2022年5月22日、天気くもり。
ブルンジの歩き方
この旅で初めて毛布の中にくるまって眠り朝を迎えた本日。そこまで寒いというわけではありませんが、上着を一枚持ってくればよかったなぁと感じる朝です。国土の中央部には山がそびえるブルンジの地理を体感。ただ、これだけ寒くても蚊はいるので持ってきてよかったワンプッシュ蚊取りスプレー。地元の方に教えてもらった1泊20000ブルンジフランで泊まれる安宿Iwacu Center Hotelをあとにして、今日も朝早くから行動開始です。
外に出るとそこに広がるのは日曜朝ののどかな風景。昨日ブジュンブラから3時間の山超えを経てやって来たのはこの国の首都「ギテガ」です。
③ギテガ
ギテガは、ブルンジの首都。ギテガ県の県都でもある。同国最大都市であるブジュンブラの東に位置し、ブルンジの国土のほぼ中央に位置する。ブルンジ国立博物館やカトリックのギテガ大司教区が置かれている。人口は41,944人(2008年国勢調査)で、ブジュンブラに次いで多い。ブジュンブラが同国の経済の首都であることに対して、ギテガは政治の首都とされている。
【Wikipediaより】
王国時代の元々の首都であり、ドイツ植民地時代に一度ブジュンブラに遷都されましたが、2019年に再びこのギテガに首都が戻ってきました。この山奥にひっそりとある感じが良いのかなと。タンザニアの首都ドドマも国の中央に位置していました。国の中枢(ちゅうすう)が隣国や海と近すぎるとイロイロ問題があるのかもしれません。
町自体はとても小さく、山に囲まれた静かな別荘地のような感じです。ひんやりとした空気が気持ち良い朝のギテガ。日曜日ということで、歩いているとお揃(そろ)いのアフリカ布で仕立てた服を着て教会へ向かう家族のみなさんや、自転車に野菜や家具などの品物を乗せて市場へ向かう人々とすれ違います。
そんな中、私が向かうのはギテガのタクシー乗り場。これまでブルンジの国内移動を経験してきてわかったことが一つ。この国は国土が小さい割には移動に時間がかかります。湖沿いはオフロード、中央部は山道が続くブルンジ。今日これから向かうのはギテガから南へ50kmほどのところに位置する場所です。なので念のために朝8時に動き出しました。
相変わらず地図アプリには車の乗り場情報が載っていないブルンジです。やはり海外からの旅行者は少ないんだなと。ですが、ギテガの町を歩いていると驚くのはやたらとホテルが多いこと!それもイイ感じの外観の小さなホテルがメインストリートに横並びでいくつも隣接しているんです。その向かいにもまたホテル。ネット予約はできませんが、この町に来て宿探しで困ることはまずなさそうです。
地元の方に助けてもらいながら郊外への一本道をひたすら歩いていくとそれらしい場所に到着。ちなみに「パーキング」という表現でタクシー乗り場に行きたいことが伝わりました。ステーションだとみなさん「?」という反応になります。
そこからは私を見つけたお兄さんが全て案内してくれて無事に目的地方面に向かう車をゲット!乗車前に必ず料金の確認をするのがブルンジのルールです。これは地元のみなさんも同じ。決まった料金設定はないようです。ようやく私もブルンジの移動事情がわかってきたので交渉も強気に出ます。高めの言い値にはしっかりNon!スマホの電卓を使えば言葉がうまく伝わらなくてもやり取りができます。タクシーの長距離移動の場合は10000ブルンジフラン(約600円)あたりが中央値のような印象です。
そして忘れてちゃいけないのが車まで案内してくれた彼へのチップ。といっても忘れるまでもなく、ちゃんと彼の方から頂戴(ちょうだい)アピールをしてきます。自力でも車を見つけられた気はしますが、一応お世話になったので1000ブルンジフランを渡すと
「ありがとう!」
ものすごく喜んでくれるんです。60円というお金がこの国ではものすごく大きいことを実感する瞬間。いろいろと価値観が揺(ゆ)さぶられるブルンジの旅です。
さぁ、乗客がいっぱいになると車はギテガから南へと進んでいきます。やはり予想通り山の中を走っていきますが、クネクネとした道を上っていくような感じではなく、ゆるやかなアップダウンを繰り返して山の上を進んでいきまして。山の中は道路もある程度整備されているのでドライバーさんも結構なスピードを出します。
途中何度か検問がありますが、こちらは政府が管理しているようで運転手は通行料を係の方に支払い領収書を受け取ります。帰りにわかることですが、アフリカでは良くある3人席に4人座らせるという裏技は禁止。非常にしっかりとしたブルンジの交通事情です。
ということで予想に反して乗車時間わずか50分ほどでタクシーを下車。やって来たのは「ルタナ」という地域の道の途中です。ここで分岐する道の先に本日の目的地があります。
この地点に降り立つ旅行者は100%この先に行くことがわかっているので、私が車を降りるとすぐにできる人集(だか)り。この国ではとにかく人に囲まれることが多いです。何かもらえる可能性がゼロではないことや、アジア人が珍しいことなど理由は様々。最初は警戒意識がギュッと高まりましたが、慣れてくると基本的なことを守っていれば不安を感じることはありません。みなさん何かと一生懸命なんです。
できる男風のバイクのお兄さんとのやり取りを英語が話せるお姉さんに手伝ってもらい交渉成立。するとすかさず彼にお金を要求するお姉さんの姿にまたこの国のチップ事情を垣間(かいま)見ました。
ここからはオフロードの道をバイクで進んでいきます。けっこうな坂道なので刺激はかなり強めです。さぁ、こんな道を走って一体どこへ向かっているのか?
