ブルキナファソを旅する⑤ 第2の都市「ボボデュラッソ」Part1 〜泥のグランドモスク/伝統料理トウ〜

2021年7月7日、天気晴れ。

首都ワガドゥーグーからバスで6時間。西に360kmほど移動してたどり着いたのはブルキナファソ第2の都市「②ボボデュラッソ」です。

ボボデュラッソ

ボボ・ディウラッソは、ブルキナファソの上流域地方のフエ県の都市。 2011年の人口は約53.8万人で、同国第二の都市である。 上流域地方の中心都市であり、フエ県の県都でもある。 町の名前は、「ボボ族とジュラ族の郷」を意味している。 ブルキナファソの、経済的、文化的要所のひとつである。

【Wikipediaより】

「ブルキナファソ」という国名が2つの言語からできているということを先日ご紹介しましたが、「ボボデュラッソ」も同じように2つの民族の名前が組み合わさった名前になります。この国名や街の名前が特徴的な音として耳に残るのはその成立の仕方に秘密があるのかもしれません。

面白いのは地元の人たちがこの街の名前を省略して呼ぶこと。このボボデュラッソは「ボボ」と呼ばれています。高速バスTCVのチケットの行き先の表記もボボでした。由来がわかっていると「ジュラのみなさんは怒らないの?」と少し心配になりますが、多分問題ないのでしょう。ちなみに首都ワガドゥーグーも短く「ワガ」と呼ばれます。ブルキナファソの名前を省略する文化は日本にも共通するところですね。

ボボデュラッソの歩き方

さすが第2の都市という感じで朝から行き交うバイクや人の姿が印象的なボボの街。

そして街路樹がまぁ美しい!サハラ砂漠が近いので乾燥した国なのではないかと予想していたブルキナファソですが、実際は木々の緑が街中に広がっていました。これは雨季に入った今ならではの景色かもしれませんが、道端のお店にもマンゴーやバナナ、シトロンなどが並ぶブルキナファソ。砂漠と赤道に挟まれた内陸国の豊かな自然に驚かされます。

そんなボボの景色を楽しみながら歩いてまず向かったのはこの街の顔となっているモスクです。そこまで大きい街ではないので地図アプリで場所を確認して歩いていくと

モスクの突き出た部分が視界に入ってきました。が、その場所が本当に街中も街中。こんな場所にあるの!?という感じで、バイクがガンガン走る通りに面したところに

ボボデュラッソのシンボル「グランドモスク」はありました。

グランドモスク

街中にあるので想像よりは小さかったですが、存在感は抜群!その特徴的な見た目に釘付けになります。これまで訪れてきたモスクとは明らかに異なる外観。その理由はこのモスクが泥(どろ)でできているからです。

西アフリカの一部地域で見られるこの泥でできたモスク。有名なものは隣国マリの世界遺産になっているジェンネ旧市街にあるその名も「泥のモスク」です。その泥のモスクがこのボボデュラッソにもあります。ブルキナファソで一番重要なモスクと言われていて、その歴史もかなり古そう!

なんとこちらの泥のモスクは入館料1000CFAフランを払うとムスリム(イスラム教を信仰する人々)でなくても中に入れてもらうことができます。一体内部はどうなっているのか気になるぞ!ということで靴を脱いで入っていきます。

中に入ってまず感じるのは外とは違うひんやりとした空気。泥でできている壁は石や金属とは違い熱を吸収しにくいようで、冷たくて気持ちがいい内部にビックリです。

柱の中心には芯(しん)となる木が入っていて、そのまわりを泥で固めています。泥と聞くとグチャグチャしたイメージがありますが、完全に乾いているともうカッチカチのコンクリートと変わりません。西アフリカのこの地域の伝統工芸の一つである泥染(ボゴラン)にも見られるように、泥を活用して染め物をしたりモスクなどの建物を建築したりする文化というのはなかなか興味深いものがあります。

