ブルキナファソを旅する② 首都「ワガドゥーグー」Part2 〜アフリカ布ボゴラン&ルイリペンデ/革命家トマ・サンカラ/アパレルブランドBurkindi〜

2021年7月4日、天気晴れ。

暑い~!!やはりその国に実際に来てみてわかる暑さの種類。「アフリカ=暑い」のイメージはもちろん正解ですが、先日ナミビアで凍える(こごえる)夜を過ごしたように冬がある国もあれば、カラッとした暑さやジメジメとした暑さなど種類は様々です。

そしてここブルキナファソはなんと先日いたコートジボワールよりもiPhoneの天気情報だと暑いと表示されていました。これはまさかの事実!赤道近くの方が暑いというのも一概(いちがい)には言えないということですね。夜もずっと暑いブルキナファソ。今回お世話になっているHOTEL KAVANAはクーラー付きの部屋ももちろんありますが、まぁいらないだろ~なんて思った私は値段の安いファン(プロペラみたいなやつ)のみの部屋を選びました。…暑い!!今後のブルキナファソの旅では絶対にクーラー付きの部屋にしようと決心したところです。

ということで朝一の超気持ちいい水シャワーでスタートした本日も昨日に引き続きブルキナファソの首都ワガドゥーグーを散策します!

ワガドゥーグーの歩き方 Part2

さぁ、またまたやって来たのは昨日も訪れたワガドゥーグーのクラフトマーケットVillage Artisanal。今日は日曜日だったのでほとんどのお店が閉まっていましたが、製作活動に励む職人さんたちの姿も見かけました。ブルキナファソの芸術はこうした人々の手によってつながれ、そして生み出されているんだなと。

そんな中、本日はこのアフリカ布を作っている職人さんに会いに来ました。こちらはブルキナファソの伝統的なアフリカ布「ボゴラン(Bogolan)」です。

伝統布「ボゴラン

綿花の生産が盛んなブルキナファソ。その綿を織ってつくったアフリカ布はこの国の伝統工芸になっています。その内の一つは昨日紹介した「ファソダンファニ」。こちらは色染めをしたカラフルな糸で織られた布でした。対してこの「ボゴラン」は白い糸で織られた布にあとから色を染めて模様が描かれる布になります。

そしてその染料は自然由来のもの。中でも特徴的なのは泥を使うことなんです!なのでボゴランは別名「泥染」と呼ばれます。ブルキナファソや隣国マリを代表するアフリカ布です。

そのボゴランアーティストとしてこのVillage Artisanalで製作を行っているのがこちらのアマドゥーさん。今回は彼にお願いしてなんとボゴラン体験をさせてもらえることになりました!私自身染め物をするのはこれが人生初。一体どのようにしてあの美しい色や模様が生み出されるのかが気になるところです。

ボゴラン製作は1日では終わらず、数日に分けて作業を進めていくことになるので、後日まとめてその行程を紹介したいと思います。とりあえず初日の行程を終えた感想だけ。もんのすごく楽しいです!!

伝統布「ルイリペンデ 」

本当に伝統工芸の種類が豊富なブルキナファソ。美的感覚も他の国と比べると洗練(せんれん)されている印象を受け、それは街を行く人々が身に纏う(まとう)衣服なんかにも表れています。そして綿花で織られたファソダンファニとボゴラン以外にもう一つこの国を代表するアフリカ布があります。それが「ルイリペンデ(Luili Pende)」と呼ばれる布です。

現地の言葉で「白い鳥」を意味するルイリペンデ。こちらは織物ではなく布に柄がプリントされたいわゆる定番のアフリカ布スタイルのものになります。赤黒ベースに白い鳥が飛び交うブルキナファソのオリジナルデザイン、ルイリペンデ。幸せを運ぶという意味があるようで、国を象徴する布として非常に人気が高いものになります。

さらにルイリペンデは布だけにとどまりません!ティッシュの箱やスティックシュガーの袋など、生活必需品にも取り入れられているところからも、このデザインが人々にどれほど愛されているかがわかります。ブルキナファソの伝統文化の魅力は本当に尽きることを知りません!

さぁ、ここで少し歴史のお話をしたいと思います。昨日ご紹介した通りこのブルキナファソというのは2つの言語が組み合わさってできた国名になります。しかしこのブルキナファソ。実は1984年以前は違う名前だったんです!

