ソマリランド(ソマリア)を旅する④ 北の港町「ベルベラ」〜安全な観光の仕方とミニバス国内移動〜

2019年8月9日、天気晴れ。

ソマリランドの歩き方

ソマリランドに来てからの時間の流れの速さに自分でも驚いています。国境を抜けて首都に来ただけなのにもう5日目!非常に一日一日が濃いなと感じるのは、やはり心のどこかでいつも以上に気が張っているからなのかもしれません。なので、しっかり寝て、しっかり食べる!これが大事。ちなみにソマリランドの宿はBooking.com等のホテル予約サイトで検索(けんさく)しても出てきません。情報を外に出さないという国の対策なのでしょうかね。ただ、ハルゲイサに来てみればそこにはホテルがたーくさん!ありすぎるくらいにあるので、予約をしていなくても安心して宿を確保することができます。そしてジブチは1泊4000円と非常に高い宿泊費を取られましたが、私が今回ハルゲイサでお世話になっているホテルはなんと1泊15USドル(約1600円)。ちゃんとした個室で部屋にトイレ&シャワーもついてこのお値段です。旅人にやさしいハルゲイサのホテル。さらにこの15USドルには朝食が含まれているんです!こちらは「シュカシュカ」というソマリランドの伝統料理。具の入ったスクランブルエッグの塩気がパンによく合います。一緒にいただくのはソマリランドティー。ジンジャーとシナモンのような香りを感じる美味しい紅茶です。いやー、しあわせな朝だ〜。

安全な観光の仕方② 護衛と共に行動

さぁ、今日はついに国内移動をします!が、これが不安でした。事前の調べでは

『ソマリアでは国内移動をする際に護衛(ごえい)をつけなければいけない!』

という情報を見つけてしまったんです。マジですか!?と。南部ソマリアでは絶対らしいです。観光客が一人で歩いているという状況は危険極まりないということですね。じゃあ今いる北部はどうなのか?と思っていたわけですが、イマイチ情報があやふやで。なのでホテルの管理人さんにいろいろ聞いてみると、今日私が行く「ベルベラ」という町は護衛は必要ないとのことでした。よかった〜!と安心したのも束の間(つかのま)。

「おそらく行けると思うけど、もしかしたら引き返せと言われるかもしれない。」

マジですか!?そんなことがあるのかと半信半疑ですが、真面目な顔をして「70%」と紙に書いて説明してくれる管理人の彼。これがソマリランドかと納得しながらも、とりあえず行くだけ行ってみることに!ちなみに、先に結論を言っておくと今回は何の問題もなく行けました。逆に、あまりにも呆気なく(あっけなく)到着しすぎて驚いたくらいでした。

国内移動の方法と道路事情

気になるのはソマリランドの交通事情。まずはバスです。ここハルゲイサで見かける車はそのほとんどが以前日本で走っていた中古車!その証拠に車体には日本語がバッチリ書かれているんです。スイミングスクールのバスや、温泉旅館の送迎車(そうげいしゃ)など、種類は様々。ミニバス以外の自家用車も日本からのものがほとんどです。そのため先日のランドクルーザーもそうですが車は右ハンドル!日本で走っていた車が今もアフリカのソマリランドの地で現役車として活躍(かつやく)しています。ただ、右ハンドルでも走るのは右車線。ここは近隣のアフリカ諸国と同じ交通ルールのようです。

ということで、街の中心に日本のミニバスがズラズラと並ぶハルゲイサ。その中でしっかりと事務所を持つバス会社がいくつかあります。長距離移動の乗り合いバスはここから乗ることができます!

今日向かうベルベラまではおよそ160kmですが、なんと料金は3USドルと非常に安いです。地元の人向けで観光客をターゲットにしていないからこその良心的なお値段。しっかり領収証まで切ってくれます。

さらに座席が満席になるまで待つシステムではなく、お客がある程度集まったら出発するソマリランドの乗り合いバス。ありがたや〜!

そしてもう一つ特に心配していたのが道路のコンディション!先日の国境からハルゲイサまでの14時間におよぶ悪路のドライブは本当にとんでもない移動でした。今日も舗装(ほそう)されていない道を160km…これは相当時間がかかるぞ〜と思いながら、これまたホテルの管理人の彼に聞いてみると、

「2時間くらいで着くよ。」

…本当ですか??ただ前の移動の際も地元の方の言うことはだいたい合っていたので、これは期待してもいいのかな!?

