DAY237.5 ブルキナファソを旅する③ コジマ先生最初の事件 inアフリカ 〜解決編〜

202175日、天気雨のちくもり。

DAY237の続き

いつの間にかなくなっていた財布。印刷屋さんのお姉さん曰く『盗まれた』という私の財布。しかし当の本人には全く自覚がありません。いったいどこでどうやって私の財布はなくなったのか。辿り着いた仮定の話をしたいと思います。たしかに今改めて考えたらそれは極めておかしな状況でした。話は雨に打たれながら大使館へと向かっている途中、『タクシー』に乗った場面へと戻ります。

※写真のタクシーは例です

ワガドゥーグーの街を行き交う緑色のタクシー。大通りや乗客がよく利用する通りをタクシーは走るので、乗車するためにはまずそのエリアまで自分で出ないといけません。なので雨に打たれながら歩いてタクシーがつかまりそうな場所まで出ました。そこでタクシーに乗車します。

「ガーナ大使館に行きたい」と伝えると了解してくれた運転手さん。乗合タクシーの場合は他の乗客のみなさんと向かう方面が違うと乗車拒否をされます。なのでスムーズにタクシーがつかまりラッキーでした。

私が後部座席の一番右側に座ると満席になったタクシーはゆっくりと動き出します。すると運転手さんが言います。

「ドアが閉まってない!」

『閉める』はフランス語ではfermeと言います。半ドアだったか。それにしてもなかなかにボロボロなタクシーなので内側にドアの取っ手がありません。これはブルキナファソのタクシーにはよくあることです。なので閉めるのが難しいなぁと思っていると、私の隣に座っていた男性(図では緑の服)が手を伸ばして代わりに閉めてくれました。やっぱ力技で閉めるのねと。メルシー。

※ボロボロのタクシーの例

「閉めるんだ!」

あれ?まだ閉まってなかったか。やっぱボロボロの車だからですかね。また隣の人が閉めてくれます。メルシーメルシー。

「閉めろ!」

えっ!?これでもダメ??どんだけボロボロなんだよ。もちろん私ではなく隣の方がまた閉めます。

そしてそのあともこの運転手の

「閉めろ(ferme)!」

3回ほど続いたんです。この時の私の目線はどこにあったかというともちろん音を大きくたてて閉まる車のドアです。つまり右側に注目が集まっていました。この瞬間、完全に意識を外していた左側。隣の人はドアを閉めていたので両手は塞(ふさ)がっています。そのさらに隣の人(図では紫の服)は!?

もう一度言いますが、これは仮定の話です。証拠も何もありません。ただ、今思えば何度も扉を閉めるのはあまりに不可解な行動でした。さらにここで決定的に怪しいことが起こります。前編で私が書いたこの一文を思い出していただきたいと思います。

『今日のこれまでの自分の行動で財布を出したのはこの印刷屋が最後。』

そうなんです。ガーナ大使館に行く途中にタクシーに乗ったのに、私はこのタクシーで財布を出していないんです!!なぜか?

「ここから歩いて別のタクシーを捕まえるんだ!」

そうか、このタクシーは別の方面に向かっていたわけですが、わざわざ私を途中まで乗せてくれたんだ。しかもお金はいらないよという親切な運転手さん。雨も降っていたので本当に助かりました。メルシー!!

やさしさだと思っていたものが、真逆のものだったとわかった瞬間のショックというのは、まぁ~~相当なものです。よく考えれば降ろされたのも正直微妙な場所でした。作業が全て完了したからいち早く私を降ろしたかったのでしょう。以上が私が導き出した答えでございます。

アフリカを旅していることを人に話すと治安の心配をされます。「危ない目にあったことはありますか?」という質問は定番です。が、私は今までアフリカを旅していて危険を感じたのは海で溺れそうになった時だけでした。それ以外は一切何もなく今日まできたわけです。が、ついに初めて財布をなくすという経験をしました。人生初です。

ただあまりに実感がなすぎるんです。引っ張られて強引に!だったら痛切に感じるわけですが、全く気づかない間になくなっていた財布。まるでマジックを見たような感覚で現実味ゼロなので気持ちの持って行き場がありません。いやー、ショック。

ただもうこれはいつまで待っても戻ってくるわけがありません。探すという方法もありますが、まず見つからないだろうと判断。

切り替えるしかない!!

かなり落ち込んでいて、真実(かはわかりませんが)を知ってからはもうずっとハァ~とタメ息が出続けています。が、切り替えるしかないです。そう自分に言い聞かせて再び動き出します。

まずはお金がないと話にならないので持っていた予備のクレジットカードで現金を降ろして、そして写真屋さんに行って証明写真をパシャリ。そう!こんなことがあったのでお忘れかもしれませんが、私は現在西アフリカで最も取得が困難と言われているガーナビザを取得するために動いています。ビザ申請に必要な写真を財布の中にしまっていたので改めて撮影したというわけです。ちなみに写真屋さんは首都や大都市であればすぐに見つかります。

ふと気が緩むとまた落ち込みモードに入ってしまいそうになるのでとにかくビザ取得に集中!!ようやくタメ息も消えめきたところで、再びガーナ大使館にやってきました。こうなったら使えるネタは全て使います!担当の方に財布がなくなった旨を伝えて同情票をゲット。書き上げた申請書と、印刷した予約関係の書類、そして今さっき撮ったばかりの証明写真を一緒に提出してよろしくお願いしま~す!!

