コモロを旅する④ トラブル発生!〜まさかの事態のあとに待っていた奇跡〜

2022年5月30日、天気晴れ時々くもり。

災い転じて福となす inコモロ

人生はまさかの連続です。まさかこんなことになるとは。時に全く予想していなかったことが起こるのが大変でもあり有り難くもあり。そして最後にはその全ての出来事に意味があったんだなと思えるから不思議なものです。今日は本当に激動の一日でした。これぞ旅、これぞ人生。

グランドコモロ島へ

モヘリ島の南に位置するMoheli Laka Lodgeで迎える静かな朝です。1泊1万円以上する高級なホテルですが、その価値に十分見合ったココでしか過ごすことのできない贅沢な時間を堪能(たんのう)させていただきました。コモロの海の世界を思い出すと今も大興奮!少なからず心配していたiPhoneも問題なく動いてくれています。本当にスゴイ海でした。少しヒリヒリする背中の日焼けも思い出の1ページ!

そんな宿をまだ明るくなったばかりの朝6時に出発です。今日はこのあと飛行機に乗って首都モロニのあるグランドコモロ島へ戻ります。午前10時のフライトなので早朝にホテルに車を準備していただき、まずは今いる位置から島の真反対側にある空港へ。

そしてここで面白いことがわかります。地図で検索すると島の東側を通るルートをオススメされるのですが、ドライバーさんが進んだのは一見遠回りのように思える昨日と同じ島の西側に沿った道。

島の道はデコボコしていたり急な坂だったりするので運転しやすい道は決まっているようです。東側はおそらく道が悪いんだろうなと!

途中車内からはグランドコモロ島の姿がハッキリと見えました。そこまで距離も遠くないコモロの3つの島たち。ということで朝の海の景色も楽しみつつ、ほどよい車の揺れでウトウトしながら進むこと2時間。

空港到着

朝8時。予定通り飛行機の出発2時間前に空港に到着です!これでグランドコモロ島へ帰れます。余裕(よゆう)をもって早めに移動を開始して正解でした。よかったよかった!

さぁ、まだ空港内には入れないようなので、外のベンチに座って昨日のブログの執筆を。モヘリ島で過ごした2日間の思い出に浸りながら書き進めます。とその時、空港職員さんから声がかかります。

「フランス語はわかる?それとも英語??」

言葉に関する配慮をしてくれるなんてとても親切な方。「英語をしゃべります!」と伝えてこれで一安心です。

「今日、国際線への乗り継ぎ予定はあるか?」

「いえ、コモロを出国するのはもうちょっと先です。今日はグランドコモロ島に戻るだけですよ。」

「わかった。政府が飛行機の座席を押さえたから満席になった。だから君は今日の飛行機には乗れない。」

トラブル発生

…はぁ?どういうこと??意味不明な中「ちょっと待ってて」という言葉を残して空港内へと戻っていったスタッフの彼。私は呆然(ぼうぜん)として外のベンチに座っています。…はぁ??

ちなみに英語で「ちょっと待ってて」はGive me five minutes. という表現を使います。five minutes、5分です。そしてアフリカあるあるですが、5分と言われたらそれは”5分以上”を意味します。

15分後。先ほどの彼からの手紙を持ってきてくれたのは別の女性スタッフさん。…15分待ってて。いや、もう待ってますよと。この時は正直何が起こっているのか全く意味がわかっていなかったので慌(あわ)てることもできず。ただ、わざわざ伝言メモをくれるところや、Please という表現で始まるメッセージには好感が持てました。そして15分と言われたら…もうおわかりですよね。

こうなったら何もしないで待っていることはできない!と判断。スキを狙って外のベンチから移動して空港内に入ることに成功しました。が、時すでに遅し。中はもぬけの殻(から)でした。チェックイン業務は全て終了。そして外から聞こえてきたのはプロペラの音。

本来の予定時刻より30分以上も早く離陸をした飛行機。私の手の中には目の前の飛行機の搭乗チケットの予約票があります。乗るはずだった飛行機が飛んでいく様子をなぜか空港内から見ている現実が全く理解できません。…はぁ~??

スタッフさんが私の所にやって来たのは飛行機が空へと消えていったあとでした。…今更どうしようもないこの状況。ただ、黙(だま)って「ハイ、わかりました」なんて言えねぇぞ!!…すみません、言葉がつい悪くなってしまいました。とにかく事態を説明をしてもらいます。

「政府のメンバーが急遽(きゅうきょ)アンジュアン島に行くことになった。だから飛行機の座席を取り押さえられた関係で、今日のフライトには乗れなくなったんだ。」

たしかに飛行機に乗り込む人の様子をジーっと睨(にら)みつけていたのでよく覚えています。みなさんキレイなスーツやドレスを着た明らかに私よりも地位的に何ランクも上の方々でしたね。はい、でもここで納得いかないことが一つ!つまり私以外にも飛行機に乗れなかった乗客の方がいるんでしょ!?でも今空港に取り残されているのは自分一人なんですけど!!?

