2021年7月15日、天気くもり。
ガーナの歩き方
首都アクラから約5時間のバス移動でやって来た②『クマシ』という街。まずは基本情報から!
②クマシ
クマシは、ガーナの都市。首都のアクラに次ぐ大都市で、アシャンティ州の州都である。2013年の人口は約206.9万人。17世紀から19世紀にかけてこの地方を支配したアシャンティ王国の古都でもある。クマシは、ガーナの熱帯雨林地方に位置しており、「庭園都市」としてもよく知られている。多彩で美しい植物が数多く生息しているのが、「庭園都市」と呼ばれる所以である。
【Wikipediaより】
さすがに第2の都市ということで大通りには人も車もそれなりにいるなぁという印象のクマシ。昨日夕方3時ごろにこの街に到着したので、もうそのまま宿に向かおうかとも思ったのですが、天気も良いしせっかくだから早速歩いてみよう!と軽い気持ちで街の中心へと向かうことにしました。が、そこからがまぁスゴかった!
事前にこの街について少し調べていたら『クマシには西アフリカ最大のマーケットがある』という情報が出てきました。まぁはっきり言ってこの”最大のマーケット”というのは本来であれば最大なのでそのエリアに一つしかないはずなんです。が、ギニアやコンゴ民主共和国にも存在する同じ異名をもつ市場。まぁせっかくなのでどの程度のものなのか見ようではないか!ということでマーケットの中心地に向かって歩いていきます。
するとだんだん人が増えてきます。市場に人が集まるのは当然のことなので、ようやく入り口に差し掛かったなという感じです。アフリカのマーケットは日本の商店街のようにココからココまで!というように線引きがされているわけではなく、なんとなーく始まります。この少しずつ中心に近づいている感がワクワクするもの。
そして気がつくとマーケットの中に!人の流れに乗って歩いていると、いつの間にか行き交う人々の波にのまれて不思議の国へと迷い込んでいきます。まるで異世界に来た様な気分になるアフリカの市場です!!
ケジェティアマーケット
とりあえず先に結論を言います。このガーナの第二都市クマシの中心に広がるケジェティアマーケット(Kejetia Market)。デカイです!もう本当にビックリするくらい大きくて終始大興奮!!どうせ大したことないんでしょ~的なノリで来た自分に喝です。
坂が多いクマシの中でも低い位置に広がる青空市場エリア。メインストリートは人でガヤガヤしていますが、まわりの建物の効果でオシャレな雰囲気が漂います。ここにも少し垣間見ることのできる旧イギリス領の名残。
そしてこのケジェティアマーケットにはこれまで訪れてきた市場にはなかった特徴が一つあります。それは『マーケットを上から眺めることができる』という点です。
マーケットの広さを感じるためにそのエリア内の高い位置を探す!というのが私の市場巡りスタイルなのですが、良いスポットはそう簡単に見つかるものではありません。せいぜい2階ほどの高さが限界です。しかーし!ケジェティアマーケットは低い位置に作られているのであちこちに見下ろすことのできるナイスなポイントがあるんです!!
上から見ることで街の様子はハッキリとわかります。そして溢れるもっと見たい欲!より高い所を探して人混みをかき分けてメインストリートを進んでいきます。すると目の前に現れたのは…高速道路!?なんだあれは!??もちろん気になったら行くしかありません。
中に入るとこれがとんでもない施設だった!!すでに外のエリアでも十分に市場の熱気を感じてきたわけですが、この外観高速道路の建物も実はマーケットの一部だったんです。
施設内にはしっかりと区分けされたエリアにお店がダーーーーっと並びます。
しかもこれが3階建てで隅から隅まで続いています。さらに各階には有料のトイレも完備。そのあまりの広さと清潔さにもう驚きを隠せません。
人が行き交うガヤガヤした感じと建物の美しい建築美のコラボレーション。ここはアフリカの市場のゴミゴミした概念が変わる全く新しいテーマパークです!!
そんなこの巨大なマーケットの最大の魅力はやはりその一番上からの眺めです!
想像を超える人が織りなす市場の絶景に感動が止まりません。
これが西アフリカ最大のマーケット。
自分の目で見渡すことができるこのケジェティアマーケットは大きさを体で感じることができるので、その表現にも自然と納得することができました。
さらに隣の工事中のエリアにはさらに新しいマーケット施設を建設中とのこと。西アフリカ最大のマーケットはこれからも進化を続けていくようです。ただ、ここまでの写真をご覧いただいて既におわかりかもしれませんが周辺は終始大渋滞でございます。
ということでクマシの街の熱気を全身に浴び、興奮冷めやらぬ中一夜明けて迎えた本日。実はこの街でもう一ヶ所訪れたい場所がありました。それがガーナの世界遺産である『アシャンティの伝統的建築物群』です。
アシャンティの伝統的建築物群
アシャンティ州のクマシ近郊は、17世紀から19世紀にかけてこの地方を支配したアシャンティ王国の中心地であり、アシャンティ人の伝統文化を伝える貴重な建造物群が現存する。そのうちの10件の神殿を含む13の建造物群が、1980年に世界遺産に登録された。
【Wikipediaより】
やはり世界遺産という言葉にはついつい心が動くもの。せっかくクマシにいるので見ておきたいぞということでさっそく場所を調べます。するとこれが少し辺鄙(へんぴ)なところにあるんです。そしてその多くは新たに再建されたものらしく…じゃあ見なくてもいいかぁと。
ですが、西アフリカの歴史を語る上では絶対に外すことのできないのがアシャンティ王国!そしてこの王国、実は…
アシャンティ王国
アシャンティ王国は、1670年から1902年まで、現在のガーナ内陸部にあった王国。首都はクマシ。奴隷貿易により繁栄するが、イギリスとの四次に渡る戦争の結果、イギリスに併合された。その後、植民地政府の許可の下、アシャンティ王がクマシに帰還し、アシャンティ王国はガーナ独立後の現在も、ガーナ共和国政府が認める正式な立憲君主制王国としてガーナ共和国内に存在している。
【Wikipedia参照】
なんと現在も存在するんです!!しかしアシャンティ王国なんていう国はアフリカ54ヶ国の中にはありません。地図にも載っていないこの国。…ちょっと理解できませんよね。しかし、ガーナの憲法によってその存在が正式に認められているこのアシャンティ王国。そして王国ということでもちろん王様もいます!
