リベリアを旅する⑥ 過酷すぎた出国劇 〜空港への正しいアクセス方法と賄賂要求の実態〜

2023年6月6日、天気くもりのち雨。

リベリアを旅する

リベリアで過ごす最後の夜。
腕のかゆみと蒸し暑さで熟睡とまではいきませんでしたが、それなりにカラダを休めることはできました。
いよいよ今日はリベリアを出国します。
長い一日のスタートです。

現在地は北部の③グバーンガ。
ここから首都モンロビアにある★ロバーツ国際空港を目指して移動していきます。
既にこのルートは一度通っているので今回は空港までの見通しはバッチリ!
唯一モンロビア中心地から空港への50kmの移動に不安材料(車の確保や渋滞)はありますが、まぁなんとかなるはずです。

グバーンガの車乗り場に来るとすぐに客引きをされてモンロビア行きの車に乗ることができました。
ちゃんと乗車受付がありチケットを発券してくれるのでこれは安心!
(グバーンガ→モンロビアは1000リベリアドル)
ちなみにリベリアのみなさんは外国人旅行者の私に対して2人分の購入を推(お)してきます。
『広々座れるよ!』という親切心と、『早く満席にして出発したい!』という思惑からのこの提案です。
もし時間に余裕がなければノってもいい話ではありますが、まだ時刻は午前10時。
助手席に2人で座るギュウギュウスタイルでモンロビアへと戻ります。
そしてなんとこのチケット売り場で思わぬ発見がありました。

1000リベリアドル!
最終日にこれまで見たことのないお札に出会うというキセキ!!
もちろんすぐに両替をお願いしてゲットさせていただきました。
リベリア先住民である主要16民族の仮面のデザインは激アツです。

熾烈(しれつ)な乗客取り合い合戦に勝利したドライバーさん。
見事待ち時間30分で出発です!
グバーンガを出る際にはしっかりめのパスポートチェックが。
首都モンロビアでいきなり路上での賄賂要求を受けたことでこの国の警察や官庁職員に対する警戒心がグッと上がりましたが、検問では何か物言いをつけられることは一切なかったので本当に良かったです。
第一印象というのはその国のイメージを決定的にしてしまうものですが、イロイロ経験して総合的に判断することの大切さを改めて学んだ今回の旅。

予想通り3時間で首都モンロビアに帰ってきました。
時刻はお昼の1時過ぎ。
出国は明日の深夜1時ということでリベリアでの残された時間は約12時間です。
さすがにまだ空港に向かうのは早いのでモンロビアでのんびりしたいと思うのですが、それにしても首都の一番混み合うエリアで降ろされまして。
少し散策してみようと思って歩いていたらいつの間にか活気ある市場のド真ん中に迷い込んでしまい。
写真を撮るのも気をつけた方がいい混み具合なので、お決まりの高い所を見つけて上ってみたら

ジャン!
ものすごい人の数にビックリ!!
レッドライトジャンクション』という主要な2つの道路がぶつかる交差点に広がった市場。
モンロビアの隠れた絶景スポットを発見です。

カフェ『THE HUB』

ただこんなところで時間を潰すのは無理なのでバイクに乗って移動します。
やって来たのは先日モンロビアを巡った際にチェックしておいたオシャレなカフェ『THE HUB』。
前回はお値段が高くて断念しましたが、今日は最後なので自分へのご褒美です。

ほどよく効いたエアコンにフカフカのソファーで居心地はバツグン!
さらにWi-Fiも使えるという三拍子揃った完璧なカフェです。
今日も相変わらず暑くて汗をかいているので本当はシャワーを浴びてスッキリしたいところですが、冷たい飲み物で気持ちを上げるのも悪くありません。
出てきたのはミルクシェイクのようなカフェモカ。
一杯7USドルとスタバ越えのお値段ですが、今は気にしません。
疲れたカラダに甘さが沁みてくこの瞬間のなんたる幸せなことか。

