に対してベンチの数があまりに少ないので、座って待ちたい場合は早めに来るのが◎
ヒマを持て余した構内にある飲食店の店員さんから次々と客引きの声がかかりますが、それもまた一興です。

出発30分前になると乗車開始のアナウンスが流れ、乗客のみなさんが一気に動き出します。
が、その数がすごい!!
満席で約1000人が乗車するマダラカエクスプレス。
ゾロゾロと動いていく人の流れに飲み込まれるように進んでいきます。

ホームに着くと自然とテンションが上がるのが鉄道の旅です。
バス移動とは違う特別感。
夜行列車という響きがこれまたイイんです。
新しい夜明けに向かって動き出す!みたいな冒険心をくすぐる感じがたまりません。
さぁ、チケット片手にいざ乗車。
ワクワクの列車の旅がスタートします!!

・・・と思っていたのですが、なんか違う~。
乗客との距離が近すぎるボックス4人席に加えて、傾けることができない背もたれ&固いシート。
ならば景色を楽しんで気を紛(まぎ)らわせようと外に目を向けても夜なので何も見えません。
この状態で6時間・・・耐え忍びましょう!!

DAY394へ続く

1 個のコメント

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です