2023年11月18日、天気晴れ時々くもり。
トーゴを旅する
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さぁ、いよいよ今日はトーゴ旅で一番楽しみにしていた場所へ行きます!
観光スポットと呼べる場所がほとんどないトーゴ。
それでも西アフリカでは珍しいEビザを運用しているのがこの国の面白い点です。
外国人旅行者を招き入れることによる経済効果に期待しているのか。
それは謎ですが、とにかくトーゴは西アフリカの中でも非常に来やすい国になります。
ただ何度も言いますが観光資源には乏しく・・・
そんな中、この国が世界に誇(ほこ)るものが一つあります。
それがトーゴ唯一の世界遺産
『バタマリバ人の土地クタマク』
です!
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・・・正直に言いましょう。
この情報を見つけた時、大した世界遺産じゃないだろうなぁと思いました。
「土地」というなんともフワフワした感じが怪(あや)しすぎて。
もちろん歴史的価値があることは間違いないわけですが、わざわざ見に行かなくてもいいかなぁ〜と。
しかし、残念ながらコレ以外に目ぼしいものがないのがトーゴなんです。
先ほど「トーゴ旅で一番楽しみにしていた場所」という表現を使ったのも、ココしかないから。
そんなわけで
「ちょっと見に行くか!」
ぐらいの気持ちで行くことにしたのでした。
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そして実はちょうど今帰ってきたところなんです。
えー、先に言っておきます。
この世界遺産、予想以上に面白かった!!
辿り着く道中まで含めて素直に行ってよかったと思える場所です。
なので気を落とさずに読み進めてみて下さい。
では、今一度時計の針を戻しまして、カラから行く日帰り世界遺産ツアースタートです。
世界遺産への行き方
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まずは移動手段を見つけるところから!
ヤル気があれば昨日の時点で確保していたのですが、本当に期待していなかったので当日になってから動く体(てい)たらくです。
さぁ、ではどうするか。
トーゴは公用語がフランス語なので、一人で外に出て流しのバイクタクシーの方と交渉をするのはなかなか大変です。
そこで頼りにするのが宿のスタッフさん。
「世界遺産を見に行きたいです!」
という旨を伝えると意図を理解してすぐに電話をかけてくれました。
その相手はスタッフさんのモナミ(フランス語で「友達」)。
これが知らない町で信頼できるドライバーに出会う方法の一つです。
こちら非常にWin-Winな関係ができまして。
- 宿のスタッフさん→友達と客をダブルで助けられる
- ドライバーさん→お金が稼げる&友情を再確認できる
- 私→信頼できる運転手が見つかり宿の評価も上がる
まさに一石六鳥!
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すぐに駆けつけてくれた年季の入ったバイクに乗ったお兄さん。
念の為にここで最終的な見極めをします。
話してみた印象や雰囲気というのは大切です。
さらに行き先についてちゃんと知っているかどうかも大事ポイント!
目的地と違う場所に行って
「ココだと思ってたよ!」
なんて言われるということもなくはありません。
が、宿のスタッフさんを仲介しておけばそのトラブルもほとんど起きないので安心です。
料金確認をしたところでいざ乗車。
ニケツでトーゴ国内をさらに北上します。
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ちなみに今回はバイクに乗るにあたって長ズボンを着用。
以前シエラレオネにて短パンで4時間半のバイク移動をした結果、太ももが真っ赤になってしまったので。
どんな経験も次に活かすことで立派な学びになります。
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急な坂はないものの少しずつ上っていって山奥へと進んでいくバイク。
無理にスピードを出さない運転手のサントスさんのおかげで景色を楽しむ余裕(よゆう)もあります。
今日は日差しもそこまでないのでとっても気持ちの良いドライブです。
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それでも終始気を抜くことはできないのがバイク移動の難点。
自分が今どこにいるかもわからないので、雄大な景色を眺めながらただただ目的地に着くのを待ちます。
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「カンデに着いたよ」
サントスさんにそう教えてもらいホッと一安心。
目的の世界遺産の玄関口カンデはこれまた何もない小さな田舎町という感じです。
ここから主要道路を離れてさらに奥へと進んできます。
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その前に寄った商店で購入したのはマスク。
オフロードの道を行く際の砂ぼこり対策です。
こういう細かい気遣いまでしてくれるサントスさん。
本当に良い方に出会えました!