ちなみに先程紹介したケジェティアマーケットの中央広場に立っていた銅像。こちらがなんと現アシャンティ国王のオトゥムフォ・オセイ・トゥトゥ2世になります!歴代の方かと思いきやまさかの現役の王様と知ってビックリ!!この王位もガーナ憲法でしっかりと認められていて、その権力はガーナ大統領以上とも言われているそうです。この圧倒的な存在感の銅像が物語っています。
その国王が住む宮殿Manhyia Palaceはこのクマシの街の中にあるので、今回は世界遺産は諦めて宮殿の隣にある博物館に行くことに。タクシーに乗ってやってきたのは
不思議な空気が漂う宮殿前の広場!美しい黒いアフリカ布を身にまとうこれまで出会ってきたガーナの人々とは明らかに違うみなさんが集まっています。ここがガーナの中にある王国の中心です。
もちろんよそ者の私は宮殿の敷地内に入ることはできません。が、周辺を歩いていても特に何かを言われることはなく、パスポートチェックもされません。セキュリティーはそこまで厳しくないようです。ということで宮殿の外周を歩いてやってきた博物館Manhyia Palace Museum。古い宮殿をそのまま博物館として使用しているということで、これは楽しみだぞと思いいざ中に入りチケットを購入
する場所が閉まってる。今日は平日だからまだオープンしてないのかな?なんて思っていると警備の方がこれを見るんだと入り口に貼ってあったポスターを指差しました。…リノベーションのために一時的に閉館しています…エンドオブジュライ!?
メチャメチャ期待して来たのでショックも大きかった。マジか~。…ちなみにココで見たかったものがあるんです。それが
黄金の床几(しょうぎ)
黄金の床几はアシャンティ人の王家が保有する神聖な玉座であり、「民族統合の象徴」である。伝説によれば、アサンテ連合を作った2人のうちのひとりである神官オコンフォ・アノキェが空から床几を出してきて初代の国王オセイ・トゥトゥの膝におろしたという。この種の床几は伝統的に族長の指導権を象徴するものであるが、黄金の床几は生ける者、死せる者、いまだ生まれぬ者を含めたアシャンティ王国の人々すべての魂が住まうと信じられている。
【Wikipediaより】
アフリカの歴史のテストがもしあったなら西アフリカの範囲で必ず出題されるであろう、アシャンティ王国の象徴である「黄金の床几」。日本史でいうところの「金印」レベルに有名なものになります。床几(しょうぎ)というのはイスです。つまり『王のイス=玉座』。
王の権威を示すものであったこの玉座。それを狙ったのが当時ガーナの植民地化を進めていたイギリスでした。先ほどのWikipediaの説明にあった4度にわたる戦争はまさにこの黄金の床几を手にするためのもの。その戦争の名前「黄金の床几戦争」もテストに出るので要チェックです!
ただ、この黄金の床几はものすごく神聖なものであるためミュージアムにも展示してないとのことでした。そりゃ当たり前ですね。アシャンティ王国の最高指導者である王様のみが触れることができるというものなので、一般に公開するわけがありませんでした。宮殿の警備をしているおじさんも本物を見たことはないそうです。が、レプリカだけでも見たかった~。悔しい!!
ちなみにアシャンティのみなさんが身にまとっているアシャンティケンテと呼ばれる布。こちらは月木がブラック、火水金がホワイトと曜日ごとに色が決まっているそうなんです!長い歴史があるゆえに独特の文化をもつアシャンティ王国。ますます興味が湧いてきたところですがもうこれ以上見れるところはないので、未練を残して王国の敷地をあとにしました。
ということで西アフリカ最大のマーケットの熱量と、ひっそりと存在する王国の神聖な雰囲気を少しですが肌で感じたクマシ散策。街全体を通して他にはない独特な雰囲気が漂う非常に面白い街でした。
そして再び高速バスV.I.P.に乗って移動した本日。5時間半の移動を経てまたまたギニア湾の海沿いの街へとやってきました。クマシのから一変した静かでのどかな雰囲気にまた違う街に来たことを感じます。ここがアフリカ54ヶ国制覇の旅-第5章-の最後の目的地「ケープコースト」です。
さらにここで嬉しい出会いが待っていました。彼は一体誰なのか!?後日しっかりとご紹介させていただきたいと思います。
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