ベナンを旅する⑥ 首都「ポルトノボ」〜最大都市の陰に隠れた歴史感じる街並みを今に残す街〜

2023年11月26日、天気雨。

ベナンを旅する

ギニア湾に面した西アフリカの残り3ヶ国を訪れるべく、トーゴからスタートした今回のアフリカ54ヶ国制覇の旅-第10章-。
陸路で東に少しずつ動いてきたわけですが、実は直線距離だと150kmほどしか移動していません。
西アフリカの中でも横の幅が非常に短いトーゴとベナン。
ビザさえあれば簡単に行き来ができるというのはなんとも不思議な感覚です。

そして明日はいよいよ「ナイジェリア」へ向かいます。
こちらもベナン側からであればどこにいても行こうと思えばいつでも行けるお隣の国です。

昨日、最大都市コトヌーからタクシーに乗って走ったこの道。
これをあと10kmほど進めばもうそこはナイジェリアになります。
もちろんそのまま行くこともできましたが、日程に余裕があったのであと1日ベナンに滞在することを選んだ私は

主要道路を左折。
コトヌーを出発してからわずか40分。
道なりにまっすぐ進んでいくと見えてきたのがこの国の首都

「ポルトノボ」

です。

⑥ポルトノボ

ポルトノボは、ベナン共和国の憲法上の首都。
ポルトノヴォとも。
ベナン第2の都市である。
同国の事実上の首都機能は最大都市コトヌーが果たしている。

Wikipediaより

アフリカを旅する上でやはりその国の首都は見ておきたいという思いがあります。
国を代表する顔ですからね!
ただ、首都がその国で一番栄えた都市とは限らないのがアフリカあるある。

国の経済の中心になるのは人口が集中する場所です。
人が多いと消費活動は活発になり、お金が回ります。
植民地時代にヨーロッパ列強によって建設された都市が首都になっていることが多いアフリカ。
外国との貿易が行いやすい海沿いだったり、整ったインフラによって物流の要所になっている内地だったりと国によって首都の位置環境は様々ですが、その多くは国の経済を担う器として機能しています。

しかし、中には土地が狭(せま)かったり、場所が良くなかったりといったケースもあり・・・
首都の都市機能に限界が見えていると、それを超える勢いで発展する街が現れます。
それがいわゆる「最大都市」と呼ばれる街です。

最大都市のコトヌーの陰に隠れたベナンの首都ポルトノボ。
Wikipediaの説明でも「憲法上の首都」「第2の都市」と畳みかけるように言及されていますが、実際にこの街に来るとなぜわざわざそこまで言うのかがわかります。

漂う雰囲気は熱気溢れる賑やかなコトヌーのソレとは全く違いまして。
大きなビルなどはなく、年季の入った建物が並びます。

海からは離れてはいるものの、流入した海水が内陸に湖を形成し、そこからつながる入り江に面したこの場所を奴隷貿易の港を築いたのはポルトガルでした。
ベナンの前身であるダホメ王国と活発に交易を行ったポルトガル。
「ポルト・ノボ」という名前はポルトガル語で「新しい港」を意味しています。
ポルトガルはこの町を港町としても発展させました。

Google Mapsより

現在ベナンは政府関係の建物のほとんどを最大都市コトヌーに置いています。
こうなるともういっそのこと首都移転してしまっても良いのでは!?
というのが素人考えです。
が、そうはしないところに国として大切にしたい想いがあるのかなと。
※国会議事堂はポルトノボにあります。

Google Mapsより

かつて奴隷海岸と呼ばれていた海沿いの観光地化や、巨大なアマゾンの像の建設など、国が歩んだ歴史を後世に語り継ぐために行われている数々の取り組み。
そんな新しい手法も用いる一方で、古い街並みをそのまま残すポルトノボ。
奴隷貿易時代の面影を感じる街並みを眺めながらこの町を歩くとまるでタイムスリップしたような感覚になります。
忘れてはいけない過去がある。
他国とは少し毛色が異なる激動の歴史を歩んできたベナンだからこそ伝えられることがあり、その発信を担う町の一つがこのポルトノボなのかもしれないと考えるのでした。
まぁ、その内首都が移転されるような気もしなくはありませんがね。

