タンザニアを旅する⑦ 国内移動〈ダルエスサラーム→ドドマ〉〜絶対に知っておきたい長距離バス事情〜

2022年5月14日、天気晴れ時々曇り。

タンザニアの歩き方

ダルエスサラームで迎える3度目の朝。今回お世話になっている宿L&J Backpackersは1泊1000円ほどの安宿ですが、この値段で朝ごはんがつくというのが本当に嬉しいサービスです。個人的にタンザニアの味として印象に残っている缶に入った粉のコーヒー。協力隊時代に登ったキリマンジャロ登山の思い出の味です。

そう、この国には海があって大都会があり。さらには山に動物も!というバリエーション豊かな観光資源に富んだタンザニア。旅もいよいよ後半に突入したところで、ここからついに本土の国内移動を開始します!とっても明るくて親切なスタッフさんに別れを告げて出発です。

旅の準備① 航空券の購入

とその前に大事な手続きを。昨日の夜まで悩んでいたこの先のアフリカ旅の予定。行ってみたい国のビザ取得が思うようにいかず、さぁどうしたものかと考えていました。そしてついに決めた次の渡航先!さらにコロナ禍の影響か現在は飛行機のチェックイン時に帰りのフライトの確認があるので、チケットの値段とも相談しながらアフリカ54ヶ国制覇の旅-第6章-のゴールまでの計画も立てました。

ということで航空券を購入するためにやって来たのはタンザニア航空のオフィス。ネットで調べておいた安い航空券を買いに来てみました。ネット予約ではなく直接店舗でやり取りをして航空券を手配するのも久しぶりに経験するとワクワクするものです!

旅の準備② 米ドルの換金

ついでにここで米ドルも補充。スーダンの旅で用意していた米ドルをほとんど使ってしまったので、クレジットカードで降ろしたタンザニアシリングを

米ドルに換金します。手数料が取られるのであまりやりたくはないのですが、米ドルはアフリカ旅のお守り!コレがあるとないとでは安心感が全く違います。何かあった時のための米ドルです!

渡航先が決まり、米ドルもゲットしてこれで全てが整いました。これで心置きなく残りのタンザニア旅を楽しむことができます。では、どこへ行こうか!と考えた時に候補が2つ。一つは『この国の首都』。最大都市と比べてどんな街なのかが気になるところです。そしてもう一つは『キリマンジャロの麓(ふもと)の町』。アフリカ最高峰の山を改めて見に行きたいぞと。残りのタンザニア滞在日数を考えると行けるのはどちらか一方のみ?さぁ、どっち!?

バス会社「BM Coach」

結果キリマンジャロを選んだ私です。もう一度登っているわけですが、やはり今の自分の目で見てみたい!となりました。ということで、ボダ(バイクタクシー)に乗ってやって来たのはダルエスサラームの郊外にある高速バス会社が並ぶウブンゴ(Ubungo)という地区。

たくさんある会社の中で選んだのは宿のスタッフさんにオススメしてもらったBM Coachです。かなりお客さんが集まっているので人気なことが伺(うかが)えてこれは安心!早速お店の方にキリマンジャロの玄関口である「モシ」に行きたいと伝えます。

「明日の朝6時の便があるよ!」

はい、なんとキリマンジャロ方面に向かうバスは朝早くにしか出ていない事実がここで発覚!この時時刻は正午の少し前ですが、もう今日はどこの会社にも目的の「モシ」の町に行くバスはないとのことでした。…マジか~。

なので行き先変更!キリマンジャロがダメなら首都「ドドマ」です。お客さんの一人がバス乗り場などの情報を教えてくれました。アサンテ!こちらはまだバスがあるそうですが、急がないと便がなくなるとのことなので、またまたボダに乗ってさらに郊外へ。

ここでダルエスサラームで渋滞というものをあまり見ない理由の一つがわかりました。バス乗り場が街中ではなく思いっきり外にあることで、都市部の交通への影響を少なくしているわけです。

長距離バスターミナル

やって来たのは中心地から20km以上も離れた所にある大きなバスターミナル(Mbezi Luis)。こういう大きなバス乗り場では、客引きのお兄さんに追いていくしかありません。案の定わかりづらい所にあるチケット売り場にたくさん並ぶ大型バス。その中から目的のバスを判別する手段は私にはありません。

そして案の定ふっかけられる高いバス代。いやそれはおかしいでしょ~と思うわけですが、ここは彼らのテリトリー。悔(くや)しいですが従います。

その後も明らかな賄賂(わいろ)のやり取りが目の前であるなど、なんともスッキリしない気持ちのままバスに乗車。まぁ何はともあれこれでドドマに行けることは確定です。

タンザニアに来てしばらく忘れていたアフリカの刺激を久しぶりに味わい面食らいましたが、こういう時は”勉強代”と思うことで水に流します。あとはバスが出発するのを待つだけです。

とその時、バスの外から先ほどの客引きの中にいた男性の一人が声をかけてきます。「外に出ろ!」と言ってくる彼。…やだよ。やっぱりバスに乗せないとかいう展開は…。と思いながらも仕方なく外へ。すると

