ベナンを旅する④ 最大都市「コトヌー」〜歴史と今を感じるオシャレ観光スポット巡り〜

2023年11月24日、天気くもり。

ベナンを旅する

入国してから慌ただしく動いてきたベナンの旅も折り返し地点を過ぎ、いよいよ後半戦。
残りもノンストップで観光&移動の忙しい感じになりそうです。

「よっしゃ、気合い入れていくぞ~!!」

と言いたい気分なのですが、やっぱり空はくもっていまして。
間もなく始まる乾季になると気持ち良く晴れるのかなぁなんて思いながら今日もくもり空の下を歩きます。
※ベナン(南部)の雨期は4月~7月と9月~11月、乾期は1~4月、7月~9月が目安です。

さぁ、ベナンの旅を楽しみつつ、そろそろ次の国への移動も考えるタイミング。
ですが、実は次のアフリカ47ヶ国目「ナイジェリア」は今いるコトヌーから40kmほど進めば入国できてしまうので焦(あせ)る必要はありません。
今思うともう少し北部を満喫してから南下してくるのもありでしたが、限られた日数の中だと今回選んだ行程がギリギリでした。
ベナンの最北端には世界遺産のW(ダブリュー)国立公園があるのですが、2023年現在このエリアは治安が不安定とのことなので、またの機会に取っておきたいと思います。

ということで、北部にはもう戻れないので南部の海沿いにある都市を巡るラスト3日間。
まずは今いるベナンの最大都市

「コトヌー」

からスタートです。

③コトヌー

コトヌーは、ベナンの都市で、同国の事実上の首都。
2017年の人口は約240万人。
同国を代表する港湾都市であり、ベナン経済の中心である。
約25km北東に首都のポルトノボが位置している。
市内には国会、最高裁判所、カジェフォウン空港などがあり、憲法上の首都はポルトノボとはいえ、多くの首都機能はコトヌーに置かれている。

Wikipediaより

最大都市の名に相応しい大きさと賑わいを見せるコトヌー。
少し歩けば行き交うバイクと人の多さに圧倒されます。
バイクタクシーのお兄さんたちの着ているシャツの色が街ごとに違うベナン。
コトヌーは発色の良い黄色です。

主要道路はバイク専用レーンも入れると片側3車線ほどあり、そのため街全体が広々とした感じがするのがとっても良くて。
一本道を入ると道路が未舗装なんてことはありますが、それでもイロイロ考えて作られた街だなという印象です。

あまり比較するのは良くないとわかっていても、コトヌーを歩いているとどうしても同じ海岸線沿いに位置するお隣の国トーゴの首都ロメが頭をよぎります。

「全然違う!!」

立地や環境的には同じような条件の両国。
ですが、やはりここで大きいのが歴史なのかなと。
かつてベナンの地で繁栄したダホメ王国について先日ご紹介しましたが、実はトーゴには同じような大規模な国家は存在していませんでした。
むしろダホメ王国による奴隷狩りが行われたのがトーゴの地になります。
搾取(さくしゅ)する側のベナンとされる側のトーゴだったわけです。
そしてその歴史は今の社会に通じていきます。
現在の両国の関係は良好ですが、これまで築き上げられてきた国力の差は一目瞭然です。
世界最貧国の一つになっているトーゴ。
首都ロメに漂っていた言葉にするのが難しいオーラや目に見えて浮浪者が多かった理由も今ならなんとなくわかる気がします。

ついトーゴの話が長くなってしまいました。
今日の主役はベナン!
それではコトヌーの有名スポットを紹介していきたいと思います。

エトワールルージュ

フランス語で「赤い星」を意味するÉtoile Rouge(エトワールルージュ)。
コトヌーの中心地にある大きな環状交差点にその大きな赤い星があります。
こちらは現在のベナン共和国の前身に当たるベナン人民共和国の時代に建てられたものです。
私も今回調べて知ったのですが、赤い星は共産主義の象徴。
このエトワールルージュはベナン人民共和国時代の国の方針を主張するものでした。
しかし、のちに共産主義から資本主義へと移行した現在のベナン共和国。
今はそこに大きな意味合いはなく、赤い星のモニュメントとして残っています。

・・・星に見えない?
そうなんです。
こちらのエトワールルージュですが、横から見ても星には一切見えません。
むしろ遠くからも目立つ真ん中の高い塔の方が主役かと思ってしまいます。
が、上から見るとちゃんと赤い星になっているんです。

Wikipediaの画像を見るとほらこの通り!
エトワールルージュはバイクタクシーに乗る際に移動方面を伝えるためのわかりやすい目印になるのでコトヌーの移動はココを起点にすると◎

今回お世話になった宿はエトワールルージュから歩いて5分ほどの所にあるHotel Saint Jean
コトヌーでは比較的安めの1泊17000セーファーフランで泊まれる宿になります。

この旅で初めてのクーラーが使える部屋で快適に過ごさせていただきました。

ドントクパマーケット

エトワールルージュから続く主要道路をそのまま東に進んで行くとさらに人で溢(あふ)れかえるエリアが広がります。
Wikipedia英語版では「西アフリカ最大の屋外マーケット」と称されるドントクパマーケット(Dontokpa Market)です。
何をもって最大とするかは未だに謎ですが、なんとこの市場全体の1日の売り上げが10億セーファーフランを越えるというので『最大』という表現もあながち間違っていないかもしれません。

たしかに歩いているとものすごいギラギラした熱量を感じるドントクパマーケット。
なんだかそのオーラに圧倒され、写真を撮るのもはばかられまして。
ここは本気で来ないとイケない場所だと実感。
なので私は恒例のサッカー代表ユニフォームを真剣に探すことにしました。

