チュニジアを旅する② サヘルの真珠「スース」〜鉄道の乗り方と世界遺産の旧市街観光〜

2019年4月18日、天気晴れ。(※2023年4月更新)

チュニジアを旅する

首都チュニスで2日間お世話になった最初のホテルを出ました。
まぁこのホテルに来たのは正直お金目当てのお兄さんに

「日本人だよね!?」

なんて感じで声をかけられたことがきっかけで。
気を許してしまった私はその彼と宿を巡り(めぐり)に巡り。
彼が次々とアラビア語で交渉(こうしょう)してくれるのでいつの間にか引くに引けず・・・。
で、どこもいっぱいな中、最終的に辿り(たどり)着いたのがココだったという。

・・・あとから考えたらもっと安い宿はあったのですが・・・。

しかしオーナーさんが自分をよっぽど引きとめたかったらしく、ものすごい値下げをしてくれたのでここに決めました。
HOTEL TEJは特別価格で1泊60ディナール(約2200円)。
まぁ自分には良すぎる贅沢(ぜいたく)なホテルでアフリカ旅最初の2日間を過ごすことができたのは、今思えばよかったのかもしれません。
これから続く長い旅に向けてココロとカラダの準備がしっかりとできた気がします。
Wi-Fiの通信速度は速く、シャワーもあったかくて水圧(すいあつ)強めの気持ちいいやつ!
そして何より受付の人がみんな親切。
とってもいいホテルでした。

チュニジア鉄道の乗り方

さぁ今日は首都チュニスから南へ約140kmの移動をします。
今回の移動手段に選んだのは鉄道です。
昨日は首都を走る電車でしたが、今度は街と街をつなぐ鉄道!
さぁどんな旅が待っているのかとワクワクしながらチュニス駅へ。
立派なたたずまいにテンションが上がります。

目的地を伝えてチケットを買おうと思ったら

「次は12時20分」

と紙に書いて伝えてくれたお姉さん。
英語は通じませんが、工夫して私に情報を伝えてくれる気づかいに本当に嬉しくなります。
まだ出発までだいぶ時間があったのでちょっと迷いましたが、やはりここは鉄道移動しかない!
ということでチケットを買い、最後はしっかり

「シュクラン!」

ありがとうを伝えるだけで相手が自然と笑顔になってくれるのが好きです。
外国に行ったらその国の

「ありがとう」

は最初に覚えた方がいい大切な言葉。

切符はなんと7.7ディナール(約290円)!
ありがたい価格です。
さっ、出発までカフェでコーヒーを飲んで待ちます。


https://twitter.com/MoshimoWorld/status/1647759147738316802

※2023年4月は10.4ディナールです。


お菓子「カウカウ」

チュニジアの街を歩いているとよく見かけるのがこの茶色とピンクのつぶつぶしたもの。
左の鍋(なべ)で炒って(いって)路上で手作りして売られているお菓子(おかし)です。
食べてみると砂糖(さとう)でコーティングした甘いピーナッツ!
名前は

「カウカウ」

というそうです。
できたてはあったかくて美味しい0.5ディナール(約20円)で買えるやさしい庶民(しょみん)の味でした。

チュニス出発

さぁ、いよいよ電車に乗って移動開始です。
今日は天気が良かったので車内は暑かったですが、日本と変わらず座って(すわって)鉄道の旅を楽しむことができました。

チュニジアの『コト』

チュニスを出発して30分もすると、もうそこには首都とは違う風景が。
大きな建物はなく、広い大地が広がっていたり、小さな町があったり。
さらに車窓からは羊たちの群れをよく見かけました。
羊はアフリカ南部では見たことがなかったので、これには驚き(おどろき)でした。
さぁそんな風景をカメラで少し撮影(さつえい)していたら、隣(となり)の女性から声をかけられました。

「あなた、もしかしてYouTuber!?」

いやいやそんなYouTuberなんて言えないけどいずれ動画をアップしたいと思ってるんだ!
という感じで伝えたら、そこからの鉄道旅は彼女との話が盛り上がりました。
まずはチュニジアの話から。
パソコンを出して写真と共にいろいろと教えてくれまして。
自分の国についてこんなにも熱と愛を持って伝えることができる彼女の話に胸(むね)を打たれました。
衣食住の文化や観光名所について話してくれた中で面白いなと思ったことを少し挙げると

  • アラビア語にもそれぞれの地域、国によって発音に違いがある
  • チュニジア人はつり目と眉毛の色、そして肌(はだ)の色で見分けることができる
    (といっても、私には無理ですが)
  • チュニジアの北と南では衣食住の文化に違いがある
    (これは日本も同じですね)
  • 昨日訪れた「シディブサイド」は人の名前!
    (写真左のおじいさん)

