2021年7月8日、天気晴れ。
ブルキナファソの歩き方
本日はまず少し現実的なお話をしたいと思います。現在旅をしている西アフリカのブルキナファソ。海に面していない内陸国であるこの国は6ヶ国に国土を囲まれているのですが、その国境沿いの治安はあまり良くありません。イスラム過激派組織による事件が頻発(ひんぱつ)している国境付近。首都ワガドゥーグーや今いるボボデュラッソの街も外務省の危険レベルでは2(薄いオレンジ)となっています。
そんなブルキナファソの西部に位置するボボデュラッソの街から少し離れた場所にこの国の有名な観光名所があります。ただその場所の危険レベルは「3」…まぁこの数字に踊らされてはいけないことは、これまでアフリカを旅していてわかったことの一つです。真っ赤に塗られた場所にも人々の暮らしがあり、決して危険というだけではないということは覚えておきたい事実です。が、やはり安全第一は旅の基本!無茶は絶対にしません。
ただせっかくボボに来たからには観光名所も見ておきたいよなぁ~と思いながら今回お世話になっている宿の部屋に置かれたパンフレットをパラパラとめくっていたら、何と有益な情報を発見!!旅行者が多く利用する人気の宿ということで、なんと自転車レンタルや街中を巡るツアーのアテンドなどのサービスを行なっているとのことでした。その中には車の1日レンタルサービスも!
これはもしかしてその観光地まで車を貸し切って行くことができるかもと思い、受付のスタッフさんに聞いてみるとそこからはトントン拍子で話が進みました!まずはガイドの方を確保して、そこから車とドライバーの手配。スマホの翻訳機能を使ってフランス語がわからない私に料金も丁寧に説明をしてくれる宿のスタッフさん。もう安全に行けるというだけで全てOKです!!ありがたすぎます。
ボボデュラッソから行く大自然絶景ツアー
ということで全ての打ち合わせを昨日の内に済ませておいて迎えた本日朝7時。約束の時間通りに宿に来てくれたガイドさんを見てもうさらに安心です。そしてここで彼にパスポートを持っているかを確認されました。これから向かうのは治安が不安定ということで検問があるエリアになります。幸いにも今回は行き帰り通して一度も車を止められることはありませんでしたが、やはりそういう心配が必要な地域であることは事実のようです。
今回は車を貸し切った上に、運転手さんとガイドのアミドゥーさんもいるという非常に心強い体制です。気分は楽しい日帰りツアー!ボボの街から車は南へ向かって出発します。
窓の外にはずーっと豊かな緑が。なんとこの周辺は一年中緑の景色が広がっているというブルキナファソの中でも南に突き出た地域です。
赤道に近づいているということで熱帯エリアを思い出させる木々もどんどん増えていきます。それにしても特に目立つのがキレイなマンゴーの木。その数もまぁたくさん!
ちなみに西アフリカの主食であるキャッサバも見かけはするものの、その数はあまり多くないなという印象です。この国でもキャッサバを使ったコートジボワールの伝統料理であるアチェケを食べることはできますが、あまりメジャーではないのはそういった植生が影響しているのかもしれません。
ブルキナファソで一番多く見かけるのは田んぼととうもろこし畑。この国の主食はお米とメイズ(とうもろこし)です。昨日食べた伝統料理トウもまさにこのメイズから作られた食べ物になります。
そんなこんなで窓の外を見ているだけで楽しいドライブ。ボボデュラッソを出発してから1時間半ほどで車は「バンフォラ」という街に到着しました。そしてここを起点に今日はブルキナファソの観光スポット2ヶ所を巡ります。
バンフォラからさらに30分ほど美しい景色を眺めながら進んでやって来たのが「ピクドゥサンドゥー」という場所です。
ピクドゥサンドゥー
サンドゥーはブルキナファソのレラバ県にある町です。レラバ州とシンドゥ郡の州都です。この地域は、鋭い砂岩の地層であるPics de Sindouで知られています。ブルキナファソのサンドゥーの町の近くの岩層です。 サイトの一部は観光客がアクセスできます。
【Wikipedia英文和訳より】
到着した瞬間に目の前に立ちはだかる奇妙な形をした岩山。その存在感にさっそく圧倒されます。
そしてその岩山に向かって進んでいくガイドさん。なんとこの岩山はしっかりと上れるように岩でできた階段がちゃんと整備されています。下から見るだけかと思っていたので一気に冒険気分にチェンジです。
一歩上がるごとに不思議な世界へと足を踏み入れている感じがするのがこれまたウキウキするもので。5分ほど上がっていくと
広い高原エリアに到着です。もうその景色がとにかく美しくて写真を撮る手が止まりません。なんだここは!?
