マダガスカルを旅する⑨ キツネザルに会いに行こう!〜首都から日帰りで行けるレミューズパーク〜

2022年8月12日、天気晴れ。

マダガスカルを旅する

6日間で国内を横に一往復した今回のマダガスカルの旅。その距離約1700km。そして移動に使った時間はなんと50時間!!まるまる2日を車の中で過ごしたという事実に改めて驚かされます。しかもその内半分はものすごい揺れるオフロード。我ながらよくやったなぁと思うと同時に、この移動に耐(た)え抜いてくれた妻に本当に感謝です。

キツネザルに会える場所

昨日の移動中の車内でも十分に寝たわけですが、6日分の疲れは大きかったようで。ホテルのベットで爆睡し、首都アンタナナリボで遅めの朝を迎えてスタートした本日。マダガスカル出国はいよいよ明日となり実質今日がこの国で過ごすラストの一日です。ということで最後にどうしてもやりたいことが一つ!ツィンギでも見かけたマダガスカルに生息するキツネザル。ここでしか見ることのできない動物ということで、是非もっと見てみたい!!

①アンダシべ

調べてみると、「アンダシベ」というマダガスカル東部の町にキツネザルに出会える保護区があることが判明。首都からは150kmほどしか離れていないので日帰りで行くこともできるなと考えていました。しかし!…もう移動はいいかな~。キツネザルを見たいのは山々ですが、さすがに最終日ぐらいはバス移動からは解放されたいという結論に至りました。マダガスカルの国内移動には本当に根気が必要です。

②レミューズパーク

ただそれでもやっぱりキツネザルは見たいので首都近辺で良さそうな場所がないかを探しているとヒットしたのがレムール(キツネザル)のパーク(公園)というそのまんまの名前の「Lemurs’ Park(レミューズパーク)」。アンタナナリボの中心地からは20kmちょっとしか離れていないのでこれならサクッと行って帰ってこれます。まぁその分あまり期待はできませんが見れればよしです!

マダガスカル旅で最後にお世話になる宿Hotel Le Relais Normand。スタッフのみなさんがとっても気さくで、英語も通じるのでものすごい安心感があります。レミューズパークに行きたいことを伝えるとタクシーを用意してくれまして、運転手との交渉も全てやってくれたのでもうあとは車に乗って行くだけ!本当に助かります。ミソーチャ!!※ホテルの場所がローカルエリアの中心にあるので外出時にはちょっと注意が必要です。

ということでタクシーに乗り込んでいざレミューズパークへ!と出発したのはいいものの、なかなか抜け出すことができない首都アンタナナリボ。ものすごい人で混み合う通りを突っ切ったり、細い路地で渋滞に捕まったりしてタクシーがなかなか進みません。

ちなみにここら辺一帯を走る前にドアの内ロックを確認した運転手のお兄さん。世界最貧国の一つといわれているマダガスカル。首都アンタナナリボでは子どもや女性から物乞いの声が多くかかります。遠くを歩く私たちを見つけてわざわざ追いかけてきたり、しつこくつきまとってきたりする方もいるため、外を歩く際には要注意。また車が停車すると詰め寄ってくる人の姿もあるため、車内にいても油断は禁物です。

これまで見てきたアンタナナリボとは違う雰囲気を感じながら、ローカルエリアを迂回(うかい)して進んでいくタクシー。1時間ほど走ってようやく郊外に出ると景色が一気に開けました。あとでわかったことですがこの首都の渋滞はあるあるだそうで、酷(ひど)い時には抜け出すのにもっと時間がかかるとのこと。わずか20kmがこんなに長いとは。距離が短くてもこの国の移動が一筋縄にはいかないことがわかったところで

そこからさらに車を飛ばすこと20分。ついにキツネザルの看板を発見!いつの間にか首都の都会感はすっかり消えていまして、なんとも閑散とした場所にあったのが

レミューズパーク

レミューズパークです。まぁ首都の動物園なので国立公園のように大きいわけがなく、予想通りのサイズ感のゲートがありまして。それでもキツネザルが見れるならOK。

入り口近くの受付で入園料1人60000アリアリ(約2000円)を支払います。…なかなかするわけですが、マダガスカル旅もこれで最後。記念にチラッとキツネザルを見ておきましょ!程度の気持ちでいたんです。が、しか~し!これが大間違いだったーー!!

