ナミビアを旅する⑱『ヒンバの聖地』へ〈オプヲ→エプパフォールズ〉〜最北西端の秘境への行き方〜

2021年6月8日、天気晴れ。

ナミビアの歩き方

およそ12時間をかけてナミビア国内を約900km移動した昨日。ただ車に乗っているだけなわけですが想像以上にカラダは疲れていたようです。昨夜は気が付いたら深い眠りについていました。観光地スワコプムントで心がリラックスしきっていたところにいきなりの刺激的な移動だったのが大きかったのかもしれません。

しっかり寝たおかげで体力は回復!今日も移動することを考えてここは朝食もしっかり食べてパワーをつけるぞということで珍(めずら)しく宿で追加料金を払って朝食をお願いすることにしました。昨日の朝は大西洋を見ながら食べていたんだよなぁと思うと不思議な気分です。はるばるやって来たのはナミビアの北西に位置する町「オプヲ」です。

オプヲ

オプヲは、ナミビア北西部のクネネ地方の首都です。町は首都ウィントフックから北西に約720kmに位置し、人口は20,000人です。クネネ地方の商業の中心地です。

Wikipedia英文和訳より】

この町自体に特段観光するような場所があるわけではないのですが、ナミビアの中でも旅行者が数多く訪れるこのオプヲ。町を少し歩けばその理由はすぐにわかります。

多民族国家ナミビア。国旗に描かれた太陽のまわりの12の三角形はこの国の主要な12の民族を表しています。もちろんこれはあくまで”主要な”民族であって、実際はさらに細かく分かれ80以上の民族が暮らすといわれています。その多民族国家を象徴する町がここオプヲです。

町を少し歩けば行き交う人々の姿に自然と目がいってしまいます。

一つの町に多様な民族が暮らすというのは他のナミビアの地域やアフリカ全体の中でも非常に珍しいことです。この独特な町の雰囲気がオプヲ。

ということでオプヲの魅力をもっと語りたい気持ちもあるのですが、今日はここからさらに北へと移動をするので、後日またお伝えしたいと思います。

本日ここ⑨オプヲの町から向かうのはこのナミビア国内移動北部編の最大の難関とも言える場所!⑩の場所に位置するナミビアの北西の果ての秘境です。

昨夜お世話になったABBA Guesthouseの方に聞くと、オプヲの町の一番端で待っていれば車が見つかるかもしれないという情報を得たので向かうことに。ナミビア南部の温泉アイアイスを目指した時ぶりのヒッチハイクになります。

たどり着いた町の一番はじっこにあったのは今日の目的地までの距離が書かれた標識です。エプパフォールズ。ここから180km未舗装路(グラベルロード)を進んだ先を目指してまずはここで車をつかまえます。それにしても天気は良すぎるくらいの快晴。日差しが熱いです。

さっそく走っていく車に向かって手を挙げます。すると親切にも必ず停まってくれるオプヲの皆さん。ただ、目的地を伝えると皆さん首を横に振ります。どうやらここら辺を行き来するタクシーとのこと?

まぁそんなに簡単につかまるわけはないとわかっています。ひたすらチャレンジするのみです!車を待つ私を見ると声をかけてくれる人がたくさんいるオプヲ。この町の人々の温かさにさっそく胸がいっぱいになります。

するとまたもや停まってくれた一台のタクシー。お兄さんが中から教えてくれます。

「ここで待っててもダメだよ!エプパフォールズ行きの車の乗り場は向こうだ!!」

乗り場があるんですか!?てっきりオプヲに行くにはここでヒッチハイクをする方法しかないと思っていたので予想外の情報にビックリ!彼を信じてその乗り場まで連れていってもらうと

本当にありました!彼がいなかったらずっと太陽の下で待ち続けていたところでした。ありがとーう!!

