チュニジアを旅する⑥ 第2の都市「スファックス」〜食文化と地中海リゾート観光地〜

2019年4月22日、天気くもり。

チュニジアの歩き方

昨日(きのう)からとにかく風が強いチュニジア。夜間に寝て(ねて)いるときも外で風がビュンビュンと音を立てて吹いています。そして今朝になっても風が強かったので、長ズボンにパーカーでホテルを出ましたの。しかしこれが失敗でした。暑い!風は強くても暑い!!まぁ暑いのは嫌いではないのでいいのですが、今後の朝の服装(ふくそう)選びは慎重(しんちょう)にいこうと思います。

1泊お世話になったHOTEL Echourouk。スファックスの中心地からは少し離れますが、とても親切なフランス語を話すオーナーのいるホテルです。お値段は20USドル(約2200円)と少し高め(個人的に)ですが、大きな都市になるとこのくらいは相場のようです。

ちなみに昨夜チェックインをする際、Wi-Fiのパスワードを教えてほしいと伝えると渋い顔をしたオーナー。ん?使えないのかな??と思ったらどうやら私に割り当てる予定だった部屋は電波が弱く使えないとのことだったんです。するとなんと同じ値段ですごい豪華(ごうか)な部屋に変えてくれちゃいました!久々のダブルベッド!!まぁその部屋も結局電波は弱かったのですが、とても粋(いき)な計らいにメルシーでした。

パスポートの携帯の仕方

さぁ、自分が明らかに少しずつアフリカでの久しぶりの一人旅に順応してきていることを感じる日本を出発してから8日目。もちろん警戒(けいかい)は常に怠り(おこたり)ません。青年海外協力隊時代に鍛えた(きたえた)危険回避(かいひ)能力を駆使(くし)しています。例えばパスポート!これは先日も書きましたが、海外にいる人にとって命の次に大切なものです。以前は首からぶら下げるポーチに入れ、見えないように携帯(けいたい)していましたが、今回はこちら!ランニングをする際にいろいろと小物を入れて腰に巻くことができるベルトを使っています。まぁ汗で多少湿る(しめる)という難点はありますが、「見えない」!これが個人的にありだなと思い採用しました。それ以外にも警戒術はありますが、とりあえず一つだけご紹介でした。

アフリカに慣れてきたということで、少し暗くなってからどうしてもお腹が空いたので、以前食べたラップサンド(アラビア語で「ミレウイ」と言うそうで、今度のは激辛でした)のお店まで夜の散歩をしたり、日中にタクシーをつかまえて中心街まで!なんて伝えて移動したりすることもできるようになってきました。あと、アラビア語の値段もなんとなくわかるように!もちろん相手も親切に指やジェスチャーで伝えてくれることもあるのですが、たぶんこの値段だろうと思ってお金を払い相手がうなずいてくれる瞬間(しゅんかん)には心の中で「やったー!」とバンザイしています。ミレウイの後ろに写るのは旅では欠かすことのできない水です。1.5Lで30円しません!ちなみに、果物ジュース類も1L80円ほどで売っています。物価の違いを調べるのも旅の楽しみの一つです。

今日はまず、昨日到着した「スファックス」の街をゆっくり散歩をすることにしました。

スファックス

スファックスは、チュニジアの首都チュニスの南約240kmに位置する港町であり、スファックス県の県都である。ガベス湾地中海に面する商業都市で、人口はおよそ34万人(2005年)であり、チュニジア第二の都市である。【Wikipediaより】

首都チュニスほどではありませんが、ここも人が多いです。この街はそこまで観光客が多くなく、地元の人たちで賑わって(にぎわって)いる様子でした。

ここにもメディナ(旧市街地)!今日が月曜だからか、朝早くの時間だったからかはわかりませんが、人通りが少なくて歩きやすかったです。

ここが第2の都市ですよ!という気品が溢れるスファックスの街です。

そしてそこにちゃんと暮らしを感じる景色もあるのがとっでステキなスファックス。野菜やパンは生活必需品のようで、たくさんの人が買いにきていました。

ちょっと小腹が空いたのでパン屋でマフィンを一つ買うことに。甘すぎずふんわりとしたマフィン。これがなんと0.5ディナール(約20円)!街歩きも楽しくなります。

ではここで、これまで1週間チュニジアを旅して気付いたこの国のコトをいくつか紹介します。

カフェ文化

とにかく街中にたくさんカフェがあるチュニジア。どの街にも雰囲気の良いカフェがあります。そしてカフェでコーヒーを飲んでくつろぐのはほとんどが男性です。お昼前の10時とかからコーヒーを飲んでる彼らが普段(ふだん)何をしている人なのかは非常に気になるところ!

