2023年12月5日、天気晴れ時々くもり。
目次
ケニアを旅する

今回のナイロビ滞在でお世話になっている宿House JENGA。
こちらはAxcel Africaという日本の会社が運営しているゲストハウスになります。
治安があまり良くないナイロビを訪れる際にまず気をつけないといけないのが宿泊先選びです。
昨日も説明した通り市内には地元の人でさえ危ないと認識しているエリアが何ヶ所かあるナイロビ。
ホテル予約サイトで調べるとそのような場所にある宿泊施設も出てくるので、
「値段重視で安めの宿を選んだら、危険なエリアだった!」
なんてことになることも。
・・・じゃあどこの宿を選べば良いの!?
はい、私も悩みました。
ナイロビ危険区域情報でなんとなく安全な場所はわかるのですが、確証はなく。
安全第一の旅のためにも間違えたくない宿選び。
そこで頼りにしたのがHouse JENGAです。
(2024年に場所が移転したので写真は以前のものになります)

日本の方が運営する宿なのでその時点でもう安心感◎
宿の場所のリンクは防犯上ここには貼りませんが、もちろん安全なエリアにあります。
何より助かるのは『アフリカ三大凶悪都市』と呼ばれるナイロビに精通されていらっしゃる日本人の方のサポートを得られること。
これは本当に有り難いです。
ナイロビ滞在の際は日本人宿も選択肢の一つに加えておくことをオススメします。

そんなわけで昨夜はケニア在住の日本人の方々にお会いする機会も作っていただき、いっしょに夕飯をいただきました。
楽しい会話が弾む会食にお酒も進みまして。
宿に帰るとあっという間に深い眠りにつき、迎えた本日。
かる〜く頭が痛いですが準備をして行動開始です。

ケニアの旅2日目は早速国内移動をしていきます。
今日目指すのは西の『とある地点』。
まずは移動手段を確保しないといけないのですが、ここで問題が。
ナイロビから西方面へ行く乗り合いバスは当然出ているのですが、その乗り場がまさかの危険エリアにありまして。
地元の人にも
「行かない方がいい!」
と言われるので、これはやめておいた方がいいやつだと判断。
親切に教えてくれる人の話は守るに限ります。
ではどうしようか。
Uberも考えますが目的地まで200km以上もあるので流石に捕まえるのは厳しいです。
ということで残った最後の手段である車の1日貸し切りをしてナイロビから日帰りでケニア西部へ行くことに決定!
あとはドライバーさんを探すだけですが、ここでもまたケニア在住の日本人の方に助けていただきました。

約束の時間ピッタリに宿に迎えにきてくれたお世話になる運転手のロバートさん。
やはり日本の方の信頼を得ている方は違います。
それでは車に乗り込みいざ出発です。

ここからはその『とある場所』へ向かってひたすらナイロビから西へと移動するだけなのですが、この道中が本当に楽しくて!
窓の外に見えるケニアの景色に終始大興奮。
それではナイロビから順番にケニア西部の見所を紹介していきたいと思います。
リフトバレービューポイント

首都ナイロビも自然と融合したステキな街という印象でしたが、一歩外に出るそこからはさらに豊かな緑が広がります。
車が進むとどんどん濃くなっていく緑。
そしてその瞬間は突然やってきました。

ブワッと視界が開けたかと思うと目の前に広がる信じられないほど美しい世界。

「スゲーーーー!」
『ケニア=大都市ナイロビ』の印象が強すぎてこの瞬間まで完全に忘れていましたがココは東アフリカ。
大地溝帯(リフトバレー)と呼ばれる長さ約7000kmの巨大な谷が南北を縦断し、その周辺には高い山地が広がるエリアです。
アフリカ最高峰のキリマンジャロ山があるタンザニアはケニアのすぐ南に位置しています。
さらにアフリカ大陸で2番目に高い山があるのが実はケニア!
標高5199mを誇るその山の名前「ケニア山」が国名の由来なんです。

