2019年4月20日、天気くもり。
目次
チュニジアの歩き方
スースで2日間お世話になった宿はなんと、この街をグルッと囲む高い壁(かべ)の中にあるホテルでした。ちなみにこの世界文化遺産に登録されているスース旧市街のような街の中心地のことは「メディナ」と言い、タクシーに乗るときは「スースのメディナに行って!」と言えば連れてきてもらえます。
1泊のお値段は45ディナール(約900円)ととても格安ですが自分には十分な部屋でした。さらになんとここのホテルはチェックインするときにトイレットペーパーを渡して(わたして)くれました!日本では当たり前のトイレットペーパーを設置するフォルダーは海外では逆に珍しい(めずらしい)ものになります。トイレットペーパーがトイレにずっとあると誰(だれ)かが持っていってしまう可能性はたしかに0ではないですからね。そして実はもう一つトイレにトイレットペーパーを置けない決定的な理由があるのですが、それはまた後日。トイレ一つにしても世界によってさまざまです。
「エルジェム」へ
ということでホテルをチェックアウトをしようと思っていると、スタッフの方が
「これからどこ行くの?」
と声をかけてくれたので、行き先を伝えると
「なら鉄道だ!急げ急げ!」
と急(せ)かしてくるので、鍵だけカウンターに置いて小走りにホテルを出ました。そして無事に駅に到着。次の鉄道の出発時刻を聞くと8時5分とのことで、ギリギリセーフ!ホテルのおじさんに感謝でした。シュクラン!!
ちなみにスース駅の中はコーヒーが売ってたり、キオスク的なお店があったりと、すごくなじみのある親近感が湧き(わき)ました。さらにWi-Fiもあってビックリ!
さぁ、今日は鉄道に乗ってさらにチュニジアを南下していきます。まず最初に向かうのは古代の円形闘技場がある「エル・ジェム」という街です。スースからの料金は6ディナール(約230円)になります。
⑤エル・ジェム
エル・ジェム(ラテン語:Thysdrus)はチュニジア、マーディア県の人口18,302人(2004年の国勢調査)の町である。 ここにはアフリカで最も印象的なローマ遺跡が眠る。【Wikipediaより】
スースから50分ほどで到着したチュニジア中部の街エルジェム。先ほどの電車に乗り続けていたらそのままさらに南下できたところをわざわざこの駅で途中下車したお目当てはWikipediaが『アフリカで最も印象的』と断言する遺跡です!
チュニジアに『円形闘技場』があると聞いたらこれは絶対に見たいということで駅を降りて、さぁ一体どこにあるのかなとなんとなくの地理感で街を歩いていると、本当にすぐでした。見えた!
見えた見えた!!そして近づいて行くどんどん大きくなっていくんです。円形闘技場というとイタリアはローマの「コロッセオ」が有名ですが、このチュニジアにも限りなく当時の状態のまま残っているものがあります。それがまさかの街の中心にドンと構えているのはなんとも不思議な感じです。そして入り口まで到着するともうものすごい迫力(はくりょく)!!
世界遺産「エル・ジェムの円形闘技場」
エル・ジェムは、間違ってコロセウムと呼ばれることのある観客席35,000人の円形闘技場(アンフィテアトルム)で有名である。この闘技場より大きいものはローマのコロセウム(約45,000人)およびカプアの荒廃した闘技場だけである。エル・ジェムの円形闘技場は238年頃Thysdrusで皇帝と歓呼して迎えられた総督ゴルディアヌス1世の下のローマ人によって構築された。闘技場は、恐らく剣闘士や「ベン・ハー」の中で描かれたような戦車レースのために使用された。円形闘技場は未完成であった可能性もある。17世紀まで、闘技場はほぼ原型を保っていた。17世紀から、闘技場の石材は、エル・ジェムの近くの村を構築するためやケルアンの大モスクのために使用され、オスマン帝国との戦闘において、トルコ人は、円形闘技場から敵を追い出すために大砲を使用した。円形闘技場の遺跡は1979年に世界遺産に登録された。【Wikipediaより】
映画などでは見たことがありましたが、本物はその想像を超える大きさでした。入場料12ディナール(約450円)を払い中に入るともうそこは石でできたスタジアム!立体迷路のような空間が広がります。
その建築のかっこよさと、3階席から眺める(ながめる)スケールの大きさに興奮(こうふん)を隠せ(かくせ)ませんでした!古代の剣闘士たちがここで戦いを見世物としていたというのも信じられませんが、それ以上にこの建物が全て石でできているというのが本当に驚き(おどろき)です。
これを設計した人はどんな人なんだろうと。そしてこの建造物が今でも残っている!それが何よりすごいことです!!人のチカラの偉大(いだい)さを感じました。あと最後に、「円形」と聞くと円をイメージしてたのですが、正確にはだ円でした!大昔から観客の見やすさを第一に考えていたことがなんとも面白いなと感じました。
「スファックス」へ
エルジェムの円形闘技場を後にして、今日はここからルアージュに乗って最終目的地の⑦タタウィンという町へ向かいます。が、南へ350kmほど進む長距離移動なので、途中(とちゅう)の街でルアージュの乗り換え(かえ)が必要とのことでした。
なのでまずは⑥スファックスというチュニジア第2の都市に向かいます。エルジェムからスファックスまでは5ディナール(約190円)です。
そして2時間ほどで到着したスファックスがなかなかの盛り上がりを見せる街でした。ルアージュ乗り場には100台近くのルアージュが!ここがチュニジアで2番目に大きい都市であり、ここから移動する人がたくさんいるからこそです。そのため、入口に入るとすぐにドライバーさんたちによる客引き合戦(オレの車に乗れ!というやつ)が始まっていました。これは警戒(けいかい)しないと危ないぞ…と思ったのですが、中に入るとちゃんとしたチケット売り場があり、特に客引き同士の喧嘩(けんか)などが起こることもなくお目当てのルアージュに乗りこむことができました。どうしても南部アフリカでの経験が頭をよぎってしまう自分がいますが、チュニジアの乗合バスは今のところとても快適(かいてき)です。スファックスから最終目的地タタウィンまでは16ディナール(約600円)!
