エジプトを旅する③ 世界遺産「ルクソール神殿」〜見所が多すぎる観光都市ルクソールを上手に巡る方法〜

2023年1月4日、天気晴れ。

DAY330の続き

エジプトを旅する

南部の街アスワンから電車で3時間。
降り立ったのはエジプトの中でも有名な都市

「ルクソール」

です。

④ルクソール

ルクソールは、エジプトの都市で、ルクソール県の県都。古代エジプトの都テーベがあった場所で、現在も数多くの遺跡が残っている。市域はナイル川によって分断されている。
日が昇る方角であるナイル川の東岸には、カルナック神殿やルクソール神殿など生を象徴する建物が、日が沈む方向のナイル川西岸には死を象徴する、王家の谷や王妃の谷などがある。王家の谷にはツタンカーメン王の墓がある。
市内にある遺跡の多くが、古代都市テーベとその墓地遺跡として世界遺産に登録されている。

Wikipediaより

今から約4000年前。
エジプトの歴史区分では『中王国』の時代に首都となった場所が現在のルクソールです。
当時はテーベと呼ばれた古代都市。
そこからエジプトが最も繁栄した『新王国』時代までの約1000年もの間、この街は王国の中心として機能しました。
その時代の遺跡が今も数多く残ることから、現在は世界中から観光客が集まる人気の観光地になっています。

そのため駅から一歩外に出るとすぐにタクシーの客引きがあるルクソール。
観光地ならではの熱気が漂います。
ただ南の果ての果てにあったアブシンベル神殿とは異なり、ルクソールの遺跡は駅から歩いて行ける範囲にあるようなので、ここは地図を頼りに歩いて向かってみることに。
ちなみに、タクシー以上にこの街で幅を利かせているのが馬車!
歩いていると次から次へと声がかかります。
日本でいうところの浅草の人力車という感じで、この馬車はルクソールの風物詩のようです。
タクシー乗り場ならぬウマ乗り場もちゃんとありまして。
たくさんのウマたちがずらっと待機している様子はなかなか面白いです。
この馬車のことをルクソールではおしゃれに

「フェラーリ」

と呼びます。

駅から伸びるメインストリートを真っ直ぐ進んでいくと

「えっ、もしかして?」

何やら遺跡っぽいものが遠くの方に見えているなぁとは思っていたのですが、まさかこんなところにあるわけは・・・

「こんなところにあった~!」

なんと駅から徒歩5分。
目の前に現れたのがこの街の名を冠した古代遺跡

「ルクソール神殿」

になります。

ルクソール神殿

ルクソール神殿は、エジプトのルクソール(古代のテーベ)東岸にある古代エジプト時代の神殿複合体である。

Wikipediaより

「一体どこにお目当ての世界遺産はあるの?」

と思いながら歩いていたのですが、実はもうルクソールの駅に着いた瞬間から私は世界遺産の掌(てのひら)の上だったんです。
街のド真ん中に鎮座(ちんざ)していたルクソール神殿。
街の中にあるという点ではチュニジアの世界遺産『エルジェムの円形闘技場』と同じですが、そのスケールは全く違います。

「ココに神殿あり!」

と言わんばかりのロケーション。
一見すると最近できた新しいテーマパークのアトラクションかな?
なんて思ってしまうわけですが、ところがどっこい。
これまた3000年以上前に建てられたというルクソール神殿。
いくらそれが真実だとしても

「ウソでしょ?」

と疑いたくなります。
だってこんな街中に、こんな状態で残っている、こんなデッカイ遺跡なんて本当にあるの!?
・・・それがあるのがエジプトなんです。

観光テクニック① チケットの選び方

ちなみにまだゲート内に入っていません。
柵の外からでもその大きさと迫力を十分に感じることができてしまうというのもすごいところです。
が、やはりもっと近くで見たいということで、チケットを購入して中へ入ります。
私が買ったのはルクソール神殿のみの入場券で、お値段は180ポンド(約800円)。

ルクソール周辺にはここ以外にも遺跡が点在するので、複数の遺跡を巡れるチケットや、数日間有効なパスなどもあります。
チケット選びは日程や体力、予算と相談してみてください。

敷地内に入ると自然と神聖な気持ちになるのが不思議です。
エジプトの歴史に足を踏み入れるような気分になりながら、いざ神殿内部へ!

