2019年8月5日、天気くもり時々晴れ。
目次
アフリカ12ヶ国目「ソマリランド」へ
『タクシーが』…と書こうと思ったところで、今日は事態が一変する日となりました。いやー。とりあえずまだ本日の正午前なのですが、もういろいろありすぎました。
『ソマリランド』とは
今日はいよいよアフリカ12ヶ国目となる「ソマリア」に行くぞということで朝からかなり緊張感を持ってスタートしました。なぜなら、このアフリカ54ヶ国制覇の旅が始まって以来初の外務省が出す危険度がレベル4の国に行くからです。真っ赤な地図を見るとイヤでも緊張(きんちょう)します。いったいどんな国なんだ!?ですが、だからといって何も考えずにフラフラと行くわけではありません。旅は安全第一!というのは絶対のルール。真っ赤なソマリアですが、私が今回訪れるのは北部に位置する「ソマリランド」という自治国になります。まだ国際的に国とは認められていない地域ですが、事前の下調べによると治安は安定しているとのことです。今回はその範囲(はんい)内を旅しようと考えています。
USドルの準備
それでもココロとカラダの準備にはこれまで以上に気合が入ります。しっかりと事前の準備もということで、まず本日はUSドルを手に入れるためにジブチの街を歩き回りました。空港にもあったUSドルを引き出すことができるATMを探したのですが見つからず。結局ジブチフランを引き出して、銀行で両替をする方法を選びました。換金率もバッチリなのでジブチでUSドルが欲しい時は銀行へGOです。
ちなみに、ジブチのATMでクレジットカードを使ってお金を引き出すと、かなりの手数料が取られることがあるんです。これが毎回ではないので、よくわからないシステムだなと思うのですが、私の仮説としては『月曜日は手数料が取られる』です。あくまで仮説です。引き出し額の4%ほどを取られました。ただでさえ物価の高いジブチでこの手数料はイタイ…。でも仕方ないのでポチッとしました。
アッサル湖行きのタクシー乗り場
そして銀行巡りをしていた時に発見したので情報を書いておきます。私は行けなかった世界一の塩湖「アッサル湖」。なんとそこへ行けるであろうタクシー乗り場がありました。場所はビルの形が特徴的な中心街にそびえる銀行(East Africa Bank)の建物のすぐ前の広場。タクシーがたくさん停まっていて、歩いてると「アッサル?アッサル?」と声をかけられます。あと1日早ければ…。いや、これも何か意味があってのことでしょう!ちなみに、何人かに値段を聞いて回りましたが、アッサル湖までの往復の送迎は250USドルが相場のようでした。
さぁ、お金も手に入れたし…いよいよ!の前に腹ごしらえです。食べれる時に食べておく。普段は朝食をガッツリ食べることはあまりないのですが、今日はやはり気合を入れたいと思い、たまたま通りかかったレストランに入ることに。
これがまた美味いやつで大当たり!朝から肉を食べて一気に元気になりました。ジブチで食べる最後のご飯が美味しいと、なんだかすごくしあわせな気持ちで旅を締(し)めくくることができます。
日本から寄贈されたゴミ収集車
さらにジブチを去る最後の日に、思わぬ発見が!!街中を歩いていると、な〜んか聞き覚えのある機械音のメロディーがどこかで流れているんです。あれ?これ、夕焼け小焼けの赤とんぼだよな!?童謡「赤とんぼ」がどこからか聞こえてくるんです。その音の発生源を探すべく、音のする方へと歩いていくと発見したのはゴミ収集車。なんとこちら、日本から寄贈(きぞう)されたものでした!やはり日本とジブチはつながっているんだなぁ〜とこれまた嬉しくなり、本当にステキなジブチのフィナーレになりました。
と思っていたんです。この時までは。ということで、お腹もいっぱいになったところでいよいよソマリランドへと向かうバス乗り場に向かいます。タジュラの町に向かった時と同様、ジブチは長距離移動のバスの乗り場が明確になっていません。“なんとなくこの辺”という非常に曖昧(あいまい)な情報を地元の人に教えてもらったので、まずはそこら辺に向かったのですが…ない。それらしき車が停まっている場所もなく…果たしてここで合っているのか?不安しかないわけですが、とにかく歩いている人に聞き、近くのお店の人に聞き。ただ、やはり英語がなかなか通じないジブチなのでなーんとも良い反応が返ってきません。「ソマリランドに行くのかい!?」という不思議な人を見るような目を向ける人も。…そういう国に行くんだなと改めて緊張感が増してきました。
トラブル発生
そしてしばらくすると!はい、ここで本日のブログの一行目に戻ります。『タクシーが』一台停まったんです。当然ですがバスより高いので乗りたくないと思っていましたが、もうここは仕方がないのでダメ元でタクシーに値段交渉をしてみました。すると1000ジブチフラン(約600円)で送ってくれるとのこと。それは安い!!ということで急いでタクシーに乗り込み、いざ、ジブチとソマリランドの国境へと向かうこととなったのでした。