受け取ってくれました!!よっしゃ~!!ホッチキスで書類を止める音も聞こえてきたらこれでもう問題なし!よかった~!!行けるぞガーナ~!!

そしてロビーで待つこと5分。担当の方が戻ってきました。その手にはパスポートが!えっ!?まさかのもうビザを発行してくれたんですか!!?ウキウキしながらパスポートを開こうとした瞬間、担当の方が一言。

Rejected.

ガーナは公用語が英語です。大使館職員の方も英語を話します。だからその意味はすぐわかるんです。フランス語だったらよかったのになぁとこの時だけは思いましたね。

ビザの申請が拒否されました。もう何も言えませんでした。フリーズです。ただそれだとマズイので粘ります。ガーナに行く飛行機を予約してあることを伝えます!ガーナに行きたいという思いを伝えます!!

「在住者にしか発行できない。」

「でも。」

「残念だけど無理です。」

「えっ?えっ?えっ。」

在住者にしか発行しないとわかった上で、もしかしたら!にかけて申請書をくれた担当の彼。ただそれが糠(ぬか)喜びになるとわかっていたのなら最初から完全に拒否してほしかった…。ガーナへの扉がバッカーンと開いたあとにバン!!と閉められた時のショックはもう言葉になりません。

担当の彼も大使館のビザの窓口になっている一職員なわけで、発行の可否を決める権限はありません。ビザの発行拒否は大使の決定です。なので彼にすがっても無理なのはわかってはいました。が、彼だけが最後の希望で

「やっぱり発行できることになった!」

もしかしたらそんな風に言ってもらえるかと思いそのあとロビーで30分ほど待ちました。が、当然ですがそんなことが起きるはずもなく。せめてもの救いは大使館を出る頃には雨があがっていたことです。ハァ~~。もうタメ息しか出ません。

時刻はお昼1時。以上ここまでが今日の朝8時からの5時間の出来事になります。もういろいろありすぎてココロもカラダもヘトヘトでした。

本当は今日ビザ申請を終えてそこからブルキナファソ国内移動を開始だ!と思ってましたがもちろんそんなことはできず、今日もワガドゥーグーに滞在することを即決しました。心を落ち着けることのできるであろう良さげなホテルに直行!こういう時は値段のことは一切気にしません!!

そして今はそのホテルでのんびりとしているところです。落ち着いて今日の出来事を振り返ることができるまでになりました。

財布をなくしてしまったことに関しては自分自身の気の緩みがあったなと反省しています。タクシーのような密閉した場所に入る場合はやはり注意が必要だということを改めて学んだので、今後の旅に生かしていきたいと思います。経験から学ぶ。これはどんな時でも重要なこと!

ちなみに財布にはクレジットカードも入っていましたが、こちらはガーナ大使館の職員の方にお願いして日本にコレクトコール(通話料を日本側が負担してくれるサービス)をかけさせていただきカードの停止をしました。財布がないと気づいた瞬間の一番の心配はカードの不正利用でしたが、電話一本ですぐに紛失の手続きが完了できたので一安心。そして面白いことにこの手続きが済むとなくしたと思っていたものがクレジットカードからプラスチックの板に変わったんです。自分の意識の変化が本当に不思議でした。同時にお札に。唯一の後悔は財布の中に旅の思い出の品が少し入っていたのでそれがもう手元に返ってこないことですが、財布がなくなったことに関してはもう気持ちの整理をバッチリつけることができました。

一方、ガーナビザが取得できなかったのは未だにこたえています。こちらはプラスチックの板や紙のように自分の意識をうまく変化させることができません。もちろん行けないという事実を突きつけられたので、さっそく旅のプランを練り直しました。しかし、コロナ禍の現在は各国の渡航条件を調べ直すのはまぁ~大変!金銭面や時間的問題などもいろいろ考慮しながらガーナに代わるアフリカ30ヶ国目の渡航先を考えましたが結局良い案は出ませんでした。

まだブルキナファソの旅が始まったばかりなのに次の国に悩まされているという現実も何だか虚しく感じられてしまい。日本に帰るのも一つの手だな。そう思っていたその時でした。完全に閉ざされたと思われたガーナへの扉が再び開く音が!一筋の光明が見えたんです!!いやー、もうホテルで一人大興奮。一体何が起こったのかはまた後日お伝えしたいと思いますが、とりあえず人との縁(えん)が旅を、人生を動かしていくんだなぁということを感じた次第です。

思いっきり落ち込んだところから一転して止まらないワクワク。ホテルの大きなベットで横になりながら考えているのはもう明日からのブルキナファソの旅のことだけです!今日の経験はしっかり胸の内に収めて、学んだことは心に刻んで常に意識。前に進みます!

ご心配をおかけしました。私は元気です!!

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