2022年6月2日、天気晴れ。
目次
コモロ出国
コモロで迎える最後の朝です。
今日も相変わらず美しい海で始まる1日。
このインド洋の青もまたしばらく見納め。
しっかりと目に焼きつけます。
さぁ、いよいよアフリカ54ヶ国制覇の旅-第6章-は次が最後の国となります。
36ヶ国目に選んだ国は
「南スーダン」
1ヶ月前に訪れたスーダンの旅の時点から今回の旅中に行けたら行きたい!
と思っていましたが、この国はそう簡単に行ける国ではなく。
これまでの旅の水面下でずっと南スーダンに行くために動いてきました。
そしてついに先日E-Visaを取得!!
念願の南スーダンへの切符を手に入れたわけです。
が、ビザの取得がこれまでで最も大変だった南スーダン。
入国に向けてはいつも以上に念入りな準備が必要です。
南スーダンビザの印刷
やって来たのはちょっと良さげな印刷屋さん。
E-Visaの扱いに関して
『カラーで印刷すること!』
という注意書きがあるのでしっかりと守ります。
さらに飛行機のEチケットに日本帰国用のPCR検査の陰性証明書のフォーマットも念のために印刷。
できることは全てやっておきます!
コモロフランの換金
コモロを出発する前にもう一つやらないといけないことがお金の換金です。
この国はクレジットカード決済が主流ではないため入国初日にATMで多めに現金を引き出していました。
なので余った分を銀行でユーロに換金です。
レートもしっかりしているので安心!
ちなみに米ドルは取り扱っていないそうなので、本当にユーロしか使えないアフリカの中でも珍しい国コモロです。
そんなこんなで朝からイロイロやっていたらいつの間にか飛行機の時間が近づいていまして。
昨日の時点でPCR検査の陰性証明書が手元に届いたことで安心しきっていました。
慌(あわ)てて宿をチェックアウトして空港へ向かうためにタクシーを捕まえたいのですが、ここでまた一つ他の国では起きない事態が発生。
空港へ向かうタクシーの確保
大きなバックパックを背負い、前側にもリュックを抱えているこれから空港に行くこと間違いなし!の旅行者が街中をスタスタ歩いているんです。
これはどっからどう見ても客を捕まえる絶好のチャンス。
私がタクシーの運転手だったらすかさず声をかけます。
が、しかし!
誰一人として私に見向きもしないのがモロニのドライバーのみなさん。
あまりに不思議すぎて自分が見えていないのかもと思うくらいに目の前をタクシーがスルーしていきます。
コチラから声をかけてやっと停まってくれますが、空港に行きたいと伝えると首を横に振るんです。
「なぜー!?」
コモロにはアフリカのタクシーの挨拶であるクラクションの音が鳴り響きません。
そんなに焦らなくても乗客は見つかるし、市内の短い距離を行き来していれば必要なお金は十分稼げるということなのだと思います。
ガツガツしすぎないゆったりとした感じがこの国の良さなのだなと。
最後の最後まで新しい
「アフリカ」
を見せてくれたコモロでした。
と呑気(のんき)なことは言ってられません。
断られてもめげずに声をかけ続けること20分。
なんとかタクシーをゲットして急いで空港へ向かい、出発1時間前に到着。
チェックイン&出国審査を何事もなく完了したところでようやくホッと一安心です。
ということで結局今回も慌ただしい出国となりました。
飛行機は予定通りに出発。
島国コモロに別れを告げて、アフリカ本土に向けて進んでいきます。
「さよならコモロ~!!」
・・・このあとに待ち受けるまさかの事態をこの時は知る由もありませんでした。
乗り継ぎ@タンザニア
わずか1時間のフライトで帰ってきたのはこの旅3度目となるタンザニアの最大都市ダルエスサラームの国際空港。
1週間前に入国審査所の前のスペースで一夜を過ごしたのがもう遠い昔のようです。
さすがに今回は大丈夫でしょう!
イエローカードとPCR検査の陰性証明書を見せたあとは、4時間後のフライトに向けて乗り継ぎです。
コモロやブルンジなどのマイナーな国から来る飛行機は旧ターミナルに到着するので、バスに乗って新ターミナルへ。
パスポートと次の飛行機の予約票、さらに南スーダンのE-Visaをスタッフさんに渡して乗り継ぎカウンターで待ちます。
全部ちゃんと印刷しておいて本当に正解だったなと!
あとは航空券を発券してもらって、今日はこのあとまた飛行機に乗ってエチオピアまで向かいます。
時刻は間も無く夕方3時です。
緊急事態発生
・・・そこから待つこと2時間。
飛行機が出発するまであと1時間ということでさすがにもう黙って待っているわけにはいかないぞ~と思っているとやっと来たスタッフさん。
この瞬間、その行動や表情からなんかすごーくイヤな予感がしたんです。
そしてスタッフさんの口から衝撃の事実が伝えられました。
「残念だけど君はエチオピア航空に搭乗を拒否された。」
はぁ?
