2021年5月26日、天気曇りのち晴れ。
ナミビアを旅する
①首都ウィントフックから3日かけて1000kmの道のりを南へと進んでやって来たナミビアの秘境④オラニエムント。地図を見ながらいつか行きたいとずっと思っていたナミビア最南西端の町に今自分がいると思うとなんだかすごく不思議な気持ちになります。今日はこの町を1日かけて巡ります!
④オラニエムント
オランニエムンドは、ナミビアの南西端にあるカラス地方の南アフリカとの国境にあるオレンジ川河口の北岸に位置する、人口4,000人のダイヤモンド鉱山の町です。
【Wikipedia英文翻訳より】
この町は思っていた以上に小さく、町の一番端から端まで歩いても30分ほどの距離なんです。なので今日はゆっくり歩こうと思いながらまずは朝食を買うために町の中心にあるスーパーへ向かいます。
ちなみに町のすぐそこに大西洋が広がるこの町は海沿い特有の涼しさがあり、天気も昨日までとは違いやや曇った感じです。これはナミビアの海沿いの街あるある!ナミビアの有名観光地である「スワコプムント」という場所も基本曇っていることが多く、さらに他の街が暑い時季でも過ごしやすい気温(もしくは寒い!)というのが特徴なのでちょっとした避暑地になっています。
ツーリストセンター
ということでスーパーで買ったヨーグルトを飲んでエネルギーをバッチリチャージ!さぁ歩きまくるぞ~!!と思っていたらスーパーの目の前にツーリストセンター(観光案内所)を発見。…私も立派な旅行者(ツーリスト)。せっかくなのでとりあえず中に入ってみると受付のお姉さんが非常に温かく歓迎(かんげい)してくれました。ずっと来たかったオラニエムントに来れた喜びを伝えながら「今日は一日歩いてこの町を回るよ!」と私が必ず行きたい場所も伝えるとお姉さんが一言。
「歩いてそこまで行くのは無理ですよ。」
あら!小さな町だと思っていたオラニエムンドですが、目的の場所はかなり遠いとのこと。たしかにあとで調べたら町の中心から11kmも離れている所だったのでそりゃ歩いて往復は厳しいはずです。なのでタクシーを借りて行く方法が一つ。そしてもう一つの方法というのが
「電動自転車で行くこともできるよ!」
レンタル電動自転車
ツーリストセンターで1時間50ナミビアドルで貸し出しをしている電動自転車。全く予想していなかった提案だったの驚きましたが、もちろん私の返事は「電動自転車貸してください!」しかありませんでした。まさかのオラニエムントでレンタル自転車!これは一気に面白いことになってきました!!
とりあえず2時間分の料金とデポジットとして200ナミビアドルを払い、本日の相棒をレンタル。しっかりヘルメットもかぶっていざ出発です!
アフリカ旅で自転車に乗るのはギニアビサウ、セーシェルに続いてこれがおそらく3度目。そして電動自転車に乗るのはこれが人生初!!軽くこいだだけなのにものすごいスピードが出ることに興奮(こうふん)しながらまずはオラニエムントの町をグルッと一周します。
とにかくこの町の第一印象は緑が豊か!来る前は閑散(かんさん)とした荒野のような町をイメージしていましたが、実際に目の前に広がるのは私の想像とは全く違う景色です。
この町はナミビア西部に広がる砂漠である「ナミブ砂漠」の中に位置します。この砂漠の中につくられた町がこのオラニエムントなわけですが、なぜこんな所に町をつくったか。
ダイヤモンドの町
実はこのオラニエムント周辺にはダイヤモンドを産出する鉱山があり、その採掘の拠点としてこの町はつくられました。なんと町の建物、学校に教会、スーパーに病院までその全てがナミビアが誇るダイヤモンド会社である『NAMDEB』の所有物というオラニエムント。
今回私がお世話になっている宿もNAMDEBが経営をしています。どの建物にもこの看板!
「つくられた町」と聞くとなんだか不思議な気もしますが、ナミビアの主要産業の一つであるダイヤモンドはこの町があるからこそ産出できるわけです。
そんなこの町のキャッチコピーは
“Our town is a nature conversation area.”
自然保護の町
砂漠の中に町を作る中で自然保護にも力を入れているオラニエムント。昨日声をかけてくれたカラフルなニット帽のお兄さんは町役場で働き、この町の緑の手入れしているとのことでした。
町のあちこちにある公園の芝生に道路脇の木々。人工的に植えられたであろうヤシの木も全てがものすごく手入れをされていて美しいんです。スプリンクラーも朝からずっと動いています。…まわりは砂漠なのになぜそんなに水がある??この答えはDAY197.5でお伝えしますのでもう少しお待ち下さい。
オリックス
そしてこの豊かな緑。オラニエムントの町が大切にしている自然は、実はこの町で生活している人々の心のオアシスであると同時に、この町のまわりに広がるナミブ砂漠に生息している野生動物の本当の意味での『オアシス』にもなっているんです!!
昨日この町の来ていきなり目に飛び込んできた衝撃(しょうげき)の光景。あのオリックスが町の中にいる!!ウソでしょ!?
オリックス(Oryx gazella)は、ウシ科オリックス属に分類される偶蹄類。別名ゲムズボック、ケープオリックス。
【Wikipediaより】
ナミビアの象徴的な動物の一つであるオリックス。国立公園などのサファリでその姿を見ることはこれまで何度もありましたが、町中で見かけるのはこれが初めて!それもそのはずで、基本的に人間を恐れているであろう野生動物が彼らの方から町中に出てくるなんてことはまずないんです。それがこの町ではまさかの町中にオリックス。
さらに夜になると警戒心の強いダチョウやジャッカルなども現れるというオラニエムント。この町では動物を大切にするというルールがあり、彼らに危害を加えることは決してないそうです。自分たちが手入れをしている芝生が食べられてもOK!むしろ動物たちのために今日も緑の手入れをしているのかもしれません。
「こんなナミビア見たことない。」
昨日あたりから何度もこの言葉を口にしています。2年間ナミビアで生活し、誰よりもたくさんの街を回ったと自負していた私は心のどこかで「ナミビアのことは全て知っている」なんて思っていた節があります。が、大きな間違いでした。まだまだ知らないナミビアがある。この旅は自分の知っている世界の狭さ(せまさ)を改めて認識する良い機会になりそうです。知らない世界をもっと見たい!もっと知りたい!!旅へのさらなる意欲が沸々(ふつふつ)と湧いてきます。
さぁ、ここまではオラニエムントの町の中の様子を見てきましたが、今日わざわざ自転車を借りたのはこの町の外へと出かけるためです!いざ、美しい緑の木々が両脇に並ぶ町の入り口を抜けて”外の世界”へと自転車をこぎ出します!!
DAY197.5へ続く
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