トーゴを旅する③ 世界遺産の玄関口「カラ」〜知っておきたい西アフリカ豆知識〜

2023年11月17日、天気晴れ。

トーゴを旅する

トーゴに入国してから緊張で眠れなかったりバスに乗るためだったりで連日朝4時起きが続いていましたが、ようやくグッスリ寝ることができた昨夜。
しっかり眠ることは旅に限らず何をするにも大切なことです!
と言い訳をして気持ちの良い二度寝をしたところで、遅めの朝を迎えてスタートした本日。
首都ロメからバスで8時間かけてやって来た街

「カラ」

を歩いてみることにしました。

②カラ

カラは、トーゴの都市。
人口109,287人。
カラ州の州都である。
トーゴ北部の中心都市であり、首都ロメとソコデに次ぐトーゴ第3の都市である。
首都ロメからは413km北に離れている。
かつてはラマカラという市名であった。
現在でもラマカラという地名はカラ市の中心地区の名として残っており、産業や行政の中枢機能や大規模な醸造所がラマカラ地区にある。

Wikipediaより

首都よりも情報量が多いことにビックリしますが、正直見所がある街というわけではなく。
それでもアフリカの旅感を取り戻すにはもってこいの落ち着いた街です。

ちなみにカラに来た最大の目的はここからさらに北に行ったところにある世界遺産を訪れること!
なのでそちらに行こうかとも考えましたが、動き出しも遅かったので今日はこの街でゆっくりすることにしました。
・・・なぜそんなにのんびりできるのか?

既にトーゴの旅も3日目の折り返し地点なので、本来であればイロイロ急ぐタイミングで、昨日わかった通りこの街から首都ロメ(①)に戻る場合また1日が移動で潰れます。
が、待てよと。
次の行き先である国はトーゴのお隣に位置するベナン。
多くの旅行者がベナンに行くために利用するのは海岸沿いの国境(★)になります。
私もそこからベナンに入る気マンマンでした。
が、昨日移動して考えたこと。

「ベナンに行ったらまた1日使って北上するのか!?」

もちろんバス旅がイヤなわけではなく、むしろのんびり景色が楽しめるのでアリなのですが、効率的に移動したいとなると話は別になります。
今いるカラから東へ伸びる一本の道路。
その先も当然ベナンです。
しかし、この国境を越えた旅行者の情報は無く・・・

「安心安全を取るなら大人しく首都に帰るのがベストかぁ」

とは思いつつも、ダメ元で宿のスタッフさんに聞いてみました。
ここからベナンに行けますか?

「行けるよ!」

本当ですか!?
全く根拠の無い発言で、フランス語でのやり取りなので正直言っていることの半分も理解できていません。
でも、行けるかもしれないという一縷(いちる)の望みがあるなら・・・

「行くしかないでしょ!!」

独立記念塔をちゃんと見たかったという思いもありましたが首都ロメに戻らないことをここで決断。
そしてベナンのビザは3日後から有効なので焦(あせ)っても仕方がないということで今日はカラに滞在することにしたのでした。

西アフリカの豆知識

それにしても暑い!
iPhoneの温度計では34℃。
海からは離れたのでムシムシはしませんが、日差しにジリジリ照らされる痛い暑さです。
まぁこの感じも嫌いじゃないので、汗だくになりながらもなんだかんだ歩けてしまいます。
さぁ、そんなカラを散策しているとついつい見つけてしまう

『西アフリカあるある』

いろんな国を訪れてきたことでわかる西アフリカの豆知識をまとめてみたいと思います。

通貨セーファーフラン

私が初めてこの通貨に出会ったのはアフリカ4ヶ国目に訪れたセネガルでした。
旅先の通貨集めをちょうど始めた頃で、美しい5色の紙幣のピン札を手に入れた時は大喜び!
これでセネガルのお札ゲットだぜ〜!と思っていたら7ヶ国目ギニアビサウでまたこの紙幣と再会したんです。
今となってはそりゃそうだという感じですが、当時の自分はビックリ。

「どういうこと〜!?」

複数の国や地域で共有される通貨を『共通通貨』といいます。
最も有名なのはヨーロッパのユーロ(€)ですが、実はアフリカにも!
西アフリカで流通しているのがセーファーフランです。
共通通貨のおかげで加盟国同士で貿易がしやすくなり、国の経済発展が進むのはもちろん、旅人としては両替をいちいちする手間が省(はぶ)けます。
なので良いことしかない!!
かと思いきや、このセーファーフランには根深い問題もありまして。

この共通通貨が使用されているのは旧フランス植民地の国のみです。
イギリスやポルトガルなどの植民地だった国はそれぞれ自国の通貨があるんです。
既にアフリカの多くの国が独立してから60年ほど経ちますが、フランス植民地だった国は未だに通貨に関してはフランスに依存するカタチになっている事実。
だったら自国の通貨を今から作ればイイじゃん!
となりますが、既にガッツリ築き上げられた経済圏から抜け出すハードルの高さや、新紙幣発行による物価上昇のリスクを考えれば、これが単純な問題でないことがわかるかと思います。
このセーファーフランについてはフリーランス国際協力師の原貫太さんがYouTubeでわかりやすく解説してくれているので是非ご覧ください。


