モーリタニアを旅する①首都「ヌアクショット」〜衣食で感じるイスラム文化〜

2019年5月2日、天気晴れ。

モーリタニアの歩き方

モーリタニア・イスラム共和国、通称モーリタニアは、アフリカ北西部に位置する共和制国家。 北西にモロッコ(サハラ・アラブ民主共和国)、北東にアルジェリア、東と南にマリ、南西にセネガルと国境を接し、西は大西洋に面する。 大西洋沖の西にはカーボベルデが存在する。 首都はヌアクショットである。 2015年の人口は約406.8万人。【Wikipediaより】

もういろいろありすぎてお腹いっぱいで何から書くかを迷う本日。今だから言うと、昨日のモーリタニア入国直後ぐらいまでは”この国で過ごす一週間はもしかしたら何もできずに終わるかもしれない”と正直思っていました。事前にこの国について調べると、観光うんぬんよりもまず第一に治安面の情報が出てくるモーリタニア。どんな国なの?出歩けるの?砂漠だらけだよね??あまりにわからなすぎて心配がほとんどでした。が、今日この国を歩いてみて感じたこと。

『百聞は一見にしかず』

ホントこれです。このことわざの教えはこれまでも大切にしてきたつもりでしたが、一見の重要性を今日は本当に学びました。自分の目で実際に見た「モーリタニア」をご紹介したいと思います。

①ヌアクショット

ヌアクショットは、モーリタニアの首都。サハラ砂漠最大の都市である。大西洋岸に位置する。植民地時代のモーリタニアは、セネガルに首都をおくフランス領西アフリカの一部であった。このため植民地時代には、現在のモーリタニア領内に首都がおかれることはなかった。1957年に、それまではほとんど人口のなかった大西洋岸の漁港を選び、1万5千人を目標に人口を増やす計画が始まった。これは将来のモーリタニアの首都となるべく都市を準備するための計画であった。1958年にモーリタニアはフランス統治下の自治権をもつ地域となった。1960年11月28日にはヌアクショットでのモーリタニアの独立宣言がなされ、 1962年以降、独立したモーリタニアの首都となり現在に至る。【Wikipediaより】

空港からこのヌアクショットの街に来てまず感じたことは人と車の少なさでした。昨日なんとか見つかった宿の近くを散策していると思わず「ここ首都だよね??」と心配になってしまうまわりの様子にまずは驚き(おどろき)ました。が、それは最初だけ!どんどん街の中心に向かって歩いて行くと

ものすごいことになっていたー!!車は渋滞してるし通りには人がたーくさん。ただ、このヌアクショットを2日間歩いてわかったことは観光客がほとんどいないこと。

この街はモーリタニアの人々でにぎわっているんです。地元のお祭りのような活気があふれていました。

路地を一本入ると閑散(かんさん)とした風景も広がりますが、

メインの道路は歩ける状態ではなく、ものすごいことになっています。

これまで2ヶ国では見なかったマンゴーやブドウなどのフルーツが並ぶ果物屋さんを発見。国によって果物の種類も少しずつ変わっていくようです。

そして面白いのが”くつ”を売る人々。くつはまぁせいぜい一ヶ月に一足。…いや、そんなにも買わないと思うのですが、その滅多に売れないであろうくつを売る人がたーくさんいるんです。なのでくつがそこら中にキレイに並べてあるのがヌアクショットの風景。売れるのか心配ですが、商品をキレイに見せようという情熱をどの店からも感じました。

伝統衣装「メラファ」

では、くつからつながるモーリタニアのファッションの話。まだこのヌアクショットの街しか見ていないので言い切ることはできませんが、ここモーリタニアの人たちの服へのこだわりはなかなか興味深いものがあるなと感じています。これまでの2ヶ国と同様モーリタニアもイスラム教の国です。女性は肌(はだ)をできるだけ見せないように「ヒジャブ」という布で頭や体をおおいます。

このヒジャブ。モロッコだと私服を着た上から頭だけ布をかぶるというスタイルが多かったのですが、モーリタニアだと大きな一枚の布で全身をおおうのが主流の様子。この一枚布をメラファと呼ぶそうです。全身が統一された同じ布のセットアップコーディネート!

伝統衣装「ダラー」

そして女性だけではなく男性も!いや、むしろ男性のファッションへの情熱の方がすごいかもしれません。街を歩くと見かけるのは男性のワイシャツやくつをあつかうお店!しかも同じようなお店が横にダーっと何軒も続いているんです。…こちらもそんなに買うのか?となりますが、熱い想いを感じました。さらに、そのお店でいっしょに売られているのが

モーリタニアの男性の伝統衣装ブーブー(ダラー)です。普段着の上から羽織るこの服。道行く男性のほとんどはこのブーブーを着ています。伝統衣装が日常の普段着になっているという国は初めてなのでとても興味深いです!自国の文化への誇りを感じるモーリタニアの『衣』。

ちなみにブーブーは水色と白色があり、水色が人気のようです。大きめのポケットが胸のところについていてとっても便利。さらに非常に軽いので羽織っていても身軽で違和感がありません。…やけに詳しい(くわしい)なと。実は、ブーブーを着させていただきました!