「昨日の時点で電話で連絡をしたんだ。ただ、君には連絡がなぜか通じなかったんだよ。」

いやいやいや、そんななこと言ってますがどうせ電話なんてしてないんでしょ~。履歴を見せて、り・れ・き!

…マジかよ。それは確かに自分の番号への電話履歴。しかも昨日の時点で一本目の電話をしたことが記録として残っていて。…SIMカードを購入する際に通話サービスを適応させていなかったのかもしれません。…これを見せられたらさすがにもう何も言えません。

が、そんな素直に納得できませんよ〜。スタッフさんは何も悪くないことは頭では理解できました。が、気持ちが追いつきません。なんなんだよこれは~。そしてここでふと思い出したのはドラゴン桜の桜木先生の言葉。

『社会のルールってやつはすべて頭のいいやつが作ってる。つまり、社会のルールは頭のいいやつの都合のいいように作られてるんだ。』

悔しいですが、これが真実。まさかここコモロで社会の現実を突きつけられるとは。…気持ちの切り替え?できませんよ。

ホテルへ

ちなみにここでこう思う方がいるかもしれません。

「次の便で戻れば良いんじゃない?」

ですよね。私もできることならもちろんそうしたいです。が、次の便は明日なんです。1日1便しか飛行機が飛ばないモヘリ島。空港業務は朝7時にスタートしてなんと10時には終了します。目の前でどんどん帰り支度をするスタッフのみなさん。こんな空港もあるんだという驚きの光景でした。

そのあとは空港のスタッフさんが準備してくれたホテルへ。申し訳ないですが私の態度は悪かった。素気ない返事に顔は終始イライラ。しかし、こういう時に彼は笑いながら誰かと電話してるんです。もう一度言いますが、空港スタッフのみなさんは何も悪くありません。が、こんな時ぐらい静かにしててくれよー!と思ってしまいます。ただ、この明るさがきっと大切なんだろうなと。車内に流れる音楽に合わせて口笛まで吹いてますからね。

到着した宿は非常にシンプルな感じで。いけないとわかっていてもつい今朝までいた高級ホテルと比較してしまいます。これが空港が用意してくれた宿ですかと。誰も悪くないのに…。もうこういう時は寝るしかありません!朝早くから動いていたのでカラダも疲れていました。ココロを休めるためにしばし横になります。

休息日

少し早めの昼寝をしまして、ようやく現状を受け入れることができたお昼過ぎ。今ここで私が何をしようが、もう現実を変えることはできませんからね。モヘリ島に無料で延泊できたわけです。特に何かすることはありませんが、せっかくだったら穏(おだ)やかな気持ちで流れる島時間を楽しみたいところ。外を歩けば気持ちの良い太陽の日差しと海風で晴れやかな気分になりました。

慌(あわ)ただしい毎日の中に突然できたフリーの1日はこの先の旅の予定についてじっくり考える休息日に。そして頭をよぎるのは「日本帰国」の四文字。もしかしたら今回の出来事は何かのお告げなのかもしれません。ここらへんで旅を終えて日本に帰りなさいということか?なんて思ってネットで帰国便を検索してみます。が、高い。

これはまだ帰るなってことだなと確信したところで、近場の国もいくつか調べてみると、すぐ隣にイイ国があったことに気が付きます。アフリカで一番大きな島国マダガスカル!航空券もお手頃価格ということでさっそく予約だ!!…と思ったら、なんとクレジットカードの決済パスワードを忘れてしまい買えず。…思わずハァ〜とため息が出てしまいました。

奇跡

なんとも踏んだり蹴ったりな感じで何事もうまくいかない日。もう今日は何もするなということでしょう!ということでベットに寝転んでメールボックスを確認。すると迷惑メールのところに一通の着信が。

また変なメールか〜と思いながらさっそく消去しようと思ったその時でした。タイトルはSouth Sudan eVisa …まさかねぇ。と思いながらメールを開くと

信じられないことが起きました。思わずベットからカラダを起こして何度も文章を読み直します。何回確認してもそこには「Approved(承認)」とハッキリ書かれているんです!マジかー!もう今回の旅で訪問することは完全に諦(あきら)めていた南スーダン。それがなんとビザが取得できたんです!行けます、南スーダン!!よっしゃーー!!実は水面下でずっとこのE-Visa取得のために動いていたのですが、これがまぁ〜大変で。ビザ取得のドラマについてはまた今度じっくりお話したいと思います。とにかく今は南スーダンに行ける喜びでもう胸がいっぱい!!この瞬間のために今日の全ての出来事はあったんだなと。アフリカは憎(にく)い演出をしますね〜。

ということでまだコモロの旅は続きますが、念願の南スーダン行きが決定。ここからアフリカ54ヶ国制覇の旅-第6章-はいよいよクライマックスに突入していきます。今日はそのための大事な充電の1日となりました。さっきからずっと胸の高鳴りが抑えられません。明日以降もきっと旅には「まさか」が常にあります。が、そのまさかも思いっきり楽しんでやるぞ!と気合が入ったモヘリ島で過ごす二度目の最後の夜でした。

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