ローカルグルメ①「ラップサンド」
旅の楽しみの一つ。本日の昼食はこのスファックスのルアージュ乗り場ですぐに目に入った美味しそうなこちらのラップサンド。とにかくボリューミーで、しかも美味すぎて感動!
ちゃんと焼いて温かい状態(じょうたい)で出してくれるところがまたステキです。彼が「ハリハリ」と手であおぐジェスチャーを見せていたので、おそらく辛い(からい)んだろうなとは思っていましたが、たしかに想像以上にスパイシーでした。それを伝えてくれたというシェフのやさしさが嬉しく(うれしく)なるポイントです。シュクラン!
「タタウィン」へ
「君は日本人?」
旅していてこの一言目が来ると、なんでわかったの?とビックリします。アラビア語とフランス語、英語、スペイン語の4つを話せることを「オンリー」と言うルアージュで隣に座っていた青年が声をかけてきました。大学一年生の医大生だそうです。チュニジアを旅してるの?という話から、行ったことのある国の話になり、彼が唯一(ゆいいつ)行ったことのあるアルジェリアのことを教えてくれたのですが、中でもアラビア語の違いが印象に残ったそうでした。先日列車でいっしょになったマリエムさんと同じことを言っていて思わずニヤリ。彼も現在勉強している応急手当のことや、将来は薬を作りたいなんてことを話してくれました。意識の高い若者の話には刺激(しげき)を受けます。
スファックスからルアージュに乗ることおよそ4時間!この旅初の長距離移動でしたが私にとって4時間というのはそんなに長いとも感じないレベルになっています。青年海外協力隊時代の影響(えいきょう)で感覚がだいぶマヒしていますのでご了承(りょうしょう)下さい。長距離移動バスの過ごし方もまた今度いつか紹介できたらと思います。そして到着したタタウィンはこんな街です。うん、これです。まわりを見ても高い建物は無く、夜になればほぼ真っ暗になるこの感じ。あぁ、ついにアフリカに戻って(もどって)きた!そんな気持ちになりました。
ローカルグルメ②「羊肉のホイル焼き」
2日ぶりのシャワーを浴びてサッパリしたあとは、今回お世話になるホテルの隣に美味しそうな雰囲気(ふんいき)のレストランがあったので入ることに。チュニジアに来てから魚を食べることが多いですが、たまにはお肉も!ということで、おじさんが焼いていた羊の肉。チュニジアではかなり人気のようで、これまでもいろいろなところで羊の肉を売っていました。
さぁいただきますということで出てきたのはじっくり中まで火を通したやわらかい羊の肉のかたまり!もう羊好きにはたまらない独特のくさみが最高です。付け合わせのパンもソースに付けて食べるとアクセントになってよし!ただこれはすごいボリュームだなと思いながら食べていると、となりの3人組のお兄さんたちからなんとコーラをいただきましたー!まさかのサプライズにビックリ!!おかげでノドも潤い(うるおい)まして、しっかり完食させていただきました。ちなみにこの料理をサーブしてくれたのはなんと小学5年生くらいの男の子でした。もうその姿は立派な料理人。なんか飲み物買ってく?的な感じで見てくるので、じゃあ水を一本!と自分に言わせてしまうのだから商売もしっかりこなしてます。家の仕事をがんばる姿にまたまた刺激をいただき、思わずチップをいつもより多めに渡したのでした。
Kユウタです。最近は先生のブログを見ることが1日1回の習慣になってます。
特にDAY3の青い街シディブサイドがとても綺麗でアフリカにこんなところがあるんだ、と
びっくりしました。また、最近テルマエロマエを観ましたが、チュニジアにも同じような
円形劇場があるんですね。毎日先生と一緒に旅をしているようで楽しいです!以上!!