フラーっと寄った布屋さんで男性が顔に巻くターバンのことを話していると、実際に巻いて見せてくれたお兄さん。このターバンもヌアクショットの男性のマストなアイテム。砂漠地帯で風も強いモーリタニアでは日よけと砂よけが大事だそうです。たしかに今日一日外を歩いていたら髪の毛が砂でバッサバサになりました。そしてお兄さんと話をしていると私にも巻くぞー!的な流れになりまして。

それはありがたいぞということでさっそくやっていただいているとその時でした。まわりで見ていた人たちが何か文句(もんく)を言っているんです。…これはマズイかもしれない。モーリタニアの伝統ある衣装をアジア人の私が着てはまずかったか…。一人の男性が近づいてきて、私が巻いてたターバンを外して…。

「こんなんじゃダメだ!!」

なんと一からしっかり巻き直してくれたんです。よかった〜!!本当にホッとしました。そこからは何もできずにターバンを巻いてもらう私を地元の人たちが大勢で囲むというすごいシチュエーション。そして完成したらそこから写真撮影大会スタート!こんなことになるとは全く思っていなかったので驚きと喜びで大興奮(だいこうふん)でした。

「ターバンを巻いたんだからこれも着るんだ!」

一人の兄さんが自分が着ていたブーブーをわざわざ脱いで私に着させてくれたんです。これで全身モーリタニアの男性ファッション!チャンスがあったら着てみたいなぁと思っていたのが実現しちゃいました。そのあとも写真を撮って撮られて。とっても楽しい時間になりました。メルシー!(ちなみにこの国は完全フランス語の国です。ターバンのお兄さんとの会話やブーブーを着させてもらうやり取りも全てフランス語。言葉の壁を感じることもありますが、想いはその壁を超えます。)

まだまだ紹介したい街の様子。ヌアクショットの道ばたでよく売られているのがこの小さなあげドーナツ。フワッとしたやつと、カタめのやつ、それと中にツナが入っているやつの3種類があります。揚(あ)げたてなのでまぁ美味しい!そしてこちらなんと1個1ウギア、日本円で3円です!まさかこんな安いと思っていなかったので20ウギアを渡し(わたし)て、人さし指を立てながら「ワン、ワン、ワン」と一個ずつほしいことを伝えると、袋(ふくろ)に3種類を組み合わせて合計20個入れてくれちゃいました。こういう時は言葉が通じないことの不便さを感じますが、それでも美味しくて全部食べちゃったので結果オーライです!

ヌアクショットの街を歩いているといろんなことに気付かされます。さっそくここまででわかったモーリタニアのいろいろをちょっとまとめておきます。

  • とにかく砂漠地帯ならではのスナスナ感
  • アラブ人と黒人がいっしょに生活している
  • チュニジアモロッコと違い電車は走っていない

  • 移動や荷物運びにロバを使用する

  • 建設途中の建物、使われていない建物が多い
  • お金をちょうだいという子どもが目立つ

  • フランスパンがもちもちで美味しい(国によってもフランスパンに違いがあることにビックリ!ちなみに彼はヨロさん。フランス語よりも英語が得意ということでいろいろ教えてもらいました。)

そしてこの街で特に目立ったのが『車』です。この車はいったい何年前のものかな??と思うような車がまだまだ現役で走っているんです。たとえるならバックトゥーザ・フューチャーのデロリアン!タクシーもかなり年季が入っているものばかり。この車の様子はこれまでの2ヶ国とは大きく異なる点です。

さぁ最後はハッピーな出来事を2つ書いておしまいにします。一つ目。お昼が美味しかった〜!!

レストラン「TOP FRESH」

昨日お世話になったホテルの受付のお姉さんに、美味しいお店を紹介してほしい!と伝えたら教えてくれたのがここTOP FRESHです。やっとの思いで探して入ったのですが、残念なことが。実はあるものを食べたくてここにやって来たつもりだったのですが、その食材はあつかっていないとのことで食べれませんでした。やはり英語だけでいろいろ伝える難しさを感じつつも、もうとにかくお腹が空いてたのでなんとなく人気そうな魚のプレートを注文。

そしたらコレ!すげーボリューミー!!しかもライスー!!これが本当に美味しかった。魚といっしょにご飯が食べられるしあわせ。しかもこのご飯は油で軽くいためてあり、その味付けもバッチリでした。ちなみにグルメ情報サイトではランクインもしていないこちらのローカルレストラン。やっぱり本当に美味しいものと出会いたい時は地元の人に聞くのが一番です!

そしてハッピーなこと2つ目。ヌアクショットの街でこれを見つけたんです。もうこの扉(とびら)を見た瞬間にハッ!とされた方も数名いるのではないでしょうか。この青といえばチュニジア、シディブサイドの有名な青いとびらです。

ヌアクショットを歩いていたらたまたま見つけたチュニジア国旗。チュニジア大使館でした。この色を見ただけですぐに「チュニジア!!」と答えられる自分に嬉しく(うれしく)なったのでした。ちなみに、チュニジアとモーリタニアは何か深い関係があるのかもしれません。

先ほどのレストランのメニュー表のデザインにもチュニジアがかくれていたのでした。

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