コンゴ民主共和国を旅する③ 絶景のマグマ「ニーラゴンゴ火山」Part1 〜入山ガイド&登山編〜

2020年3月18日、天気くもりのち晴れ。

ニーラゴンゴ登山

ニーラゴンゴ登山の朝は早いです。朝7時に今回お世話になるツアーコンダクター兼ドライバーのマイケルさんが迎え(むかえ)に来るということで、早めに宿のチェックアウトをして車の到着(とうちゃく)を待ちます。するとなんとスタッフさんが朝食を作ってくれたんです。宿泊費に含(ふく)まれてはいましたが、食べる時間が無いなと思い遠慮(えんりょ)していたのですが

「登山に向けて食べないとダメだよ!」

と言って用意してくれました。嬉(うれ)しすぎる心配りに感謝でいただきました!お世話になった宿Flamingo-Lounge Restaurantは1泊35USドル(約3800円)。とっても居心地の良い宿でした。メルシー!!

お腹もココロも満たされてこれで準備完了!結局(けっきょく)7時半に迎えに来てくれたマイケルさんの車に乗っていざ出発です。1泊2日のニーラゴンゴ登山がついにスタート!!

入山許可証ゲット

と思ったらまず車が向かったのは先日越えたルワンダとの国境でした。えっ!?まさかルワンダに再入国!!?よくわからないままとりあえず中に入っていくことに。

実はこの建物の中に今日から入山するニーラゴンゴ火山を含めたコンゴ民主共和国のヴィルンガ国立公園の管理所が入っていたんです。こんな所にあるとはビックリ!ちなみにこの写真を撮(と)っているすぐ後ろにはコンゴ民主共和国⇄ルワンダの出入国審査(しんさ)のカウンターがあります。改めてココがとても安心して通過できる素晴らしい国境であることがよくわかりました。そしてなんとこのオフィスに荷物を預けることができるんです!必要なものだけをバックパックに詰(つ)めて、残りの荷物はここに置いていきます。それも無料で!これはとってもありがたいです。

そして必要書類を書いて入山許可証をゲット!ちゃんとお値段300USドルと記載(きさい)されています。このお金はツアー申し込み時に払(はら)っているのでここで請求(せいきゅう)されることはありません。さぁ、これで本当の本当に全ての準備が整いました。

国立公園内へ

彼がマイケルさんです。普段は別のエリアで仕事をしている彼はなんとニーラゴンゴ山に登るのは今回が初めて!まさかのいっしょに初登山チャレンジとなりました。がんばるぞー!!

とても気をつかってくれるマイケルさん。運転しながらゴマの街を私にいろいろと紹介してくれます。朝から人の行き来が多いゴマです。

途中には検疫のための検問が!エボラ出血熱の感染拡大を防ぐために検温や手洗いがしっかりと行われました。現在はそれに加えてコロナウイルス対策の意図もあるのかなと思います。感染症に対する警戒(けいかい)意識の強さを感じました。ここを通過するといよいよ国立公園内に入っていきます。

登山にはちょうどいい曇り空の中、自然の中にやってきたぞ感のある景色を目の前に徐々(じょじょ)にテンションが上がっていきます。

そして午前9時。ついにニーラゴンゴ山の登山口に到着しました!!

ニーラゴンゴ山

ニーラゴンゴ山は、アフリカ中部、コンゴ民主共和国東境部にある活火山。アフリカ大地溝帯底部に並ぶエドワード湖とキブ湖の間にあるビルンガ山地に含まれ、山地の最高峰カリシンビ山(4,507m)の西に接する。山頂火口内にある溶岩湖で知られる。北には同じく活火山のニアムラギラ山(3,056m)が対峙している。マウンテンゴリラで有名なヴィルンガ国立公園に含まれる。(後略)。【Wikipediaより】

登山口到着

この緑のトンネルからニーラゴンゴ登山が始まります。もうドキドキが止まりません!そして冒険の前にはちゃんと看板に書かれていることを読みます。


ようこそヴィルンガ国立公園へ!

この山への入山は危険を伴う(ともなう)ことがあります。登山の際には以下のものを携帯(けいたい)してください。

  • バックパック
  • 防水の衣服
  • 着替えの衣服は袋に入れて
  • 防寒用の衣服
  • 1.5Lの水
  • ハイキング用の靴
  • 寝袋 (防水カバーも)

幸運を祈る。


とにかくこの登山では衣類が大事だということですね。食料に関する助言は一切なし!果たして持ち合わせのアイテムでなんとかなるのか!?午前10時、ニーラゴンゴ登山スタートです!!