ナイロビ自体も標高約1700mに位置している都市なので、要はこの国に入国した時点から山の中にいたということになります。
今日こうして外に出たことで実感するその事実。
東アフリカの地理を体験的に学ぶことができるのが国内車移動の魅力です。
ナイバシャ湖

大地溝帯の周りには湖も形成されます。
貴重な水源である湖の近くには大きな街も作られるため、ナイロビから西へ続く主要道路を走ると有名な湖の姿を見ることができます。
こちらはナイバシャ湖。
その名はケニアに住むマサイ族の「荒い水」を意味する言葉に由来しています。
写真だとちょっと曇っていて見えませんが、大きな湖の存在をハッキリ感じることができました。
が、このナイバシャ湖がちょっと可哀想(かわいそう)で。
続いて現れる湖たちと比べるとサイズは大きいのですが、箔(はく)が違うんです。
エルメンテイタ湖&ナクル湖

移動中の車窓から一番よく見えるのはエルメンテイタ湖。
静かな湖畔(こはん)という感じの絵になる湖です。

反対に車からはほとんど見えないのがナクル湖になります。
陸橋の上を走る一瞬だけ遠くにチラッと見ることができます。
左手前の看板の奥に広がるのがナクル湖なのですが、わかりますかね?
そしてこの2つの湖がケニアの世界遺産に登録されているんです。
世界遺産「大地溝帯にあるケニアの湖沼群」

大地溝帯にあるケニアの湖沼群は、ケニアのリフトバレー州にあるエルメンテイタ湖、ナクル湖、ボゴリア湖を対象とするユネスコの世界遺産リスト登録資産である。
大地溝帯にあり、地下でつながる3つの湖とその周辺は、地形や植生が織りなす傑出した自然美と、コフラミンゴなど13種の絶滅危惧種や準絶滅危惧を含む多くの鳥類の生息地となっていることなどが評価されている。

鳥好きにはたまらないこの世界遺産。
ケニアといえばサバンナに生息する動物が注目されがちで、貴重な鳥たちの楽園もあることはあまり知られていないように思います。
バードウォッチングツアーなどが楽しめるケニアの湖沼群。
ただ、説明を読んでお気付きかもしれませんが、そのリストにナイバシャ湖の名前は入っていません。
残念ながら地下でつながっていなかったが故に世界遺産の仲間入りができなかったナイバシャ湖です。
是非その名前だけでも覚えておいてあげて下さい。

ナクルの街を越えるとそこからはずっと緩(ゆる)やかな上り坂が続きます。
車もスピードが出せないのでゆっくり少しずつ山のさらに奥へと進んでいく感じです。

山や湖の大自然に感動するのは当然ですが、その他にも印象的な光景に出会えるケニア西部のドライブ。
どこにいっても目を引かれるのは動物たちの姿です。

どの動物も飼育されているわけですが、それでもこんな豊かな自然の中で育つケニアの家畜たちはなんだか生き生きとして見えます。
特に目立つのはアフリカでは珍しい毛がモコモコの羊たちです。
山の寒い気温にも耐えることができるからなのか、ケニア西部には羊がたーくさん!

そして時折り登場しては私のハートを鷲掴(わしづか)みにしたのが可愛いすぎるアヒルたち。
「なんでそこにいるの〜!?」
という感じで道の脇を歩いているからまぁビックリ。
こちらも商品として売られている立派なアヒルになります。
逃げないのかが非常に気になる点ですが、しっかりエサがもらえるのでその場にずっと居座っているとのことです。

その他に牛やロバなどの動物もいまして、道中必ずどこかに動物の姿を見かけるので気分はまるでマウンテンサファリツアー。
この動物たちの命の上に私たちは生かされているという大事なことも改めて感じることができます。

道端のお店に並ぶ野菜たちも大切な命です。
西の野菜は値段が安いそうで、本日ドライバーを務めてくれているロバートさんは大量のジャガイモとインゲン豆を購入。
西に来れて良かった!と喜んでいました。
ちなみに山の奥の方に来るとたくさん並んでいるのが黄金色の液体が入ったビン。
こちらはケニア西部で採れるハチミツです。

車が減速するとニンジンやオレンジなどを持った売り子さんたちが駆(か)け寄ってくるんですが、ソレは今じゃないんだよなぁ〜と。
求めていたのは美味しそうな焼きとうもろこし!
香ばしさとほのかな甘味があり、ポップコーンのようなフワッと感も少しあるのでこれが食べ始めると止まらないんです。
自然の恵みにもしっかり感謝。
ごちそうさまでした!

