2022年5月21日、天気晴れ。
ブルンジの歩き方
ブルンジ南部のタンガニーカ湖沿いにあるルモンゲの街で迎える朝。地方の宿予約はアプリを使ってもできないブルンジなので、たまたま歩いていると見つけたTanganyika Lodgeに昨夜は泊まりました。1泊2000円ほどで泊まれる安宿にしては、レストランのクオリティーが高いのが嬉しいこちらのホテル。ちなみにルモンゲのコンセントはブジュンブラのものとタイプが異なります。同じ国でも違うコンセントというのはブルンジが初めてです。
さぁ、そんなホテルのレストランで朝食を。コーヒーの産地としても有名なブルンジなので、ホットコーヒーとクレープを注文です。なんてオシャレな朝でしょう!
そしてここで今日の運命を変える出会いが。ルモンゲから次の街へ向かおうと思いながら朝食を食べていると、同じ宿に宿泊していたご夫婦に声をかけられました。
「こんにちは。元気ですか?私の名前はシミオンです。」
なんと日本語を話す旦那さん!アメリカの大学に通っていた際に日本人の同期の方がいたとのことで、挨拶(あいさつ)を教えてもらったそうです。まず日本人旅行者がほとんど来ないであろう国で母国の言葉を聞くとはこれっぽっちも思っていなかったのでビックリ&ハッピー!英語も話せるご夫婦だったので、そこからは会話に花が咲きました。
「今日これから温泉に行くけど、いっしょにどう?」
答えはもちろん決まってます!ということで朝食を食べたらすぐに準備をしてお二人の車に乗車。シミオンさんの運転でルモンゲの近くにあるという温泉へ行くことになりました。まさかブルンジに温泉が!そんな情報は全く持っていなかったのでこれは本当にラッキーです。
ムガラの温泉スパリゾート
ブルンジ人のシミオンさんと奥さんのエティオさん。ブルンジのいろんなことを教えてもらいながら、車はルモンゲから南へ。途中で道を曲がるとオフロードの山道がスタートします。山の奥にあるというその温泉ですが果たしてどんなものなのか?
まぁおそらく温かいお湯が湧き出る泉的なものがあるのかなぁ~と思いながらどんどん緑の中を進んでいきます。
「この下にあるよ!」
ルモンゲから車で30分。20kmほど進んで、最後に坂道を下った先にあったのはまわりにヤシの木が生い茂(しげ)る緑豊かなエリア。こんなところに温泉が!?
なんと本当にあるんです!ムガラという村にまさかの温泉スパ施設が。残念ながら現在タイルの張り替え作業中でお二人が楽しみにしていた温泉には入れませんでしたが、地元の人たちは脇の方にある小さなスペースでプチ温泉を楽しんでいました。
シミオンさん曰く、WHO(世界保健機関)による泉質の判定で世界一を獲得(かくとく)したというムガラの温泉。飲むとお腹に良いと言われたので、試しに手ですくって飲んでみるとガッツリ鉄の味がするんです。ミネラルが豊富ということかなと!温度も入ったら絶対気持ちの良いちょっと熱いくらいの感じです。この温泉の水でこのプールがいっぱいになるところを想像すると、きっと人はたくさん集まるはず!
さらにすぐそこには横になれるスペースがあり、そこではマッサージのサービスも!ブルンジ名物のマンダリンの果汁を使ったマッサージ。緑に囲まれた癒(いや)し効果もすごく高そうです。
お二人は改修工事が終わったらまた来るそうで、さっそく近くにある宿の予約をしていました。ブルンジの知る人ぞ知る隠れた温泉施設。旧ベルギー植民地ならではの観光スポットです!
