モーリタニアを旅する⑤ 車を乗り継ぎ「シンゲッティ」へ 〜砂漠のグラベルロードを行く〜

2019年5月5日、天気晴れ。

DAY21の続き

モーリタニアの歩き方

長い13時間のアイアントレインでの移動を終えて到着したチュームという小さな町。列車から下車するとそこには旅行者を待っているミニバスの運転手のみなさんの姿がありました。もう移動で体はヘトヘトだったのでこれはありがたかった!すかさず車に乗り込み、すぐに乗客でいっぱいになったミニバスは出発。アイアントレインをあとにしました。

道中はやはり同じ砂漠が続きます。列車の鉄の床とは違い快適なシートなのでついついウトウト。ですが、どんどん上がっていく気温で寝てもいられず。今朝の凍(こご)えるような寒さがウソのようになってきました。

アタール

そんなこんなで2時間半ほどのドライブでたどり着いたのがアタールという大きめの町です。時刻は正午過ぎ。もうこの時には肌をジリジリと焦がす灼熱(しゃくねつ)の太陽が暑くてたまらないという感じでした。そしてここで昨日からいっしょに行動させてもらってた4人がこの町に残る組と先に進む組に分かれることに。さすがに疲れていたので休みたいし、とにかく今すぐシャワーを浴びたい気持ちもあったのですが、私はやはり先に進むぞ!ということで、さらに先の目的地へ向かうための車を見つけることに。いっしょに行動するのはポルトガルから来たアンドレさん!彼は「少しだけしかしゃべれない」と言いながらフランス語で地元の人たちと会話をしてくれるのですごく助かります。ちなみに、こういう時に4人それぞれ考え方や行動の仕方が違うのが聞いていて面白かったです。やっぱり旅は自分のもの。どんな旅の仕方も正解なんだなと感じるのでした。

地方の小さな町へ向かう車の見つけ方

さぁここからが地味に大変でした。これまでの旅で利用してきた乗り合いバスやタクシーは、ちゃんと行き先が決まってました。利用する人も多いので、料金も決まっていて定期的に出ているので乗ればとにかく目的地に着くという安心感があります。が、今日これから向かう場所への乗り合いバスはありません。ではどうするかというと、ドライバーさんに交渉(こうしょう)して連れていってもらいます。要はヒッチハイクです!そしてただ無闇矢鱈に声をかけても仕方がありません。なにせ遠くへ行くので、タクシーを貸し切って行くとなると料金も高く設定させられてしまいます。なのでこういうときは『同じ目的地に向かう用事がある人を探す!』が基本です。その町に行く、もしくはその町を通るという人の車を声をかけながら見つけて、乗せてくださいとお願いします。「〇〇へ行きます」なんて行き先が書かれているわけではないので、とにかく聞くしかありません。今回はアンドレさんのおかげで幸運にも300ウギア(900円)で乗せてくれるドライバーさんと出会うことができました。ここで先にお金を払うのもポイント!あとで払おうとすると、乗る前に言っていた金額と違う額を要求されることもあるので注意です。今日のドライバーさんは良い人だったのでその心配も無かったかもしれませんが、念のために前払いでいざ出発。荷物をパンパンに後ろの荷台に積んで車は進みます。

ものすごい道をどんどん進んでいく車。コンクリートで舗装(ほそう)されていない道のことは「グラベルロード」と言います。車はガタガタゆれますが、それもグラベルの楽しみの一つです。

急な坂道を登ったり、山々の間をぬけたりして進んでいく車。いったいどんな町に着くのか!?

シンゲッティ到着

そして夕方5時。ヌアディブからほぼ2日をかけてついに到着したのが「シンゲッティ」というこれまた小さな町です。もう移動の疲れで歩くこともできないので宿を探して体を休めることに。とにかくまずは何よりもシャワーを浴びたい!ということでもう全身の隅から隅まで、鼻の穴まで砂まみれの体をキレイさっぱりに。もうこれ以上のしあわせがあるのー!?という最高の気分になりました。スッキリ~!そして北アフリカでは恒例(こうれい)のティーをいただいて、ようやくホッとできる時間がやってきました。この時すでに6時過ぎ。明るいのはもう慣れましたがまぁ暑い!これまでの旅で一番暑いと感じる町にやってきました。

