タンザニアを旅する⑨ 世界遺産「ンゴロンゴロ保全地域」〜日帰りサファリツアー完全ガイド〜

2022年5月16日、天気晴れ。

ンゴロンゴロ保全地域日帰りサファリツアー

時刻は朝4時。まだ真っ暗なモシの街からこの旅で一番長く刺激的な1日がスタートします。

広大な国土の30%が国立公園。全部で22のサファリを有するアフリカNo.1の野生動物大国であるタンザニア。中でも北部には”超”が付くほど有名な国立公園がいくつか存在します。やはりこの国に来たからには旅の最後にサファリを満喫しておきたい!と思った私ははるばるダルエスサラームから2日かけて、昨日モシの町にやって来たわけです。しかし、国立公園に行くためにはマストのツアーの予約はしていませんでした。ネットで調べると出てくるのは数日間かけてサファリを満喫するような贅沢(ぜいたく)なプランばかり。バックパッカー向けのサクッと行ってサクッと帰ってくるようなものは見つけられませんでした。なので現地に着いてから探してみるかぁ~と考えていたその時に出会ったのが、昨日バスでたまたま一緒になったディクソンさんでした。

アルーシャへ

本日は彼にお願いして組んでもらった日帰りツアーに参加します!今回の目的地「ンゴロンゴロ保全地域」への玄関口の街はアルーシャ。てっきりお迎えの車はモシまで来てくれると思っていたのですが、これが完全なる勘違いでした。なのでまずは自力でモシからアルーシャへ移動することに。早朝ということでできるだけ早く車を捕まえたいところですが、タンザニア北部では配車アプリのBoltやUberは使えず。運良く信頼できそうなドライバーさんに出会えたので良かったです。ということでまずは90km離れた隣町アルーシャへ。

※念のためにもう一度書いておきます。タンザニア北部のアクティビティーへの玄関口。

  • 国立公園に行く場合:★アルーシャ
  • キリマンジャロ登山をする場合:⑥モシ

サファリツアー開始

モシから1時間半かけてアルーシャに到着すると、そこで待っていてくれたディクソンさん。ここからがツアーの始まりです。彼が手配してくれた車に乗り込み、さらに西方面へと進んで行きます。

連日の長時間移動の疲れでいつの間にか眠りに落ちていまして。気がつくと太陽が昇っていました。こうして心の底から安心して移動できる手段を確保してもらえるのがツアーのありがたいところです。

朝8時。アルーシャから車で2時間走ってツアーの拠点となる宿に到着しました。今回はここの宿が主催するツアーに合流させてもらうスタイルでの参加になります。タンザニア北部にはツアー会社がたくさんあるので、各々が協力してツアー参加者の人数調整を上手いこと行っているようです。

ということで、朝食を食べ終えたらここからがいよいよ本番!ポルトガルから来ているお2人といっしょにサファリカーに乗ったら、ンゴロンゴロ保全地域ツアーのスタートです!!

と思っていたのですが、実はまだまだ始まらないんです。想像よりも遥(はる)かに遠い奥地にあったンゴロンゴロ保全地域。このあとさらに山道を上ること1時間!

ついにその入り口に辿り着きました。朝行動を開始してからもうすでに5時間が経過している事実に我ながら驚くわけですが、ここまで来たからにはもう全力で楽しむしかありません!いざ、ゲートの中へ!!※標高が高く気温が涼しいので上着を忘れずに。

⑦ンゴロンゴロ保全地域

ンゴロンゴロ保全地域は、タンザニア北部の自然保護地域の1つである。ンゴロンゴロ保全地域は主にアルーシャ州に属しており、州都アルーシャからは西へ180km程である。なお、北西のセレンゲティ国立公園に隣接し、西のマスワ禁猟区と隣接し、南西端にはエヤシ湖が有る。

Wikipediaより】

世界遺産にも登録されている保全地域の一部がツアーエリアとなっているンゴロンゴロ。車はその中心エリアを目指して走っていきます。バブーン(猿)は余興です。彼らは実は一番危険なので窓ガラスの全開は厳禁。先を急ぎます。が、少しずつ怪しい雲行きになっていき…。

ウソでしょ~。頑張ってようやくここまで来たのに辺り一面がモヤで真っ白!これでもまだ良い方だよ~と笑うドライバーさん。いやいや、全然良くないでしょ!!これは期待外れで終わるパターンか!?

と思っていると中心地に続く下り坂がスタートするポイントに到着。ここだけしっかり舗装された道になっているのは急な坂を下っていくからです。少しワクワクしてきたところで、車がどんどん下っていくと

そこに広がっていたのは何とも不思議で幻想的な大地でした。

ンゴロンゴロクレーター

有名な「ンゴロンゴロクレーター」は、隕石衝突によってできたクレーターではなく、300万年前に出来た火山噴火跡のカルデラを指し、その外輪山の大きさは南北16km、東西19km程である。なお、ンゴロンゴロクレーターの内部には、湖や湿地も存在する。ンゴロンゴロの外輪山の標高は約2400mで、カルデラ内部の平野の標高は約1800m程度である。このようにカルデラのサイズに比して、高低差が存在し、外輪山は非常に急峻である。

【Wikipediaより】

下に降りていくとどんどん視界は良好に。山の上部は朝の時間帯だと常に雲がかかっているそうです。そこから一気に下がること600m。巨大なクレーターの内部に到着です。

ここは一年中天気が良いとのこと。日差しが強くてさっきまで心配していたのがウソのような感じです。さぁ、一番下に降りたところでいよいよここからがサファリツアーの本番!一体どんな動物たちの姿に会えるのか!?