観光情報を調べてもほとんど何も出てこないブルンジ。そんな中、ルモンゲで泊まった宿の壁画が私を導いてくれました。レストランの壁に描かれた流れる滝の絵を指差して「コレはどこですか?」とスタッフさんにたずねると教えてもらったのが
『ルタナ』
という街の名前。よし、じゃあ行ってみよう!となり、現在に至るというわけです。
いろんな方に助けてもらいながらようやく見えてきたゴール。分岐点から30分ほどで滝の入り口に到着です。ここにオフィスがあるので入場料を支払います。気になる値段は40000ブルンジフラン。高くないかぁ~?とつい疑ってしまう悪いクセが出ましたが、料金表を見せてもらうと外国人料金は20USドルとハッキリとした記載が。ちゃんと領収書も発行してくれる完璧(かんぺき)な対応、お見それしました。
ゲートを進んだ先に見えたのがブルンジの知られざる大自然満喫スポット「カレラの滝」です。
④カレラの滝
カレラの滝は、ブルンジの南東部ルタナ県ムソンガティ地区にあります。ブルンジ第二の都市ギテガ市から国道8号線で42キロのところです。カレラの滝は、三つの大きな滝といくつかの小さな滝で構成されています。一番大きな二つの滝は、カレラ川とンガーロ川という別々の川に流れています。これらの二つの流れはその先で合流し、約8メートルの一番大きく幅も広い滝になります。この地域一帯の142ヘクタールは1980年から保護区に指定されています。
【一般社団法人国際文化交流協会より】
緑の中に突然現れた美しい滝。水量はかなりあり、近くにいると水飛沫(しぶき)が飛んできます。絵で見ていた景色が目の前に広がるのはなんとも不思議な気分です。
ゲートからはガイドさんも同行してくれていろいろと滝の説明をしてくれます。完全にフランス語なのでなんとなくしか理解はできませんでしたが、こうやってガイド業務があるということは外国人旅行者も一応は来るんだなと。ちなみにこの写真の角度が宿の壁画の絵と同じですね。
全部で5つほどの滝があるというカレラの滝。どれも高さはそこまでありませんが、まわりの緑とても幻想的でものすごい迫力(はくりょく)を感じます。
さらに少し奥へと歩いていくと登場したのが吊り橋!これがなかなか立派な作りをしているからまたビックリです。ブルンジにまさかこんなものがあるなんて。
歩いてみるとこれがキシキシと揺(ゆ)れましてスリリングなんです。そこまで高所が得意ではないので渡っている間は怖さを誤魔化すためにずっとワーキャー言ってました。橋の上からも見える滝の景色。自然の美しさにドキドキ感をミックスした新体験を楽しめるブルンジの観光スポット「カレラの滝」でした!
今日はそのあと来た道を戻り、一気に最大都市ブジュンブラまで帰ってきました。少し天気が崩れましたが、山を下ってくる途中に見えたブジュンブラの街並みとタンガニーカ湖。入国前に抱いていたブルンジのイメージはもうすっかり変わり、今はこの国を世界最貧国としてではなく「ブルンジ」として見ることができるようになった自分の変化をとても嬉しく感じています。
知る人ぞ知る魅力溢れる国ブルンジ。帰りもやはり待っていた子どもたちの物乞いですが、今日はいつもとは少し違い。最後にはそれが心が温まる出会いに。そのエピソードはまた後日お届けしたいと思います。ブルンジ、大好きです!
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