レソト出国!絶叫と絶景のサニパス国境越え 〜アフリカ16ヶ国目を目指して再び南アフリカへ〜

2019年11月7日、天気晴れのち雨。

アフリカ16ヶ国目「エスワティニ」へ

さぁ、本日も旅の予定を先にお伝えするところから始めたいと思います。レソトでの1週間の旅を終えて、今日はいよいよアフリカ16ヶ国目へと移動します。そして今一度レソトの場所を確認!もう何度も書いてあるからわかってるよ!!という方がもしいたら、それは嬉(うれ)しい限りです。レソトという小さな国が南アフリカの内陸にあるということが十分に理解してもらえた証拠(しょうこ)。さぁ、そのレソトを出国するわけですが、今回のアフリカ54ヶ国制覇の旅-第3章-は基本的に全ての移動を陸路でと考えています。そして次の16ヶ国目に選んだのはレソトから北東へ進んだところに位置する「エスワティニ(旧名:スワジランド)」という国。もうわかりますかね?つまりもう一度南アフリカに入国する必要があるということです。

レソト出国

本日午前6時時点の私の現在地はというと④のタバツェカという町になります。昨日は⑤カッツェダムに片道3時間かけて行って帰ってきました。そして今日まず最初に目指すのは⑥のモコトロンという街になります。

「モコトロンから国境(⑦)を越えられるよ!」

と教えてくれたのは首都マセルでお世話になった宿のお姉さんです。本当にキヤレボーハ。長い前振りになりましたがこの情報を元に、ここからアフリカ16ヶ国目へと向かう激動の1日がスタートです!

タバツェカ出発

とその前に宿の紹介を。タバツェカで1泊のはずが結局2泊することとなったのはこちらのMohale oa Masitse Lodgeです。1泊550マルティ(約4100円)とお値段は高め。朝食込みですが、正直おいし〜とは言えないやつで、Wi-Fiも部屋では使えませんが、キレイな宿でスタッフさんは親切丁寧(ていねい)!宿の数が少ないタバツェカの町で大通り沿いにある一番立派な宿になります。ただ今日はその朝食も食べることのできない朝5時半に宿を出発〜!

タバツェカからモコトロンに行く乗り合いバスですが、実はこれが朝一にしか出ていないそうなんです。宿のスタッフさんが教えてくれました。6時にバス停にいれば乗れるということで朝日を受けながら向かったわけですが…バスがどこにも見当たらない。…えっ、まさか!?最悪の事態が一瞬頭をよぎります。不安を解消する方法はただ一つ。誰かに聞く!旅ではこれが一番大事です。さっそく近くにあった警察署の方に聞いてみると

「そこの十字路に立ってたらバスが来るよ!」

バスが来る?本当に??と思いながらも道端(みちばた)で待っていたら、本当に来ました。結論はこうです。モコトロン行きのミニバスは朝6時から30分ほどこの町を周回して客集めをします。なのでバス停にいなくてもOK!なんなら宿の前で待ってても勝手にバスの方からやって来ます。そしてこのバスは満席にならなくても6時半頃にはモコトロンへと出発します。いやー、乗れてよかった!本日最初のミッションクリアです。いざ、モコトロンへ!!

しかし、ここからでした。国境へと向かう道路だからと安心しきっていたので完全な想定外のグラベルロード!

しかも!昨日の比ではない急な坂道の連続なんです!!今日も移動にとんでもない時間がかかるであろうことをタバツェカの街を出発してすぐに覚(さと)りました。

昨日の道がとてもかわいく思えてしまうくらいの山道をガンガン走っていくミニバス。もうガッタンガッタンの連続で、走っているというよりも一歩一歩進んでいるという感じです。ドライバーさんが本当にスゴイ!

どんどん上っていくと景色がとんでもなく開けてくるので、思わずコンパスのアプリで標高を調べるとなんと2900mを越えてるんです!マジか!?車で上ってくるところじゃないだろ!!と信じられない数値にただただビックリ。

よくよく考えると助手席に乗っているだけでこんなステキな山の景色が見られるというのはすごく幸せだなぁ〜と。この区間の料金は100マルティ(約740円)。この値段である意味絶景のマウンテンドライブに参加しているようなものです。これは最高のアトラクション!

