2023年5月25日、天気晴れ。
目次
アフリカ40ヶ国目「シエラレオネ」へ
そろそろ無茶できない歳になってきているのかなぁと思いつつも
「まだイケるでしょ!」
と自分に言い聞かせて、昨日に引き続き今夜も空港のベンチで一夜を明かします。
が、ドバイ国際空港の微妙な角度のナナメのベンチ(座り心地固め)では長時間の飛行機移動で蓄積されてきた疲労が抜けることはなく・・・
カラダもですがココロが折れかけそうになってきたところで、今日の宿を予約します。
ベッドで寝れてシャワーも浴びれるという普段は当たり前のことが実はとても幸せなことだと気付くのもアフリカ旅あるある。
(まだアフリカ旅は始まってませんが)
小さな楽しみを先に作ると何でも頑張れるものです。
16時間のトランジットを耐えて迎えた朝。
ちなみにマックドナルドのダブルチーズバーガーセットが約1000円という相変わらずの物価が高いドバイ。
(日本が安すぎるんです)
出費を抑えたい旅行者にとってココでの長時間の乗り継ぎはなかなか大変です。
1食で我慢しようと決意するものの、誘惑がそこら中にたくさんあるドバイ国際空港。
早朝にも関わらず営業するオシャレな飲食店たちに、思わず心が揺らぎます。
己の煩悩(ぼんのう)と闘いながらなんとか辿り着いた搭乗ゲート。
しかしその目の前にもスタバがあるからまぁたまげた!
なんとか水でしのいで時間が来たらすぐに飛行機に搭乗。
(ドバイ国際空港内には無料で使える飲料用水サーバーがあります)
スタバから無事に逃げ切ると、同時にこれがアジア・ヨーロッパとのしばしのお別れとなります。
ここからは念願のエミレーツ航空による空の旅がスタートです!
何度見ても大興奮するドバイの景色。
乗り継ぎで寄った回数は数知れませんが一度も入国はしたことなく、いつか行きたいなぁと思うもこの街は上空から眺めるのが一番なのでは?
なんて思いながら窓の外に夢中になっていると、ついに待ちに待った機内食の時間です!
温かいエッグチーズサンドにアプリコットのヨーグルト。
マフィンといっしょに温かいコーヒーをいただけば、もうコレは幸せ以外のなにものでもありません。
ただの機内食にこんなに感動できるのは、昨日のLCCの経験があるからこそです。
険しい山道を登った先にしか出会えない絶景があるように、全ての経験には意味があるんだなと。
(こんなに言ってますが安く旅ができるLCCには大変感謝していますのでそこのところご理解ください)
アフリカを39ヶ国も旅していると上空5000mからの景色にも興奮してしまうようになりまして。
治安の関係で当分はいけないであろうアフリカ大陸の東端。
ソマリアのプントランドの横を通過したあとは
山の国エチオピアの上を進んでいきます。
アフリカ上空に入ると飛行機が今どこにいるのかを逐一気にしてしまう私は我ながら変態だなぁと。
これぞまさしく偏愛です。
ドバイ出発から8時間。
アフリカ大陸を西に向かって横切ってやって来たのは西の大国ガーナです。
日本を経ってから48時間でついにアフリカの地に到着しました。
コロナ禍真っ只中の2021年にアフリカ30ヶ国目として訪れたガーナ。
大変だった入国の思い出が蘇(よみがえ)ります。
ビザ取得でお世話になったガーナのプロサッカー選手である森下仁道さんはあれからチームを移籍し、現在はガーナプレミアリーグ(日本でいうJ1) のアクラグレートオリンピックスでご活躍中です。
なぜかこのガーナの乗り継ぎだけが2時間しかないというドタバタな感じで。
もう少し思い出に浸りたいところでしたがあっという間に搭乗時間に。
次の移動が最後です。
ASKY航空の飛行機に乗り込み、いざアフリカ40ヶ国目
「シエラレオネ」
へ!