「彼は君からお金をもらいすぎてる!返してもらうんだ!」

全く予想していなかった展開にポカン!お金を支払った男性に対して「返せ!」と詰め寄ってくれているんです。もちろん渋る男性ですが、キッチリ正しい金額になるようにお金を回収して手渡してくれた彼。…新手の詐欺(さぎ)か!?とも一瞬疑ってしまいましたが、2000円ものお金を私に返金させるメリットはありません。初めての出来事にビックリしたわけですが、おかげで気持ちはパッと晴れました。ということで今回のダルエスサラームからドドマまでの乗車賃は28000タンザニアシリング(約1500円)です。

ダルエスサラーム出発

乗客がある程度いっぱいになったところでバスが動き出します。目指すのは430km先にある首都ドドマ。この時、時刻は午後1時を回ったところでした。

大都会を離れると緑の風景が続きます。美味しそうなカシューナッツを目にして思わず購入。国内移動の楽しみの一つはこの売り子さんとのやり取りです。シンプルな素焼きのナッツは旅のお供にピッタリ!

面白い売り子さんもいるタンザニア。腕をいっぱいに伸ばしてみなさんバスの車内の乗客に向かって商品アピールをするのですが、その中で一際目立つのがトウモロコシの杖を持つ人の姿です。聖火ランナーのトーチのようなその見た目のインパクトに思わずビックリ!良い感じに焼けたトウモロコシを自分で選べるので、売れ行きは良さそうな感じでした。

道の途中で窓の外に一面に広がる不思議な植物を発見!なんだこれは?と思い乗客の方に聞いてみると、その名前を聞いてビックリ!!

日本でもアフリカファッションの一つとして人気のサイザルバッグ。こちらはそのバックの原料となる「サイザルアサ」です。タンザニアを移動しているとたーくさん見かけるこの畑。中央に巨大なアスパラガスのような茎が伸びるのもかわいいポイント。また一つアフリカ植物知識が増えました。

タンザニアは町ごとに大きなバス乗り場があるので必ず寄って、そこで追加の乗客をゲットしながら先へと進んでいきます。が、それにしても不思議なのがバスがあまりスピードを出さないこと!道路コンディションはさすが東の大国なだけあってかなり良いので、ガンガン進んでいくのかと思いきや、地図アプリのGPSはいつまで経ってもゆっくりと動き続けているんです。

モロゴロ通過

そんな中ようやく到着したモロゴロという中継地点の街。進んだ距離は170kmでまだ実は半分も来ていません。しかし、なんともうすでに時計は夕方5時を回ってます!…あまりに予想外すぎる進み具合の現実を目の当たりにしてちょーっと心が折れました。

4時間かけてこれしか進んでいないのはなぜ!?考えても全く答えが出てこないのがまたイライラしてしまうポイントで。思わぬ事態に頭の理解が追いつきません。なんかバスに細工でもしてるのか??

今日の移動はあとどのくらいかかるのか。それだけはなんとなく答えが想像できてしまうのが逆に苦しい日の入り前の夕暮れ時です。バスの車内からはダルエスサラームで見た新しい電車の線路を発見。ダルエスサラームから西へと伸びるこの電車が開通したら、そりゃ移動が楽にならないわけがありません。お値段は当然高くなると思いますが、今この瞬間もし電車に乗れるなら間違いなく私は飛び乗ります。今年中に開通するとのことです。

辺りはすっかり暗くなりましたが、ゆっくりと進み続けるバスの車内で地図を見て改めて感じるタンザニアという国の大きさ。ドドマへの道のりでこれだけヒーヒー言っている私ですが、この国全体から見たらこの距離はほんのわずかな移動に過ぎません。キリマンジャロ行きのバスが朝早くにしか出ていない理由がよ~くわかりました。この国はデカいんです。タンザニアの国内移動は朝出発が基本!これを肝に銘じたいと思います。

ドドマ到着

結局休憩らしい休憩は一切無く、ダルエスサラームを出発してから進み続けること9時間。ついに、ついに、ついに到着しました。タンザニアの首都ドドマ!時刻は夜10時です。もちろん辿り着いたことは嬉しいわけですが、もう正直カラダは疲れ切ってまして。初めてのタンザニア国内移動に滅多打ちにされたグロッキー状態です。こんな時のせめてもの救いは私には配車アプリBoltがあること。深夜の街に到着して一番困るのが宿までの移動手段の確保です。バスを降りた瞬間に始まる客引きラッシュにもう耐えられる余力は残っていません。そこへ迎えに来てくれたドライバーさんはまさに救世主でした。

そのあと無事に宿に到着。深夜遅くにも関わらず夕飯を用意してくれたスタッフさんにアサンテサーナです。ということで明日はのんびり首都ドドマを散策…と言いたいところですが、やはり見たいのはキリマンジャロ!スタッフさんに確認してバス乗り場の情報をゲットしました。明日も国内移動をします。はい、そうです!タンザニアの国内移動は朝出発が基本!!とりあえず、寝ます!!!

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