2023年12月2日、天気晴れ。
ナイジェリアを旅する
ビザ取得の時点から他の国とは勝手がかなり違ったナイジェリア。
アフリカの中で最大の人口を誇るものの、なかなか訪れる旅人は少ない謎多き西の大国ということで知れば知るほど
「一体どんな国なんだ!?」
という興味と同時に少なからずの緊張が高まりまして。
そんな複雑な心境の中でナイジェリアに入国したのが6日前のこと。
そこからは連日他の国では味わったことのないドキドキを体験させていただき、気づいたらあっという間に時間が過ぎていたという感じです。
そして、蓋(ふた)を開けてみたらそこにあったのは現在進行形で急成長を続ける都市とそこで暮らす人々の姿でした。
現政権へ不満を抱く人々がいたり、イスラム過激派組織が活動をしていたりと様々な問題を抱えているナイジェリアなので治安は当然不安定。
街中で見かける多くの警察官や軍人の姿からはチカラで国内情勢を制御しようとする国の意図が感じられます。
なので決して安全な国とは言えません。
が、だからといって危険なだけでもない!
これに関しては本ブログをずっと読み続けていただいている方にはアフリカあるあるとしてご理解してもらえるかと思います。
首都アブジャで見つけたオシャレなカフェHabil Cafe。
窓ガラスにはスモークがかかっており、外から店内が見えない仕様になっている点だけを見るとやはりそういう国なんだなと考えさせられるわけですが
中に入るとこの通り!
カフェ好きにはたまらない空間が広がっていました。
もちろんこんなカフェを利用できるのは一部の人であり、見えないところで苦しい生活を余儀なくされている多くの人々がいます。
ですが、危険と呼ばれる国にもこんなステキなカフェがある。
これもまた一つの事実。
アフリカを旅していると本当にイロイロなことを考えさせられます。
刺激的な毎日が続くナイジェリアの旅においてカフェでくつろぐ時間は至福のひと時。
ちょっと一息ついたところで、今日はアブジャから少し離れたところにあるこの国の数少ない観光スポットの一つへ向かいます。
交通インフラがこれでもかというくらいバッチリ整っている首都周辺。
ローカルの乗合バスも走っているのでそちらに乗っても行けるのですが、念には念をでUberを選択します。
旅の安全を第一に考えると配車アプリで車が簡単に呼べるようになったのは本当に有難いことです。
2022年時点で人口が2億人を越えているナイジェリア。
その増加傾向は衰(おとろ)えることを知らず、2050年にはなんと4億人近くに達すると予測されています。
最大都市ラゴスの活気とはまた少し異なるこの国の未来を感じる光景が広がるアブジャ近郊。
真新しい住宅街にはかなりの違和感がありますが、これから30年で2億人ほど人口が増えることを考えるとコレはまだ始まりに過ぎないのかもしれません。
今後の世界経済の中心の一角を担うであろうこの国がどんな進化を遂げていくのか。
非常に気になるところです。
と、ついレゴブロックで作られたかのような道路や建物に注目してしまうわけですが、ふと遠くに目をやるとそこに岩山がそびえているからこれまた不思議な気分になります。
麓(ふもと)に造られた人工の住宅エリアと大地が隆起してできた自然が織りなす異様な光景。
何じゃこりゃと思いながら窓の外を眺めながら車で移動していると
道の先に見えた他のモノとは比べ物にならないほどに目立つ大きな一枚岩。
この距離ぐらいからだとまぁそれなりに大きいなぁ~くらいの感覚ですが、近づいていくとどんどん目の前に迫(せま)ってきまして、最終的には
ドン!
フロントガラスの視界を覆(おお)うかのように立ち塞(ふさ)がるからまぁビックリ!!
これがナイジェリアを代表する巨岩
「ズマロック」
です。
ズマロック
ズマロックは、ナイジェリアのニジェール州にある大きな天然の一枚岩。
斑れい岩と花崗閃緑岩からなる火成岩です。
ナイジェリアの首都アブジャの西、アブジャからマダラ沖のカドゥナまでの幹線道路沿いに位置し、「スレジャからアブジャへの玄関口」と呼ばれることもあります。
高さ725m、まわりの長さは約3kmもあるこの巨大な一枚岩ズマロック。
実はナイジェリアビザのデザインにも採用されているこの国のシンボルなんです。
平坦な大地に異様な雰囲気でそびえる巨岩。
アブジャ市内にも同じような岩山はあるので正直あまり期待していなかったのですがこれは見に来て大正解。
たかが岩ですが実際に目にするとその迫力に圧倒されます。
ただ、ズマロック周辺は人混みでガヤガヤしており、また道の途中にあるのでゆっくりと眺めるのは少し難しいです。
そこでやって来たのがZuma Rock Resort。
ゴルフ場を有する高級ホテルですが、レストランだけの利用も可能で、敷地内からはズマロックを思う存分堪能(たんのう)できます。
ということで、多少場違い感を感じるレストランでのんびりしながら、本日はナイジェリアの食とお金に関するお話をしたいと思います。
ナイジェリアの食
豊かな食文化が広がる西アフリカエリア。
その中でも料理の種類が特に豊富なのがナイジェリアです。
西アフリカの定番の料理はもちろん、ココにしかない食との出会いがたくさんあるこの国。
特に力が入っているのがスープ料理。
レストランのメニュー表を見ると「〇〇スープ」という名前がズラッと並びます。
エグシスープやぺぺスープ、オクラスープなどが有名です。
それぞれスープのベースは異なりますが、肉や魚などを柔(やわ)らかく煮込む点はいっしょ。
なのでいろんなスープの味を楽しみたいところ!