が、見つからない!!
ある程度ジャンルごとに区画分けされているはずなのでマーケット内を歩き回ってみたものの、ソレっぽいお店に出会えず・・・
というより本当に広すぎて全部を見て回ることができなかったという感じです。
こんなことは初めてなので、やはりココは西アフリカ最大なのかもしれません。
写真は路上で見つけた完熟パパイヤです。

カフェ「エトワール」

マーケット歩きは楽しい反面、終始まわりに気を付けていないといけないので結構疲れるのも正直なところ。
特にドントクパマーケットは熱気がすごいので体力がガッと削られます。
そんな疲弊(ひへい)したココロとカラダを休めることができるおしゃれカフェがコトヌーにあるんです。
大きな環状交差点になっているエトワールルージュ沿いにあるコチラのカフェエトワール(Café Étoile)。
外観がイマイチなので期待外れかと思わされるのですが、中に入ると

とってもステキな空間が広がっているんです。
ワクワクしてきたところで階段を上がって2階へ行くと

「ウワーオ!!」

まさかこんなオシャレなカフェがこの街にあるとは。
イイ感じの雰囲気でWi-Fiも使えて、窓の外にはエトワールルージュ。

思わずテンションが上がってしまったのでつい注文してしまったパンケーキがこれまた最高で。
コーヒーといっしょにいただけば疲れも一瞬で吹き飛びます。

幸せな時間を過ごすことができるコトヌーのオアシス。
一度中に入ると何時間でもいたくなってしまうので逆に注意が必要です。
私もこの滞在中二回も足を運んでしまいました。

アマゾンの像

最後に紹介するのはこの国の歴史を象徴するモニュメントです。
高級ホテルや大型ショッピングモールなどが建ち並ぶコトヌーの海岸沿いエリア。
中心地とは異なるリッチな空気を感じながらバイクで走っていると

ソレは突然視界に飛び込んできました。
遠くから見てもわかるその大きさ。

こちらは2022年に完成したばかりの『アマゾンの像』です。
アマゾンと聞くとほとんどの方があのamazonを想像するかと思いますが、もちろんそれとは関係ありません。
広場の中心にドンと立つ右手に剣、左手に銃を持った勇ましい女性。
そのモデルになっているのはあのダホメ王国を支えた女性戦士です。

ダホメの女性軍団

ダホメの女性軍団とは17世紀から19世紀後半の時期にダホメ王国(現在西アフリカのベナン)に存在していた全員が女性の軍隊の連隊である。
これは近代史において唯一の女性軍隊であった。
ギリシャ神話に出てくる女性軍隊になぞらえてヨーロッパの人々からダホメのアマゾンと呼ばれることもあった。

Wikipediaより

度重なる近隣諸国との戦いの中で男性が多く死傷し、その代わりに王宮の警備や王の護衛を任されたダホメ王国の女性戦士。
戦いの訓練をしっかり受け、様々な武器も使いこなす戦闘集団である彼女たちのあまりの強さから付けられたのが「アマゾン」の異名でした。

2022年に完成したばかりのこの巨大なアマゾンのモニュメント。
その高さは30mもあり、近くで見るとものすごい迫力で今にも動き出しそうな気さえします。

アフリカを旅していると偉人の銅像を目にすることはよくありますが、女性がモデルになっているものはほとんど見かけません。
ジェンダー平等が叫ばれる現代社会。
自国への愛と勇気、女性の尊厳と誇りを象徴するこのアマゾン像はベナンが目指すこれからの国の姿を表しています。

ちなみに観光客よりも地元の人に人気のこの場所。
アマゾン像といっしょに写真が撮れるということで今日も多くの若者が広場に集まっていました。
が、この周辺には政府関係の建物があり、すぐ向かいにはなんと大統領官邸があるんです!
となると写真撮影厳禁というのがアフリカでは一般的ですが、全く問題無い様子にビックリ。
ベナンの治安の良さがうかがえました。

ウィダー行きのタクシー乗り場

ということでコトヌーの観光スポット、いかがでしたでしょうか。
海沿いには大きな港があり、港湾都市としてベナンの経済を支えるコトヌー。
人やバイクが多いのでガヤガヤしている感じはあるものの、イヤな感じはほとんどなく。
街全体が良い活気に満ちていて、歩いていると自然と明るい気持ちになるんです。

カフェエトワールの存在もあり、居心地の良さについ長くいたくなってしまうこの街。
なんなら残り2日間で訪れたい場所はこのコトヌーから日帰りでも行けそうなので、わざわざ大きな荷物を持って車移動する必要はないんです。
ただ、たとえ不便になろうとも新鮮さと刺激を求めてしまうのが旅人という生き物。
意を決して快適なホテルをチェックアウトしたら、重いバックパックを背負って出発です。

やって来たのはまたまたエトワールルージュ。
コトヌーから西方面へと向かうタクシー乗り場はちょっとわかりづらい所にありましたが、
いろんな人に助けてもらってなんとか見つけることができました。

そのあと1時間ほどで満席になった乗合タクシー。
未だ晴れない分厚い雲が覆(おお)った空を見上げながら、コトヌーの街に別れを告げます。

そして車に乗ることわずか50分ほど。
辿り着いたのは先ほどまでの喧噪(けんそう)がウソのような静か~でひっそりとした小さな町です。
こりゃコトヌーから日帰りの方が良かったかと思いつつも、辺りに漂う不思議なオーラにワクワクする自分がいて。
快適さとはほど遠い町ですが、やはりせっかくなので今日はココで一泊することに決定。
明日はこの「ウィダー」という町を朝からゆっくり歩いて回りたいと思います。

DAY381へ続く

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