モーリタニアを旅する② 首都から砂漠500kmバス移動で「ヌアディブ」へ 〜アフリカ旅の注意点とテクニック〜

2019年5月3日、天気晴れ。

モーリタニアの歩き方

モーリタニアは国の形が特徴的で、右上が三角定規のようにとがってます。国の面積の90%がサハラ砂漠でしめるモーリタニア。首都ヌアクショットは西の海岸沿いに位置しています(①)。今日はここからモーリタニアの旅がスタートです。

アフリカ旅の注意点とテクニック

その前にまずは昨日あったトラブルのことを書きます。自分の経験をもとに、これから海外を旅する際にみなさんにも気をつけてほしいことなのでしっかりと書いておきます。

街中の写真撮影をする際の注意点

いつものようにiPhoneで写真をとりながら昨日も街を散策していました。ヌアクショットの街の様子が伝わればいいなと思い、いろいろ気になるものをとっていたわけです。すると急に声をかけられました。相手は交通整備をしている警察のような人。とりあえず話を聞いてみると、どうやら写真を見せろとのことでした。ということでiPhoneを渡すとお兄さんの表情が険しくなり、明らかに注意をされました。フランス語なので内容は正確にはわからなかったのですが、写真に自分が写り込んでいることが問題だったようです。もちろん私としては警察の彼を撮影(さつえい)したわけではなく、風景写真に小さくお兄さんが写っていたという感じなんです。しかし、彼の様子を見るとこれはマズイという雰囲気(ふんいき)で。そしてなんとそのまま警察の人たちの休けい場所まで連れていかれました。もうこうなったら謝るしかないので「アイムソーリー」を繰り返しました。が、ようやく英語が少し話せる方がやって来て事情を説明してもらうと、なんとこの写真撮影は逮捕される行為(こうい)だというのです。…マジか。この時は正直お先真っ暗。とんでもないことをしてしまったと思いました。その後も「なぜ写真を撮ったんだ?」「この写真を何に使うんだ?」などいろいろと質問をされ、その都度(つど)ていねいに答えて謝りますが、警察の方のなんとも言えない固い表情が続きます。しばらくするとまわりにはたくさんの警察の方が集まり、私一人完全に囲まれる状態になり…。もう本当にすみませんでした!

その後、徐々(じょじょ)に和やかな雰囲気になり、最後は以後気をつけること!という教えをいただいて解放してもらいました。いやー、本当に焦り(あせり)ました。ラストは笑顔と固い握手(あくしゅ)でお別れできてよかった。「気をつけろよ~」と見送ってくれた警察のみなさん。

そこからは街を歩いていると、逆にすごく警察の方々に目がいくようになり。撮影した写真はその国の情報であり、撮る側としてその内容にはしっかり気をつけなくてはいけないという大事なことを学びました。この経験をプラスに変えていきます!

ちなみに、警察の方々が私のiPhoneの写真をスクロールして見ていて一番興味をもっていたのは昨日行ったレストランTOP FRESHの写真でした。「ここは最高だ!」と話が盛り上がり、そのおかげで彼らの警戒心を解くことができたことは間違いありません。またまたここを紹介してくれたホテルのお姉さんに感謝するのでした。

ということで旅をする上で大事なことを学んだ昨日。せっかくなので旅する際の私の技を他にもいくつか紹介しようと思います。

洗濯をするタイミング

これはちゃんと考えないと旅の計画に支障が出るのでとても大切なポイントになります。旅する上でも衣食住は常に必要不可欠!食と住はお金を払えば旅先でも問題なく確保できますが「衣」だけは自分でなんとかしなければなりません。持ってきた衣類を洗濯(せんたく)しながら旅をすすめていきます。で、当然ですが、洗濯をするということは、洗う時間と乾かす時間が必要になります。そして時間がかかるのが乾かす方。特に熱帯地域を旅する際は要注意です。なので、この日この宿にこの時間に着くのならそこで洗濯ができる!というように考えて旅をすすめていきます。ちなみに、私が今回の旅に持ってきている衣類はTシャツ3枚、下着5枚、ズボン3枚。これをうまくローテーションさせています。そしてアフリカ旅の洗濯は基本手洗い!日本の小学校6年生の家庭科で学ぶ洗濯は海外を旅したいと思っているみなさんはしっかりと覚えておくべき知識の一つです。