が、しかし。…あれ、どこ向かうの?逆方向ですよね?…これ、ぐるっと回ってるだけですよね!?…ここらへんから不信感がわき、ドライバーさんとの言い合いがスタート。
「これわざわざグルッと回ってほぼスタート地点戻ってきたよねぇ!?」
「ここがバス乗り場なんだよ!」
「いやいや、国境までって言ったよね!?」
「遠いいよそりゃ〜」
「だったら何でOKって言ったのよ!?」
「『ソマリランド行きのバス乗り場がOK』ってことだよ。」
「いやいや、そんなこと頼んでない!てかここタクシーで来る距離じゃないだろ!?」
…英語とアラビア語での言い合いが続きます。正直話が噛(か)み合ってるようで伝わっていない感じで、それがまた私のイライラに拍車(はくしゃ)をかけてどんどんヒートアップ!かなり大きな声出しました、久々に。するとそこに1人の男性が登場したのです。
英語が話せて、若くて、明らかにこの人は頼れる!という感じのお兄さんが私の話を聞いて、代わりにドライバーさんと話をしてくれたんです。彼のおかげで一気に楽になった。言葉が通じないもどかしさが一気に晴れる感じで気持ちがスッキリ!話のケリをしっかりとつけてくれました。いやー、本当に助かった!ありがとうございます。さぁ、これでソマリランドへの道のりはまた”ふりだし”に。いったいソマリランドに向かうバス乗り場はどこにあるのか?ということなんですが、こういう時は頼れる人にとことん頼らせてもらいます。助けてくれた彼にソマリランドに向かうバスについて教えてほしいと伝えると、中に入りな!ということで、タクシーを降りたすぐの所にある建物に案内されました。どうやら警察のようで警察ではないセキュリティー関係の会社の方らしく、どおりで安心できる感じの人なわけだと納得がいきました。そして、ジブチからソマリランドへの行き方についていろいろと教えてもらいました。そしてここで今日の予定を大きく変える事実が発覚したのです。
ジブチからの陸路入国
まず、今いるジブチとソマリランドの国境までですが、距離にしておよそ20km。非常に近いんです。車だと20分ほどで着くとのこと。よし、これなら問題無い!タクシーなら3000ジブチフラン、バスなら300ジブチフランだというので、迷わずバスを選択(せんたく)です。ただ、このバスがなんと次は夕方4時発だというのです。4時!?それはちょっと…と思い、だったらタクシーかな〜となるわけです。…じゃあ、もし仮に夕方4時に出発したらソマリランドの目的地にしていた「ハルゲイサ 」という街には何時に着けますか?と聞くと
「明日の朝だね!」
いやいや、それはキツイなぁ。じゃあ、今すぐタクシーで出発したら?
「明日の朝だね!」
あれ?どういうこと??…そしてここでこの謎が解けた時、今回の国境越えがこれまでとは全く違う私の想像を超えるものだということに気付いたのです。
ソマリランドに入国することは今タクシーで出発したらすぐにできます。が、その国境からハルゲイサという街へと向かうバスが出発するのは夕方の6時だというのです。つまり!今行こうが、夕方4時に行こうが、結局
- ソマリランドの国境のバス出発時刻は夕方6時
- ハルゲイサに着くのは明日の朝
マジですかー!!やはり目的地は危険度レベル4のソマリア。一筋縄ではいかないんだということをよーく理解したところです。写真はジブチでずっとお世話になった宿の警備さんと。今朝、かたい握手(あくしゅ)でサヨナラをつげた警備さん。まさか自分がこんなことになってるとは思っていないだろうなぁ。この時、時刻は正午を過ぎたところでした。
※はい、ここで追記を!このブログは常にリアルタイムで書いているので、これは2019年8月5日時点での私の理解した情報でした。しかし、この国境越えにはさらに大事な情報があります!!DAY85で書きますのでソマリランド渡航予定の方は必ず併(あわ)せてお読みください。
そこからおよそ3時間半。行くあてもない私はずっとその建物の中で時間をつぶさせいただくことに。なので、警察的な方々にお世話になったのですが、本当にいい人たちに出会えました。他愛もない話をしながらも、すごく気をつかってくれて、いろいろと心配もしてくれるステキな方たち。先ほど見かけたゴミ収集車がジブチ市では有名なことや、ファンタのザクロシロップ味はジブチで人気なことなども教えてもらいました。さらには国境からハルゲイサまでは40USドルで行けるはずだという助かる情報も!警察関係の方ということで写真は撮れなかったのですが、ハプサさん(女性)とアプティドンさん(男性)、2人のことは決して忘れません!メルシー!!
