モーリシャスを旅する① インド洋の貴婦人「モーリシャス島」〜リゾートアイランド観光を満喫するために知っておくべき7つのコト〜

2022年8月14日、天気くもり。

モーリシャスを旅する

青年海外協力隊時代に人生で初めて訪れたアフリカ。派遣国であったナミビアが当時の自分にとっては『アフリカ』だったわけですが、2019年にアフリカ54ヶ国制覇の旅をスタートしたことでこの巨大な大陸が一括(くく)りにはできないことを知り。そして5ヶ国目に訪れたカーボベルデ。アフリカに島国がある!ということを初めて認識した旅でした。大陸とは異なる島ならではの文化と青い海に囲まれたアフリカであってアフリカではない独特の世界観。そして温かい島の人々の温もり。初めて出会うアフリカに驚きっぱなしの島国デビューでした。

それをきっかけに島国にどハマりしまして。セーシェルサントメ・プリンシペコモロ、そしてマダガスカル。どの国も本当に個性的で、強烈な印象が残っています。そんなアフリカの島国は全部で6つ。最後の一つが『インド洋の貴婦人』の異名を持つここモーリシャスです。果たして一体どんな国なのか!?到着から一夜明けて、いよいよ本日からモーリシャスの旅が始まります!

ベストシーズンは12月〜4月頃の夏

と勢いよくカーテンを開けたのですが、涼しいをちょっと通り越して寒いくらいの8月のモーリシャスの朝。南半球に位置するこの国の現在の季節は冬です。南の島なので調べると『年間を通して温暖』という情報が出てきますが、風が吹くと思わず「寒い」という言葉が口から出そうに…いや、出ます。

さらに朝から空には雲が…。初日にお世話になったOrient Guesthouse Aubergeは海沿いの宿。目の前には青を超えた青い海が広がっているので、これはさっそく泳ぎたいぞ!と思って水着で外に出たわけですが、寒がりの私はあっさり断念。海は思いっきり晴れた天気の良い日までお預けです。

現在いるのはモーリシャスの南東に位置するマエブール(Mahebourg)という町。国際空港から一番近くの宿が建ち並ぶエリアで、夜にモーリシャスに到着したらとりあえずココで一泊!という旅のスタート地点になります。※地図はあとで載せます。

オランダ、フランス、イギリスの順に3つの国によって植民地化された歴史を持つモーリシャス。かつてはこの海上を舞台にフランスとイギリスによる激しい戦いが繰り広げられたそうです。

そして、みなさんは2020年7月、日本の貨物船がモーリシャスの沿岸で座礁(ざしょう)し、船から重油が流出した事故を覚えているでしょうか。コロナ禍の真っ只中に突然流れ込んできたこのニュース。連日Twitterなどで流れてくる画像に衝撃を受けたことを今でも覚えています。この事故が起きたのも実は空港近くの島の南東の海です。

青く輝く海に広がった真っ黒な重油。事故が発生してから半年ほどは海に入ることができなかったとのことです。あれから2年。今日はそこに朝から漁で使う網(あみ)を準備する漁師の方たちの姿がありました。

寒さよりも海に入りたい思いが勝った妻は足だけ入れてモーリシャスの海デビュー。やはり冷たいようでしたが、キレイな海に感動のご様子で。私は目で堪能(たんのう)。もう二度と同じような事故が起きないことを願います。

さぁ、マエブール周辺を軽く歩いて回ったところで宿をチェックアウト。いよいよ国内移動を開始します。向かうのはこの国の首都「ポートルイス」。そしてこの移動でようやくモーリシャスという国の全貌が少しずつ見えていくことになります。

空港の真反対に位置する首都

モーリシャスに来る場合にまず知っておかなければいけないのが首都の位置です。この国の空の玄関口である国際空港が島の南東にあるのに対して、首都(①)があるのは北西。ほぼ島の真反対になります。距離は50kmほどしか離れていないので、空港に着いてそのままタクシーで向かうこともできますが昨日は念には念をでマエブールで一泊。…移動が本当に過酷(かこく)だったマダガスカルを旅したあとだとこのわずか50kmにも慎重になってしまいます。※タクシー料金はかなり高めです。

島内の移動手段はバス

そんな首都ポートルイスにはバスに乗って行くことができます。マエブールの海沿いにある大きなバスターミナル。閑散(かんさん)としていて時刻表や乗り場案内も無いので少し心配になりますが、近くにいるバス会社の方に声をかければ乗るべきバスを教えてもらえます。よ~く見るとちゃんと行き先も表示されているので安心です。

この国の一般的な移動手段はこちらのバスになります。国土が比較的なだらかで、道路はこれでもかというくらいにしっかりと舗装(ほそう)されているモーリシャス。首都を中心に島の東西南北から中央までバスの路線が伸びていて、どの区間も終点まで1時間程度で着きます。私たちもこの旅中これから何度も利用することに!