オレンジ

そして街を歩いていると目立つのがオレンジを売っている果物屋さんが多いこと。これはあとから勉強して知ったことですが、チュニジアは国土の右半分が海に面しています(先ほどの地図を見てください)。アフリカ大陸とヨーロッパ大陸の間に広がる地中海です。この地中海付近の気候(地中海性気候)は柑橘(かんきつ)系の果物の栽培に適しています。イタリアのレモンが有名ですね!ここチュニジアはオレンジの栽培が盛んなんです。

そのためなんとカフェではカプチーノといっしょにオレンジジュースを飲む人の姿が!これはチュニジアでは定番のスタイルのようです。

いたるところに赤字に白で抜かれた星と月のマークが印象的なチュニジアの国旗がはためくのもこの国のよくある景色です。

そして鉄道に乗れば車窓から見えるのはオリーブの木!オリーブ好きの私にはたまらない絶景です。このオリーブも地中海の気候でよく育つ植物!だから生産量が世界3位!!地理がわかると旅はますます面白くなります。

こちらの北アフリカの気候に関してYouTubeで授業をしましたので、是非こちらもチェックしてみて下さい。

再び「スース」へ

ということで午前中のスファックス散歩を終えて、さぁ次はどこに行こうかなと考えながら駅にやってくると、なんと次の列車の出発3分前!こんなキセキがあるのでしょうか!?と喜ぶ間も無く、もうチュニジア鉄道のシステムにすっかり慣れた感じで切符を買い、あれだ!乗れ乗れ!と急かされながら列車に飛び乗ること1分後には汽笛が。これをラッキーと言います。今日は先日滞在した『スース』へ戻り(もどり)たいと思います。運賃は7ディナール(約270円)でした。

鉄道の旅は本当にゆったり優雅(ゆうが)な時間が流れます。座り心地もいいし、暑くも寒くもなく。静かに列車が進む音だけが流れ、車窓には雄大(ゆうだい)な大地の景色が広がります。いつもの警戒心も少し緩み(ゆるみ)、リラックスができる時間です。…おっ、停車したね。今はどこの駅かな??…スースが近いけど…あれ?なんか方向が違う気もするけど…。まぁそのうち切り返してスースに行くのだろう…。と思いながらそのまま列車は出発したんです。そして少ししたら車掌(しょしょう)さんが来て

「目的地はどこですか?」

とたずねてきているようだったので「スース!」と答えると、あちゃー的な顔をしてるんです。で、そこにいた英語を話せるお母さんが説明してくれました。

「さっきの駅で降りないといけなかったんだよ。次の駅で降りて戻るしかないね。」

マジかー!

「ナブール」へ

で、ここで絶望するのが一般的かと思うのですが、私は全くしません。むしろ、乗り過ごしたおかげで全く知らない町に行ける!というワクワクしかありませんでした。そして案の定、降りた駅は静かな感じの田舎町。もうこの時『スースにもどる』という選択肢(せんたくし)はすっかり消えています。さぁさぁ、まずは今日泊まる宿を探そう!ということで、いつも使っているホテル予約サイトBooking.comで着いた駅周辺の一番安いホテルを探します。ちなみに、私は基本的に宿はその日に決めます。以前は予約さえもせずその町をフラフラしながら見つけていたのですが、チュニジア初日の出来事を機に、とりあえず予約はしておくことにしました。なので、今回のように目的地が変わっても全く問題ないのです!要は自分が行く所が常に目的地になるということ!で、調べて出てきたのが「ナブール」という町でした。しかし、その予約サイトのページの写真を見ると、何もない田舎町からは想像ができない海沿いのリゾートのような雰囲気(ふんいき)があったんです。これで1泊1000円もしないの?少しだけ不安はありましたが、とりあえずナブールに向かうことに。この名前も知らない駅はWi-Fiが使えたので非常に助かりました!

といっても本当に田舎の町なので果たしてここからどうやってナブールに行けばいいのか?と思いながらとりあえずルアージュ乗り場があったので聞いてみることに。人の全くいないルアージュ乗り場だったので、これは待つぞ…。と思っていたら、

「それだったらまずタクシーでとなりの駅まで行って、そこからルアージュかタクシーで行きな!それが君にとってベターだよ!」

なんとも親切な案内にシュクラン!そしてその通りに次の駅まで行くと、あれ?ここさっきの田舎町のとなりだよね!?と疑う(うたがう)レベルの地中海に面したプチリゾートの雰囲気が漂う街に到着しました。まさかのメディナの一部がレストラン化してますからね。

しかも一気に観光客らしい方が増えて、客を待つタクシーの黄色が色鮮やかで…。これはもしかしてすごいところに来たか?とこの時の私はここでもう満足していましたが、本当の驚きはこの先に!!

車はさらに進んでナブールに到着したのですが、この街が想像をはるかに超えてきたー!!ということでその街の様子はまた明日…にしたいところですがあまりに興奮(こうふん)していて早く言いたいので、一つだけ!今夜泊まるホテル。もう一度確認します。1泊30ディナール(約1100円)です。

それがこちら!…なんかの間違いでしょ!?と何度もつっこみたくなりますが、確かにチェックインしちゃいました。今夜はバーでピアノの生演奏(えんそう)を聞きながら久しぶりにビールを飲んでくつろぎたいと思います。

これをラッキーと言います。

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