北アフリカのティー文化

ちなみにこのティーですが、モロッコに来てからはもう定番で、時間があればおもてなしとしてティーが出てきます。沸かしたお湯に茶葉とたっぷりの砂糖を入れ、そのあとはコップに高いところから注いで泡立てる独特のスタイル。コップからコップへ。そしてコップからポットに戻してまたコップへと繰り返し、イイ感じのところで出してくれます。一人一人入れ方に違いはありますが、泡を立てるというのは共通しています。ねこ舌の私にとっては飲みやすい温度になるなので助かります。ちなみにこのティーの茶葉をお土産にと思ったのですが、中国産だそうです。先日巻かせてもらったターバンも中国製。モーリタニアの自国の生産物はなかなか無いようです。やはり国土のほとんどが砂漠というのはそういうところに影響が出るのだなと。

インフレ

そしてここで先日のお金の話の件でわかったことが一つ!なぜ600のことを「6000」と言うのか。これは私が間違っていたのではなく、去年の12月まで実際にそうだったからでした。ちょっと複雑な表現になってしまいましたね。もう少し簡単にいうと、モーリタニアのお札が今年2019年の1月から新しくなり、それと同時にモノの値段の「0」を一つとったんです。何のために?と思うかもしれませんが、たとえば今はモーリタニアで”10ウギア”で買えるペットボトルの水が、去年までは”100ウギア”だったということになります。まぁ大して問題ないでしょと思うかもしれませんが、たとえばこの水の値段が基準になって、他のモノの値段も決まっていきます。水が100ウギアなら、この野菜は200ウギア。その野菜が200ウギアなら、このお肉は300ウギア。こうしてドンドンつながっていくと、モノそのものの価値は変わらないのに値段だけが大きくなっていくという現象が起きます。すると人々はその分お金が必要になり、働くことで得られるお金が多くないと物が買えなくなってしまいます。こういうモノとお金のバランスがどんどん崩れてお金の数字に価値がなくなっていくことを「インフレーション」と言います。略して「インフレ」。ここモーリタニアでもそのインフレが起きそうだったために、0を一つとるという方策がとられたということです。なので、その名残で今でも0を一つとる前の値段を使って商売をしている人たちがいるということだったのです。

ちなみに、以前このインフレがとんでもないことになったのが南部アフリカの「ジンバブエ」という国で、最終的に国は100兆ドルというお札を発行するにまでいたりました。が、実際のこの100兆ドルのお金としての価値は日本円でたった20円ほどしかなかったそうです。モノを買うためのお金。最近では電子マネー、つまりカタチのないお金も流通する世の中になってきましたが、改めてお金というものについて考えてみると不思議ですね。ちなみに今年から新札が発行されたモーリタニアのお札は本当にキレイ!銀行で降ろすと必ず新品のお札が出てきます。

旅人と過ごす夜

あたりはすっかり暗くなり、涼しくなったところで今夜は宿の方が作ってくれた料理を外でいただくことに。どれも美味しかったのですが、なんとここでラクダ肉が出てきました!ジャガイモやニンジンといっしょに煮込んだラクダ肉は臭みが全く無く脂(あぶら)も少なめ。噛みごたえがしっかりあって美味しかったです!これをクレープといっしょに食べるところにフランスの文化を感じます。スープからデザートまでついて、なんともオシャレな夜ご飯をいただきました。

そしてここでも新しい出会いが。右はずっと行動を共にしているポルトガルから来たアンドレさん。そして左はアフリカで18年間フランス語の先生としていろんな国を転々としているというフランス人のクリストフさんです。今はスーダンに住んでいて、休みを使って旅をしているとのこと。まぁいろんな国のいろんな見所や魅力(みりょく)を知っている2人の話が面白い!私がこれから行こうと思っている国のこともいろいろと教えてくれました。でも、クリストフさんが言ったこの言葉がすごくいいなと思いました。

「ガイドブックやインターネットに頼る旅は面白くない。自分の行きたいところに行けばいいんだよ。」

これからの私の旅もこうありたいと思うステキなエールをいただきました。メルシー!外で星をながめて歯みがきをしていると、思わずいい夜だなぁと感じるのでした。

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