窓がないため室内は暗いです。が、天井に開いた穴から太陽の明かりが入るだけでかなり明るくなるからこれまた不思議。現在は中に蛍光灯も設置されてますが、伝統を大事にしている様子でした。

ガイドさんの言葉は全てフランス語で、私にもイスラム教の知識があまりないので言っていることの全てを理解することはできませんでしたが、なんとなくわかるから面白いもの。やはりアフリカに来る際には少しだけでもフランス語をかじっておくと旅の楽しさがかなり変わります。

建物自体はそれほど大きくないはずなのに、中を歩いているとものすごく広く感じるからまるでトリックアート!この泥のモスクは現在も人々にとっての大切な信仰の場として機能しています。

ということでブルキナファソで最も重要なモスクが位置する西部の街ボボデュラッソ。Wikipediaの説明が首都ワガドゥーグーよりも充実しているところからもこのボボの街がいかにこの国にとって大事な拠点であるかがわかります。街のほぼ中心には立派な駅が!

なんとこのボボデュラッソの駅からコートジボワールの最大都市アビジャンまでつながっているこの鉄道は西アフリカの物流を支える重要なラインになっています。首都ワガドゥーグーまでももちろんつながっているこの鉄道。ゆくゆくは西アフリカの7ヶ国の主要都市をグルッと一周する鉄道網を完成させる方向で動いているようです。海の無い内陸国であるブルキナファソでも新鮮な魚を目にすることがあるのはこの鉄道のおかげ!

一昔前まではこの鉄道を使った移動は旅人の間でも主流だったようで、調べてみるとかなり情報が出てきました。が、最近は国境付近の治安が悪化していて、鉄道での旅はオススメしないよと地元の方が教えてくれました。何度もパスポートチェックや荷物検査があるとか。いつか情勢が安定し、コロナも落ち着いた時にはこの西アフリカを鉄道で周遊してみたいものです!

この第2の都市ボボデュラッソは街自体はそこまで大きくありません。少し頑張れば歩いて回ることもできます!小さい街ですが人の数が多いのでどこに行ってもかなりの賑わいを感じるのがボボの楽しいところ。

そして街歩きの醍醐味(だいごみ)はその国の食文化に触れることです!お姉さんが大きな釜で練っていたものはトウモロコシの粉。南部アフリカでもウガリやシマパップといった名前で呼ばれるアフリカを代表する主食の一つになります。が、しかし!!なんとこのブルキナファソの”それ”はちょっと一味違うんです。

伝統料理「トウ(トー)

ブルキナファソの代表的な料理。ミル粉あるいはトウモロコシ粉を湯で溶き、熱しながら勢いよく練り上げ、ひょうたんなどのおたまですくい上げ、冷まして固めた主食。オクラや「オゼイユ」とよばれる野菜でつくったソースにつけて主食として食べる。

Wikipediaなどの情報参照】

この説明だけを見ると南部アフリカの主食と大して変わらないなぁと書いてる自分自身も思います。が、これが全く違うんです。このトウの最大の特徴はその食感にあります。南部アフリカのウガリなどの「モチフワ」に対して、トウは「ツルン」!!なんだこの喉越し(のどごし)は!?と思わずビックリするレベルです。

同じ材料で工程もほぼ変わらないのに明らかに違うトウ。おそらくその含んでいる水分量の多さと、とうもろこし粉の挽き方(きめ細やか?)に秘密があるのではないかと考えます。出来上がったトウを水につけたおたまですくうところもポイントかもしれません。しっかりととうもろこしの甘みが感じられるトウ。一緒に食べる野菜のソースがこれまたやさしい味でトウに合うんです。こんなの食べたことない!!というと驚きの主食との出会いでした。ちなみにトウはソースも合わせて一つなんと10円!この美味しさと安さ、これぞ西アフリカ!!

そのあとノドが渇いたので買った袋水の5円という破格の値段にもビックリさせられた本日。街歩きが本当に楽しいボボなのでこのあともイロイロと街を巡りましたが、その様子はまた今度お伝えしたいと思います。

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