なぜですか??
と自分が言う前にさらに話を続けるスタッフさん。
「フランス語表記のPCR検査に問題がある。英語表記じゃないと南スーダンは受け付けていないんだ。だからエチオピア航空が君の搭乗を拒否した。」
・・・そんなことありえるの!?
スタッフさんがあまりに理不尽(りふじん)なことを言っているようにしか思えず。
なぜなら国が一括してPCR検査をコントロールしているコモロ。
その国が発行している陰性証明書はフランス語表記しかないんです!
英語書式のものは存在しません。
だからこのスタッフさんの要求は無理なんです!!
・・・が、ここでゾクっとしました。
コレが今から自分が渡航しようとしている
「南スーダン」
という国なんだと。
マジかよ。
そんなことがあり・・・えるんだ。
ここからは感情を抑えて事実だけを淡々と書いていこうと思います。
完璧な準備をしたと思っていたので、その分まさかの角度からの南スーダンの強烈な先制パンチに完全にノックアウトされまして。
現在ココロが真っ白状態。
「立つんだコジマー!」
と自分で自分に言い聞かせてこの文章を書いているところです。
まず、予約していた飛行機には乗れませんでした。
アッサリ書いてますが、もう心の中はグッチャグチャです。
ただ、自分が乗るはずだった飛行機を見送るのはこれがこの旅でなんと3度目!
ドバイの空港でPCR検査の有効期限が切れて乗れず、コモロのモヘリ島で政府に席を横取りされて乗れず、そして今回は搭乗拒否に合って乗れず。
もう『飛行機に乗れない』という事態に対する免疫(めんえき)ができてしまったのか、この問題に関してはそこまでショックではないのが自分でも驚きで。
まぁ他の飛行機に乗れればいいよ!
ともう気持ちは先に進んでいます。
問題はPCR検査。
スタッフさんの対応が次から次へと変わっていってもう振り回されっぱなしです。
箇条書きで落ち着いて冷静にまとめると
解決プラン1
タンザニアの空港内には検査を受けれる場所が無いのでビザを取得して一度入国。
病院に行ってPCR検査を受ける。
こちらは入国管理官の方に拒否されることに。
乗るはずだった飛行機が既に出発していてダルエスサラームを出発する搭乗券を持っていない私はタンザニアビザを取得できないとキッパリ言われてしまいました。
解決プラン2
コモロで取得したPCR検査の陰性証明書を英語に書き換える。
真面目な顔をしてこの提案をした入国管理官のおじさん。
スタッフさんができるかどうか一応確認したようですが
「訴えられる可能性があるからできない」
ということでした。
そりゃそうでしょうね!
ちなみにフランス語で陰性はNegatif。
英語とほぼ同じなので陰性だってことは十分伝わるわけです。
が、これじゃダメ。
なんだかなぁ〜。
そしてこれら全てのやり取りがテキパキと行われるわけではなく、基本ずっと待ち時間なのが非常にイライラするポイント。
時刻は夜の9時です。
空港に着いてから6時間が経過したところでスタッフさんから第3のプランが提案されます。
解決プラン3
200ドル払ってPCR検査の陰性証明書(英語表記)を発行してもらう。
いや、高いよ。
しかもそれをもうすっかり暗くなったこんな時間帯に言われても。
「マジかよ~」
さらに、先ほど乗れなかった飛行機の航空券は格安航空券サイトで購入しているので、無料で別の便への変更ができないんです。
・・・これが南スーダン。
とんでもない洗礼を受けてそろそろ思考が停止しそうです。
もう結論は出ているんです。
何の効力もないフランス語のPCR検査を持っていても何の意味もありません。
英語表記のものを手に入れるには・・・
コロナ禍を痛感する衝撃すぎるハプニング。
ただ、何も知らずに南スーダンに行っていたら空港で入国拒否を突(つ)きつけられることになっていたんだと思うと、ココでストップさせられたことは非常に良いことだったんです。
が、今は素直に喜べない。
一体このあとどうなるのか!?
しかし、こんな状況ですが嬉しい出来事が。
前回タンザニアの空港で一晩過ごした際に食事を用意してくれたスタッフの彼と再会!
「大丈夫か?何かできることはある??」
現在の状況を伝えるとものすごく心配してくれました。
彼のやさしさと笑顔にパワーをいただきました。
全く先が見えない展開ですが、時刻は間も無く深夜0時を迎えます。
もう本当に疲れました。
今夜はまだ眠れそうにもありません。
それでも彼のやさしさと笑顔にパワーをもらえたので頑張れます!
「行くぞ、南スーダン!!」
DAY303へ続く
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