モーリシャスを旅する⑥ 絶景の世界遺産「ル・モーン」へ行こう!Part3 〜登山後編 -海中の滝とウェディングフォト- 〜

2022年8月18日、天気晴れ。

DAY325の続き

モーリシャスを旅する

ル・モーン登山

1時間以上歩いてやっと辿り着いた登山口。ここからついにモーリシャスの世界遺産ル・モーン山の登山がスタートします。時刻は間も無くお昼の1時。事前情報だと登山には4時間ほどかかるとのことなので、夫婦揃ってアフリカ最高峰のキリマンジャロに登頂している私たちならもうちょっと早く登れるかなと!

ただ今回はこの山を登り切ること以外にもう一つ大きな目的があるんです。それが『ウェディングフォト』を撮ること!青い海と自然の緑が織りなすモーリシャスで一番美しい景観を唯一(ゆいいつ)上から見下ろすことができるのがこのル・モーン山。アフリカ新婚旅行の記念写真を撮るのにこれ以上最高な場所はありません。なので写真撮影タイムを考えると少し焦(あせ)る気持ちもありますが、頂上までも3.6kmほど。なんとかなるでしょう!

と思っていたのですが、緩(ゆる)やかに見えてなかなかな上り坂が続く序盤。ウェディングフォトを撮るためにバックパックには三脚や着替えも入れてきたので、荷物の重さが地味に効いてきます。

それでもそこまで苦し〜いとはならず、緑を感じながらの気持ち良いハイキングが続きます。そして少しずつ眼下に広がってくる青い海!休憩ポイントに着く度に思わず見惚(と)れてしまうわけですが、この先に待つさらなる絶景を目指して先へと急ぎます。

地図アプリMAPS.MEには登山道がちゃんと記されているので、ガイド無しでも自分たちだけで登ることが可能なル・モーン山。登り始めて1時間ほどで頂上まで残り1kmほどの地点までやって来ました。このペースならもうそこまで時間はかからないはず。あと少し頑張るぞ~!と思っていたその時でした。

目の前にそびえる岩壁の写真を撮っていると…あれ?あそこに小さく見えるのって…人??えっ、あの岩の壁を登るの!?マジ!!?と信じられない気持ちになりますが、まぁおそらくなんとかなるはず。これまでアフリカでいくつもの険しい山を登ってきましたからね。

そして頂上への最後の分岐点に現れた「重要なお知らせ」という名の看板。

このポイント以降は

・危険な登山です。

・経験豊富な登山者のみ許可されています。

・子どもは許可されていません。

・適切な衣類と靴を着用してください。

・水分補給できるものを確保してください。

・雨の日や湿気の強い日は登山禁止。

常に慎重であれ

デンジャラスクライミング…面白いじゃないですか。どんなものか見せてもらいましょう!!

デンジャラスクライミングゾーン

細い道を進んでいくと目の前に現れたゲート。いよいよ危険な登山ゾーンに突入します。するとその入り口近くに座っている女性が一人。挨拶(あいさつ)をして先へと進みます。

ゲートをくぐるとそこから急に足場がゴツゴツとした岩に変わり、斜面も少しきつくなってきます。いよいよ本格的な登山になって来たなぁ~と思っていたわけですが、次の瞬間でした。

目の前に現れた壁。壁です!一見すると行き止まりかのように見えますが、上の方を見ると人の姿が。コレを登るの!?

先ほどまでのコースから一転。想像していたル・モーン登山とはあまりに違いすぎるロッククライミングコースの登場に引きつった笑いが込み上げてくるわけですが、ここまで来たからには退くことはできず。頂上でウェディングフォトを撮るためにはこの岩壁を登り切るしかありません!とカッコつけていますが、正直ここでリタイアしてもいいんじゃないかなぁ~という小心者の自分がいました。私を後押ししてくれたのはこの岩壁を見ても怯(ひる)まなかった妻です。自分自身を奮(ふる)い立たせて、岩登りがスタート!足場と手の置き場を探しながら、ゆっくり登っていきます。

やっぱり辞めておいた方がよかったんじゃないかと思いつつも、振り返るとそこにあるのはほぼ崖(がけ)なので引き返すこともできず。先ほどの看板に書かれていたことは冗談(じょうだん)ではなかったわけです。そしてここでピンときました。先ほどのゲートにいた女性。なぜ一人でいるのかが引っかかっていたのですが、この岩壁は登れないと判断して、グループから離脱してその場に残ったんだろうなと。

さらには下山途中に恐怖でその場から動けずにいる方を見かけてしまいまして…。これは帰りもヤバいぞと思いつつも、今はもうとにかく上を目指すしかありません。(やったことはありませんが)ボルダリングのようにコースを探しながら一歩ずつ登っていきます。

が、その時!次の足場が見つからない!!手をつかめる場所もない!!ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!!突然行き場を失いパニック状態になりその場でフリーズ。もう一歩も進めない!!と思わず弱音がこぼれます。さらに私を岩壁から引き剥(は)がそうとするのが背負っているバックパック。気づいたら恐怖で足が震えているんです。もし足場を踏み外したらケガは確実。怖い~!でも行くしかない~!!