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カンデの町から10分ほど走ると現れた世界遺産への入り口。
ココで観光料11500セーファーフラン(約2800円)を払います。
こちらにはガイド料も含まれるので、この先はサンケツで移動です。
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360度に広がる山に囲まれたのどかな景色。
白い綿花畑が不思議な世界観を演出します。
ゲートをくぐって入ってきたのは
「クタマク」
という名前の土地です。
このクタマクが世界遺産に登録されています。
たしかになんだか神聖なエリアに入ったような感覚になりまして。
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そしてゲートから約20分バイクで移動した辺りで下車。
ここからはガイドのビビナさんの後ろについていきます。
その先にあったのがこの地に古くから住む先住民バタマリバの人々の集落でした。
③バタマリバ人の土地クタマク
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クタマクは、トーゴ北東部カラ州近辺からベナン領内にかけて広がる、バタマリバ人の居住地になっている一地域の名称。
タキヤンタと呼ばれる独特の泥の住居群などが織りなす文化的景観が評価され、ユネスコの世界遺産に登録された。
2004年にトーゴ初の世界遺産として登録され、2023年にベナン国内の地域も含まれた。
伝統家屋「タキヤンタ」
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目の前に現れた面白い形の家。
こちらが「タキヤンタ」と呼ばれるバタマリバの伝統的な住居です。
泥で作られた建物は西アフリカではよくあるものですが、この見た目はとってもユニークで驚かされます。
ちなみにネットで調べると「タタ」という略称でも呼ばれていると出てきますが、正式名称はタキヤンタ。
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まずは特徴的な外観の説明から。
正面から見ると顔のようなつくりになっていて、扉は口、窓が目になっています。
上部左右の耳のように見えるのは穀物の倉庫。
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バタマリバの人々はアニミズム(生き物崇拝)なので、家にもその考え方が表れているのだそうです。
お地蔵さんのようなものもありますが、これも絵本に出てきそうなカワイイ見た目ですよね。
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タキヤンタの内部は5つの部屋から構成されています。
一つ目は『トリの部屋』。
この下の穴が入り口です。
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二つ目は『ヤギの部屋』。
暗くて涼しいところがヤギは好きなのだとのこと。
5部屋中2つが動物のためにあるということからも彼らが動物をいかに大切に考えているかがわかります。
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泥の家ですが風通しを考えた穴があり、ちゃんと階層もある所にビックリ!
ここは三つ目の『キッチン』です。
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少し上って外に出ると四つ目の『バスルーム』があります。
外で水浴びではなく、ちゃんと家の中に作られたバスルーム。
水を排水するための穴が空いているなど考えられた作りに感動です。
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最後五つ目が屋上の『テラス』。
ココがみなさんがのんびりするいわゆるリビングになります。
さらに暑い日はここで寝るそうです。
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一方、寒かったり雨が降ったりしている時はこちらの小さな部屋に入るのですが、この入り口の穴がかなり小さくて。
雨風を入れないためにこのサイズなのですが
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後ろ向きでギリギリ入れるこの感じ。
閉所恐怖症の人はキツイと思います。
勇気を出して中へ入ってみると
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これが案外広くて、ちゃんと足を伸ばして寝れるぐらいのスペースがありました。
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他にもちゃんと穴があり、家族みんなの寝床まで用意されている細部まで構造がよく考えられているバタマリバの人々の泥の家。
中を案内させてもらうとなんだか冒険をしているかのような気分でワクワクさせていただきました。
クタマクの自然環境
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家のまわりで育てられている植物にも目がいきます。
まずは背丈の高いこの植物。
もう既に収穫シーズンは終わって実はほとんどついていませんが、まだわずかに咲いているこの花を見ると日本で家庭菜園をやっている方はこの植物の正体がわかるかと思います。
薄黄色の花弁に紫色の柱頭。
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「オクラ」です。
日本でお馴染みのオクラは西アフリカでもソースなどにして食べられる主要な食材の一つ。
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バタマリバのみなさんは屋上のテラスでカラカラに干して保存していました。
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驚いたのはコチラ。
これは私も初めて見る植物でした。
あたりにちゃんと区画されて大切に育てられているこの植物は
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なんとタバコ!
キレイな花の方ではなく、葉っぱを叩いて乾燥させるとタバコになるのだそう。
天然のタバコはかなり強いらしく吸い過ぎは注意らしいです。
それにしてもこんな形をしているとは。
新しい学びに興奮が止まりません!!
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主食となるトウモロコシや西アフリカの料理には欠かせない唐辛子など、その他にもいろんな植物が目に止まり、バタマリバの自然を感じるウォーキング。
その中でもやはり一番目立つのは大きく立派なバオバブの木です。
あっちにもこっちにも見えるたくさん実をつけたバオバブ。
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かつてこの地にやって来たバタマリバの最初の先祖たち。
まだ泥の家も無い時に彼らの拠点となったのがこの大きなバオバブの木でした。
よく見ると下に穴が空いていて
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中は空洞になっているんです!
シェルターとして人々を危険な動物などから守ったこのバオバブ。
そのためバタマリバの人々にとってバオバブは守り神のような存在になっています。
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グルッと巡ったバタマリバのみなさんの集落。
クタマクの土地には全部で36の村があるそうで、今回私が訪れたのはその内の一つになります。
他では見たことがない独特の住居と肌で感じる神聖なオーラ。
カラから片道2時間ほどかかりますが、来て良かったと心から思える満足度でした。
そしておわかりのようにみなさんは今もココで生活を営んでいるわけで、要はお宅にお邪魔させていただいたということです。
見せていただいたお礼を伝えるのといっしょに、お土産を買うなどしてお金もしっかり落としてから別れを告げます。
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帰りも同じ道をバイクで走り、カラの町に戻ってきたらこれにて日帰り世界遺産ツアー終了です。
ここまでずっと神経を使う山道を運転してくれたサントスさん。
良いサービスをしてもらったので約束していた料金にチップを加えて渡します。
本当にステキなドライバーさんに出会えてよかったです。
メルシーボークー!
DAY375へ続く
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