事前に約束事項を確認したところで、いざ中へ。園内では英語が話せるガイドさんが同行してくれます。さぁもうこうなったらキツネザルを見つけるのみです。といってもそんなに簡単に見つかるはずはありません。キツネザルもサルの仲間。警戒心は強いわけで、こちらの出方をうかがっているでしょう。約束にも「大きな声を出さない」とありました。ということで気をつけながらキョロキョロとまわりを見ながら歩いていると

「ウワーーーーーーー!!」

この状況で声を出すなという方が無理な話!だって向こうから目の前に飛んできたんです。マジかー!と大興奮した次の瞬間にもう一匹飛んできて。ウソでしょー!!と思ったらさらにもう一匹。…いきなり度肝(どぎも)を抜かれたのでした。

初っ端(ぱな)でもうレミューズパークに来て正解だったことを確信しまして、そこからは次々と現れるキツネザルたちに終始心を奪われ続けることに。それでは、マダガスカルのキツネザルの世界をご堪能ください。

クロキツネザル

クロキツネザルは、哺乳綱霊長目キツネザル科キツネザル属に分類される霊長類。オスは全身が黒く、耳介内の房状の体毛も黒い。メスは全身が褐色で、房状の体毛は白い。

Wikipediaより

まず最初に待ち受けていたのは英語ではブラックレムール。別名「マカコ」と呼ばれるクロキツネザルの家族でした。オスメスでハッキリと毛の色が違うのが特徴的なクロキツネザル。現在妊娠中ということで、遠くから様子を見させてもらいました。約束の「2m離れること」をしっかり守ります。

クロカンムリシファカ

クロカンムリシファカは、その名の通り黒い冠を被ったような頭をしています。クロカンムリシファカは、マダガスカル西部の熱帯乾燥林などに生息します。高い木を特に好み、その林冠部で生活します。

猿.comより

いやいやいやいや!近すぎるってー!!2m離れて下さいという約束ですが、彼らの方から寄ってくるのでどうしようもなく。あまりに近くて心配になるレベルですが、ガイドさんからは逆に「もっと近寄っていいよ!」のお言葉が。いいんですね!!

マダガスカルにのみ生息する60種を超えるキツネザルですが、そのほとんどは絶滅危惧種に指定されています。環境の変化により数が減っているキツネザル。マダガスカルの固有種である貴重な彼らを救うためにこの地に作られたのが人工の保護区であるレミューズパークです。人に慣れている彼らなのでものすごい距離まで近づいてきます。

食事の様子までこんなに間近にじっくりと観察できるとは。もうずっとテンションが上がりっぱなしです。

コクレルシファカ

コクレルシファカは、中型のキツネザルです。マダガスカル北西部原産です。生息地の喪失と狩猟のために絶滅危惧種としてリストされています。背の毛皮と尾は白く、胸と手足の一部に栗色の斑点があります。その顔は、むき出しで黒いです。裸耳も黒く、目は黄色またはオレンジ色です。

Wikipedia英文和訳より

先ほど入り口で一番最初に姿を見せてくれたコクレルシファカも改めて私たちの前に姿を現してくれました。彼らもまた当然のように2mルールを破って近づいてきます。スマホの望遠レンズを使わずにこの写真が撮れてしまうレベルですからね。白い毛並みがとってもキレイで見惚れてしまうコクレルシファカ。

その中にはなんと生後2ヶ月の赤ちゃんの姿も!カワイイすぎる〜!!お母さんのカラダにしっかりしがみついて行動を共にします。ちなみにキツネザルの群れのリーダーはメスだそうで、オスはメスに服従するそうです。

タビビトノキ

もう園内に入ってからノンストップで次から次へと現れるキツネザルたちに終始興奮が止まらず、心臓がバックバク状態なのでここでちょっと休憩を。このレミューズパークではキツネザル以外にマダガスカルの植物を観察することもできます。その中に一際目立つ派手な木が。

タビビトノキは、マダガスカル原産のバナナに似た植物である。オオギバショウやオウギバショウ(扇芭蕉)、あるいは旅人木(りょじんぼく)ともいう。英語名は”Traveller’s Palm(旅人のヤシ)”だが、ヤシではなくゴクラクチョウカ科に属する。

Wikipediaより

アフリカを旅する者としては是非その姿を見たいわけですが、タビビトノキが群生するのはマダガスカル東部。西部に広がるバオバブの木とは真反対になるので今回は見れないなぁ〜と諦めていました。しかし、そんな旅人心をちゃんとわかってくれていたマダガスカル。首都アンタナナリボや西部のモロンダバの街中にもタビビトノキに出会うことができるスポットが!巨大な扇(おうぎ)のような見た目が特徴的です。こちらはマダガスカル航空のオフィスの前で見つけたタビビトノキ。よくみるとこの航空会社のマークも実はタビビトノキになっています。