ようやく一番高い地点を通り過ぎたなと思ってもそこからもずっと山道は続きまして。下りも運転の大変さは変わらないようでした。が、少しずつ着実に進むこと4時間半!

モコトロン(乗り継ぎ)

午前11時。ようやくモコトロンに到着しました!やった〜〜!!もちろんココがゴールではないなんてことはわかっています。が、ハードな移動を終えてやっとたどり着いた事実に感動です!!

余韻(よいん)に浸るのは束の間。次の移動に向けてまた気持ちを切り替えます。モコトロンに来れば国境を越えられるというのはわかっていましたが、そこからは全くの白紙状態だったのでまずは情報収集!ここからエスワティニに直接行くバスがあればベストですが、それはありませんでした。まぁそりゃそうねと。じゃあとりあえずどこまで行ける?と聞くと南アフリカの「アンダーバーグ(Underberg)」行きのバスがあるとのことでした。

地図で確認です。現在⑥のモコトロンにいます。ここから⑦の国境を越えて南アフリカへと入国して★のアンダーバーグへ。オォ!これは一気にスゴイ進むぞ〜!!ともうエスワティニに行ける気満々に。料金は150マルティ(約1100円)。バスの乗り換えをせずに国境が越えられるのはありがたいです。

ということで一気にアンダーバーグへGO!ここから国境までの道はちゃんと舗装(ほそう)されたタールロードということでもう快適に進む進む。先ほどまでとは打って変わって車がビュンビュン走るもんで気分は最高!!

国境サニパス

午後2時ちょい前。ついにレソトと南アフリカの国境「サニパス(Sani Pass)」に到着しました!なんと標高2873mにあるレソトの出国ゲート。山の国レソトの旅の終わりを感じます。ここを越えたら南アフリカ。そしてアフリカ16ヶ国目エスワティニ!テンションが一気に上がります。出国審査は一瞬で終了。車に乗り込んで再び南アフリカの地へ入ります。さよならレソト!!

と、気分が最高潮になった『ここから』でした!たった今この文章を書きながらも思い出すだけで鳥肌ものの衝撃の幕開け。一人で勝手に興奮(こうふん)しているわけですが、もう一度言います。『ここから』でした!!

目の前に広がったのはなんじゃこりゃ〜!?という崖(がけ)。下しか見えません。これを下る?ウソでしょ!?今朝のグラベルロードレベルでワーキャー言っていたのが恥ずかしくなるくらいの、ヤバすぎる崖下りのスタート。これをマジで車で下るんです!!

これまでいろいろと陸路の国境を越えてきました。ギニアビサウ〜ギニア間ジブチ〜ソマリランド間はアフリカの中でも特にハードな忘れられない長距離の国境越えです。一方このサニパスは距離は短く、レソトを出国してから南アフリカ側の入国審査所まではわずか8km。しかし、侮(あなど)ることなかれ!この8kmがとんでもない崖という国境です。標高2873mから一気に地上へ。車はガックンガックンゆれ、写真なんか撮っている余裕も全くありません。

崖下りにかかった時間はなんと50分!8kmを50分です。スゴすぎました、本当に。こんな国境は世界中でもここにしかない気がします。超刺激的なサニパスの国境越え。ちなみにこちらが南アフリカ側の入国審査所から見たレソトへの道です。サニパスの先ほどの看板はこの山のテッペン。あそこから下ってきたのかと思うと改めて驚かされます。こちら、もちろん上ることもできるわけてすが…いつか機会があったらチャレンジしたいと思います。