グラベルロードを走るということで本日お世話になる車は4WDのゴツ目のトヨタ。もしかしたら車がつかまらず今日中に行くことはできないかもしれないと思っていたので、もうこれで一気に安心です!オプヲ⇄エプパフォールズ間の料金は130ナミビアドル。あとはいつも通り乗客が集まるのを待ちます。

ヒンバ

そしてこの待ち時間さえ楽しいのがオプヲ。車乗り場のお店のベンチに座りながら行き交う人々の様子を見ていると、不思議な世界に入り込んだような気分になります。

詳しくは今度書きますが、この特徴的な髪型をしているのが「ヒンバ」と呼ばれる人々。このオプヲ周辺で暮らすナミビアの中でも特に有名な民族です。

そんなヒンバの人々を含めたオプヲの町の人たちの暮らしの風景。この町は何度訪れても新鮮な感覚を覚えます。まぁ彼らからしたら私の方が不思議な存在なんですがね。アジア人がいる!という感じで見られているのだと思います。お互い不思議な世界を感じているのかもしれません。

オプヲ出発

オプヲの景色を見ていたら3時間の待ち時間もあっという間に過ぎていきお昼過ぎに車はついに出発!グラベルロードドライブがスタートです。

本当に行ってみないとわからないことがあるもんだなぁと。エプパフォールズに行くにはヒッチハイクしかないと思い込んでいたわけですが、実際はちゃんと乗り合いの車がこの区間を走っていました。なぜか?それはこの北の端の地域で人々が生活をしているからです。

イメージしていたのはオプヲからの壮絶なオフロードコース。とんでもない道を進むのだろうと思っていましたが、比較的平坦な道がどこまでも続きます。

そしてまわりに広がる一面の木々。もしやと思い乗客の方に何の木かを聞いてみるとやはり予想通りでした。

これは「モパネの木」になります。ナミビアの北部から北西部にかけて見られるナミビアを象徴する木の一つ、モパネツリー。…この木になぜそんなに注目するのか?その理由はこの木につく虫にあります!

モパワーム

モパネワームは南部アフリカに分布する学名 Gonimbrasia belina で知られるヤママユガ科のガの幼虫。南部アフリカではきわめてポピュラーなタンパク源である。

【Wikipediaより】

1月から3月にこの木に見られるモパネワーム。内臓などをキレイに取り除いて日干ししたものが市場などで売られています。アフリカの人は虫を食べるというイメージを持つ人はいると思います。はい、その通りです!モパネワームは安く手に入るローカルフード!だからといってこれしか食べていないわけではありませんよ。写真一番左下のバスケットがモパネワームです。

ちなみに私もモパネワームをいただきました!首都にある超ローカルフードを食べることができるレストランXWAMA Traditional Restaurant。オシャレなレストランで伝統的なナミビア料理をいただける一風変わったお店です。ナミビアと言えばの美味しいチキン(オシワンボチキン)からヤギの頭を使った料理までいろいろあるメニュー。その中にモパネワームもあります。

食べた感想としては、油揚げのような感じだったと記憶しています。しっかり味付けされた料理として出てくるので虫感はゼロでした。地元の人はそのまんま、かっぱえびせんのように食べる方もいます。食文化はやはり面白いものです!

車が北へと進んでいくとどんどん緑が増えていきます。ナミビア北西部に多く見られるバオバブの木の姿も現れ始めるといよいよすごい所にやってきた感が!

今向かっているエプパフォールズ。先に言ってしまうとフォールズ(滝)が流れている場所なのですが、ここは先ほど紹介したヒンバの皆さんの”聖地”と呼ばれています。まだどんな場所かはわからないわけですが、この向かうまでの景色がもうすで神聖な感じに満ち溢(あふ)れていまして。

この先にエプパフォールズがある。そう思うともうワクワクがとまりません。

ラスト36kmのサインを発見するともうすぐそこだ!!となるわけですが、未舗装路の36kmなのでなかなか先は長かった。

ただこの景色を見ながらのドライブなのでどれだけ時間がかかっても全くイヤな気がしません。目の前に広がる美しい山々。まだ目的地に着いていないのに既に来てよかった〜と満足してしまっています。

そしてオプヲから遠く離れた場所にも人々が生活しているということに改めて気付かされる道中。そこにはちゃんと学校もあるから驚きです。そしてオプヲから車を走らせること4時間。

エプパフォールズ到着

「着いたぞ!エプパフォールズだ!!」

目の前の景色を指さしながらドライバーのカサオナさんが教えてくれました。ここがエプパフォールズ!

到着したのが夕方5時ということで、近くの宿のキャンプサイトにチェックインをして今日の寝床(ねどこ)を確保。エプパフォールズの散策は明日にすることにしました。

が、もうすでに感動の連続!明日まで見るのを我慢したくてもキャンプサイトから見える景色にもう胸の高鳴りが止まりません。すごい所に来たぞ!

もうすでに何回「来てよかった」と独り言を言ったかわかりません。今夜はしっかりと寝て明日に備えたいと思います。

いや~、ほんっと〜に来てよかった!!

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