カフェでブログなどを書いているといつの間にか夕方5時に。
そろそろ出国に向けて気持ちをシフトしていかないとなぁと思いながら窓の外を眺めると・・・雨が降ってる〜!
一時はあんなに晴れていたのに急に天気が変わるのが雨季というもの。
ただ不吉の前兆のようにも思える雨でして。
リベリアの空港では賄賂要求があるということを知ってからずっと出国の心配をしている自分がいます。
まぁこちらには一切非はないので払わなければいいというだけの話なんですが、それでも身構えてしまう空港での賄賂のイザコザ。
出国に集中したいのに横槍を思いっきり入れられると本当に調子が狂うんです。
なのでできる限りスムーズに終わればいいなぁと願うも、賄賂を求められるのは確実なのでドンと構えていきたいと思います。

時刻は夜7時になりました。
カフェで十分休ませていただいたところでいよいよ出発です。
荷物の調整は完了!
(バックパックを軽くして機内持ち込みできるようにします)
出国に備えて心の準備も整いました。
雨も収まったのでバイクを捕まえていざ空港へ!

国際空港へのアクセス方法

・・・アフリカの雨季を侮(あなど)っていた私です。
バイクで走り出してしばらくすると少しずつ顔に当たるようになってきた雨粒。
気がつくと顔面はビショビショで、何度も手で拭(ぬぐ)わないといけないぐらいになっていまして。
はい、もう小雨という表現では不適切なしっかりした雨が降り出したんです。
さっきまでカフェでくつろいでいたはずなのに、気付いたら全身ずぶ濡れ!
しかもわかっていましたが空港までの道は悪路。
水溜りを通るたびに足元にバッシャーンと豪快に水がかかりまして・・・
まさに天国から地獄です。

途中で降りて車に乗り換えることも考えましたが、空港まで破格の5USドルで行ってくれると言ったバイクのお兄さんが頑張って運転してくれる背中を見ているとその思いを無碍(むげ)にすることもできず。
ひたすら雨と揺れに耐え忍ぶ空港までの50km。
雨のバイクは怖さもあり、とにかく無事に到着してくれることを願うばかりで。
反面教師として書いておきます。
首都モンロビアの中心地から国際空港へ向かう際は車かトゥクトゥクをご利用ください。

「一体いつになったら着くんだ・・・」

ココロが折れかかったその時。
遠くに眩(まぶ)しく輝く空港の姿が見えたんです。

永遠に終わらないかと思ったバイク移動。
時計を確認してまさかの1時間半も雨の中を走っていたことを知り衝撃を受けました。
本当によく乗り切った〜。
ここまで連れてきてくれたドライバーさんにも感謝しかありません。
思い返せば入国後もかなり大変だったリベリア。
最初と最後に強烈すぎるドラマを残してくれました。

面白いもので空港に着いた途端に雨がやむんですよね。
なんとも不思議な現象です。
空港に着いて一番に着替えをするという長いことアフリカを旅していますが初めての経験をまたしまして。
そして過酷すぎる移動を経て空港に辿り着いた今の私は完全にハイな状態!
今なら何があっても大丈夫な気がします。
意を決して空港内へ!!

リベリア出国

結論から言います。
賄賂要求はありました。
が、めっっっちゃカワイイレベルです。
その言葉のセンスがやはりアメリカナイズドされているのが面白いリベリア。

「You need to find some coffee.」
(コーヒーを奢るべきだよ)

あまりにステキな表現なので一瞬それがお金を求めている意味だとはわからずポカンとしてしまいました。
その上しつこくネチネチ言ってくるようなこともないのでサラッと流せば終了。
4人ほどに声をかけられましたが、全くイライラしませんでした。
ビビりすぎて損したなぁとも思いましたが、それも全てはこれまでの数々の空港警察との死闘があったからこその感覚です。
ちなみに歴代最強の相手はギニアのグベシア国際空港になります。

ということで非常にスムーズに出国手続きが完了。
念には念をでフライトの4時間前に空港に来たので、あとはひたすら待ちまして。
日付が変わって深夜1時。
飛行機に乗り込んでこれにてリベリアの旅が幕を閉じました。
最後はとんでもない展開になりましたが、これもまた忘れられない思い出の1ページです。
さぁ、ここからはアフリカ42ヶ国目に向かって動いていきます。
まず向かうのはガーナ。
機内ではしっかり寝て、雨で冷えて疲れたカラダを休めたいと思います。

さよならリベリア〜!!

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