最初に目に飛び込んでくるのはドンとそびえるルクソール神殿の入口(塔門)です。
岩山をくりぬいて造ったアブシンベル神殿とは異なり、砂が固まってできた岩のブロック(砂岩)で建造されたルクソール神殿はとっても開放的。

そしてやはりここにもあのお方の姿が。
ルクソール神殿は数年に渡り、それぞれの時代のファラオ(王)によって少しずつ建築が進んでいったのですが、この入口の門を造ったのは

「ラムセス2世」

そう、あのアブシンベル神殿を造ったラムセス2世です。
エジプトを旅していると、実はあの超超超有名な王様ツタンカーメンよりもラムセス2世の方が私たちの前に登場する回数は多いかもしれません。

なんせ目立ちたがり屋の王様なんです。
アブシンベル神殿の入口にも自分の巨大な彫像を4体も並べたわけですが、見て下さい。
ルクソール神殿の入口にもこの通りでございます。
さすがラムセス2世!

そして入口で注目なのがもう一つ。
ラムセス2世の坐像(ざぞう)の前に立つ長い柱。
古代エジプトの時代に神殿に立てられることがあった記念碑で、その名を

「オベリスク」

といいます。
この名前を聞いてテンションが上がるのはアラフォー男子の証拠ですね。

1996年から2004年まで週刊少年ジャンプで連載されていたマンガ『遊☆戯☆王』。
その中で登場したカードゲームに当時の少年たちは心を奪われました。
その後のトレーディングカードゲームブームの火付け役にもなり、今や世界的にも有名な遊戯王カード。
・・・知らない方はごめんなさい。
もう少しだけ遊戯王トークにお付き合い下さい。

その物語の中で登場するのが

『神のカード』

と呼ばれる3枚!

「オシリスの天空竜」
「ラーの翼神竜」
そして
「オベリスクの巨神兵」

これが三幻神ダァーーーー!!

・・・はい、御静聴ありがとうございました。
初めて見る本物のオベリスクに感動したというお話でした。
ちなみにオシリスは冥界の神、ラーは太陽の神の名前です。

とにかく何を見てもスゴイとしか言えず。
エジプトの遺跡には見るもの一つ一つ全てに驚かされます。
太陽の光で照らされるので細かい部分までよく見えるルクソール神殿。
ブロックが積み重なっているのがわかります。
いったいどうやってこんな高い建造物を造ったのか。
見れば見るほど興味が湧いてきます。
あっ、お気づきの方もいるかもしれませんが、こちらもラムセス2世です。

壁面の装飾も美しく、色も着いていまして。
それが上までビッシリと。
ルクソール神殿も長いこと瓦礫に埋もれていて、発掘作業が開始されたのは近代に入ってからのことでした。
そのためのこの保存状態の良さなわけです。

神殿のまわりには落ちたブロックもしっかりと残してあります。
よく見ると一つ一つに美しい彫刻が施(ほどこ)してあって。
壊れたブロックすら貴重な芸術品。
こんだけあるから一つぐらいお土産にしたいところですが、もちろんダメですよね~。

観光テクニック② 写真撮影は午前中

さぁ、ルクソール神殿についての詳しい解説については後述する参考動画を見ていただくとして、ここでは旅人視点での観光ポイントをお伝えします。
大事なのは時間帯です。
エジプトの『神殿』と呼ばれる建物の多くは入口が全て

「東向き」

に造られています。
太陽神を祀(まつ)る神殿がほとんどだからです!
そのため、遺跡正面に太陽の光が当たるのは午前中。
午後になると西日が差すので逆光になります。

ということで、遺跡の顔ともいえる正面の写真をキレイに撮りたい場合は午前中が◎
もちろん日が傾いた夕方の感じも絵になりますし、なんなら夜はライトアップされるので、結論エジプトの遺跡は朝昼晩いつ訪れても楽しめるんですがね。

ただ午前中から見て回った方が良い理由はもう一つあります。
特にルクソールでの遺跡巡りは時間との勝負!
ここまでじっくり見てきたルクソール神殿はこの地に広がる遺跡群のほんの一部に過ぎないんです!