お金を下ろすタイミング

もう一つ旅をする上で絶対に必要な「お金」。特にクレジットカードが使えないような地方に行く際は、事前に現金を用意しておかないといけない場合があります。ただ、大金を持ち歩くのは何かあった時に危険なので避けたいところ。なので「この先お金をおろすタイミングがなさそうだから、今ココで!」というようにこちらも計画的に考えて行動することが大切です。特に旅行者がなかなかいかない小さな町や村などを訪れる際にはマスト!写真はモーリタニアの通貨『ウギア』の紙幣(しへい)です。

米ドルは使わずにキープ

そしてお金に関するもう一つ大事なこと。海外旅行の必需品(ひつじゅひん)の一つである米ドル。私は今回日本からアメリカドル(USドル)を5万円分くらい持ってきていますが、これはできるだけ使わずにとっておくのがベストです。USドルはビザを申請する際に必要になります。また、何かあった時に助けてくれるお金にもなるので、お守りとして持っておきましょう。

さっそく今日はこれから地方へ移動するので、今朝は銀行に行ってお金をおろしてきました。2泊したホテルAUBERGE SAMIRAAの宿泊費用も現金で支払います。6600円ということで少しお高めですが、観光客の数が少ないモーリタニアではこれでも安い方です。Wi-Fiは調子の波がありましたが、2階のテラスがすごく居心地のいいホテルでした。さらに宿の犬がとてもかわいい!さぁこれで移動の準備は全て完了。いよいよヌアクショットから北へと向かいます。

モーリタニアのバス移動

まずはヌアクショットから地方へと向かう乗り合いバス乗り場に到着。するとタクシーから降りる私を必死で確保しようとする各バス会社のお兄さんたち。これが慣れるまではまぁ怖いです。えっ!?何!?けんか!?どうすればいいの!?となってしまいます。一番信頼できそうな方を一人決めたらもうその人を信じて全て任せるというのが私のオススメの方法です。ちなみにヌアクショットのバス乗り場にはしっかりとした会社のオフィスが方面別に分かれて建っているので安心感が◎。さらに窓口の方の対応もとってもていねい!ただここで一つ驚かされる事態が発生。目的の「ヌアディブ」までの料金をたずねると

「シックスサウザンドウギアです!」

6000ウギア。ウギアは日本円に換算(かんさん)する時は3倍だから…18000円!?ウソだろ高すぎでしょ!?宿の人に聞いた時は500ぐらいだと言ってたけど…北に500kmも移動するから仕方ないのか?と思い、先ほどおろした500ウギア札をとりあえず試しに6枚出してみると…

「ちょっと何やってんの!!6000よ、6000!多すぎでしょ!!」

…多すぎ!?いやまだ3000しか出してませんが??…はい、ココでピンときました!窓口のお姉さんが言う『6000』というのは『600ウギア』のことだったんです。信じられませんが。だって領収書にも6000とハッキリ書いてあります。が、これは600を意味してたんです。不思議すぎる。そして、さらには昨日のターバン巻いてくれたあのお店!布の値段を聞いたら2000だというから、そんなに高いのは買えないよ〜と断念しましたが、あれもつまり200ウギアだったんだなと思ったら…安いじゃないか!いやー、ビビりました。ただ嬉しかったのは大金を払う私を見て笑ってくれるまわりのみなさんのやさしさでした。

こんな風に書くと失礼かもしれませんが、お金を多く払いすぎている私をダマすことだってできたと思うんです。今日初めて街中で乗ったボロボロのタクシーでも20ウギアのところを100ウギア札で支払った自分。ハウマッチ?と聞いてもフランス語なのでわからず、とりあえず多めに渡しました。そしたらちゃーんとおつりをくれるドライバーのおじさん。メルシー(フランス語で「ありがとう」)!

さらにバス移動の前に何か食べようと思い、そばにいたフランスパン売りの青年に1本ちょうだい!と言い、また値段を聞いてもわからないので財布からいろいろコインを出して見せたんです。すると彼の方から「このコインだよ!」と正しいコインを見せてくれるんです。10ウギアでした。メルシー。

先入観って本当に怖いなと感じました。事前に調べた情報によりモーリタニアに対する不安を勝手にふくらませていた自分。しかし、これまでヌアクショットで出会ってきた人たちは会う人みんなが親切で。実際に自分の目で見てその国を感じることの大切さを痛感。もっともっとアフリカを知りたい!と強く思うのでした。さぁ、北に向けて出発です!