さぁ、そんなこんなでナイロビから移動すること4時間半。
遂にこの移動のゴール地点が見えました!
道の途中にある黄色い看板。
アレです!!
赤道モニュメント

地球を北と南の半分に分けた時にちょうど真ん中を走る赤道。
その赤道が通る「赤道直下」と呼ばれる国がアフリカには全部で7つあります。
その内の一つがケニア。
やって来たのはそのケニアの中でもドンピシャで赤道が通るポイントです。
ちゃんとモニュメントがあるのでココが正に0度地点!

iPhoneのコンパスアプリで調べてもこの通り。
ちゃんと赤道の真下になっています。
ただ標高も見て下さい。
なんとココは2780mの山の上。
近くには小さな町があるくらいで、わざわざやって来るような場所ではないんです。

アフリカの赤道直下地点を訪れるのはこれが3度目。
サントメ・プリンシペやウガンダは旅行者が訪れる観光スポットになっていて、立派なモニュメントがありました。
一方ケニアはこの黄色い看板とすぐ隣に小さなお土産屋さんがあるのみになります。
もうちょっと盛り上げてもいいんじゃないかなぁ〜とも思うわけですが、ココに来る観光客が稀(まれ)なんです。
ナイロビから4時間かけて日帰りでコレを見に来る人間はそうそういません。

この道をそのまま進むと隣国ウガンダです。
しかし、本当に小さな看板があるだけなのでなかなか気付いてもらえてないこのポイント。
ケニア⇄ウガンダを陸路で国境越えされる方は是非見つけてみて下さい!

ということでゴールに着いたのであとは来た道を戻ります。
とその前にもう一ヶ所だけ見ておきたい場所があったので車で向かってもらうことに。
ケリチョ

同じケニア西部にケリチョという町があります。
この町自体は特に何があるわけでもない小さな田舎町です。
ただ、この「ケリチョ」という名前はとある界隈(かいわい)では非常に有名で。
この町の周辺で育てられているある植物は日本にも輸出されています。
それが

コチラ。
まわりの緑とは明らかに異なる発色のこの植物。
その正体はお茶畑です。
ケリチョは世界有数の茶葉の生産地になります。

紅茶といえばのリプトンもこの地に自社茶園を所有しているという、品質の高い茶葉が栽培されることで有名なケリチョ。
ケニアというとコーヒー豆の産地のイメージがありますが、実は茶葉も世界第三位の生産量を誇ります。
標高の高い赤道近くの熱帯気候によって美味しい茶葉が育つのかなと。

以前マラウイでも茶畑を見ましたが、この色鮮やかな緑の絨毯(じゅうたん)は何度見ても新鮮な感動を味わえます。
それが見渡す限りどこまでも続くからまぁ驚きです。

見たかったケリチョの茶畑もしっかり目に焼き付けたところで、これにてケニア西部ツアーは全て終了!
今度こそ帰ります。
同じ道を通るのに景色に飽(あ)きるということはなく、ずっと外を眺めていたらいつの間にか日も沈んで・・・

ナイロビに帰ってきたのは夜8時過ぎ。
私はずっと座っているだけなので問題ありませんが、運転してくれたロバートさんはかなり疲れただろうなと思います。
もちろんその分お代はしっかり払わせていただきました。
「アサンテサーナ!」
(スワヒリ語で「ありがとう」)

ケニアの西側をたっぷり堪能(たんのう)することができた大満足の1日。
となると今度は反対側が見てみたいと思うもの!
明日もまた忙しくなりそうです。
- エルメンテイタ湖&ナクル湖
- 赤道モニュメント
- ケリチョ
DAY392へ続く
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