ガーナを旅する⑧ 世界遺産の城塞群巡りPart3 〜アムステルダム要塞-ヤムイモと伝統料理フフ-〜

2021年7月19日、天気晴れ。

ガーナの歩き方

人生初のアフリカでのサッカー観戦を楽しんだ週末の日曜日。試合の終了と共に感じたのは2ヶ月に及ぶアフリカ旅の終わりでした。いよいよ帰国まであと3日。まだ実感はありませんが、新しい週の始まりで一気に日本帰国へと意識がシフトします。

2021年7月現在、コロナウィルスの感染拡大は止まることを知らず、収束の兆しが未だ見えない日本。そのため外国からの入国に対する水際対策がかなり入念に行われています。コロナ禍の旅ではマストのPCR検査に加えて複数の提出書類が必要。この水際対策が甘いという批判的な意見もありますが、これまで旅してきたアフリカ各国の入国条件から比べると明らかに対応は厳重だなと感じます。

そしてこの入国条件をちゃんと理解して遵守(じゅんしゅ)することやそのための準備。何より自身の健康の確保と感染予防の徹底はコロナ禍で旅をする上では守るべき絶対のルールです。入国に関する情報の収集は時間をかけて行います。できることにしっかり取り組んで帰国への準備を進めていきます。

ただ、調べれば調べるほど不安になってくるのも事実。書類不備で日本に入国できなかったなんていう事例もあり心配が大きくなってきます。そんなところに顔を出してくれたのは昨日いっしょにサッカー観戦をしたエブスア・ドワーフスサポーターのジョン。小学5年生の彼は今日は朝7時から学校でお勉強です。そしてなんとその彼が通う学校が今回私が泊まっている宿のすぐ近くということで中休みに遊びに来てくれました。日本じゃまずありえないシチュエーションですね。旅の終わりを意識して少し下がり気味だった気分がジョンの笑顔でおかげで明るくなりました。そう、まだガーナの旅は終わっていません。日本帰国への不安はありますが、今を思いっきり楽しむことを忘れてはもったいないです!ジョンとそのお友だちにありがとうでした。メダーセ!!

今日はまずガーナでよく見かけるこちらの植物を紹介します。

ヤムイモ

ヤム、ヤムイモ、ヤム芋は、ヤマノイモ目ヤマノイモ科ヤマノイモ属のうち塊根(芋)を食用とする種の総称。ヤマノイモ属には約600種が含まれるが、そのうち塊根を食用とするのは一部である。アフリカ・熱帯アジア・ラテンアメリカ・西インド諸島にかけての広い地域で主食や根菜として栽培されている。

【Wikipediaより】

西アフリカの主食の一つになっているこのヤムイモ。ここガーナは生産量世界2位を誇ります(FAOSTAT 2018年調べ)。そのため市場や道端のいたるところにヤムイモが!大きめに切ったヤムイモをそのまま炭火で焼くというシンプルな焼きヤムイモ。

路上のお店でよく見かけるのはフライドポテトならぬフライドヤムです!ジャガイモのホクホクとさつまいもの甘みの良いトコ取りで、クセになるフライドヤム。最後にほんの少し苦味があるのも特徴で、これがアクセントになってどんどん食べてしまいます。

ちなみにこの量で5セディ(約90円)。旅のお供にピッタリです。

そしてそんなヤムイモも使う西アフリカの伝統料理が『フフ』です。コートジボワールの旅でも食したこのフフ。もう少し詳しい説明をWikipediaから引用します。

伝統料理「フフ」

西アフリカでは、フフは主にキャッサバ、ヤムイモから作られ、タロイモ、プランテン、トウモロコシ、ガリを混ぜることもある。例えばガーナでは、フフは主に茹でたキャッサバと未熟なプランテンを合わせて作られるが、タロイモやヤムイモが用いられる場合もある。

Wikipediaより】

臼(うす)でヤムイモなどをついて日本のお餅(もち)のように仕上げたこちらのフフ。国や地域によってもその作り方はいろいろとあるようです。

そんなフフをこの旅の最後にもう一度食べたい!ということで昨日今シーズンの試合を終えたばかりの森下仁道さんにお願いして、今日のお昼は美味しいフフが食べれるお店に案内してもらいました。細い路地を進んでやって来たのは看板も何もないケープコーストの町でも地元の人しか知らない隠れ家的レストラン!そして出てきたのが

コチラ!!赤く辛そうなスープの中にツルンとした大きな白玉のようなフフが。付け合わせは魚とチキンという贅沢な一皿です。さぁさっそくいただきます!!