何ヶ所かの絶叫ポイントを勇気を振り絞って乗り越え、登り続けること15分。ついに岩壁を攻略しました!!ヤッターーーー!!登り切って振り返った時のこの景色を見てもう大興奮!全身は汗でビッショリです。これまでアフリカで様々な山を登ってきましたが、ル・モーン登山の瞬間恐怖レベルは間違いなくTOP3に入ります。危険ゾーン手前までで辞めておくのは賢明な判断。また、宿でお願いをしてガイドをつけるのも無難な選択です。

ただまだココがゴールじゃなかった。最大の山場を越えた後もまだまだ続くデンジャラスな道のり。行手を塞(ふさ)ぐ巨大な岩によじ登りながらひたすら上へ上へと進みます。まさかこんなに過酷な登山になるとは。海を眺めながら登山口まで平坦な道を歩いていたのが遠い昔のように感じられます。

本当にすごいところまで登ってきました。ここからがラストスパート。妻と2人で互いを鼓舞(こぶ)しながら最後の急斜面を登り切ります。そして登山開始から約2時間。

登頂

午後2時40分。着いたーーーー!!ココがル・モーン山の頂上です。これまでの道のりが走馬灯のように一気によみがえり、ものすごい達成感でいっぱいになります。着いたよーーーー!!

海中の滝

上空から眺めるとまるで海の中に滝が落ちているように見えるモーリシャス南西部に広がるインド洋。透き通る美しい青と珊瑚礁(さんごしょう)によって生み出される「海中の滝」と呼ばれるこの絶景が今、目の前に広がっています。ココに来るまでにもなんとなくその様子は見えていましたが、頂上からの眺望はやはり別格。壮絶な山道を越えてきた者だけが目にすることのできる特別な景色です。

さぁ、水分補給と軽食を済ませたところで、いざ本日のメインイベントであるウェディングフォト撮影を行います!まずは頂上でお色直し。バックパックに入れてきた撮影用の衣装にチェンジです。モーリシャスで購入したドレスの話についてはまた後日お伝えしたいと思います。

ちなみに頂上エリアは狭(せま)く、登山客が数組いるとかなりいっぱいの状態になります。そして当然みなさんも記念写真の撮影をするので、それが終わるのを待って…なんていう控(ひか)えめな姿勢でいるといつまで経ってもウェディングフォトは撮れません!頃合いを見計らって失礼しまして三脚をセット。タイマー撮影モードにして、ボタンを押して3、2、1、

妻の念願だったアフリカ新婚旅行でのウェディングフォト。ドレス姿での写真撮影は正直諦めていたのですが、運命的にステキなお店に出会い。あとは最高の撮影場所を確保するだけ!ということで絶景間違いなしのル・モーン山に登ったわけですが、まさかこんなにキツイとは知らず。選択を間違えたかもしれないと思う場面もありました。それでも何とか苦難を乗り越えて2人で辿り着いたこの場所。一生の思い出に残る最高の一枚が撮れました。

下山

あっという間に時間が過ぎ、日が傾いてきたところでいよいよ下山です。もう膝(ひざ)はガクガクで、お尻(しり)をつきながら来た道を戻るわけですが、意外と下りは思ったよりスムーズにいきまして。砂で滑りやすいポイントもありますが、上りに比べたら何てことはなく。岩壁を下り終えて分岐点の看板が見えたらもう安心!

麓(ふもと)までは1時間ちょっとで帰ってきました。戻ってきた~!!下から改めて見るととんでもない山に登ったよなぁ~と妻といっしょにル・モーン山を眺めながら道中を思い出して笑い合う帰り道。思えばアフリカ新婚旅行もいろいろ大変なことがありましたが、最後を飾ったル・モーン登山。もうこれ以上はありません!いやー、やり切りました!!

と思っていたわけですが、まさかこれがフラグになるとは。この先に待ち受けるさらなる過酷な出来事とは!?アフリカ新婚旅行は最終章へ突入します。

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