シエラレオネ
シエラレオネ共和国、通称シエラレオネは、西アフリカの西部、大西洋岸に位置する共和制国家でイギリス連邦加盟国である。
Wikipediaより
北にギニア、南東にリベリアと国境を接し、南西は大西洋に面する。
首都はフリータウン。
奴隷制から解放された黒人たちの移住地として1808年にイギリスの植民地となり、1961年に独立した。
10年以上続いた内戦と、高いHIV感染率による影響で、2020年時点で平均寿命が世界で11番目に短い国(2020年推定で59.8歳WHO報告)となっている。
エミレーツ航空のあとだとどうしても格の違いは感じてしまいますが、それでも機内食が出てくるのはありがたく、しっかり食べて入国に備えます。
2年ぶりの西アフリカ。
アフリカは知れば知るほどその大きさを実感し、東西南北で異なる特色があることに気付きます。
その中でも非常にパワフルで熱気に満ちあふれるのが西エリア。
奴隷貿易の中心地であった歴史が影響しているのかもしれません。
そんな西アフリカを旅するにはこちらにもパワーが必要です。
アフリカ54ヶ国制覇の旅-第9章-の最初の国に西アフリカを選んだのはある意味チャレンジ!
まだ正直心の準備が全く整っていないわけですが、ガーナ出発から2時間で飛行機はシエラレオネのルンギ国際空港に到着しました!
シエラレオネ入国
ガーナでも同様にあったのですが、飛行機を降りるとまず航空券のチェックがあります。
これまではなかったので、新しいルールなのかもしれません。
続いて
「Vaccination(ヴァクシネーション)」
の確認が。
おっ、コロナのワクチン接種証明書を見せるんですねぇ〜と思いながらスマホでアプリを提示すると
黄熱予防接種証明書(イエローカード)
「違う、イエローフィーバーだ!」
『ワクチン』といえばすっかりコロナのことという認識になっていましたが、もう一つ大事なものを忘れてました。
シエラレオネの入国には黄熱予防接種証明が必要になります。
確認は以上でいざ入国審査へ。
アライバルビザ
さぁ、一番の心配は次でした。
事前の調べでシエラレオネは空港でアライバルビザが取得できるということはわかったのですが、ちょっと信じきれない自分がいまして。
先ほどガーナでの乗り継ぎの際にも、空港職員の方から
「シエラレオネのビザは?」
と聞かれ、アライバルビザを取る旨を伝えるとフムフムという感じです流されたのですが・・・
「本当に取れるよね?」
なぜそんなに信じられないのか?
実は西アフリカでアライバルビザを運用している国はほとんどありません。
シエラレオネに隣接しているギニアやリベリア。
さらに東に進んでコートジボワールにガーナなど、西アフリカの海岸沿いの国のビザは事前取得が必須の国ばかりです。
※トーゴのみ7日間滞在可能なアライバルビザの取得ができます。
そんな中、シエラレオネだけがアライバルでビザが取れるなんて本当なの!?
と思っていたんですが、取得できちゃいました。
しかも超簡単に!
ビザカウンターで80ドルを支払うと領収書をもらうのでソレをもって入国審査の窓口へ。
ここで唯一
「住所は?」
と聞かれたので、今夜の宿の名前を伝えるとそれ以上何も求められることなく
ビザ取得完了!
お値段はしますが、こんなにラクに取得できるなら喜んで支払います。
なんせアフリカのビザは取得が大変な国が多いので。
ということで
「シエラレオネに無事入国!」
と言いたいところでしたが、しか〜し!!
シエラレオネの真の意味での『入国』はここからだったんです。
※コロナに関する水際対策は一切ありませんでした。
入国後の流れ
先ほどの入国審査。
スムーズにビザを発行してくれたのは助かりましたが、同時にいきなりのワイロの要求がありまして。
「シエラレオネは初めて?じゃあ20ドルを支払うんだ」
アフリカ初心者の方ならダマされて払ってしまうかもしれませんが、ごめんなさい。
40ヶ国目です。
「ネクストターイム!」
と言いながらサラッと流しました。
まぁワイロの要求にしてはカワイイものだったので特に気にはしていません。
ですが、ちょっとしつこいんです。
「20ドルはいいから、外に出たら25ドルを銀行に払うんだぞ!」
はいはい外にもワイロを求めてくる人がいるってことですね〜。
了解、うまく対応しておきます!
と思いながらゲートを潜(くぐ)って到着ロビーに出ると、ここからがカオス!!