ソマリランド国境へ
そして夕方4時前、ハプサさんが手を振ってくれる中、アプティドンさんの運転でついにソマリランドへと向かうバス乗り場に向かいました。わざわざ送ってくれたんです。もうありがたすぎて感謝感謝でした。やってきたのはお世話になった建物からほんの少し離れた場所に数台の車が停まっているだけの場所です。一人でこの場所に来ることはまず無理だった。上の★がメインのジブチのバスターミナル。下の★がジブチ行きの車乗り場です。
その中の荷台にたーくさん人が乗っていた一台がソマリランドへと向かう車でした。バスではなくボロめの車でしたが、そこはアプティドンさんがいうのだから信じてOK!ドライバーさんもすごく良い感じの方で、値段は先ほど教えてもらった300ジブチフラン(約180円)を提示してきたので、もうこれは安心!そんなこんなでついにソマリランド行きの車に乗り込み、これにて本当にジブチを離れます。とんでもなく暑かった真夏のジブチ。真夏に来るもんじゃない!!たしかにそうかもしれません。が、真夏だからこそ味わえたこの世界一の暑さ!!これを超える暑さはもうないんだなと思うと、なんだかすごくレベルアップした気がします。いろんな意味で強くなったジブチでの1週間でした。
さぁ、まだ本日ソマリランドに入国していませんが、この時点でもうすぐ4000文字。入国前がこんなに濃いのは久しぶりです。
他の乗客のみなさんを降ろしながらゆっくりと進む車。maps.meのGPSで位置を確認して…あと少し!あと少し!!ドキドキしてきます。
ジブチ出国
ついに見えた国境!!さぁ、いよいよ国境越えだ〜!まずは、ジブチ側の出国審査から。路上に立っている国境警備員の姿を発見!いつも以上に緊張します。さぁ、何を言われるのかなと心配になっていると「ジブチのビザは!?ソマリランドのビザは!?」と非常にしっかりとした対応を受けまして、その彼についていくとあれよあれよという感じで非常にスムーズに出国が完了。あっさり!まぁ、まだここはジブチですからね。そこまで心配はしてませんでした。
そして500mほど歩くと、目の前に見えてきたのはソマリランドの国旗!ついにやってきた〜!!心なしか警備員さんも強面(こわもて)な感じです。そしてなによりまだ入国をしていないにもかかわらず寄ってくるドライバーさんたち。これが奇妙(きみょう)だった。「どこに行くんだ?ハルゲイサか??」と声をかけてくるのですが、まだ入国もしていない落ち着かない状況で客引きがあるという初めての経験に理解が追いつかなかったのが正直なところです。なので、とりあえず適当に流します。が、ついてくる…。なんなんだ!?
ソマリランド入国
ただ、入国審査の方はというと、これまた非常にスムーズでした!なーんにもなかったです。厳しい手荷物検査があると聞いていたのですが、全く無し!あっという間に入国スタンプが押されました。ビザをエチオピアで取得しておいたからでしょうか?とにかく、無事にアフリカ12ヶ国目となる「ソマリランド」への入国が完了しました。…なんだろう、この不思議な感覚は。時刻は夕方5時を回ったところでした。
そして、先ほどから私をつけてきているドライバーらしき男性。…入国審査を終えて建物から出るとやっぱり待ってるんです。…怖いなぁ。と思っていたら逆に言われました。
「なんでそんなに疑うんだ!?」
だってねぇ〜。と思いながら彼の話を聞くと、バスは無いとのこと。たしかに、乗合バスのようなものは見当たりません。ハルゲイサまでは車で行くしかないとのことでした。…そしてこの質問をすると一気に局面が動くのでいつも最後まで取っておくのですが、仕方がないのでたずねます。
「いくらですか?」
「40ドルだ!」
USだよね?と思わず確認。…適正価格じゃないですか!!…疑ってごめんなさい。これが危険度レベル4のソマリランド最初の出来事となりました。さぁ、入国は完了。時刻は間も無く夕方6時です。少し早いですが、今日はここまでとしたいと思います。明日の朝にはハルゲイサに到着しているのか!?ソマリランドの旅がついに始まりました!!
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