ルクソール神殿の正面から真っ直ぐ伸びる一本道。
両脇にスフィンクスがずらっと並ぶ『スフィンクス参道』と呼ばれる長さ2.7kmのこの道を行くと、その先に

『カルナック神殿』

という『古代エジプト最大規模の神殿』があります。

はい、実はルクソール神殿はこのカルナック神殿の付属、いわゆる『おまけ』的な感じなんです。
そんな風には思えない圧巻の遺跡ですが、ルクソールの主役はあくまでカルナック神殿になります。

「となるとそちらを是非見ておかないと!」

と思うわけですが、私は動き出しが遅かった。
時刻はもう夕方3時を回っていまして。
さらに今回はエジプト弾丸1週間の旅。
今夜はまた夜行列車に乗って移動します。
まだ出発までは時間がありますが、カルナック神殿に今からいっても駆け足で見ることになるのは間違いありません。
ということでカルナック神殿は断念。
いやー、悔いは残りますがね。
ということでルクソールを観光する際は時間に余裕をもった計画を!

観光テクニック③ 最低でも一泊する

そして神殿だけじゃ~ないんです。
街のド真ん中にあるルクソール神殿。
街があるということはそこに川もある!
それがエジプトです。
なんと神殿のすぐ隣に流れるナイル川。
そして川の向こうには砂漠が広がります。

ナイル川の東側、今私がいる方を

『生者の世界』

川を挟んだ反対の西側を

『死者の世界』

と呼ぶエジプト。
神殿などの建物があるのが生者の世界。
対して、死者の世界には王の墓や葬祭殿などがあります。
有名な遺跡が川の向こう側にまだまだたくさんあるルクソール。
この全てを含めて

世界遺産『古代都市テーベとその墓地遺跡』

となります。
はい、この街を一日で見て回るというのは無謀(むぼう)な行為だったことにようやく気付いたところです。
結論、ルクソールを観光する場合は最低でも一泊はした方がよいでしょう!

「これがルクソールかぁ~!」

対岸の死者の世界を眺めながら、まだ見ぬ遺跡がこの地に点在する事実に胸をときめかせながら、再訪を誓うのでした。

遺跡巡りはこれにて終了。
といってもルクソール神殿一つしか見ていませんがね。
ただなんだかんだ言いながら個人的に遺跡は一日一つ派です。
二つ見てしまうとどうしても比較してしまうので。
ということでルクソール神殿を堪能(たんのう)した本日。
この街のラストを締めくくるのはルクソール神殿のすぐそばにあるマクドナルドです。

「おなかが空いたから!」

というのもありますが、その真の目的は

「ルクソール神殿を上から眺めること!」

最上階の3階窓側の席が空いていたのはラッキーでした。
このマクドナルドは遺跡を見終わった観光客でかなり混雑しているので、運が良ければ座れる特等席。

ココでいただくハンバーガーはそれはそれはもう格別でした。

日が沈むまでマックでのんびりさせていただいたところで、ルクソール駅へ。
あっという間ですがこれにてルクソールとはお別れです。
このあと夜19時発の夜行列車に乗って首都カイロへと戻ります。

「必ずまた来ます!さよならルクソール!!」

DAY331へ続く


エジプト旅をもっと楽しむために

では、ルクソール神殿をより深く知るための動画のリンクを貼っておきます。
実は今回の旅から初めてYouTubeライブに挑戦したので、そちらもご覧いただけると嬉しいです。
が、やはりエジプトといえば河江さん。
情報の厚みがま〜〜ったく違います!
しかもこんな貴重な解説を無料で見ることができるというのがスゴすぎる。
ルクソール神殿が100倍面白くなる動画です。
是非チェックしてみてください!

河江肖剰の古代エジプト

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です