ナミビアを旅する⑳ 世界一美しい民族ヒンバの村を訪ねる〈エプパフォールズ→オプヲ→オシャカティ〉

2021年6月10日、天気晴れ。

ナミビアの歩き方

昨日はたくさん歩いて疲れたはずですが今日も不思議と6時に目が覚めるエプパフォールズで迎える朝です。テントのすぐ目の前がクネネリバーというこの贅沢なシチュエーション。この景色と共にいただくコーヒーがまぁ美味しいんです。絶景の余韻(よいん)に浸りながら最後の時間を楽しみます。

といってもそんなにのんびりもしていられません。今日は来た道をまた戻るわけですが、行きのように車がすぐに見つかるとはかぎりません。早めに動いておかないとということで、テントを片付けて荷物を準備したらキャンプサイトをあとにします。本当にオシャレでステキな宿でした!

さぁ、まずは車乗り場がある場所に向かいます。行きにここまで運転してくれたカサオナさんの情報だとロッジから見えるすぐ近くの家に車が停まっているとのことだったので歩いていくと

ロッジから3分。そこに一台の車を発見しました。もしかしてこれかなー?と思いながら話しかけると、

「オプヲ?ヒッチハイク??OK!!」

ウソでしょと思わず疑いたくなるくらいの早さで車が確保できてしまいました。車がなかったらどうしようという心配が大きかったのでこれはラッキー!9時にロッジを出たら乗客もちょうどいっぱいになり、すぐにでも出発できるというドンピシャのタイミングでした。

ファットケーキ

さぁもう車が出るわけですが、その前にこれを食べておきたいということで、お母さんが朝から作っているナミビアの揚げドーナツ「ファットケーキ」を購入です!お値段は1個1ナミビアドル。揚げたては熱々のフワッフワでしあわせな味がするこのファットケーキ。ナミビア各地やアフリカ各国でも定番の揚げドーナツですが、作り手や地域、国によってもいろいろと個性が出るのが面白いところ。

甘さ控えめなのがオプヲ周辺のファットケーキかなというのが個人的な印象です。先日食べたお店はスパイスが効いたソースをつけて食べるスタイルでした。アフリカの揚げドーナツの世界は深いです。

お腹もほどよく満たされたところでいざ出発!そしてなんとなくわかっていましたが今回の私の席は荷台です。ヒンバの皆さんといっしょに荷台に乗り込みまして、日焼け対策はダウンジャケット。そして未舗装路を走るので砂埃が舞うことは必至(ひっし)ですが、これはもう対策のしようがありません。いざ、グラベルロードの刺激的なドライブスタートです!!

エプパフォールズ出発

出発してからしばらくはタテの揺れがかなり激しく続きます。思わずウォ~と声が出てしまうわけですが、他のみなさんはいたって冷静。「大丈夫?」と私にやさしく気をかけてくれます。

荷台に乗っているので風は涼しいと感じますが、ずっと日差しの下にいるので太陽の光は肌をジリジリと焼き続けます。

それでも窓無しで大自然を感じることができるのが荷台移動のいいところ。写真を撮るのも一苦労なので、基本は車に揺られながら移り変わる景色を眺めて時間を過ごします。

移動も後半になるとだんだん荷台の中でのラクな座り方がわかってくるもので。車の揺れがほどよく眠気を誘いウトウトしてしまう場面も出てきました。

停車するたびに私のことを心配してくれるドライバーさんや、町に着くたびに「〇〇に着いたよ!」と教えてくれるやさしい若者たち。そして伝統的なヒンバのみなさん。よくよく考えるとお金を払ってどんなツアーに参加するよりも地元の人たちを近くに感じることができる最高のオフロードドライブです。やさしさに心が温かくなりながら、車は砂煙をたててどんどん進んでいきます。

オプヲ (乗り継ぎ)

そして180kmの移動を終えてついに戻ってきたオプヲの町。時計を見ると出発から5時間が経過していましたが感覚的にはすごく短く感じるのが不思議でした。

到着した瞬間に安心したからか一気に襲ってきた疲れと暑さ。全身砂だらけでカラダはもうガタガタです。

ということでお世話になったみなさんに別れを告げたところで時刻は夕方3時。正直もう今すぐシャワーを浴びてスッキリしたい気持ちもありましたが、今日はもう少し行けるぞ!と思いさらに進むことを決意。動ける時に動いておくというのも旅では時に大切なことです。

さっそくオプヲの乗り合いタクシー乗り場で行き先を告げます。するとここで自分が乗ればすぐに出発するという車を発見。まるでバトンリレーのような流れる車の乗り継ぎに感謝感激です!