いきなり客引きによる4つの声かけが聞こえてきます。
- 25ドルを支払うんだ!!
- SIMカードを買わないか!?
- フェリーに乗らないか!?
- 換金しないか!?
一瞬間違って市場に来てしまったかのような錯覚(さっかく)を覚えるシエラレオネの国際空港。
やはり西アフリカの旅は想定を超えてきます。
先ほどまでは飛行機に乗る『お客様』でしたが、スイッチを入れて一気に『旅人』モードにチェンジ。
シエラレオネ入国直後の最初のミッションはこの4つの声かけを正しく理解することでした。
入国税の支払い【必須】
先ほどワイロを要求してきた入国審査官の彼の発言。
なんと銀行への25ドルの支払いは本当に必要だったんです!
が、既に一度ダマされた私がこの支払い義務を信じられるはずがなく。
「いやいや、またウソなんでしょ?」
と思うわけですが真剣に支払いを促(うなが)してくる白シャツのスタッフさん。
「コレはもしやライアーゲーム!?」
100%信じるまでに多少時間がかかりましたが、結論シエラレオネ入国の際は税金を支払う必要があることが判明。
銀行の窓口がいくつかあるのでお好きなところで25ドルを支払います。
ここでもらった領収書を見せないと空港の外には出れません。
入国直後にまずいきなりのドキドキ体験。
SIMカード購入【任意】
銀行といっしょに並んでいるのが通信会社のカウンター。
ここで起きるのがSIMカードを巡る2社の熾烈(しれつ)な客引き戦争です。
Orangeとafricell。
どちらも西アフリカで幅を効かせる会社になります。
ただ、空港でこれほどまでに粘り強くSIMカードの客引きを受けるというのは初めてのケース。
ちょっと引くレベルの圧の強さがありまして、最終的に軍配はOrangeに上がりました。
6.5GBを10ドルで購入です。
フェリー乗船【必須】
そしてこれがシエラレオネ入国後の最大の特徴!
いつもであれば空港を出たらタクシーに乗って街の中心に行くというのが一般的な流れなのですが、この国は違うんです。
空港の一歩外に出ると今度はフェリーの客引きのみなさん囲まれます。
「すぐに出発するから!」
とそれぞれが自分のフェリーに乗るよう主張してきますが、その数が多すぎて正常な判断ができず。
すかさず助けに入ってくれたのは迷彩柄の軍服姿の警備員さん。
「ソコに行け!」
と言って誘導してくれたのは、空港を出て一番手前にあるフェリー会社『SEACOACH』のオフィスでした。
「・・・なぜフェリー?」
と思いますよね。
その疑問は当然なわけですが、それを説明するとかなり長くなるので、詳しくは明日書きます。
が、とりあえずシエラレオネに入国したらフェリーに乗らないといけないんです。
運賃は片道45ドル。
まさか空港でこんなにドルを使うとは。
シエラレオネ渡航の際は十分なUSドルの持参を忘れずに。
声かけの4つ目に関しても後日お伝えします!
とにかく入国してからの動きが目まぐるしいシエラレオネ。
フェリー会社のバスに乗って乗り場に着くと、サービスのお水を手渡され・・・
「これはもしや有料か?」
入国管理官のせいで全て疑いから始まるようになってしまいましたが、ちゃんと運賃に入っているサービスでした。
その後、桟橋を渡ってフェリーに乗船。
バランスを考えて座る位置を指定されるあたりに多少の不安を覚える中、いざ出発です。
つい1時間ほど前までは空の上にいたのに、今は海の上にいるというのが何とも不思議すぎて。
思考が追いついていませんが、フェリーがどんどん進むと近づいてきたのがシエラレオネの首都『フリータウン』です。
「なんだこの展開は!?」
アフリカ40ヶ国目にしてこんな旅の始まり方をする国は初めて!
そして目の前に見えるのは明らかに山の景色です。
「一体どんな国なんだ!?」
わからないことだらけの中、フェリーに降りたら今度はすかさずバイクに乗って宿へ。
アフリカ40ヶ国目「シエラレオネ」の旅はこんな劇的なスタートで幕を開けるのでした。
ただいまアフリカ〜!!
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