その昔、この地には水が流れていたようで、その浸食作用によって生み出された自然の景色。塔(とう)のように長く伸びる岩からはまるで生きているかのような気配すら感じます。
高い所に位置するこの場所からは現在のサンドゥーの街を見下ろすことができます。かつてはこの岩山に人々が定住していたそう。外敵から身を守るのにも最適な自然の要塞(ようさい)です。
それにしてもすごい!もうその景色に終始感動が止まりません。
まるでゲームのモンスターハンターのような世界が広がります。巨大なモンスターがいつ出てきてもおかしくない状況!リオレウスが降り立ってこないかなと期待してしまいます。
そして今日一番の絶景は岩山のてっぺんからのこの景色です。「地球は緑だった」という言葉が思わず出てしまいます。美しいブルキナファソの田園風景や熱帯の木々が織りなす緑の絨毯(じゅうたん)が地平線までブワーッと敷かれたかのような壮大な景色に心を鷲掴み(わしづかみ)にされました。
正直ここに来る前は、まぁ自然を感じることができるスポットかなぁ~ぐらいの気持ちでいました。記念に行っておくかという軽い感じでやって来たこのピクドゥサンドゥー。しかし!私の想像を超える、超えるだけではなくブチ抜いた自然が創り出した岩山と緑の世界。この場所に来れてよかったと心から思えるピクドゥサンドゥーでした!
さぁ一度バンフォラの街に戻り、今度はオフロードの道を進んでいきます。先ほど岩山の上から景色を堪能(たんのう)したはずなのに、それでもまだまだずっと見ていられるバンフォラ地域の美しい緑。
どんどん奥地に入っていくドライブも刺激的です。そしてサトウキビ畑を超えてたどり着いたのがこれまた大自然を感じるスポットでした!
カルフィゲラの滝
カスケードデカルフィゲラ(cascadeはフランス語で”滝”)またはバンフォラカスケードは、ブルキナファソ南西部のコモエ川沿いの一連の滝です。バンフォラの北西約12 kmに位置し、ブルキナファソで最も重要な観光地の1つになっています。この一帯の行政区域名であるカスケード州はこの滝からその名前がつけられました。滝の流れは6月から9月までの雨季の時期にピークになります。
【Wikipedia英文和訳参照】
カスケードというのがフランス語で滝という意味だということを本日知った私です。カルフィゲラの滝やバンフォラの滝と呼ばれるこちらの滝。草をかき分けて進んだ道の先にその滝はありました。
この国のビザを取得したコートジボワールのブルキナファソ大使館に貼られていた観光ポスター。そちらにもこの滝の写真が採用されていました。といってもこれは滝を下から見た景色。ここからだと滝感がありません。
急な段差をのぼって上までやってくるとようやく滝の景色を見ることができました。ネットで調べても薄い説明しか出てこないこのカルフィゲラの滝ですが、ブルキナファソにとって大切な場所になっているようです。
滝壺に向かって一直線に落ちる滝ではなく、段々と水が岩の間を落ちていくカルフィゲラの滝。
こちらもかなり高い位置にある滝なので、上部からはまたもや美しい緑の景色を眺めることができます。
ただ水辺付近なのでその分湿気がありかなり暑いです。岩山を上っていくと汗がどんどん出てきます。
が、その分ひらけたところに出てくると気持ちがいいもの!滝の音を聞きながらのんびりするだけで涼しい気分になります。
今は雨季の真っ最中ということで水量も多いのか水は泥を含んだ茶色をしていました。雨季が終わってしばらくすると透明な水が流れる滝の景色が見られるそうです。ただこの茶色の滝も”泥染”や”泥のモスク”など、泥の文化があるブルキナファソならではの光景なのかなと!
地元の人もたくさん訪れる人気のスポット、カルフィゲラの滝でした。
ということで大自然を全身で感じたボボデュラッソからの日帰りツアー!車を貸し切ってでも行く価値があったなぁ~と帰りの車内でもその余韻(よいん)に浸りまくりの大満足な内容でした。
ちなみにお値段は全て込みで1万4千円ほど!ほぼ半日ドライバーさんとガイドさんをつけて、安心安全に観光ができてこの料金というのは驚きです。ガイドのアミドゥーさんもすごく親切丁寧な方で、ストレスフリーでとっても楽しく観光することができました。メルシーボークー!!
このツアーをアテンドしてくれた宿のスタッフさんにも感謝です。こちらの宿についてはまた明日紹介したいと思います!いやー、本当に楽しい1日でした!!
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