料金は距離や地区で決まっていて、バス乗車後にチケット売りの方に行きたい場所を伝えれるこれまたしっかりと教えてくれます。高くても1回100円ちょっとで乗れるのでとっても便利なモーリシャスのバス。会社ごとに急行があったり、車体の清潔さやクーラーの効きに違いがあったりもするので、いろいろ乗ってみるのも楽しいです。人気のバスは赤い車体のUBS(United Bus Service)だそうな。

リゾートの国というイメージが強いモーリシャスでしたが、バスが走り出すと窓の外に見えたのは広大なサトウキビ畑とそこにある地元の人々の暮らしです。南の島ののどかな風景に心が癒(いや)されます。

インド文化

その道中、特に目立つのがこちらのヒンドゥー教の寺院です。同じイギリス植民地の歴史をもつインド。モーリシャスの開拓のためにインドからこの島に労働力として移住してきた人々の子孫であるインド系住民の方が現在はこの国の人口の過半数を占めます。そのため彼らの信仰の場であるヒンドゥー教の寺院がこの国には至る所にあるんです。同じ島国であるセーシェルにも首都に立派な寺院がありましたが、数が全く違います。

アフリカというよりもアジアの国を旅しているかのような気分になるモーリシャス。これまで訪れてきた他のアフリカの島国にはなかった非常に強いインド文化を感じます。

マクドナルドがある国

ただ、色鮮やかな寺院よりも大興奮してしまったのは泣く子も黙(だま)る黄色いMのマークを見つけた瞬間でした。そう、なんとこの国にはマクドナルドがあるんです!

何をそんなに驚いてるのですか?と思われるかもしれません。世界的に有名な店なんだからアフリカにもあって当然でしょ!となりますよね。同じファストフード界の頂点に君臨(くんりん)するフライドチキンの王者、ケンタッキーフライドチキンはアフリカ54ヶ国中25ヶ国で展開しています。たびたび見かけるKFCの文字に食欲をそそられることはしばしば。ここモーリシャスにももちろんあります。

対してマクドナルドがあるのはわずか4ヶ国!アフリカでは激レアなんです。しかも他の3ヶ国はエジプト、南アフリカモロッコというアフリカの超主要所の国が並ぶ中、そこに名を連ねるモーリシャス。マクドナルド一つでこの国のチカラを思いっきり見せつけられました。

しかも店舗数も一つや二つじゃないんです。この旅中はMを見つけるたびに大興奮。もちろん日本ではこんな感覚にはなるわけはなく、アフリカならではの楽しいマック探しです。といっても旅中に私がマクドナルドを食べることはまずありません。日本の味には敵わないと思うので。一方、世界共通の味とクオリティーで提供されるのがKFC!アフリカ旅で疲れたココロとカラダにはケンタがよーく沁(し)みます。

そんなこんなでバスに乗ること1時間。島の中央部に近づいてくると目に飛び込んできたのは美しい海の広がる島国のイメージとは異なる都会の景色です。なんなんだこの国は!?と驚きが止まらない中、首都に向かう途中ですトリアノン(Trianon)という場所のバス停で下車。降りたのには理由があるのですがそれはあとで書きたいと思います。

ショッピングモール

さぁ、時刻はお昼過ぎ。お腹が空いたぞ~ということでバス停のすぐ近くにあるショッピングモールへ向かうと、それが想像を遥(はる)かに超える巨大なモールだからもう空いた口が塞(ふさ)がりません。ショッピングモールLa City Trianon。さっそくここでも駐車場に停まるたくさんの車の後ろにMの文字を発見です。

たくさんの人が行き交うモール内。今日が日曜日だからかもしれませんが、家族連れのみなさんでものすごく賑(にぎ)わっています。そして極めつけは

フードコーーート!定番のピザやハンバーガーはもちろん、インドのカレーや中国やタイをはじめとした人気のアジアンフードなど、あらゆる食がずらっと並びます。そしてこんなに人で溢(あふ)れているのに床やテーブル、さらにトイレまでが清掃員のみなさんによって清潔(せいけつ)に保たれていて。

これがアフリカと呼ばれる括りの国という事実に思考はもうパンク状態。ちなみにこのレベルかそれ以上のショッピングモールが半径5km圏内に他にもいくつか存在するモーリシャス。こんな国、初めてです。

メトロ・エクスプレス

首都ポートルイスへ行く!という移動だけで終わるはずが、あまりに多くの刺激でモーリシャスに圧倒されてしまった本日。ラストはいよいよ目的の首都へと向かうのですが、その移動手段がこちらの電車になります。

空港でもらったモーリシャスの地図の表紙に載っていた電車の写真。まさかこんな小さな島国に電車が走っているわけがないでしょ~とはじめは完全に疑っていたわけですが、宿の方に聞くと「トリアノンのバス停で降りればすぐに乗れるよ!」と言われ。

実際に来てみたら本当に駅がありまして…もう、驚きません。『アフリカ』や『島国』というイメージを覆(くつがえ)す大自然と都市が融合したリゾート大国、それがモーリシャスなんです。

2019年に運行を開始したばかりのモーリシャスの電車「メトロ・エクスプレス」。現在も新駅の建設が進行中で、ゆくゆくは中央部の町キュールピップ(Qurepipe)から首都ポートルイスまでの全長約30kmをつなぐ路線が完成する予定です。写真は建設中のキュールピップ駅。

電車は13分に1本程度あり、ホームでチケットを購入して乗車します。料金は区間ごとに異なりますが、これまたホームにいる駅員さんが助けてくれるのでノープロブレム。バスよりはお値段がしますが、大きな窓ガラス越しに外の景色を眺めながらモーリシャスの中心地を進んでいく電車ツアーのような気分が楽しめるので、これで200円しないのはお得かなと!

ということでトリアノンから電車に乗って30分。ついに到着したモーリシャスの首都ポートルイス。降り立った駅はまさにその中心に位置します。

もう驚かないと決めていたのに…。モーリシャス、半端(はんぱ)ないって!

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