スーダンを旅する⑤ ラマダン終了!再開した日常の様子 〜真夏の旅の注意点と面白い水事情〜

2022年5月3日、天気晴れ。

スーダンの歩き方

外に出ると朝から相変わらず暑い夏のスーダンです。これが冬になるとものすごく寒くなるそうなのですが、今は正直まだ信じられません。また今日も暑い暑い1日が始まることに気持ちが折れそうになっていますが、いつの間にかスーダンの旅も折り返し地点。暑さというのは経験した自分にしかわからない特別な思い出です。スーダンの夏、最後まで満喫したいと思います(無理厳禁で)。

ただそんな暑さを一瞬忘れさせたのが昨日とは打って変わったシェンディの町の様子です!店は閉まり人もほとんどいなかった昨日。それが今日は車は走ってるしお店も朝からやってるんです。ラマダン明けのお祝いは1週間ほど続きますが、今日から少しずつ平常運転に戻っていくそう!ということでスーダン旅で初めての朝ごはんは商店で買ったヨーグルト。暑いと酸味があるものでスッキリしたくなるんです。カルシウム不足も気になっていたので、これでバッチリ!

店の外でゴクゴク飲んでると、面白い車に乗った若者たちもお店にやってきて、冷たい飲み物を買って去っていきました。こんな当たり前の光景が先日まではなかったんです。ラマダンが終わったんだとようやく実感する朝の風景。お腹が満たされたところで、私も移動開始です。

さぁ、シェンディから次はどこへ行こうか。スーダンの北東部の紅海沿いか、スーダンの歴史をさらに感じるための遺跡巡りか。いろいろと計画を練っていました。が、スーダンの旅はそう簡単に進めることができないんです。理由その一は移動距離の長さ。アフリカで3番目に大きいこの国。自分が行ってみたいと思う場所を調べると軽く600km以上は離れているという事実を突きつけられます。そしてこれだけだったら問題はないんです。この長距離移動に夏のスーダンの暑さがかけ合わされるとさすがに厳しいぞと。スーダンの夏は4月から7月。その中でも最も気温が高くなるのが5月!往復の距離を考えたら自ずとここから先へ進もうという気持ちが弱まります。

さらに追い討ちをかける理由その二。私、お金が無いんです。アフリカ旅に関してよく聞かれることの一つに『旅の資金はどうしてるんですか?』という質問があります。結論はシンプルに”貯金”なんですが、このスーダン旅では間も無くお金が無くなるかもというピンチを迎えています。なんとこの国はクレジットカードが使えないんです。…お金の話はまた今度じっくりと!

ということで健康面と金銭面を考慮した結果、首都に帰ろう!となりました。特に健康面。本当に暑い中無理をしてはいけないということを現在進行形で学んでいるところです。最初の2日間に炎天下の中4万歩も歩いたことが今になって響いてきています。残りのスーダン旅はゆっくりのんびりいきたいと思います。

シェンディの町で最後の紅茶をいただいたあとは、昨日からずっと私のことを気にかけてくれたアブラハムさんがリキシャでバス乗り場まで送ってくれました。お金を払おうとすると「いらないよ!」というので、代わりに彼が大好きなタバコを一本買ってプレゼント。ラマダン中はタバコも禁止なので、朝から吸えるのが本当に嬉しそうな彼でした。お世話になりました!シュクラン!!

行きは車でしたが帰りは高速バスに乗車です。首都ハルツームまでは4000スーダンポンド(約1200円)。バスは30分ほどで満員になり出発しました。

なんと車内サービースがあるスーダンの高速バス。プラスチックのコップを渡されたので何が飲めるのかなぁとドキドキしながら待っていると注いでくれたのは水でした!なんだ水かぁ~とはならないのがスーダン。ただの水にこの旅で何度救われたことか。

スーダンの「水」

アフリカ旅中に絶対に常備しておくべきものの一つが水です。旅中はペットボトルの水を飲みます。日本のように水道水が安心して飲める国というのはアフリカでは非常に稀(まれ)。例えば先日ウガンダで宿泊したロッジでは飲料用ではなく歯磨き用にペットボトルの水が用意されていました。水でお腹を壊すというのはよくあることなのかもしれません。