と思っていたらいきなり登場したのはシマウマ!あまりに自然にそこにいるのが何とも不思議な気分です。このクレーターの中は動物たちの動物たちによる動物たちの世界!

カルデラ内部から、外部へと歩いて出るためには大変な労力を要するので、このカルデラ内に生息する大型陸上動物のほとんどは、敢えてカルデラから外へ出ず、周囲とは隔離度の高い生態系が形成された。しかしながら、キリンやインパラ以外の東アフリカのサバンナに生息する動物は、ほぼカルデラ内にも棲息している。

【Wikipediaより】

まわりの高い山がここだけをまるで外世界から切り離したような感じで。あまりに幻想的な景色が広がるンゴロンゴロ保全地域。少し中に車を進めるともうそこには自然の動物の世界が広がっています。ここは動物たちの聖域です。

では、本日から見つけた動物たちを順に紹介していきます。

トンプソンガゼル

私にはどう見ても有名なアンテロープ(ウシ科)のスプリングボックにしか見えないのですが、違うそうです。トンプソンガゼル。アンテロープ界は種類が多くて見分けが難しい!

バッファロー (アフリカスイギュウ)

英語ではバッファローの名で呼ばれるアフリカスイギュウ。ゆっくりと草をむしゃむしゃ食べる姿はまぁかわいい!体に泥をつけて皮膚を守ります。

歳をとると群れから独立して一人で生きるそうで。その姿に哀愁が漂います。

アフリカゾウ

やはりアフリカのサファリで見たい動物というば、一番大きな体のアフリカゾウ。他の小さな動物たちはなかなか見つけるのが難しいですが、このアフリカゾウに関しては私もガイドさんに負けじと早く見つけることができます。

アフリカゾウとヌーのコラボレーション。動物たちのありのままの世界が見れるのがンゴロンゴロ国立公園です。

ホオジロカンムリヅル

遠くからでもわかるツンツン頭が特徴の見た目が美しいこちらの鳥。ガイドさんは「ウガンダバード」と呼ぶホオジロカンムリヅルは、ウガンダの国鳥です。同国の国旗の中央にも描かれています。ウガンダの首都カンパラで模型は見ましたが、本物を見るのはこれが初めて!国旗とは違い群れでいる姿は新鮮です。

ライオン

百獣の王もいました!昼間は基本活動せずに寝ていることが多い自然界の絶対王者。今回も安定の余裕ぶりで、誰が見てても関係ないという感じでこのあとゴロゴロしだしました。

クレーター内にある湖にはフラミンゴやカバの姿を発見。とお〜くの方にクロサイが座っていたり、ライオンが捕食したバッファローの死体目当てにハイエナがウロウロしていたりと360度に広がるリアルな動物の世界にもう終始興奮しっぱなしです!動物はどこかなぁ〜なんて探す必要はここでは一切ありません。

そしてこのツアーのすごいところはその時間!日帰りツアーなのでサッと見てサッと帰るのかと思いきや、ものすごくゆっくりと動物の世界を見せてくれるドライバーさん。動物を見つけると停車して解説を加えながら様子をじっくり観察させてくれます。

もうこれでもかというくらいに動物を堪能(たんのう)した後は、湖畔でお昼休憩。大自然を感じながらのランチタイムはこれでもかというくらいに気持ちがいいものです。ただ、刺してくる虫がいるので注意です。

さぁ、もうココロもカラダもお腹いっぱいです!あとは帰るだけだなぁ〜と思っていたらなんとまだまだ終わらないンゴロンゴロサファリツアー!!帰り道に進路を取りつつ、動物の世界を最後の最後まで思う存分楽しませてくれるから本当にビックリです。そして最後は今日一番多く見たこの動物を紹介!

シマウマ

ンゴロンゴロ保全地域に最も多く生息している動物はシマウマのような気がします。広大な緑の大地に映える美しい縞(しま)模様!

人間の指紋(しもん)と同じで、シマウマの縞は一頭ずつ違うそうです。

さらに動物の聖域ンゴロンゴロ保全地域でしか見ることができないシマウマの姿がこちら!2頭がペアになってそれぞれ別の方向を向いて周囲を警戒します。それはまるでアクション映画で主人公2人が背中合わせになって銃を撃つシーン!シマウマの気高い姿に胸を打たれました。

ということで、ンゴロンゴロクレーターの世界を思いっきり満喫(まんきつ)した本日。朝の10時にゲートをくぐり、戻ってきたのはなんと夕方5時。SAFARI JOURNAL TANZANIAにセッティングしてもらったンゴロンゴロ国立公園日帰りツアーは250USドル(約3万円)。このお値段でほぼ丸一日こんなに楽しませてくれるとは全く想像していませんでした。本当に大満足です!

ただ、こんなに長い時間のツアーだとは予想していなかった関係で大きな誤算が。もう動物に魅了されてすっかり忘れてますが、朝4時から行動を開始した本日。モシの町からこのンゴロンゴロ保全地域に辿り着くまでにはなんと5時間かかっています。…はい、今から戻ります!!

ここからのことはサササと書いて終わりにします。夕方5時に帰路につき、そこから車に乗ること行きと同じく5時間。モシの町に帰ってきたのは夜10時。本当に長い長い1日で、正直カラダはか〜なり疲れました。が、ココロはものすごく元気!タンザニア旅の最後に最高に感動的で刺激的な忘れられない思い出になりました。ツアー会社のディクソンさんに感謝です。そして帰り道にはンゴロンゴロクレーターの中には生息していないキリンも運良く見れたのでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です