オートボルタ

元々ボルタ川の上流に位置するフランスの植民地であったために、オートボルタと名付けられていた。ブルキナファソはフランス語・英語による正式国名はBurkina Fasoであり、1984年当時の大統領トーマス・サンカラによって改名された。

Wikipediaより】
コートジボワールの国章

先日まで旅をしていたコートジボワール。この国はフランス植民地時代につけられた名前を現在も国名として使用しています。アフリカ54ヶ国の中で唯一国名がフランス語の国がコートジボワールになります。他国が国名を「象牙海岸」などと勝手に意訳することを許さないあたりからも、この国がコートジボワールという名前に誇りを持っていることがうかがえます。

対してこのブルキナファソはフランス植民地時代から引き継いでいたオートボルタという国名を変更した国になります。フランスと対立する意味合いもあるこの”国の名前を変える”という決定。そこにはフランスから脱却(だっきゃく)して自分たちの国をつくろうとした一人の政治家の思いがありました。

革命家「トマ・サンカラ」

トマ・サンカラ、或いはトーマス・サンカラは、オートボルタ(現ブルキナファソ)の第5代大統領。サンカラの大統領在任中には、貧困と腐敗の一掃、教育と社会保障制度の改善、砂漠の緑化事業などを主な政策として、発展途上国から脱却する事を意図した計画経済的かつ社会主義的なプロジェクトを実践し、国民から多くの支持を得る事に成功した。政府の中枢に多くの女性を起用し、また、ブルキナファソの国歌「ある一夜」の作詞、ギタリストとしての才能、スポーツマンとしての姿、オートバイに対する深い造詣がある事でも知られている。37歳で暗殺された劇的な生涯とその革命的な理念から、アフリカのチェ・ゲバラとも呼ばれた。

Wikipedia参考】

なんと33歳で大統領に就任したというのが驚きのトマ・サンカラさん。国の名前の変更を皮切りに様々な改革に着手し、ブルキナファソの舵(かじ)を大きく切った文字通りの革命家です。しかし、一方の正義はもう一方にとっては悪になります。何かを変える人というのは必然的に敵もつくってしまう運命にあるわけです。トマ・サンカラはクーデターによってこの首都ワガドゥーグーの地で暗殺されました。

そんなトマ・サンカラの銅像がワガドゥーグーの中心エリアにドンとたっています。政治的権力によって暗殺されたわけですが、死後30年経った今も人々から敬愛されているカリスマ的な存在のトマ・サンカラ。ちなみにこちらの銅像。2019年に一般に公開されると国民から「似ていない!!」という抗議が殺到したそうで、なんとつくり直しが決定!こちらは新しい2代目トマ・サンカラ像になります。

トマ・サンカラの暗殺後には長期政権が発足し、その後2000年代に入ってからもクーデターが起こるなど政治情勢が不安定なブルキナファソ。この国の人々にとって彼が心の支えとなる偉大な存在であることがよくわかる銅像つくり直しのストーリーです。

ブルキンディ

では、歴史に少し触れたところで本日最後はそんなブルキナファソの”今”を感じることのできるお店を紹介します。トマ・サンカラによって採用されたブルキナファソという国名や国旗。それらは現在、国の誇りとしてすっかり定着しています。そんな自国への愛が詰まったブランド。それが「ブルキンディ(Burkindi)」です!

ブルキンディ、通称BK。まずそのネーミングがもうまんまなわけですが、ブルキナファソを全面に押したこちらのアパレルブランド。ただ、すごいのは名前だけじゃないんです!

見てくださいこのブルキナファソ愛を!!もう商品を見ただけでいやというほど伝わってくるブランドコンセプト。そして何といってもデザインが絶妙なんです。アフリカの他の国でも自国を主張するTシャツというのはよく目にすることがあります。が、大抵はやりすぎてしまって結局ダサくなってしまっているパターンがほとんど。アフリカの色味や柄というのは本当に扱い方が難しいんです。守りに入りすぎると今度は逆にコレじゃない感になってしまい。とにかく難しいアフリカデザイン。

そんな中、ギリッギリを攻めるブルキンディ!こんなに主張しているのに心にスッと入ってくるのが本当に不思議で、一瞬でこのブランドのファンになってしまいました。純粋にカッコいいと思えるデザインの数々。

ブルキナファソを象徴するルイリペンデは当然取り入れます。ワガドゥーグーの街を歩いているとこのTシャツを着ている人をよく見かけました。

さらにはトマ・サンカラTもあります。やはりこれは人気のようで在庫もかなり少なかったです。

ブルキナファソの、ブルキナファソによる、ブルキナファソのためのアパレルブランド。それがブルキンディです!!

まさかこんなに自国愛に満ちたブランドが、しかも失礼ですが、西アフリカのブルキナファソというアフリカの中でもマイナーな国にあるとは。私がたどり着いたこの国の特徴の一つ『伝統と流行のミックス』。国旗を斬新に取り入れたり、国名をあえてBKと略したりするセンスに脱帽です。

ということで首都ワガドゥーグーの街を2日間かけて堪能(たんのう)させていただきました。この国は情報が本当に少ない国なので、こんなにワガドゥーグーの魅力にどっぷりとハマることができたのは昨日ご紹介したブルキナファソ在住のてんやわんやママさんのおかげでした。本当に感謝です。そして最後にブルキンディのお店で見つけたこちらの帽子!もう運命を感じましたね。アフリカ54ヶ国制覇を目指す旅人用に作ったの!?と言わんばかりのステキすぎる帽子をゲットしたのでした。

てんやわんやママさんのTwitter

@aiko_in_africa

ブログ『今日も元気にアフリカ育児』

https://tenyawanyamama.com

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