そのため水というのは”お金を払って飲むもの”というのがアフリカのみならず海外ではよくあることです。卓上に水の入ったピッチャーが置いてあったり、「お冷くださ~い」とお願いすれば居酒屋でも牛丼屋でもサービスで出てきたりするのは日本ならでは!本当に日本の浄水技術はスゴイということです(小学校4年生の社会科で学習します)。

そんな中、なんとここスーダンでは面白いことに水がサービスで出てくるんです。コップまで用意してくれて、好きなだけ飲んでくださいスタイル。

さらに飲食店を中心に見かける冷水機や冷水タンク。お金がかかる水かと思いきや、道ゆく人がサラッときて、ゴクっと一杯飲んで去っていくんです。これには本当にビックリ!

灼熱の国スーダンなので水分補給は本当に必要不可欠です。しかし、ここは雨がほとんど降らない砂漠の国。にも関わらず人々が自由に水が飲めるのは、この国を流れるナイル川のおかげなのかなと想像ができます。私もこの国に来てからは地元の人といっしょにこの水をいただいています。日本のような浄水処理はされていないと思いますが、今のところカラダはいたって健康そのものです。※人によっては水でお腹を壊す可能性があるので気をつけてください。

日差しも暑いのでカーテンを閉め切った状態で進むこと2時間半。車内にはクーラーが効いていたので快適な移動でハルツームに帰ってきました。ラマダンが明けて初めての首都の様子を見るぞということでワクワクしながら、北部の中心地へ向かうと

昼から外でご飯を食べたり飲み物を飲みながらおしゃべり人の姿が。やっぱりラマダンは終わったんだと確信してホッと一安心。今考えるとよくみなさん飲食無しにこの暑さを1ヶ月間乗り切っていたよなと。人出も明らかに増えた首都ハルツーム。これで私も堂々とお昼ご飯が食べられます。

美味しそうなレストランを見つけたらもう我慢することは不可能。中東の括(くく)りにも属する北部アフリカに来たらやっぱり食べたいのは日本だとケバブの名前で有名な「シャワルマ」です。

スーダンの食「シャワルマ」

シャワルマは、羊肉や鶏肉を金属製の串に突き刺した状態で回転させて焼いた、レバント(トルコ・シリア・レバノン・ヨルダン・パレスチナ)近辺の料理。

Wikipediaより】

薄焼きのピタパンにソースやマヨネーズを塗って、その上に薄切りにした鶏肉を広げたらクルクル巻いてできあがり!最高の北アフリカのファストフードです。注文な際には辛くするかを必ず聞かれるので、苦手な方はジェスチャーで「辛い、No!」と伝えれば大丈夫。このボリュームでさらにスーダンといえばの100%フレッシュマンゴージュースもつけて約300円というのが本当に信じられません。厨房(ちゅうぼう)は暑いようで汗をかきながら作ってくれるお兄さんたち。それでも笑顔を絶やさずに仕事をする姿がとってもクール!美味しいシャワルマ、ご馳走様でした。

お腹が満たされると本当に元気になるもので、そのあとはミニバスも上手に使いながらハルツームの街をゆっくりとアチコチ巡りました。正直もうあまりに暑すぎるので早めに次の国に渡航しようかな!?と今朝の時点では思っていました。が、ラマダンが明けて本来のスーダンの人々の様子がようやく見えて来たのかもしれません。これまで以上に街中で声をかけられることが増え、そのたびにココロが元気になっていきます。

連日の暑さは続きますが、ラマダンは終了したことを確信したことで何か心持ちが軽くなった本日。しかし、まだ不安なこともありまして。先日あたりからずっと話題に挙げている『お金』のこともかなり大きいのですが、実はもう一つ。暑さの影響ですっかり忘れていたスーダンの『外国人登録』なるものの存在。ハラハラドキドキのスーダン旅はまだまだ続きそうです。

2 件のコメント

  • コジマ先生 こんにちは!
    先生の新規投稿の度、「やったあ!今日はどんな旅が出来るのだろう」と心はアフリカへ飛んでいきます
    家族の介護や仕事で疲れた時に とっても力をもらっています
    (声をかけられることが増えココロが元気になっていきます) この一文には自分が忘れがちな大切な宝石を見つけた気分になりました  ありがとうございます!

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