登山開始 (標高2000m)

えっ!?何が始まったの!!?とこの写真だけ見ると驚かれる方もいるかと思います。このニーラゴンゴ山への入山には必ずレンジャーさんが同行をします。ヴィルンガ国立公園内の警備のためにこの山に常駐(じょうちゅう)している彼ら。ニーラゴンゴ山のあるコンゴ民主共和国東部は今も治安が安定しない地域のため、レンジャーさんが我々の安全確保に務めてくれます。そして先に言っておくと、今回の登山で危険を感じることは全くありませんでした。レンジャーさんのあとについて登っていきます。

まずは雨でぬかるんだ土の道が続きます。傾斜(けいしゃ)はそこまでないので、足場をしっかり確認しながら進みます。

第①チェックポイント (標高2270m)

レンジャーさんがなかなかのスピードで登っていくので少しずつ息が上がっていきますが、景色を楽しむ余裕(よゆう)はありました。登山開始から1時間で最初のポイントに到着。まだまだいけるぞという感じです。

そしてこのあといよいよジャリジャリとした火山岩ロードのスタート!地面への踏(ふ)ん張りがきかないのでこれがなかなか登りづらいんです。さらに先ほどまでと比べて一気にここから傾斜(けいしゃ)がキツくなります。

登れなくはないのですが、とにかくニーラゴンゴ登山はずーっと上り坂!途中に一切下り坂がありません。なのでジワジワと足にきまして、次第にハードになっていきます。

そんな中、次の休憩ポイントに着く手前バテてしまったマイケルさん。冗談(じょうだん)抜きに本当にしんどそうでした。ニーラゴンゴ山が簡単(かんたん)な山ではないということを誰(だれ)もが感じ始める第②ポイント手前です。

そして私もここら辺からかなーりしんどくなってきました。今回はポーターさん(山登りで荷物運びをする仕事の方)にお願いせずに自分で荷物を全て背負って登ることにしたのでカラダが重い重い。少しずつ足が上がらなくなってきていることを実感。

第②チェックポイント (標高2530m)

休憩はもちろん嬉しい(うれしい)のですが、止まると汗でビッショリになったTシャツが冷たくなってカラダが一気に冷えます。登山開始から約2時間。ここでようやく3分の1。これはなかなか先が長いです。

この休憩ポイントを過ぎると険しい上りが永遠と続きます。もうここら辺から景色を楽しむ余裕はなく、ひたすら次の足場を目で追いながら前へ前へと足を進めるのみでした。

ちょくちょくバテるマイケルさん。初めてのニーラゴンゴ山に私以上にビックリしていました。

第③チェックポイント (標高2760m)

登り始めて2時間半。約半分まで登ってきたところでランチタイムです。持ってきた食料をどんどん食べてパワー回復&荷物を軽くします!ちなみに登山中の水分補給(ほきゅう)はとにかくこまめに。思っている以上に汗で水分を失うので意識的に水を飲むことが大切です。

そして休憩もそろそろ終了という時についに雨が降ってきました!やはり雨対策は必須(ひっす)のニーラゴンゴ山。昨日購入(こうにゅう)したレインコートを着て、登山後半戦スタートです。

正直登る前はハイキングのような感じをイメージしていたのですが、これは紛(まぎ)れもなくガッツリの登山。上り坂をひたすら登っていくという非常にシンプルな登山が実はかなりハードなんだということがよーくわかりました。

第④チェックポイント (標高3020m)

3000mを超えると少し寒くなってきたかなぁという感じでした。雨はパラパラと降り続けていますがレインコートは着なくてもいいレベルに。いよいよここからラストスパートです!

が、ここからがまぁーキツかった。これまでもなんだかんだで大変な上りでしたが、それをさらに超えてくる急斜面(しゃめん)!!「あと少しだ!」と自分に言い聞かせて登り続けますがまぁそれが実際は遠いわけで。いったいこの上り坂はいつになったら終わるんだと思いながら必死にみんなのあとを追います。

モヤで視界が悪い中、とにかく一歩ずつ前へ前へと進み続けまして…。ついに目の前に建物らしきものの影が!!

第⑤チェックポイント (標高3250m)

登山開始から4時間!ようやく今日のキャンプサイトに到着しました!!やったーー!!もうこの時はヘトヘト。最後のチカラを振り絞って(しぼって)たどり着いた今日のゴール。いやー、やりました〜!!

そして一瞬(いっしゅん)モヤが晴れた時に見えたニーラゴンゴ山の頂(いただき)。あそこにマグマがあるのか…。まずはこの小屋で少し休憩をして、そのあとはいよいよマグマを見にピークアタック(山頂へ登ること)だ!!

「行くぞ!」

…え?レンジャーさんが荷物を持って登り始めます。…あれ?この小屋で休憩しないのですか??せめて荷物をココに置いていってもいいですか??

「キャンプサイトはここじゃない!頂上だ!!」

…最後のチカラを振り絞ってしまいもう気力がすっからかんの私はこのあと無我の境地に達するのでした。

DAY186.5へ続く

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