マダガスカルを旅する⑧ 料理も固有な島国独特の食文化 〜首都アンタナナリボ帰還〜

2022年8月11日、天気晴れ。

マダガスカルを旅する

ただいま時刻は朝の4時半でございます。まだトゥクトゥクや自転車タクシーも走っていない静かーなモロンダバの町。さすがにこの時間帯にバックパックを背負って歩くのは地方の小さな町と言えど不用心。ということでお世話になった宿Les Bougainvilliersの警備のお兄さんがいっしょについてきてくれました。ミソーチャ!辺りは真っ暗ですがその分空にはたーくさんのキレイな星が輝きます。

この旅一番の早起きをしてやって来たのは長距離バスCotisseのモロンダバ支店です。あまりに朝早くなのでもし誰もいなかったら…とほんの少しだけ心配していましたが、荷物を積み込む一台のバスと、他の乗客のみなさんの姿を見てホッと一安心。首都アンタナナリボに帰れます。

ちなみに行きの反省を活かして帰りのバスは早めに予約をしました。が、4日前の時点ですでに満席の日が多数あり、今日のバスも残り6席という状況でして。やはり早めの予約が必須のCotisse!是非オンライン予約サイトをご活用ください。何はともあれ無事にチケットを2枚ゲットしまして、帰りは妻と同じバスです。当たり前?いや、当たり前じゃありません。2人でいっしょが特別になるのがアフリカ新婚旅行!朝5時、Cotisseは時間通りに出発しました。

ただその車内は寒いんです。海沿いのマダガスカル西部は比較的温かいわけですがそれは日中だけ。朝はそれなりに寒く、開いた窓からは冷たい風が吹き込みます。寒くて寝れない~なんて思っていましたが、蓄積(ちくせき)された旅の移動疲れのおかげでいつの間にか爆睡。冬のマダガスカル旅の必需品であるダウンジャケットにも助けられました。

気がつくとすっかり明るくなっていて、バスは最初の休憩地点に到着。外に出ると押し寄せてきた物売りさんたちに周りを囲まれて一気に目が覚めます。朝からとってもエネルギッシュなみなさんです。

その中でとっても気になった不思議な赤い実。籠(かご)いっぱいに入ってこれで100円ほどという驚きのお値段ですが、さすがに全部は買えないので少しお金を出して4粒ほどいただくことに。

ジェスチャーで食べていいんだよね?と食用であることを確認してから口に入れると…甘くないリンゴのような味で、食感はフワッという感じで…甘いさくらんぼのイメージだったので期待は外れました。名前をしっかり聞き取れなかったのが残念。不思議な野菜や果物との出会いも旅の楽しみの一つです。

温かいコーヒーをいただいていると運転手さんから「行くぞ!」の一言が。のんびりしたいのも山々ですが、首都アンタナナリボはまだまだずっと先です。休憩はサッと切り上げてどんどん進まないといけません。ということで飲み残したコーヒーと店員のお兄さんたちの笑顔に別れを告げて慌ててバスに乗り込みます。

さぁ、もうここからはひたすら行きと同じ道を戻るだけ!ツィンギツアーを経験したことで道路がしっかり舗装されていることへのありがたみを感じるのは帰り道ならではです。では、ここからはこれまでマダガスカルを旅してきた中で出会ってきたこの国の「食」を紹介していきたいと思います。

マダガスカルの食文化

既に格安の美味しいフレンチ料理アフリカで初めて食べる美味しいスパゲッティなど、マダガスカルの食の魅力(みりょく)をお伝えしてきましたが、まだまだ語り切れていないこの国の食文化!その種類の豊富さにも驚かされますが、とにかく何を食べても美味しいというのがこの国の食の一番のポイントです。私だけでなく妻も同じ意見なのでこれは間違いなしです。

ソーセージ

首都アンタナナリボの街を歩いているととにかく目立つのがお肉屋さんに並ぶソーセージです。店の正面に吊り下げられているソーセージはまるで珠(たま)のれんのような感じで。

いろんな種類があるようですが、鶏肉で作られたものが多く売られていました。とってもアートなマダガスカルのソーセージ。

コバ

対してこちらはその見た目は決してアートとは呼べません。一瞬カツオのたたきのようにも見えるバナナの葉で包まれた謎の食べ物。その名は「コバ(クバ)」。街を歩いているとたまに見かけるので気になりまして。

こうなったらもう食べるしかありません!長い棒状のコバは金額に応じて切り落として提供してくれます。食べてみると口の中にピーナッツの甘みが広がりまして。食感はカステラやケーキのような感じで、サッパリとした新感覚のお菓子でした。