と思っていたら本当に期待通りでした。なんとハルゲイサからベルベラまでの道は前半は多少のデコボコがあるものの、後半からは完璧(かんぺき)に舗装された素晴らしい道路でした!なので車はスピードを上げて飛ばします。ソマリランドの道路コンディションは場所によってだいぶ違うんだなと思いながら、バスに乗ることおよそ2時間半。「ベルベラ」に到着しました。

②ベルベラ

ベルベラは、ソマリア北部の港町。人口は約20万人。アデン湾に面しており海上交通の要衝である。海の無いエチオピアの輸出港であり、またソマリランドのメインの貿易港である。現在はソマリランド共和国実効支配し、2008年5月15日までサークシル州の州都、それ以降はサヒル州の州都である。大型船の港湾施設として1969年に整備され、現在もソマリランドの商用港湾として重要。【Wikipediaより】

着いた瞬間から紅海沿い特有の暑さと、カラッとした陽気にテンションが上がります。

このままミニバスに乗ってさらに東の方へと移動するお客さんもたくさんいます。バスのまわりには恒例(こうれい)の物売りの人たちが商品を持って集まるわけですが、彼らが手に持っていたのはアルミの弁当パック。中身が気になるので思わず私も一つ買ってみると、魚のフライでした!今まで見たことのない港町ならではの商品。味はまぁまぁです。

町を歩くと魚屋さんがそこら中にあるベルベラ。魚の絵がなんともシュールで、それでいてポップ!しかしフィッシュマーケットのようなものはなく、非常にこじんまりとした店がいくつかあるだけという閑散(かんさん)とした感じです。

港にはザ・海の男たちや、海水浴を楽しむ家族の姿が。海のある風景というのはいつ見てもイイもんだなぁと感じます。ただ、この海は地元の人たちの領域(りょういき)で観光客向けの場所ではないようです。

ベルベラはとても小さい町なので暑いのが問題なければ歩いて回れてしまいます。

バテラビーチ

町の中心から4kmほど離れたところにあるのが、ソマリランドの中でも海水浴が楽しめることで有名なバテラビーチ(Baathela Beach)です。午前中はほとんど人はいませんでしたが、午後になるとこの通り!海岸は砂浜ではなくゴツゴツとした岩場なので、ビーチでのんびりするよりは海の中で遊ぶ方が適している感じかなと。波はありますが遠浅なので安心です。

名物「スイカジュース」

さすがにずっと外にいると暑いので近くのホテルで涼むことに。太陽で火照ったカラダに沁(し)みるのがスイカジュース!なんとここにもありました。

ハルゲイサの街を歩くとスイカがいたるところにゴロゴロしてます。スイカの名産地ソマリランド。スイカジュースはこの国の名物といっていいかもしれません。

ということで、日帰りでも十分に楽しめたベルベラ。そしてこの町で手に入れたのが、ソマリランドのサッカー代表ユニホームです。よっしゃー!!首都ハルゲイサにも売ってはいたのですがクオリティーがイマイチで。その内きっと良いのが見つかる!と思っていたら、ベルベラで出会うことができました。国際的には認められていない国ですが、ちゃんとサッカー代表もいるんです。しかもユニホームがカッコイイ!ちなみに、ソマリア代表のユニホームをソマリランドで見つけることはできませんでした。3つの国の関係性というのがこういうところからもうかがえます。

安全な観光の仕方③ 長ズボンを履く

本日最後はソマリランドで気をつけるべきことを1つ書いておしまいにしたいと思います。写真を撮ることが好まれないということはすでに書きましたが、それ以外にもこの国では注意するべきことがあります。

この国はイスラム教の信仰が非常に強い国です。以前訪れた西アフリカのモーリタニアと同様に、ソマリランドにもお酒は一切ありません。そしてイスラム教で良くないとされる肌(はだ)の露出(ろしゅつ)。これに関してはソマリランドでは旅行者であっても男女関係なく配慮(はいりょ)が必要です。

首都ハルゲイサに着いた日の午後、街を歩いているとおじさんとおばさんに険しい顔をして手招き(てまねき)をされました。何だろう?と思い近寄ってみると、現地語で何やら注意をされたんです。何だろう??言葉がわからないので困っていると、ジェスチャーで足を指差されました。足…。ハッ!としました。私の短パンがダメだということを言いたいんだと。正直、長ズボンは暑くて嫌いなのですが、ここは厳格なイスラム教の国ソマリランド。いろいろな国を旅する際は、しっかりとその国の文化を尊重(そんちょう)することが大事です。そのあとすぐにホテルに戻り長ズボンにはきかえました。

もちろん注意を受けたことにはドキッとしました。が、黙って黙認するのではなくちゃんと声をかけてこの国のルールを教えてくれたご年配のお二人。その気遣いに感謝でした。ということで今日も非常に暑かったですが、ちゃんと長ズボンをはいて行動。夕方には首都ハルゲイサに戻ってきました。

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