車窓からの眺めがスライドショーのように色々と変わっていった山の国モロッコでしたが、ここモーリタニアのドライブは逆に全く景色が変わりません。進んでも進んでもずーっとサハラ砂漠!砂漠の中に舗装(ほそう)された一本道をまっすぐ進んでいきます。これもこれでまた面白いドライブです。

それにしてもドライバーさんも乗客のみなさんも一人異質な日本人の私にここでもすごくやさしくしてくれます。ガムをくれたり、お昼休けいではコレを買え!と美味しい揚げ肉まん的なやつをオススメしてくれたり。出発の時間になると手まねきで行くぞ!と教えてくれて。砂漠のド真ん中で日差しも刺すように熱いのですが、それ以上に温かい気持ちにさせられます。

バスは非常にゆっくり進みました。安全運転ですかね。道路の状態はすごくいいのですが、砂漠の運転なのできっと何かルールがあるのかもしれません。そして道の途中では何回か警察の検問があり、乗客全員の身分証のチェックが行われました。私はパスポートを出すのですが、停まるたびに確認があり、やはり安全対策がとても厳しいことを改めて感じました。まぁパスポートを見せれば特に問題なく終わるのでご安心を。中には表紙を見ただけで「ジャポーン!」と喜んでくれる方もいて、確認もせずにオッケーになるなんてこともありました。やはり日本のパスポートはすごいです。

いやー、それにしても長い。チュニジアやモロッコのバス移動が良すぎたせいで、今日は乗っていてイスが固くてつらいなーと感じてしまいました。まぁあと何回か同じようなバスに乗れば慣れることでしょう。それにしても本当に砂漠しかない景色が続きます。

イスラム教について

ここで少しイスラム教に関するお話を。宗教に関して深く理解しているわけではないので、細かいことを聞かれると困りますが、私が知っている範囲(はんい)で書きます。日本では「八百万(やおよろず)の神々」なんて言葉がもののけ姫とかでも出てきますが、イスラム教の神は一つ!「アッラー」と呼ばれる神で、そのアッラーの教えである「コーラン(クルアーン)」の教えを信じて従っています。イスラム教の国では朝や夕方になると街中のスピーカーからこのコーランが流れます。私には宗教が身近なものという感覚はあまりありませんが、アフリカ北部のイスラム教の国を旅していると、宗教というものについてとても考えさせられます。コーランの教えの中には

  • 毎日お祈りをすること(1日5回が基本)
  • お酒は禁止
  • 女性は顔と手以外をかくす

などがあります。この他にもいろいろとあるのですが、目立ったところでこの3つを挙げました。

今日は結局ヌアクショットを出発して目的地に着いたのは8時間後。一日のほとんどをバスで過ごしましたが、休憩時間になると、大地に膝(ひざ)をつき、砂で体を清め、お祈りをする方たちの姿がありました。旅の途中であろうがしっかりとお祈りをする。これがイスラム教の人々にとっての日常です。日本でも一年の始めの初詣や受験前の必勝祈願などで神頼みをすることがありますよね。食事前の「いただきます」もある意味宗教なんじゃないかなと。信じるということが自分たちが生きていく上での支えやチカラになっているような気がします。不思議ですね。

ちなみにお酒禁止のイスラム教。特に正式名称が「モーリタニア・イスラム共和国」のこの国は他の国よりもイスラム教の教えに遵守(じゅんしゅ)する姿勢が強いです。そのためどこのお店に行ってもお酒が見つかりません。なので商店に並ぶのも全てノンアルコールビール。イスラム教でもノンアルコールならオッケーのようです。

ということで8時間かけておよそ500kmの道のりを北上してたどり着いたのが②ヌアディブの街です。ちょこっと突き出た半島の先につくられたこの街。一体どんな街なのか!明日はこのヌアディブを歩き回りたいと思います。

3 件のコメント

  • 最高ですね!早速フォローして、全部一気読みしました笑 何より自分も刺激うけます!自分、今年度から院生なので、ヒデに負けないように自分の場所で成長できるように努力します!!さみしくなる時もあるかもしれないけど、いつでも応援してるぞー!!

    • 会長、ありがとうございます!
      本当に自分を突き動かすのは自分ではなく、自分の周りにいる全ての人なんだなと常日頃感じる今日この頃。会長の行動も確実にまわりに刺激与えてますよ〜^_^自分ももらってます。
      お互い刺激し合える仲でいましょ!

  • モーリタニアは2018年1月に新しい貨幣に変更されています。それに従い「0」が少なくなりました。1000 uguiya →100 uguiya 。
    最初の1年間位は以前のままで呼んでいましたが、最近では、落ち着き、新しい単位で呼ぶようになりました。でも、以前の単位が抜けきらない人もまだ、いるんですね。
    旧紙幣は触りたくないほどでしたから、美しい新札になって良かったです。

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