ゼブ牛

主食が米のマダガスカル。地方に行けばたくさんの田園が広がるわけですが、そこになんとも特徴的な牛の姿を発見。背中に大きなコブがあるこちらの牛は見た目のままコブウシという牛の一種で、マダガスカルでは「ゼブ牛」と呼ばれています。

ルーツは南アジアにあるゼブ牛。その昔、東南アジアから人々が移民としてやって来たマダガスカル。先ほど紹介した田んぼでの稲作文化やゼブ牛などはこの移民たちによって持ち込まれたわけです。日本人の口に合う料理が多いのも、マダガスカルにアジアの文化が深く関わっているからこそ!

そしてそこにフランス植民地時代の歴史もかけ合わされます。ゼブ牛の牛乳を使って作られるのはフランス料理には欠かすことのできないチーズ!首都では大きな塊(かたまり)のチーズが置いてあるお店がありました。もちろんゼブ牛そのものも美味しくいただけまして、レストランに行くとメニューの中にZebuの文字を見つけることができます。

コーヒー

先ほどの休憩で立ち寄った田舎の小さな町でもいただけたように、マダガスカルではどこでも温かいコーヒーが飲めるのが嬉しいところ。

エチオピアのコーヒーのおもてなしや西アフリカの移動式ネスカフェコーヒースタンドなど、地域によって特色があるアフリカのコーヒー文化ですが、マダガスカルの首都アンタナナリボではポリタンクに入ったコーヒーが路上で販売されています。

ミルクと砂糖を入れたコップにタンクの中の温かいコーヒーを注ぎ、スプーンでかき混ぜればできあがり。甘いコーヒーが全身に沁(し)みわたります。

ミサオ

最後に紹介するのはこちら!見た瞬間に食欲がそそられるマダガスカルの麺料理です。その名も「ミサオ(ミサウ)」と言います。主食が米のマダガスカルですが、実は麺も非常に人気。スープに入ったラーメンスタイルや炒めた焼きそばスタイルなどがあります。

露店には茹でて炒められた麺が入ったショウケースが並び、具材をカスタマイズして注文します。味付けも日本人の舌にこれまたドストライクの間違いないやつで、こんな麺料理がアフリカで!?とまたまた驚かされるミサオです。

まだまだ書き足りないマダガスカルの食の魅力。本当に次から次へといろんな食との出会いがありまして。今回紹介できたのはほんの一部で、この国の食文化は底が知れません。アフリカの食のイメージを覆(くつがえ)すマダガスカルの食の世界でした!

行きの経験のおかげで移動の見通しが持てるのでとっても気が楽な帰り道。もちろん日中ずっとバスの座席に座りっぱなしというのはカラダに堪(こた)えますが、そんな疲労もマダガスカルの美しい景色のおかげで和らぐような気がします。気が。

夕方4時半。やって来たのはアンツィラベというアンタナナリボの南に位置するこの国第3の都市です。ヨーロッパ建築の建物や街路樹がとっても良い感じのアンツィラベ。これまで訪れた街とは異なる落ち着いた雰囲気に思わず興味をそそられます。

モロンダバ出発から12時間。長時間移動の疲れが溜(た)まってくる頃ですが、それは私たち乗客だけではありません。バスにもガタが来ている様子で、先ほどから変な音が鳴っていました。Cotisseアンツィラベ支店で応急処置をして騙し騙し進んでいきます。目指す首都アンタナナリボまではあと170kmです。


アンタナナリボ到着

もしかしたら早く着くかも!?なんていう淡(あわ)い期待もしていたわけですが結局行きと同じくかかった時間はジャスト16時間。夜21時、街灯の明かりがキラキラと輝くアンタナナリボの街に帰ってきました。…帰ってきた~!!自分の足で走ったわけではありませんが、気分はフルマラソンのゴールです。長かったマダガスカル国内移動が遂に終わりを迎えました。終わった~!!

数日ぶりに感じる首都アンタナナリボの夜の冷たい気温が連日の長距離移動が終わって興奮する気持ちをほどよく落ち着けてくれます。もうあの移動が無いと思うとホッとする反面、バオバブ街道やツィンギの絶景を思い出すと胸をギュッと掴(つか)まれるような感覚もあり。まぁ、もし次があるとしたらその時は飛行機という選択肢も真剣に考えたいと思います。バス移動は当分お腹いっぱいです。ということで、これにてマダガスカルの旅も終わり…とはなりません!出国まではあと2日。マダガスカルを最後まで思う存分楽しみます!

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