このあと車はガソリンを給油したら本当にすぐにオプヲを出発。さらになんとそこから車内は日本ソングメドレー!まずはL’Arc~en~Cielからスタートです。ナミビアで走る車のほとんどは日本からの中古車で、車内の音楽データが消去されずにそのまま残っているのはよくあること。運転手さんの粋(いき)な計らいかと思いきや、好きで聞いているとのことでした。

そんなこんなであっという間にオプヲを離れてしまったわけですが、最後にこの町を中心に生活をするヒンバの人々について改めて書いておきたいと思います。

ヒンバ

ヒンバ族は、ナミビア北部のクネネ州に住んでいる民族。総人口はおよそ2万から5万人といわれている。牛と山羊を育てながら生活している。

【Wikipediaより】

このヒンバの暮らしを知ることができる施設の一つにナミビアの各地にあるリビングミュージアムがあります。その土地の人々の伝統的な生活の様子を見学したり体験したりすることができる国が運営する施設です。ミュージアムと名がついていますが、そこにあるのは簡易的な集落で非常にリアルな人たちの暮らしを見ることができます。ヒンバのみなさんのミュージアムも今日の道中にありました。

ですが、やはりヒンバのみなさんの本物の暮らしが見たい!という時はこの方にお願いします。オプヲの中心にあるスーパーの近くにお土産屋さんを構えるエリザベスさん。日本人のみならず世界中の旅行者にリアルなヒンバの世界を案内してくれるオプヲの知る人ぞ知る超有名人です!

値段は交渉して決めますが、基本的にエリザベスに頼めば車の手配からヒンバの村を訪問する際の手土産の準備など全てコーディネートしてくれます。

そんな彼女が連れていってくれるのはミュージアムではなく実際にそこで暮らすヒンバの人々の村です。

特徴 上半身が裸

『世界一美しい民族』と呼ばれるヒンバの女性たち。特徴の一つ目は”上半身が裸である”ということ。しかしこれは彼女たちにとってはいたってふつうのことです。「ふつう」ってなんだろうなと改めて考えさせられます。

特徴 赤い泥(オカ)

特徴の二つ目はその”身なり”です。まず目を引くのは髪の毛。赤い泥で髪をガチガチに固めています。そしてその先端にはヤギの毛が。美しさの中に力強さを感じる髪型です。

そして同じく赤い泥とバターなどを混ぜて作られる”オカ”と呼ばれるものを体に塗るのがヒンバの女性たち。その赤みがかった肌の色が印象的でまた神秘的です。ちなみにこのオカは肌の保湿、日焼け対策の効果もあるそうです。世界一美しいと呼ばれるその理由はこの赤い泥のボディークリームにあるのかもしれません。

特徴 お風呂に入らない

さらに特徴の三つ目。ヒンバの女性たちは生まれてからずっとお風呂に入ったりシャワーを浴びたりすることをしません。大丈夫?と思われるかもしれませんが、彼女たちを目の前にしてもそんな心配は微塵(みじん)も感じません。髪型からボディークリームまで美にこだわるヒンバの女性たち。シャワーは浴びませんがその代わりに伝統的な葉をいぶして焚(た)いた香りを体や服に染み込ませます。この香りをうまく説明できないのが残念ですが、とにかく独特のいい香りです。この世でヒンバにしかない香りかもしれません。オプヲに来ると町中でもこの香りを感じます。

特徴 装飾品

身につけている装飾品の一つ一つにも意味があります。例えば足首のアンクレット。ビーズ状の鉄をつなぎ合わせたもので、持ってみるとその重さに驚かされます。このアンクレットにはその女性の子どもの数が示されています。なので子どもが増えると作り直します。

首の輪っかは大人の女性になった証だとか。そして頭飾りや腰巻のスカーフなどはヤギの皮から作られています。身につけているものがどれを取っても魅力的でオシャレ!

ちなみにあまり注目されないヒンバの男性もファッションに特徴があります。ヤギ皮のスカートを腰に巻き、ガチガチに固めた角のような髪型。手には杖を持つのが伝統的なスタイルです。現在はアフリカ布のスカートや髪は固めないラフな感じの方も多いですが、みんな必ず杖は持っています。

ヒンバの村ではその生活の様子を見れるだけでなく、女性が塗るオカを塗ってもらったり、衣装を着させてもらえたりするのサービスも!オカは本来女性が塗りますが男性でもしっかりと塗ってくれます。服につくとなかなか取れないので、オカを塗りたい場合は汚れてもいい服を着ていってください。

ということで車はオプヲから西へ進むこと約230km。窓の外には雨季のあとに見られる現地語で「オシャナ」と呼ばれる溜池が見え始めます。ナミビア北部ならではの景色です。

オシャカティ到着

そして夕方6時。北西の果てのエプパフォールズを出発してからノンストップで8時間。400kmの移動を経て到着したのは「オシャカティ」という街です。今日はこの街で一泊します。

自分が運転したわけではありませんが、頑張って移動してようやくたどり着いたということで実はこの時思わず気がゆるんでしまっていました。が、ここはオシャカティ。少し気をつけなければいけないこの街のイロイロについては明日ご紹介したいと思います。でも、とりあえず着いたぞオシャカティ~!

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