続いて紹介するのはそんなタビビトノキのポリネーター(送粉者:花粉を運んで受粉の手伝いをする動物)の役割を担っているキツネザルです。

クロシロエリマキキツネザル

キツネザルはマダガスカル島だけにしかいない原始的なサルの仲間です。キツネザルは鼻先からくちびるにかけて毛がなく、イヌのように鼻先が湿っているのが特徴で、その名のとおりキツネに似た顔をしています。エリマキキツネザルは、キツネザルのなかで最も大きい種で、白と黒のほかに何種類かの毛色の組み合わせがあります。サルの仲間の声とは思えないほど大きな鳴き声を出します。

東京ズーネットより

その名の通り首周りの白い毛が襟巻きのように見えるクロシロエリマキキツネザル。他のキツネザルに比べると見た目がズッシリとしていて顔の表情も非常に豊か。まるで何かしゃべっているような感じで仲間とじゃれあっていると思ったら

突然を目を見開いてものすごい声で鳴き始めてビックリ!!その場にいたクロシロエリマキキツネザルが一斉にキャーー!というような声を出します。まるで喧嘩(けんか)でもしているかのような感じですが、これが仲間同士のコミュニケーション。しばらくすると何事もなかったかのように静か〜になります。軽いドッキリを仕掛けられたかのような気分です。

かと思いきや今度は無防備な姿で寝始める彼ら。あまりに気持ちよさそうにダラ〜っとしている姿がこれまたカワイすぎます!警戒心がなさすぎだろ〜と思わず笑ってしまいますが、こんな野生本来の姿を間近でみることができるのもこのレミューズパークならではかもしれません。

まさかこんなにたくさんのキツネザルに出会えるとは全く思っていなかったのでもう大満足!なわけですが、あと一種類。最後に現れたのは絶対に見たかったキツネザルです。彼らを見ずしてマダガスカルを去ることはできません!

ワオキツネザル

長い尾には白地に黒の輪状の模様があり、顔がキツネのようにとがっていることから、名前がつけられました。現在は、生息地の開発などにより減少し、絶滅が心配されています。ワオキツネザルはサルの仲間でも原始的なサルであり、体温調節機能が十分に発達していません。そのため、1日のはじまりは、座ったまま両腕を広げ、朝日をたっぷり浴び体温を上げてから行動します。

旭山市旭山動物園ホームページより

キツネザルの中でも最も有名なキツネザルといえばこちらのワオキツネザルです。この国を象徴する動物であり、マダガスカルでは現地語の「マキ」という名で呼ばれています。ちなみに和名の「ワオ」は漢字にすると輪尾。黒と白のシッポの模様が輪っかに見えるのでワオキツネザル。英語のワーオ(Wow)ではありません。ですがワーオ!これまた近い!!

太陽が出てくると彼らは座って日向ぼっこ。体温調節のためのこの日光浴ですが、エリマキキツネザルと違いワオキツネザルはシッポを使ってしっかりと座ります。その姿には不思議な貫禄(かんろく)がありまして、さすがはマダガスカルを代表するキツネザル。シュッとしたスマートな感じがこれまたカッコカワイイんです。

とってもマイペースでこちらにあまり見向きをしない点も面白いワオキツネザルたち。あまりに自然に目の前をスタスタと歩いていくので最後までワーオが止まりませんでした。

気づけば2時間ほどが経過していたところでレミューズパークのキツネザルツアーは終了。小さい園内なので歩いた距離はほんのわずかのはずなのですが、思いっきり自然の中を歩き回ったかのような不思議な気分です。首都から日帰りで来れる場所でこの満足感。キツネザルの世界を思いっきり楽しませてもらいました!一匹ぐらい持ち帰りたい〜という思いになりますが、グッと堪(こら)えて待ってくれていたタクシーに乗車。レミューズパークをあとにして来た道を戻ります。さよならキツネザル〜!!

帰りは1時間ちょっとでアンタナナリボの街に戻ってきました。もうすでにキツネザルたちが恋しくなっているわけですが、そんな中いよいよ出国まで残り24時間を切りました。本当にいろいろあったマダガスカルの旅ですが振り返るあっという間で。大変だった移動も今となっては笑い話。旅の思い出にこうして2人で浸れるのは新婚旅行ならではだなぁ〜なんて思いながら、マダガスカル最後の夜を過ごすのでした。

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