さぁ、そんなポルトノボの町をゆっくり散歩するぞ~!
と意気込んでいたのになんと朝から雨が降り続けた本日。
只今雨季のまっただ中なので仕方がないといえばその通りなのですが、ここまでの本降りの雨にあうのは珍しく・・・
一向にやむ気配がないまま時間だけが過ぎていった午前中。

せめてもの救いは奮発して少し良さげな宿に泊まっていたことです。
お世話になったBel apartment avec petit balcon sympa
とってもキレイな広々とした部屋で、しっかり効くクーラーに水圧バッチリのお湯シャワー。
さらにWi-Fiも使えるということで非常に快適!
なのですが、一つだけ欠点がありまして・・・

飲食店が近くにないんです。
ずぶ濡れになってでもバイクに乗ってレストランへ行こうかとも思いましたが、その気力は湧(わ)かず。
持っていたお菓子で小腹を満たしながら、ブログを書き進め・・・

ようやく雨が収まったのは午後4時。
まさかこんなに降り続けるとは思っていませんでしたが、やんでくれたのでOK!
そのあと急いで外に出てポルトノボの町をほんの少しですが見て回ってきました。

人は多くないので歩きやすく、穏やかな気持ちで楽しめるポルトノボ散策。
相変わらずの曇り空ですが、雨上がりのなんとも言えない開放感で気分はスッキリです。

間もなく1日が終わるという感じですが今日は日曜日。
教会のまわりにはアフリカ布のドレスでビシッと決めた地元のみなさんの姿が。

そんな夕方の哀愁漂うポルトノボをブラブラ歩いていたのですが・・・お腹が空いた。
もう24時間以上しっかりした食事を取っていないのでさすがに限界です。
今すぐそこらへんのローカルレストランにでも入って何か食べたいところ!
なんですが、さっきまで降っていた大雨の影響かお店はどこも閉まっていまして。

そこでバイクタクシーを捕まえてやって来たのはホテルART Residence
先ほどまでの古い街並みから一変して突如現われたオシャレな外観の建物にビックリ!
ポルトノボにこんなホテルがあったのかと感動しながら、受付の方にレストランに来た旨を伝えてエレベーターに乗ります。

そしたらまぁなんということでしょう!
あまりにステキすぎる見晴らし抜群のレストランに大興奮!!

「なんだかんだ言ったけどやっぱりココが首都なんだ!」

と思いながら辺りの景色を一望すると

・・・ですよね〜。
別に期待外れというわけではなく、この感じがポルトノボ。
今回は天気の関係もあってどんよりとした雰囲気ですが、晴れていたらのんびりとした穏やかな感じの街なのだろうなと感じます。

さぁ、もう我慢できません。
とにかくお腹が空いていたので勢いで注文したのはピッツァ!
とろけるチーズの塩気が全身に染み渡りまして・・・たまらん!!
空腹時のピザはマジでやばいです。
ちなみに、まわりを気にせず安心して食を楽しめるのがホテル併設レストランの嬉しいポイント。
おかげでココロもカラダも思いっきり満たされました。

ということで、あまり満足に観光はできませんでしたが、ポルトノボで過ごしたベナン最終日。
振り返るとここまでノンストップで連日動いてきていたので、今日の雨は

「ここで少しゆっくりしなさい」

というお告げだったのかもしれません。
旅に向けてイロイロ準備を進めることもできた本日。
先を急ぐだけでなく、たまの休息も旅(人生)には必要ですね。
明日の国境越えに向けて今夜も早めの就寝です。
気力体力共に完全回復でナイジェリア入国に挑みます!

DAY383へ続く

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