ブルンジの交通情報
温泉には入れませんでしたが、通過するだけの街だったはずのルモンゲを楽しむことができてもう大満足!もうこれで心置きなく次の街へと向かうことができます。が、ここでブルンジの交通情報を一つ。地図アプリだと街同士をつないでいる道路ですが、中央部に行けば行くほど高地になるブルンジ。山越えを回避するため、ルモンゲから東へ行くにはブジュンブラまで一度戻らないといけません。来た道を戻るパターンです。こればかりは平面の地図で見ていてもわかりません。実際に旅をして初めて気付く山の国の交通事情。
そしてこのルモンゲにはバス乗り場は無いので通過するミニバスを止めて乗るしか方法がありません。これは大変だぞ~と思っていたらまたまた手を差し伸べてくれたシミオンさんとエティオさん。お二人もブジュンブラまで帰るということで、なんと送ってもらえることになりました。いやー、本当に感謝しかありません。写真はTanganyika Lodgeの受付で撮った一枚。そこにムガラの温泉の絵が描(か)かれていたことに、後になって気付いたのでした。
快適な車で来た道を戻ります。帰りも道の途中では売り子のみなさんの強烈(きょうれつ)なアピール合戦が!エティオさんと売り子の方のやり取りを今回は後部座席でゆっくり観察します。やはり驚きのお値段の果物や野菜類!支払う金額に対して受け取る量がハンパないんです。後ろの荷台に次々と積まれていくマンダリンやパパイヤ、バナナにパッションフルーツ。買い物を終えたエティオさんに日本で買う場合の大体の金額を伝えると笑っていました。
スピードを出してもそれなりに時間がかかるタンガニーカ湖沿いのドライブ。2時間ほど走り、間も無くブジュンブラに到着するというところでシミオンさんが連れてきてくれたブルンジの観光名所がこちらです。
リビングストン&スタンリー記念碑
1800年代半ば、まだ「暗黒大陸」と呼ばれていた未知の大陸アフリカをヨーロッパ人として初めて横断した探検家デイビッド・リビングストン。ザンビアの世界三大瀑布ヴィクトリアフォールズが位置する町の名前にもなっています。その彼がタンガニーカ湖を目指している途中に消息を断つというハプニングが発生。その捜索に打って出たのが同じく探検家のヘンリー・スタンリーでした。その2人の探検家が出会った記念すべき場所!ということでここにモニュメントが飾られています。が、実は見つかったのはここではないそうで、Wikipediaなどではスタンリーがリビングストンを発見したのはタンザニアだったと書かれています。まぁ何はともあれ無事に見つかってよかったということで!
石に刻まれた2人の名前と日付。…なんとも怪しい匂いがプンプンしますが、こういう観光資源を大切にしているところがブルンジの未来を感じさせます。入園料5000ブルンジフランもキッチリ取られますからね。
偉大な探検家2人と記念撮影ができるということで何気にテンションが上がるスポットでした!
ということで今日一日これでもかというくらいにお世話になったシミオンさんとエティオさん。ブルンジを楽しんで!という言葉を最後にいただき、ブジュンブラのバス乗り場でお別れをしました。ここまで送っていただき本当に感謝です。ムラコゼ!
バス乗り場(東方面行き)
が、二人と別れた次の瞬間から状況は一変!ブジュンブラから東部へと向かうバス乗り場はまぁ~ものすごいカオスです!!ブルンジ国内で初めて警戒レベルを上げないとマズイと肌で感じる空気感。物乞いが子どもではなく大人たちなのが異変の原因です。ミニバスに乗り込んだあとも窓の外から次々と声がかかるので心が落ち着かず。ただ一つ安心なのは私だけでなく他の乗客の方にも同じように物乞いの声がかかること。
夕方4時半に出発したギュウギュウのミニバス。午前中からの移動があまりに居心地が良すぎたのでそのギャップがあまりにすごくて。そしてなんとここからの道が想像以上の山道でした。ブジュンブラから100kmほど東に位置する街を目指して進むバスですが、クネクネとした道をどんどん上っていきます。
ギテガ到着
そして進むこと3時間。到着したのはブルンジのほぼ中央に位置するこの国の首都「ギテガ」です。もう辺りは暗いので街の様子はわかりませんが、すぐに感じるのが肌寒さ!だいぶ山を上ってきたのでTシャツだと涼しすぎるぐらいの気温です。
さらにここでもバスを降りた瞬間に待っていたのは子どもたちからの声かけでした。これがまたなかなかのしつこさで。夜になるとさすがにちょっと怖さを感じるので、目の前にあったホテルへ逃げ込みます。これが良い感じの安宿だったので即決することに!気づいたらブルンジ国内をかなり移動していた本日。明日もまた未知なるブルンジの魅力を求めて動き回るので、今夜はしっかりと寝たいと思います!
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