フフの正しい食べ方

とその前にガーナの正しいフフの食べ方を教えてくれたのは仁道選手のチームメイトとサポーターの2人です。熱いスープの中に沈むフフを人差し指と中指でちぎって、しっかりとソースをつけてから口の中に入れた次の瞬間…ゴクリ!!はい、これが正しいフフの食べ方なんです。フフは噛まずに飲みます!『カレーは飲み物』なんて表現がありますが、まさに『フフは飲み物』!!

ただこれが慣れません。よく噛(か)んで食べましょう!は食事の基本。さらにはお餅や白玉は喉(のど)に詰まらせる危険もある食べ物です。なので最初はどうしても噛んでしまいます。が、大きさを小さくして回数を重ねていくと…ゴクリ!!慣れてくるとフフの気持ち良い喉越しを楽しめるようになってきました。そしてコツさえ掴(つか)んでしまえばもうそこからはゴクリ!ゴクリ!辛いスープがさらに食欲をそそります。

そして気がつけば完食。そして気が付いたらフフでおなかがパンパンに!!噛まずに食事を食べるというのは人生初の経験でした。こんなにおなかが膨れるとはビックリです!みんなでいっしょにフフを食べるというのもしあわせな時間でした。ガーナ入国からお世話になり、最後はケープコーストで一番美味しいフフをご馳走(ちそう)してくれた仁道さん。これにて一度お別れですが、またアフリカのどこかの地で再会することは間違いなしです。きっとお互い今とはまた違う景色を見ているはず。その日を楽しみに別れを告げます!ありがとうございました!!

仁道さんと別れてやって来たのはケープコーストの乗り合いバスの拠点となっている交差点。もうすっかり安心して乗れるようになったガーナ海岸沿いのバスを利用して、本日ラストはまた世界遺産の城塞群へと向かうことにしました。全部で11ある要塞の内、まだ訪れていない箇所(かしょ)がケープコーストから東に20kmちょっと進んだところに!

30分ほどバスに乗って到着したアバンゼンの町。少し海沿いに向かって歩くと高いところに要塞が見えました。

アムステルダム要塞

世界遺産のフォートアムステルダムは、ガーナの中央地域、コルマンティンにある砦です。 1638年から1645年にかけてイギリス軍が建設し、1665年にオランダ西インド会社がここを占拠。 オランダ領ゴールドコーストの一部となったのち、1868年にイギリス軍に割譲されました。砦はケープコーストの北東にあるアバンゼにあります。

Wikipedia英文参照】

これまで訪れてきた4つの要塞とは異なる石を積み上げて造られた要塞。イギリス、オランダ、ポルトガル、スウェーデンなど、建設した国の違いがはっきりと建物には表れるものですね。

高い丘の上に作られたアムステルダム要塞。広い海岸を見渡すことができるこの要塞の役割は警備がメインだったのかなと。そのため要塞自体はそこまで大きくなく、2階建てのシンプルなつくりになっています。

かつては60以上存在したというこの城塞群。初めてこの情報を知った時はなぜそんなに多くの要塞が?しかも西アフリカの他の地域には無くてここガーナだけに??という2点に興味をひかれました。

ヨーロッパ列強が喉から手が出るほど欲しかった金の産出エリアであるガーナの地。その海沿いにヨーロッパの国々の船が次々とやってきて、各国が貿易拠点の要塞を築き上げます。

さらに波が比較的穏やかなガーナの沿岸部はどこも格好(かっこう)の船着場になります。それをくまなく警備するためには数が必要不可欠。その結果、必然的にこのガーナの海沿いにはたくさんの要塞が建設されたというわけです。

西アフリカの中でもガーナ特有の城塞群。今回の旅でその歴史に触れたことでこの国の見方が大きく変わりました。まだ訪れていない世界遺産の要塞は残り6ヶ所!また機会をみつけていつか全ての要塞制覇をしたいと思います!!

ということでこれにてガーナの旅はほぼ終了です。ここからは完全な日本帰国モード!PCR検査に出国準備と忙しくなる予感です。そして実はケープコーストからは140kmほどしか離れていない首都アクラ。海岸沿いを走る乗り合いバスでもアクラに行くことは可能です。が、今夜は最後にケープコーストでもう一泊。しっかりとカラダを休めて明日からのラストスパートに備えたいと思います!!

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