本当にいろんなことを教えてくれました。
そしてその後は彼女が今勉強していることを一生懸命(いっしょうけんめい)話してくれました。
彼女は今大学院の2年生で、遺伝子についての研究をしているそうです。
人間の病気と遺伝子の関係を調べ、それをデータ化してたくさんの人々の遺伝子情報を集めることで、少しでも病気の予防や治療に役立てるデータバンクをつくりたい!
ということを語ってくれました。
正直、私には難しい話だったので細かいところまではわかりませんでしたが、それでも彼女の熱心な思いはバンバン伝わってきました。
人々の未来を思い、自分の興味に全力で取り組む彼女の姿勢に感動しました。
算数が好きだというので、いつから勉強に興味をもったのかと聞いてみると

「最初から!算数が好きで、次は理科が好きになって。で、今はもうDNAを調べるのが面白くて仕方ない!サイエンスはすごく楽しいの!」

勉強の楽しさに気づくことが自分の世界を広げるということを改めて感じた彼女の話。
気がつくと目的地の駅にとうちゃくしていて、2時間半の鉄道旅は本当にステキな出会いで楽しい時間を過ごせました。

そしておよそ3時間の移動を経て到着したの「スース 」という街です。

「スースへようこそ!」

彼女の歓迎(かんげい)の言葉を受けて、チュニジア旅がまた続きます。
マリエムさん、ありがとう!
シュクラン!

スース

スース、またはスーサチュニジアの都市。
チュニスの南約140kmに位置するチュニジア第三の都市で、人口は約43万人。
スース県の県都である。
町は美しく、「サヘルの真珠」といわれる。
旧市街(アラビア語でメディナ)はユネスコ世界遺産に登録されている。

Wikipediaより

「サヘル」

というのはサハラ砂漠の南側、西アフリカを指す言葉です。
このチュニジアはサヘル地域には属しませんが、サハラ砂漠の中に位置しながらも真珠のように美しい街が広がることからその名前がつけられたのかもしれません。

『サヘルの真珠』

スースです。

チュニジアの中で3番目に大きな街は、着いた瞬間から大きな賑(にぎ)わいを見せていました。
観光客もたくさん訪れるこの街。
その理由は、なんとここには紀元前(0年よりも前)の街並みが今もそのまま残っているんです!
世界史がわかる人にとっては有名なフェニキア人という人々が作った古代都市。

世界遺産「スース旧市街

写真をよく見るとまわりに壁があるのがわかるかと思います。
外部からの攻撃(こうげき)から都市を守るための高い壁が今もなおそびえるスースのメディナ。

実際に見てみるとその高さに驚かされます。
今はその中に入ると、まるでお祭りのように観光客向けにいろんな商品や食べ物を売るお店が路地に並んでいます。

ただここ、一度入るとまわりはどこまで行っても壁なので抜け出せなくなるのでご注意を!
そしてこの敷地内の広場の中央に

「リバト」

と呼ばれる要塞(ようさい)があります。

その要塞の見張り塔(とう)。
これがなんと上れるんです!
螺旋(らせん)階段をグルグルと上ってたどり着いた一番上からの景色が

こちら!
広すぎて写真に収めることができない壁に囲まれたスースの旧市街。
この街全体が世界文化遺産に登録されています。

そしてこの要塞が見張るものは街だけではありません。
遠くに広がる海の警備も行います。

スースの真珠はもう一つ。
街の中心部から歩いてすぐのところには美しい地中海が広がります。

ビーチリゾートとしても有名なスース。
海風があるせいかチュニスに比べると気温が少し寒く感じられます。
夏になると多くの観光客でにぎわうそうです。

ということで今日はスースの街を散策(さんさく)しました。
が、少し気になることが。
街のいたる所のカフェやレストランでたくさんの人が真剣にテレビを見ているんです。
何を見ていたかというと

「サッカー」

これはアフリカあるあるの一つかもしれませんが、とにかくアフリカの人たちはサッカーを見るのが大好き
これは南部も北部も変わらないんだなぁと思っていると、試合終了直前あたりからさらに盛り上がり始めまして、そして終了のホイッスルが鳴った瞬間から街中が騒ぎ(さわぎ)始めました。
なんだなんだ!?
といろんな人に聞いたり調べてみたらようやく判明。

先ほどまで行われていた試合は地元スースのサッカーチーム

「エトワールサヘル」

とサウジアラビアのチームとのクラブチーム同士の決勝戦だったんです!
そりゃ地元民は喜ぶわ!!
そしてその喜びを車のクラクションで表すのが面白い。
そのあと夜9時ごろまで街にはクラクションの音が鳴り響(ひび)いていたのでした。

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