アフリカ中央部の旧フランス植民地の国々でもセーファーフランが流通しています。こちらレートは同じですが紙幣デザインが違い、相互利用できないのでご注意を。


フランスパン

というように多くの国がフランス植民地だった歴史を持つ西アフリカ。
公用語がフランス語の国が多いのもそれが理由です。
そしてフランスが残したものは言語だけにとどまりません。
食文化にも影響を与えたフランス。
中でも一番はみんな大好き『パン』です。
日本でパンといえばおそらく食パンだと思いますが、これはアメリカ、つまりイギリスの影響によるものになります。
アフリカでも旧イギリス植民地の国の朝ごはんの定番は食パンのトーストです。
一方、フランス植民地だった国はパンといえばフランスパン。
そう、バゲットです!

国や地域によって細めだったり長めだったりと特徴が出るバゲット。
トーゴでは太めのモチっとしたバゲットがよく売られています。
ちなみにどの国で食べるバゲットもフランス仕込みの製法なので味はとっても美味しいです。

デフォルトで辛い料理

食に関する情報をもう一つ。
植民地の歴史関係なく、西アフリカのほとんどの国に共通することがあります。
それが『料理が辛い』こと!

アフリカでは辛い料理が好まれる傾向にあります。
どの国でも食事をしていて辛いなぁ~と感じることはあるのですが、その辛さのレベルが頭一つ、いや頭四つ抜きん出てるのが西アフリカ。
ちょっと言葉は失礼ですが、これを食べるなんてあり得ない!という感じのとんでもない辛さの料理が平気で出てきます。
一口食べるだけで舌が痛くなったり、咳(せ)き込んでしまったりするのは当たり前。
ちなみに今回お世話になっているホテルHôtel Pavillionで注文したスパゲッティ。
これは美味しそうだと思い一口食べた瞬間ブワッと口の中に痛みが走りまして。
よく見てみると緑の輪切りの唐辛子がたーくさん。
スパゲッティさえ油断ならないのが西アフリカです。

袋水

ではなぜこんなに辛い料理を西アフリカのみなさんは好むのか。
それはこのエリアが赤道付近で暑いことが要因の一つな気がします。
暑い夏は食欲が湧(わ)かないなんてことは日本でもありますよね。
それが一年中続くのがギニア湾に面した西アフリカ。
夏はカレーだ!みたいなカワイイ感じで乗り切れるほど西アフリカの暑さは甘くないので、唐辛子を大量投入するわけです。

それにしても辛そうな素振り一つ見せずに食事をする地元の人たちを見るたびにドッキリでもしているのかと疑いたくなります。
が、やはり辛いは辛いようで食後には水をガブっと。
西アフリカの水といえば定番の袋水です。
街中には大量の袋水を頭に乗せて運ぶ売り子さんがアチコチにいます。
しっかり冷えている水が一つ6円ほどで手に入るので懐にも優しい最高の暑さ対策。
いろんなブランドがあるので水の飲み比べをしてみるのも面白いかもしれません。

特製ドリンク

ただ、水だけを飲んでいれば良いというものでもありません。
水分補給の際は適度な塩分や糖分もいっしょにカラダに入れた方が◎
ポカリスエットのようなものがあればいいのですが、残念ながらアフリカでは見かけず。
そこで頼りになるのが地元の人たちの手作りドリンクになります。

様々な種類がある中で私の一番のお気に入りはコチラ。
色鮮やかな赤紫色が特徴のハイビスカスの花を煮出して作られるドリンクです。
国によって呼び名は変わりますが、一般的には「ビサップ」の名で知られています。
爽やかな飲み口でほどよい酸味と甘みでゴクゴク飲めるビサップ。
コレを飲むのが西アフリカ旅の楽しみの一つになっています。

それ以外にもバオバブやタマリンドなど様々なフルーツから作られたジュースが飲める西アフリカ。
暑さでヘトヘトになりかけたところで特製ドリンクを売るお店を見つけるともう我慢はできません。
20円程度でいただけるキンキンに冷えた一杯。
たくさん歩いて汗をかいたカラダに思いっきり沁(し)みました。
ごちそうさまです!!

ということで、カラの街をブラッと歩くこと4時間。
何があるわけではありませんが、地元の人たちとの何気ない会話でココロが温かくなった一日でした。
旅の感覚も徐々に戻ってきたような気がします。
緊張を緩めすぎず、でも引き締めすぎもせず。
アフリカを楽しむ上での良い塩梅(あんばい)を探りながら引き続き旅を進めていきます。

DAY374へ続く

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