南アフリカ再入国

南アフリカ再入国はあっという間に完了。ですがイェ〜イとはなりません。サニパスの国境越えがあまりにスゴすぎてずっと軽い放心状態です。

そこからもグラベルロードは続きます。「よし、これでいよいよエスワティニだ!」なんて思いながらモコトロンを出発したのが遠い過去のようで。そんなふうに思っていた自分がかわいく思えてきます。エスワティニは遠かった。レソトと南アフリカの間を走るドラケンスバーグ山脈の景色を目に焼きつけます。

アンダーバーグ(乗り継ぎ)

ようやく山を下り切ると時刻はもう夕方4時前でした。天気が一変して雨雲が浮かぶ空の下を車は進んでいきます。久しぶりの南アフリカはやはり街並みが全然違いまして。レソトの首都マセルも十分に発展しているなぁという印象でしたが、山の麓(ふもと)にある小さな街でさえオシャレで、道路の開放感が明らかに違う南アフリカ。道路は全てキレイに舗装されています。スゴイぞ南アフリカ!ということでアンダーバーグのバスターミナルに到着。さぁここでもまた聞き込みです。

「エスワティニ行きのバスはありますか?」

と聞いても「???」という感じのバス乗り場のお兄さんたち。どうやらここからバスは出ていないようです。そしてもう時間も時間なので、ここで今日のエスワティニに行きを断念!…えっ?今さら!?と思われるかもしれませんが私は諦(あきら)めていませんでした。ギリギリまで可能性を探るというのが私の信条です。

ということで計画を変更して本日のゴールにしたのは南アフリカの海沿いの街「ダーバン(Durban)」です。南アフリカ第3の都市なのでここに行けばエスワティニ行きのバスがあるかも!と考えての決断。ただ、アンダーバーグからダーバンへの直通バスはこれまたないとのことだったので「ピーターマリッツバーグ(Pietermaritzburg)」を経由して向かうことに。全てバス乗り場のお兄さんたちがとっても親切に教えてくれました。ダンキー!

ピーターマリッツバーグ(乗り継ぎ)

アンダーバーグからピーターマリッツバーグまでは110ランド(約810円)。レソトの通貨マルティはランドと同じレートですが南アフリカでは使えません。なんだかさみしい感じがして、もうここはレソトじゃないんだなと。そして当たり前のように道路を進んでいくミニバス。今日の過酷(かこく)な道のりを思い出すとあまりにギャップが激しすぎて、まるで夢でも見てたかのような気分になりながら進むこと2時間。バスはピーターマリッツバーグに到着しました。

ダーバンに行きたいということをわかってくれてた運転手さんがちゃんと乗り場で降ろしてくれまして、そこから流れるように次のバスに乗車。ほぼ満員のバスだったので待ち時間なしで名残(なごり)を惜(お)しむ間も無く出発。料金は60ランド(約440円)です。

ダーバン到着

そしてピーターマリッツバーグから1時間で今日の目的地にした「ダーバン」に到着。ですがまだ喜べません。ここは南アフリカ。ミニバスの運転手さんは気を利かせてくれて私を安全なエリアのガソリンスタンドで降ろしてくれました。ダンキー!日が沈んで辺りはすっかり暗くなっていまして。この状況で一人でタクシーを待つというのは危険だということで助けてくれたのはガソリンスタンドのお兄さん。信頼できるタクシーをつかまえてくれました。ダンキー!!最後は宿に到着すると一緒に降りて入り口までついてきてくれたタクシーのドライバーさん。ダンキー!!!

今日は本当に激動の1日でしたが、結果的に今こうして南アフリカのダーバンにいます。全ては出会ってきた人たちのおかげ!人のやさしさにたーくさん触(ふ)れた1日でした。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。キヤレボーハ!ダンキー!そしてココはゴールではありません。宿に着いてすぐに受け付けのお兄さんに確認しました。

「ダーバンからエスワティニに行くバス?…あるよ!」

アフリカ16ヶ国目「エスワティニ」がようやく視野に入りました!!明日も早朝から移動開始です。よっしゃーーー!!

1 個のコメント

  • わたしも今レソトにきました!
    小島先生のレポがとても参考になってます!しかも面白い(笑)
    また楽しみにしています!

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です