ですが、一つだけ注意しないといけないことがあります。
見た目からもなんとなく想像がつくかもしれませんが、ナイジェリアのスープ料理はマジで
激辛!!
西アフリカの料理はほぼ全般辛いので覚悟はしていましたが、まぁ~辛い。
スープが熱いのでより一層口の中がヒリヒリしまして、味を楽しむ余裕はほぼゼロ!
食べ終えた時にはまるで巨大なモンスターでも倒したかのような達成感があります。
辛いモノが好きな人にとってはたまらないナイジェリアのスープ料理です。
(後ろに写っているのはタピオカの原料であるキャッサバ粉を練ってつくったナイジェリアの主食フフ)
はい、辛いのが苦手な私。
一応期待を込めて毎回
「辛くしないで下さい!」
とお願いしまして、店員さんも笑顔で
「わかった!!」
と返してくれるのですが、出てきた料理を一口いただくと
「ヒーーーーー!!」
というのが毎回のお決まりパターンです。
まぁスープ系を辛くしないというのはそもそも無理な話なのだと思います。
そんな中、今回の旅で唯一オーダーの願いが叶ったのが最大都市ラゴスのレストランYellow Chilli。
地元の人で賑わう超人気店です。
ここで注文したのが
「シーフードオクラ」という料理です。
これもスープジャンルになるそうですが、名前はシーフードオクラ。
他のスープとはちょっと別格に位置づけられている様子です。
たしかに店内を見渡すとあっちにもこっちにもシーフードオクラを食べる人の姿を発見。
ナイジェリアの人々に愛されるこのスープ。
さぁ、そのお味は?
辛くないことを祈りながら一口食べると・・・口の中いっぱいに広がるシーフードの旨味がガツンときまして。
トマトベースのスープとエビやカニなどの魚介類を包み込むオクラがイイ味を出してるんです。
何度もウマイ!と唸(うな)ってしまうシーフードオクラ。
いつか本場の辛さでもいただき、そちらもしっかりレビューしたいと思います。
ナイジェリアのお金
そんな食事をするにもカフェでコーヒーを飲むにも当然必要なのがお金です。
が、ここでこの国を旅する上で知っておかなければいけないことが一つ。
ナイジェリアではクレジットカードがほぼ使えません!
(写真は首都アブジャで見つけたオシャレカフェGrounded Cafe)
カード払いOKの表示があるお店でも海外で発行されたカードは使用不可。
西の経済大国なのになんで~!?
という疑問を抱かざるを得ませんが、使えないものは使えないのでこの事実を受け入れるしかありません。
ちなみに地元の人たちの支払いはモバイルマネーやデビットカードなどが主流になってきています。
ということで、旅行者がナイジェリアに渡航する際は米ドルなどの外貨の持参が必須。
現地にて現地通貨ナイラへの両替をすることになるわけですが、その場所というのが銀行ではないんです。
やって来たのはラゴスのビクトリア島にあるEko Hotelという大きな敷地面積を有するホテル。
その中にお土産屋さんが集まる一角があります。
入口には
『両替禁止』
の看板が。
なんだ、ダメなんじゃんと思いながらも様子を見ようととりあえず中に入ってみると
「Change money?」
(両替するか?)
次から次へと引っ切りなしにお誘いの声が掛かります。
両替に必死で逆に商品を売ろうとしてこない店員さんたちの姿はなんだか落語にありそうな小話のようです。
この記事を執筆している2024年現在もナイジェリアでは物価が高騰(こうとう)し、それに伴い自国通貨ナイラの貨幣価値が下がり続けています。
いわゆるインフレです。
しかもそれがここ数十年で最悪の経済危機と表されるほど事態は深刻で・・・
それ故に米ドルなどの安定した強い外貨を手に入れたい地元のみなさん。
なので外国人が集まる高級ホテルのお土産屋さんのような場所で両替が行われているというわけです。
ホテルの支払いでもクレジットカードが使えないナイジェリア。
ちょうど手持ちがなくなりどうしようかと困る場面があったのですが、スタッフさんにお願いをすると快く両替に応じてくれました。
2023年11月時点での裏取引レートは1ドル1200ナイラ。
銀行で両替するよりも高いレートなのでお互いWinWinです。
時間が過ぎるのはあっという間で気付けば夕方。
ズマロックをしっかり目に焼き付けたところで、またまたUberを利用して首都アブジャに戻ります。
ドアtoドアで安心して移動できる手段が確保できる現代のシステムに今一度感謝の念を抱き、最後にもう一軒カフェに寄ったあとは、夕食を食べにイイ感じのレストランへ。
危ないイメージが強かったナイジェリアですが、こうして最終夜を無事に迎えられたことにまずはビールで乾杯です。
ビザの取得から始まった長いドラマが終わってしまうのかと思うとなんだかグッとくるものがあります。
今後の経済発展によって国がどのように変化していくのかが非常に気になるナイジェリア。
必ず再訪したい国の一つなので、あの難解なビザ申請にもまたいつか挑む日が訪れます。
いやー、今からワクワクが止まりません!
今夜はゆっくりとカラダを休めて、明日に待ち受けるナイジェリア最後の難関である出国に備えてココロを整えます。
DAY389へ続く
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